採用代行 / 医療
医療業界で採用代行が機能する条件・機能しない条件
医療業界の会社(病院・診療所・訪問の事業所)が採用代行を使って「うまくいった」「うまくいかなかった」と言うとき、その差は代行の腕の差だと思われがちです。同じ代行が、ある病院では看護師の応募から入職までの日数を縮めて離職を減らし、別の病院では「応募は増えたが配置できず、入職してもすぐ離れた」で終わる。違いは、発注側の条件にあります。結論を先に書くと、医療業界で採用代行が機能するかどうかは、資格と配置の要件を会社と専門家で整理してから出しているか、夜勤と診療科の実態を看護部長が語っているか、面接の枠を先に預けているか、職種と型で経路を分けているか、受け入れを現場が持っているか、医師の採用を代行に求めていないか、記録を一つの一覧にしているか、の七つで決まります。代行に出す工程の切り分けは医療業界の採用代行に、課題の分解は医療業界の採用課題に書いています。ここでは、機能する条件と機能しない条件を対で並べ、自社がどちらにいるかを発注前に確かめる形に絞ります。
七つの対
| 軸 | 機能する条件 | 機能しない条件 |
|---|---|---|
| 資格 | 資格の区分と配置の要件を会社と専門家で整理してから出す | 「看護師募集」だけで出し、区分の整理を代行に求める |
| 実態 | 夜勤と診療科の実態を看護部長が語り、求人票に落ちている | 実態が無いか、「働きやすい」で覆っている |
| 枠 | 看護部長と責任者の面接の枠を週に一つ先に預けている | 候補者の希望を聞いてから調整し、日程が延びる |
| 経路 | 職種と型ごとに求人票と経路を分けている | 全職種を一つの媒体と文面で募集している |
| 受け入れ | プリセプターと夜勤の開始の時期を現場が持っている | 一か月目から一人で夜勤に入れ、離職を代行のせいにする |
| 医師 | 医師の採用は院長と部長の関係で、代行は補助まで | 医師の採用を代行の母集団形成に求める |
| 記録 | 職種と部門をまたいで一つの一覧で、定例で見る | 職種ごとに別の場所にあり、定例が無い |
七つのうち、機能しない側に三つ以上あるなら、代行に出す前に変える順番があります。
資格:整理してから出すか、代行に求めるか
| 機能する | 機能しない |
|---|---|
| 会社と専門家で、資格の区分(正看護師・准看護師など)と配置と人員の基準の関係を整理してから、「必須・歓迎」の区分で代行に渡す | 「看護師募集」で出し、応募が来てから配置に合うかを考える |
| 代行は書類で区分と経験の範囲を照合し、合わないものを社内に回さない | 代行が区分の判断まで担い、採ってから配置できないと分かる |
| 事務と補助の「資格不問」は、実際に要る経験を言葉に | 「資格不問」で出し、面接で「経験が無いと無理」と断る |
資格と配置と人員の基準は、法令上の整理があると一般に整理されているため、会社と専門家(社労士等)で整理します。代行は照合まで。個別の判断は専門家にご確認ください。要件の作り方は看護師の採用要件の作り方に書いています。
実態:看護部長が語るか、覆うか
| 機能する | 機能しない |
|---|---|
| 夜勤の回数と形、開始の時期、診療科と忙しさ、人員の配置を看護部長が語り、代行が求人票に落とす | 「アットホーム」「働きやすい」で覆い、実態が求人票に無い |
| 見学を選考の段に置き、候補者が実態を見て判断する | 見学が無く、入職後に「聞いていない」で離れる |
| 事務と補助の業務の範囲(受付・会計・レセプトのどこまで)を書く | 「医療事務」だけで出し、範囲の広さで離れる |
実態を語るのは代行にはできません。看護部長と各部門の責任者が、代行の担当者に一時間の時間を渡すかどうかです。
エラベルの見解
