採用代行 / 比較・選び方
採用組織の作り方
採用の体制をどう作るか。人数の話ではなく、役割と権限の配分の話です。誰が要件を決め、誰が母集団を作り、誰が判断し、誰が実務を回すか。この四つが決まっていれば、人数が少なくても回ります。逆に、決まっていなければ人を増やしても混乱します。この記事では、役割の分け方と、規模ごとの形を整理します。
四つの役割
一.採用の責任者。採用計画の策定、予算の管理、体制の判断。経営に近い立場です。
二.要件の設計。現場と擦り合わせ、必須と歓迎を分け、落とす理由を言語化する。
三.母集団の設計と運用。経路の選定、検索条件、文面、送信と応募対応。
四.選考の判断。書類の合否、面接、条件の決定。
この四つは、必ずしも四人が必要という意味ではありません。小さい規模では一人が複数を担い、大きい規模では複数人で分担します。
そして、四番目は現場と分担することが多い。書類は人事、面接は現場、最終判断は責任者。この配分が組織によって違います。
規模ごとの形
専任がいない規模
- 兼務の担当が、運用と選考の一部を担う
- 要件は現場と経営が決める
- 量のある工程を外に出すと回りやすい
専任が一人いる規模
- 専任が要件の設計と運用を担う
- 選考の判断は現場と分担
- 繁忙期や特定の工程を外に出す
複数人いる規模
- 要件の設計と運用を分ける
- 職種ごとに担当を置く
- 専門性の高い工程や量の波を外に出す
採用の専門組織がある規模
- 責任者、要件、運用、分析を分ける
- 拠点や部門ごとに担当を置く
- 繁忙期の吸収と、新しい手法の立ち上げを外に出す
どの規模でも、外部を使う余地があります。使い方が変わるだけです。
権限をどこに置くか
採用計画と予算。経営、または採用の責任者。
要件の最終決定。事業計画に紐づくため、現場の責任者と人事で決めます。外部には渡しません。
書類の合否。基準に沿った仕分けは任せられますが、決定は自社が持ちます。
面接の実施と評価。自社が行います。一次面接を外に出す場合も、判断は自社に残せます。
条件の提示。既存社員とのバランスや制度が絡むため、自社が持ちます。
運用の進め方。外部に任せる場合、進め方は受託者が決める形にします。
この配分を文書にしてください。誰が何を決めるかが曖昧だと、判断が止まります。工程の切り分けは採用代行とはにまとめています。
エラベルの見解
採用組織を作るときに、「判断を速く返せる仕組み」を先に設計してください。ここが体制の質を決めます。
役割を分けても、判断が滞れば採用は進みません。書類の合否が一週間止まる、面接の候補日が出ない、条件が決まらない。この状態では、誰が何を担当していても結果は同じです。
だから、体制を作るときに次を決めてください。
誰が決めるか。工程ごとに、決定権を持つ人を一人決めます。複数人の合議にすると遅くなります。
その人が不在のときは誰が代わるか。決めておかないと、休暇のたびに止まります。
どこまでを担当者が即決できるか。基準の範囲内なら担当者が決め、境界にあるものだけを上に上げる。承認の階層を浅くします。
所要日数を決める。書類の合否は何営業日以内、候補日の提示は何営業日以内。
この四つがあると、体制が機能します。役割分担の表を作るより、この設計のほうが実務に効きます。
そして、この日数は代行にも伝えてください。相手はこれを前提に計画を立てます。
外部との組み合わせ
外に出しやすいのは、量があって判断の少ない工程です。
- 日程調整、応募者への事務連絡
- データの入力と整理
- スカウトの送信
- 集計とレポート
社内に残すのは、判断と、後から動かせないものです。
- 要件の決定
- 合否の判断
- 条件の提示
- 現場との擦り合わせ
そして、中間の工程は体制によって変わります。検索条件の設計、文面の作成、書類の一次仕分け。社内に担える人がいれば内製、いなければ外注。
この中間の工程をどちらが持つかで、必要な人員が変わります。体制の設計は、ここの判断から始まります。
