採用代行 / 比較・選び方
副業人材と代行会社の使い分け
人事経験のある人に副業として手伝ってもらうか、代行会社に依頼するか。この二つは競合するというより、任せられる業務の性質が違います。副業の稼働は時間帯が限られ、量も本業に左右される。一方で、現在進行形の知見を持っていることがあります。この記事では、切り分けの基準と、併用の設計を整理します。副業人材との運用は副業人材に採用業務を委託するときの実務にまとめています。
分かれ目は即時性
副業人材に任せにくいのは、日中の即時対応が要る業務です。
- 候補者からの連絡への当日中の返信
- 日程調整の往復(相手の返信に合わせて動く)
- 面接当日の急な調整
- 現場責任者との日中の打ち合わせ
これらは、本業のある時間帯に発生します。副業の稼働は夜間や週末になることが多いため、対応が翌日以降になります。
逆に、締切さえ守られれば時間帯を問わない業務は任せられます。
- 候補者の検索と条件の設計
- スカウト文面の作成と改稿
- 求人原稿の作成
- 書類の一次仕分け(締切を決めれば)
- 選考設計や要件整理の相談
- 稼働の分析とレポート
この切り分けが、使い分けの基本になります。
二つの強みは違う
| 副業人材 | 代行会社 | |
|---|---|---|
| 稼働の時間帯 | 夜間・週末が中心 | 日中に対応できる |
| 稼働の安定性 | 本業に左右される | 体制で吸収できる |
| 知見の鮮度 | 現役なら現在進行形 | 案件を通じた蓄積 |
| 処理量 | 一人分の一部 | 体制を組める |
| 費用 | 抑えられる | 管理のコストが乗る |
| 得意な業務 | 判断・設計・成果物 | 処理・運用・即時対応 |
副業人材の強みは、現役の知見と、判断が要る業務です。事業会社で現在も採用を担当している人なら、どの媒体が動いているか、どういう文面に反応があるかを知っています。
代行会社の強みは、処理量と即時対応です。日中に動け、量を捌ける体制があります。
この違いを踏まえると、併用の形が見えてきます。
エラベルの見解
併用を考えるとき、副業人材には「設計」、代行会社には「実行」を任せる形が噛み合いやすい。
副業で採用を手伝う人の多くは、事業会社で採用を担当しています。要件の言語化、候補者の見極め、文面の設計。判断の部分に強みがあります。そして、この業務は成果物として納品でき、時間帯も選びません。
一方、日々の運用は量が要ります。スカウトの送信、返信への一次対応、日程調整。これは日中に動ける体制でないと回りません。
だから、副業人材に設計してもらい、代行会社が実行するという形が成立します。検索条件と文面を副業人材が作り、送信と対応を代行が担う。
この形の利点は、判断の質と処理量の両方を取れることです。そして、費用も抑えやすい。設計は稼働時間が短く、実行は単価の安い体制で回せます。
ただし、受け渡しの設計が要ります。誰が何を作り、いつ渡し、結果をどう戻すか。ここを決めないと、分断されます。
社内に管理する人がいることが前提の形ですが、噛み合えば効果は大きい。
併用のパターン
設計と実行を分ける。副業人材が条件と文面を設計し、代行会社が送信と対応を担う。判断の質と処理量の両方を取れます。
職種で分ける。難易度の高い職種を副業人材、量のある職種を代行会社。
時期で分ける。立ち上げ期に副業人材が設計に入り、運用に移ったら代行会社が回す。
相談役として置く。副業人材には定期的な相談だけを頼み、実務は代行会社。社内に採用の判断ができる人がいない場合に効きます。
この四つのうち、四番目は見落とされやすい形です。月に数時間の相談だけでも、代行会社の提案を評価する目が社内に加わります。
受け渡しの設計
分けて使う場合、次を決めます。
- 成果物の形式(文面や条件を、どの形式で渡すか)
- 渡すタイミング(月次か、必要に応じてか)
- 結果のフィードバック(送信の結果を、設計した側にどう戻すか)
- 情報の置き場所(自社の環境に集約する)
- やりとりの経路(直接か、自社を経由するか)