医療業界で代行が機能しない最大の理由は「実態が代行に渡っていない」ことです。看護部長は忙しく、代行の担当者に「求人票はそちらで作ってください」と渡す。担当者は他の病院の求人票を参考に「働きやすい環境」と書く。応募は来ますが、面接で夜勤の回数を聞いて辞退し、入職して診療科の忙しさで離れます。代行の腕の問題ではなく、実態を語る一時間が無かった問題です。エラベルで担当者を選ぶ企業には、「代行の担当者に、看護部長が夜勤と診療科の実態を話す時間を取れますか」を、私たちから先に聞いています。取れないなら、代行に出す前に、実態を一枚に書き出すところからです。求人票の書き方は求人原稿の作成の進め方に書いています。
枠:先に預けるか、聞いてから調整するか
| 機能する | 機能しない |
|---|---|
| 看護部長と責任者の枠(申し送りの後、外来の後、オンライン)を週に一つ先に預け、代行が候補を三つ出して即日で確定 | 候補者の希望を聞いてから看護部長に確認し、返事が数日後 |
| 面接と見学を同じ日に組む | 別の日に組み、二回目の日程で流れる |
| 事務と補助の一次対応を代行が翌営業日中に返す | 事務の返事が院内の担当者の手が空いたとき |
枠の預かり方は面接の日程調整の進め方に書いています。
経路:職種と型で分けるか、一つで出すか
| 機能する | 機能しない |
|---|---|
| 病院の看護師、訪問の看護師、薬剤師・技師、事務・補助で求人票と経路を分け、職種と型ごとに応募の数を記録 | 全職種を一つの媒体と文面で出し、「応募が少ない」を一つの数で見る |
| 代行に、職種と型ごとに経路の運用を任せる | 代行に「とにかく応募を増やして」と頼む |
分け方は医療業界の採用課題の経路の課題に書いています。
受け入れ:現場が持つか、代行のせいにするか
| 機能する | 機能しない |
|---|---|
| プリセプターを決め、最初の三か月は日勤で、到達点を一枚にしている | 一か月目から一人で夜勤に入れる |
| 離れたら退職面談で理由を記録し、受け入れの問題は現場で直す | 離れたら「代行が連れてきた人が合わなかった」で終わる |
| 事務と補助にも教える人と最初の一か月の到達点がある | 事務は「見て覚えて」で、離れる |
受け入れは代行にはできません。受け入れの型は入社後のオンボーディングの進め方に書いています。
エラベルの見解
もう一つ、医療業界で代行が機能しない型に「医師の採用を代行に求める」があります。医師は紹介と大学や学会のつながりで動き、掲載型とスカウトでは届きにくい。代行に「医師も採ってほしい」と出すと、代行は母集団形成で応えようとして、結果が出ず、「代行は機能しない」の印象だけが残ります。医師は院長と部長の関係が中心で、代行は日程と記録の補助まで、と最初から分ける。そのうえで、看護師と事務で代行が機能するかを見る。エラベルで担当者を選ぶ企業には、「医師の採用は、代行の範囲に入れていますか」を、私たちから先に聞いています。入れているなら、範囲から外して、看護師と事務に絞るところからです。「全部任せたい」は機能しません。一つの工程から始めて広げる形が、医療業界では特に要ります。
医師:分けるか、求めるか
| 機能する | 機能しない |
|---|---|
| 医師の採用は院長と部長の関係で進め、代行は日程と記録の補助まで | 医師の採用を代行の母集団形成に含める |
| 看護師と事務で代行の機能を測る | 医師で結果が出ず、代行全体を「機能しない」と判断する |
記録:一つの一覧か、ばらばらか
| 機能する | 機能しない |
|---|---|
| 職種と部門をまたいで一つの一覧(応募・返事の日数・面接・入職・定着)で、週次の定例で見る | 看護部と事務と薬剤部で別の場所にあり、定例が無い |
| 職種ごとに詰まりの段が見える | 「全体で採れていない」しか分からない |
