採用代行 / 比較・選び方
キックオフで決めておく5つのこと
契約が決まって、最初の打ち合わせ。ここで決めた内容が、その後の運用を左右します。決めずに始めると、確認のたびに相談が発生し、立ち上げが長引きます。この記事では、キックオフで決めておく五つを整理します。契約後の計画の確認は契約後の最初の三か月で何が起きるかにまとめています。
一.役割分担
工程ごとに、誰が担当するかを決めます。
- 代行が担う工程(母集団形成、応募対応、日程調整、一次仕分け)
- 自社が担う工程(合否判断、面接、条件提示、要件の決定)
- 両者で行う工程(要件の擦り合わせ、選考設計)
そして、代行側の体制も確認します。実際にスカウトを送るのは誰か、日程調整は誰が行うか、報告は誰が作るか。複数人体制なら、役割の内訳を聞いておきます。
自社側も窓口を決めます。誰に何を伝えるか、判断を求める相手は誰か。窓口が複数あると、依頼が分散します。
範囲外が発生したときの扱いも、この場で決めておきます。追加費用になるのか、範囲内で調整するのか。
二.連絡と報告
連絡の経路を決めます。
- 即時の確認(チャットか電話か)
- 通常の確認(チャットかメールか)
- 判断や変更(定例会で決める)
この三つを分けておくと、範囲外の依頼が日々の連絡に混ざりません。設計は採用代行とのコミュニケーション設計にまとめています。
報告の様式と頻度を決めます。
- 稼働報告の項目(工程ごとの内訳、成果物の量、判断の理由、担当者名)
- 提出の期限
- 形式(表計算で受け取れるか)
そして、定例会の頻度と議題を決めます。立ち上げ期は頻度を上げ、運用が安定したら下げる。議題に「今月うまくいっていないこと」を固定で入れておくと、問題が溜まりません。
エラベルの見解
キックオフで決める五つのうち、運用の速さを最も左右するのが「判断の基準と所要日数」です。ここを決めないまま始めると、確認のやりとりが積み上がります。
決めるのは二つの方向です。
代行側から自社への確認。書類の合否、条件の相談、範囲外の対応。それぞれ、何日以内に回答するかを決めます。
自社から代行への依頼。文面の修正、条件の変更、追加の依頼。こちらも期限を決めます。
そして、確認せずに進められる範囲を広げてください。判断の基準が文書になっていれば、代行側が自分で判断できます。「この条件なら通す」「この場合は落とす」。基準がないから確認が発生します。
だから、キックオフでは「何を確認してほしいか」より「何を確認せずに進めてよいか」を伝えるほうが効きます。
自走できる範囲が広いほど、確認の往復は減り、自社の時間も空きます。そして、代行側も動きやすくなります。
判断の基準を渡すことは、権限を渡すことではありません。基準の中で処理し、境界にあるものだけを戻す。この形が、双方にとって効率的です。
三.判断の基準と所要日数
判断の基準を渡します。
- 採用要件(必須と歓迎、落とす理由)
- 書類を通す基準と、落とす基準
- 迷ったものをどう扱うか(抽出して戻す形にします)
- 条件の提示に関する自社の考え方
所要日数を決めます。
- 書類の合否を返すまで
- 面接の候補日を提示するまで
- 質問への回答まで
- 要件の変更を伝えるまで
四つとも、自社側の約束です。代行側の対応時間だけを決めても、全体の速度は変わりません。
そして、決めた日数を守れる仕組みも一緒に作ってください。誰が決めるか、その人が不在のときは誰が代わるか。承認の階層が深いほど遅くなります。
四.初期の成果物と期限
立ち上げ期に何が出てくるかを決めます。
- 採用要件の整理(文書として)
- 求人原稿、スカウト文面
- 候補者の検索条件
- 応募者への連絡テンプレート
- 選考フローの整理
それぞれの期限も決めます。そして、自社が確認する期限も決めます。初稿が出たときに確認が遅れると、次の工程も遅れます。
成果物の形式も確認します。編集できる形式で受け取れるか。閲覧しかできない形だと、次で使えません。