現場との役割分担
採用は人事だけの業務ではありません。
現場が持つもの
- 要件の背景(どんな人が必要か、なぜか)
- 面接での評価
- 入社後の受け入れ
人事が持つもの
- 要件の言語化
- 母集団の設計と運用
- 選考の進行管理
- 条件の設計
両方で決めるもの
- 必須と歓迎の線引き
- 落とす理由
- 条件の水準
三番目が曖昧になりがちです。人事が決めて現場に通すと、現場の納得が得られません。現場が決めて人事が実行すると、市場から外れた要件になることがあります。両方で決める場を作ってください。
体制を見直す時期
採用の規模が変わったとき。職種が増えた、人数が増えた。
担当者が変わったとき。退職、異動、新しい担当の入社。
外部との契約が変わるとき。範囲の変更、契約の終了。
半期の振り返りのとき。定期的な見直しの機会に含めます。
そして、体制の変更は採用の途中では避けてください。選考が進行中の候補者がいる状態で担当が変わると、対応が途切れます。落ち着いた時期に切り替えます。
属人化を避ける
判断の基準を文書にする。担当者が替わっても、同じ判断ができる状態にします。
複数人で見る。書類の判断を二人で行う、定例会に複数人が出る。
情報の置き場所を一つにする。候補者の情報、成果物、記録。個人の手元に溜めない。
外部を残す。すべてを一人に集中させない。
この四つは、体制の規模に関わらず効きます。特に、専任が一人しかいない規模では重要です。
エラベルの見解
採用組織の設計で、「誰が採用の結果に責任を持つか」を明確にしてください。ここが曖昧な組織が多い。
人事は母集団を作り、現場は面接をし、経営は条件を決める。それぞれが役割を持っていますが、全体の結果を持つ人がいない。
すると、うまくいかないときに原因が分散します。「母集団が薄い」「面接で落としすぎ」「条件が市場に合っていない」。誰の問題でもない状態になります。
だから、採用の結果を持つ人を一人決めてください。その人が、工程ごとの数字を見て、どこで詰まっているかを判断し、必要な調整をする。
責任を持つということは、権限も持つということです。要件の見直しを提案できる、条件の変更を経営に上げられる、体制の変更を判断できる。
そして、この人が代行との窓口にもなります。全体を見ている人がいると、代行側も動きやすくなります。
規模が小さければ、兼務でも構いません。役割として置かれているかどうかが重要です。
採用が進まない原因の一つは、全体を見る人がいないこと。これは体制の問題です。
まとめ
- 体制は人数ではなく、役割と権限の配分
- 四つの役割は、責任者・要件の設計・母集団の設計と運用・選考の判断
- どの規模でも外部を使う余地がある。使い方が変わるだけ
- 権限は、要件の決定・合否・条件の提示を自社に残す
- 役割分担より、「判断を速く返せる仕組み」の設計が実務に効く
- 外に出すのは量があって判断の少ない工程。中間の工程をどちらが持つかで人員が変わる
- 現場と人事の両方で決めるものを明確にする
- 採用の結果に責任を持つ人を一人決める
よくある質問
専任を置くべきですか
採用が恒常的に続くなら、置くほうが総額では下がりやすくなります。ただし、専任を採ること自体に時間と費用がかかります。当座を外部で回しながら採用担当を探す、という順番も現実的です。比較は採用担当を雇うのと採用代行はどちらが安いかにまとめています。
現場が採用に協力してくれません
役割の分担が伝わっていない可能性があります。現場が持つもの(要件の背景、面接、受け入れ)と、人事が持つものを明確にしてください。あわせて、現場の負荷が減る部分があれば先に伝えます。説明の仕方は現場に採用代行の導入を説明するにまとめています。
採用担当が一人しかいません
判断の基準を文書にし、情報の置き場所を一つにしてください。その人が抜けたときに止まらない状態を作ります。あわせて、量のある工程を外に出すと、一人でも回りやすくなります。すべてを一人に集中させない設計が重要です。