定例で見る数字は採用代行との定例会で見るべき数字に書いています。
機能しない条件を変える順番
| 順 | 変えること | 理由 |
|---|---|---|
| 一 | 医師を代行の範囲から外す | 範囲が違うと、代行全体の評価が狂う |
| 二 | 資格の区分と配置の要件を会社と専門家で整理する | 整理が無いと、採っても配置できない |
| 三 | 看護部長が実態を一枚に書き出す | 実態が無いと、応募が来ても離れる |
| 四 | 枠を週に一つ先に預ける | 枠が無いと、速さが出ない |
| 五 | 職種と型で求人票と経路を分ける | 分けないと、どこにも刺さらない |
| 六 | 受け入れの一枚(プリセプター、夜勤の開始の時期)を作る | 受け入れが無いと、離職が続く |
| 七 | 記録を一つの一覧にする | 記録が無いと、機能しているかが分からない |
七つを一度に変える必要はありません。一と二と三を変えてから、看護師の一次対応の一工程で代行を始め、記録で機能しているかを見て、広げます。
機能しているかを見る記録
| 見ること | 機能している | 機能していない |
|---|---|---|
| 応募から返事までの日数 | 翌営業日中 | 数日後 |
| 面接までの日数 | 一週間以内 | 二週間超 |
| 書類で配置に合わず社内に回った件数 | ほぼ無い | 続く |
| 辞退の理由 | 「条件」「他社」 | 「夜勤」「診療科」「返事が遅い」 |
| 入職後三か月の定着 | 続いている | 離れる |
| 看護部長の時間 | 面接と見学と受け入れに使えている | 一次対応と日程に取られている |
「辞退の理由」と「看護部長の時間」が、医療業界で代行の機能を見る要です。数字は自社の記録で、外の相場とは比べません。
まとめ
- 代行が機能するかは、代行の腕より発注側の条件で決まる
- 七つの対:資格・実態・枠・経路・受け入れ・医師・記録
- 資格・配置・人員の基準は会社と専門家で整理してから出す。個別の判断は専門家にご確認ください
- 実態を語る一時間が無いと機能しない
- 医師は代行の範囲から外す。看護師と事務で機能を測る
- 「全部任せたい」は機能しない。一つの工程から始めて広げる
- 機能しているかは辞退の理由と看護部長の時間の記録で見る。エラベルは担当者を工程ごとに選べる形
よくある質問
看護部長に時間が無く、実態を語る一時間が取れません
一時間が取れないほど看護部長が採用に追われているなら、それ自体が「一次対応と日程を外に出す」理由です。順番としては、まず一次対応と日程を代行に出して看護部長の時間を空け、空いた時間で実態を一枚に書き出し、求人票を直す。実態を語る前に一次対応だけを出すのは、「一つの工程から始める」の型に合っています。ただし、求人票が直るまでの応募は、実態のずれで辞退が続くことを見込んでおきます。
訪問の事業所で、看護部長のような責任者がいません
責任者が管理者一人で、現場も回している事業所では、「実態を語る」「枠を預ける」を管理者が担います。訪問は一人で患者と向き合う働き方で、病院と実態が違うため、「一日の訪問の件数」「移動の手段」「緊急時の対応の型」「一人で判断する場面」を一枚に書き出すのが、病院の「夜勤と診療科」にあたります。枠は訪問の合間かオンラインで週に一つ。管理者が一人でも、この二つがあれば代行は機能します。
紹介会社を使っていて、代行は要らないのではないですか
紹介会社と代行は、担う工程が違います。紹介会社は候補者を推薦するまで、代行は一次対応・日程・書類の照合・記録・経路の運用を担います。紹介会社を使っていても、推薦への返事が遅く、日程が延び、配置に合わない推薦が続くなら、代行が担う工程が空いています。逆に、それらが社内で回っているなら、代行は要りません。紹介会社の推薦の質が上がらないときの見方は紹介会社の推薦の質が低いに書いています。