三番目が抜けると、設計が改善しません。文面を作った人に結果が戻らないと、次の改稿ができない。送信件数と返信率を、設計した側にも共有する仕組みが要ります。
五番目も決めておきます。副業人材と代行会社が直接やりとりする形にするか、自社を経由するか。直接のほうが速いですが、自社が状況を把握できる仕組みは残しておきます。
切り替えの時期
副業人材から代行会社に、あるいはその逆に切り替える目安です。
副業人材から代行会社へ
- 依頼の量が一人の稼働を超えた
- 日中の即時対応が必要な業務が増えた
- 複数職種を並行して回す必要が出た
- 稼働が止まるリスクを下げたい
代行会社から副業人材へ
- 範囲が設計中心に絞られた
- 社内に採用担当が入り、実行は内製で回せる
- 費用を抑えたい
- 特定の職種に強い個人が見つかった
どちらの切り替えでも、成果物と情報が自社に残っていれば移行は軽くなります。文面、検索条件、判断の基準。手順は切り替えるときの引き継ぎ項目にまとめています。
契約と管理
副業人材に依頼する場合、契約の確認事項は個人への委託と同じです。範囲、報酬、期間、秘密保持、個人データの取り扱い、成果物の帰属。あわせて、指揮命令の整理と支払いまわりの確認が要ります。詳細はフリーランスの採用担当に直接委託する場合の契約にまとめています。
併用する場合、情報の置き場所を一本化してください。自社の採用管理システムに集約し、それぞれにアクセス権を渡す。各自の手元に情報が溜まる形だと、全体像が見えなくなります。
そして、権限の一覧を作って四半期に一度棚卸しします。関わる人が増えるほど、この作業の価値が上がります。
エラベルの見解
副業人材と代行会社を比べるとき、「本業で何をしているか」を聞くかどうかで判断が変わります。
事業会社で現在も採用を担当している人なら、現在進行形の情報を持っています。どの媒体で候補者が動いているか、どういう条件が通らなくなったか、どの職種が採りにくくなったか。これは、案件を通じた蓄積とは別の種類の情報です。
一方、採用の実務から離れて時間が経っている人なら、知識は過去のものになっています。経験は残りますが、市場の情報は更新されていません。
だから、副業人材に依頼するときは本業の内容を聞いてください。現役かどうかで、期待できるものが変わります。
そして、現役の場合は繁忙期も聞いておきます。採用の繁忙期は業界で重なることが多いので、自社が忙しい時期に相手も忙しいという事態が起こり得ます。
この確認をしておくと、併用の設計もしやすくなります。相手が動けない時期に、代行会社が吸収する形を組んでおけば、運用は止まりません。
まとめ
- 分かれ目は即時性。日中の対応が要る業務は副業人材に任せにくい
- 副業人材の強みは現役の知見と判断が要る業務、代行会社は処理量と即時対応
- 併用は、設計を副業人材、実行を代行会社という分け方が噛み合いやすい
- 併用のパターンは、設計と実行・職種・時期・相談役として置く
- 受け渡しでは、結果のフィードバックを設計した側に戻す仕組みが要る
- 情報の置き場所は一本化する。権限の一覧を四半期に一度棚卸しする
- 切り替えの目安は、稼働量・即時対応の必要・並行する職種数・止まるリスク
- 副業人材には本業の内容と繁忙期を聞く。現役かどうかで期待値が変わる
よくある質問
副業人材だけで採用を回せますか
範囲によります。設計と成果物の作成だけなら回せますが、日中の即時対応が要る業務は難しくなります。応募者への一次連絡や日程調整が発生するなら、その部分を社内で持つか、別の担い手を用意してください。
併用すると管理が大変になりませんか
窓口が増えるぶん手間は増えます。社内に管理できる人がいることが前提の形です。管理が難しいなら、どちらか一方に絞って範囲を調整するほうが回ります。判断は、社内の体制で決めてください。
副業人材のほうが費用は安いですか
単価は抑えられることが多い形です。ただし、稼働できる量が限られるため、同じ業務量を任せる場合の総額は必ずしも安くなりません。あわせて、品質の確認と引き継ぎの備えを自社が担う点も、時間として計算に入れてください。