この五つが揃った時点で、立ち上げは完了です。完了の目安を決めておくと、稼働の配分も変えられます。
五.指標と見直しの時期
見る指標を決めます。
- 工程ごとの数字(送信、返信、面談設定、書類通過)
- 自社側の数字(合否までの日数、候補日の提示までの日数)
- 社内の時間の変化
目標値は、実績が出てから設定する形でも構いません。立ち上げ期の数字は運用が固まっていないため、基準にすると後で合わなくなります。合意の進め方はKPIの合意のしかたにまとめています。
見直しの時期を決めます。
- 立ち上げの完了を確認する時期
- 一巡が終わった時点での評価
- 契約更新の判断をする時期(予告期限から逆算)
そして、予告期限をカレンダーに入れてください。自動更新の契約では、期限を過ぎると次の期間が始まります。
キックオフの進め方
参加者を決める。代行側は実務を担う人、自社側は判断できる人。窓口だけの参加だと、決まるものが少なくなります。
現場責任者にも出てもらう。要件の背景を直接伝える機会になります。毎回でなくて構いません。
事前に資料を渡す。要件、過去の実績、判断の流れ。当日に説明する時間が減ります。
決めたことを記録する。議事として残し、双方で共有します。
宿題を割り当てる。誰が、いつまでに。次の打ち合わせは、宿題の確認から始めます。
この五つで、キックオフは判断の場になります。説明を聞く場で終わらせないでください。
エラベルの見解
キックオフで、「うまくいかなかったときにどうするか」を先に話しておいてください。この話をしておくと、後の運用が変わります。
決めておくのは三つです。数字が動かないときに、原因をどう切り分けるか。代行側に原因がある場合に何をするか。自社側に原因がある場合に何をするか。
この話を最初にしておくと、実際に詰まったときの会話が短く済みます。原因の切り分けから始まり、対処の選択肢も決まっているので、次に何をするかの議論に進めます。
そして、この話をすること自体が、関係の性質を決めます。うまくいく前提だけで始めると、詰まったときに責任の話になります。詰まることを前提に設計しておくと、一緒に直す関係になります。
さらに、相手の反応も見えます。この話に素直に応じる会社は、運用の経験があります。「大丈夫です、成果を出します」としか言わない会社は、詰まったときの手順を持っていない可能性があります。
キックオフは、うまくいく計画だけを共有する場ではありません。うまくいかない場合も含めて設計すると、その後が安定します。
まとめ
- キックオフで決めるのは、役割分担・連絡と報告・判断の基準と所要日数・初期の成果物・指標と見直し
- 役割は工程ごとに。自社側の窓口も決める
- 連絡は、即時・通常・判断の三つに分けて経路を割り当てる
- 運用の速さを左右するのは「判断の基準と所要日数」
- 「何を確認してほしいか」より「何を確認せずに進めてよいか」を伝える
- 成果物と期限を決める。自社が確認する期限も決める
- 目標値は実績が出てから。予告期限をカレンダーに入れる
- 「うまくいかなかったときにどうするか」を先に話しておく
よくある質問
キックオフにどのくらい時間をかけるべきですか
事前に資料を渡しておけば、一時間から二時間で足ります。当日に説明から始めると時間が足りません。要件や過去の実績は事前に読んでもらい、当日は決めることに時間を使ってください。
現場責任者を呼ぶべきですか
要件の背景を伝える意味では、出てもらう価値があります。ただし、毎回である必要はありません。キックオフと、要件が変わるタイミングで出てもらう形が現実的です。日程が取れない場合は、人事が現場から聞いた内容を文書にして渡してください。
決めきれない項目があります
決まっていないことを明記し、いつまでに決めるかを宿題として割り当ててください。曖昧なまま進めると、運用が始まってから確認が発生します。特に、判断の基準と所要日数は早めに決めておくと、立ち上げが速くなります。