採用代行 / 比較・選び方
採用の改善サイクルの回し方
採用の運用を改善するとき、一度に複数を変えると、何が効いたか分からなくなります。文面を変え、条件を広げ、媒体を追加する。同じ月にやれば、数字が動いても原因が特定できません。この記事では、変える対象の順番と、効果を測る単位を整理します。定例会での議論の進め方は定例会で見るべき数字にまとめています。
変える対象を一つか二つに絞る
同じ月に変えるのは、一つか二つまで。三つ以上変えると、効果の切り分けができません。
そして、変えたことを記録してください。いつ、何を、なぜ変えたか。数字の横に書いておけば、後から原因を追えます。
優先順位は、落ちている工程から決めます。
- 送信件数が出ていない → 稼働か条件の問題
- 返信が来ない → 文面か候補者選定の問題
- 面談が組めない → 日程の出し方か、返信対応の問題
- 書類が通らない → 要件と母集団のずれ
- 面接から進まない → 面接の内容か条件の問題
上から順に見て、最初に詰まっている工程から手をつけます。下の工程を直しても、上が詰まっていれば全体は動きません。
工程ごとの打ち手
送信件数が出ていない
- 検索条件を広げる
- 稼働時間を増やす
- 文面の作り込みを簡略化する
- 媒体を追加する
返信が来ない
- 文面の冒頭を変える
- 候補者ごとの書き分けを増やす
- 送信の時間帯を変える
- 条件の書き方を見直す(年収の幅、勤務地の表記)
面談が組めない
- 候補日をまとめて提示する
- 返信への対応を速くする
- 面談の形式を増やす(オンライン、短時間)
書類が通らない
- 要件を見直す
- 落とす理由を再度共有する
- 検索条件を絞る
面接から進まない
- 面接での説明を見直す
- 条件の目線合わせを早い段階で行う
- 面接官の間で基準を揃える
下の二つは、自社側の打ち手です。代行の運用を変えても直りません。
エラベルの見解
改善のサイクルで、効果を測る単位を先に決めてください。ここが曖昧だと、判断がぶれます。
たとえば、文面を変えたとします。効果を見るのは何件送った時点か。一週間後か、一か月後か。件数が少ないうちの数字は、偶然の影響が大きい。
だから、「この件数を送るまでは判断しない」と決めておいてください。件数が溜まってから比べる。これで、偶然に振り回されなくなります。
そして、比べる相手も決めておきます。前月の同じ職種か、変更前の同じ文面か。条件が違うものと比べると、差の意味が読めません。
さらに、変更しない対照を残すという方法もあります。同じ職種で、一部は従来の文面、一部は新しい文面。同じ期間で比べられます。
ただし、これは母集団に余裕がある場合に限ります。母集団が薄い職種では、分けるだけの件数がありません。その場合は、期間で分けて比べます。
改善は、変えることより測ることが難しい。測り方を先に決めておくと、サイクルが回り始めます。
サイクルの周期
月次で回す。定例会で数字を見て、次に変えることを決める。これが基本の周期です。
変更の効果が出るまで待つ。文面を変えて翌週に判断すると、件数が足りません。一巡するまでは、途中の数字で見ます。
四半期で構造を見る。月次では見えない傾向。経路別の実績、担当者の変化、季節の要因。
半期で体制を見る。範囲、稼働量、契約の条件。扱いは契約を半期で見直す観点にまとめています。
この四層に分けると、それぞれの周期でやることが決まります。月次で構造の話をすると運用が止まり、半期で細かい数字を見ても判断できません。
誰が改善を主導するか
代行側から提案が出るのが自然な形です。実務を担っているので、詰まりどころが見えています。
ただし、提案が出るかどうかは設計に依存します。稼働の中に改善を考える時間が含まれているか、提案が検討される場があるか、渡している情報が十分か。
自社側が決める部分もあります。要件の見直し、条件の変更、面接の内容。これらは代行が提案しても、決めるのは自社です。
改善の担当を決めてください。誰が数字を見て、誰が変更を決めるか。決まっていないと、数字を見て終わります。
記録の残し方
- 変更した日と、変えた内容
- 変更の理由(何を狙って変えたか)
- 変更前後の数字
- 判断(効果があったか、戻すか、続けるか)
この四つを一つの表にしておくと、経年で追えます。
そして、うまくいかなかった変更も残してください。試したが効果がなかった施策。次の担当者や、次の代行会社に渡せます。
記録がないと、同じ試行を繰り返します。半年前に試して効かなかった施策を、また試すことになる。
改善が止まるとき
数字を見ているが、変えていない。定例会で数字を確認して終わっている。次に変えることを決める議題を入れてください。
変えているが、記録していない。何を変えたか分からなくなり、効果も測れない。
提案が出てこない。渡している情報が薄いか、稼働に余裕がないか、提案が検討されていないか。扱いは代行の担当者に当事者意識を持ってもらうにまとめています。
自社側の工程が詰まっている。書類の合否、候補日の提示。代行の運用を改善しても、全体は動きません。
四番目が最も多い。改善の議論をする前に、自社側の所要日数を確認してください。
エラベルの見解
改善のサイクルで、「変えない」という判断も選択肢に入れてください。
数字が動かないと、何かを変えたくなります。文面を直す、条件を広げる、媒体を追加する。ところが、変える理由が「動かないから」だけだと、当てずっぽうになります。
そして、変え続けると、何が効いているのか分からなくなります。元の状態がどうだったかも失われます。
だから、変える前に「なぜ動かないか」の見立てを立ててください。文面が読まれていないのか、読まれているが響いていないのか、そもそも母集団が薄いのか。
見立てがあれば、変える対象が決まります。見立てがなければ、まず情報を集めるほうが先です。開封の状況、返信の内容、断られた理由。
そして、見立てが立たない場合は、変えずに続けるという判断もあります。件数が溜まれば、傾向が見えることがあります。
改善は、変えることが目的ではありません。何が起きているかを理解して、その上で手を打つ。理解が先です。
まとめ
- 同じ月に変えるのは一つか二つまで。変えたことを記録する
- 優先順位は、落ちている工程から。上の工程から見る
- 工程ごとに打ち手が違う。書類選考と面接は自社側の打ち手
- 効果を測る単位を先に決める。件数、比べる相手
- 周期は四層。月次で運用、四半期で構造、半期で体制
- 提案は代行側から出るのが自然。ただし設計に依存する
- 記録は、変更日・内容・理由・前後の数字・判断の四つ
- 「変えない」も選択肢。見立てが立たないなら情報を集めるのが先
よくある質問
何から改善すればよいか分かりません
工程ごとの数字を上から並べ、最初に詰まっている箇所を見つけてください。送信、返信、面談設定、書類通過、面接。上が詰まっていれば、下を直しても全体は動きません。特定できたら、その工程の打ち手を一つ選びます。
変更の効果が判断できません
件数が足りていない可能性があります。何件溜まったら判断するかを先に決めてください。あわせて、比べる相手も決めます。前月の同じ職種か、変更前の同じ文面か。条件が違うものと比べると、差の意味が読めません。
代行から改善の提案が出ません
渡している情報と、稼働の中身を確認してください。求人票だけを渡している状態では、提案の材料がありません。あわせて、過去に出た提案に返事をしていたかも振り返ってください。検討されない提案は、次から出てこなくなります。