入社後のオンボーディングを外注したときの費用と工数の目安|仕組みづくりは外部に、日々の関わりは現場に
採用した人が入社後すぐに辞めてしまうと、採用にかけた費用と時間が無駄になります。オンボーディングは、入社した人が早く職場になじみ、力を発揮できるようにするための取り組みです。オンボーディングを外部に頼むこともできますが、入社した人が毎日向き合うのは、現場の上司や同僚です。結論から書くと、オンボーディングの外注は、仕組みづくりや研修の一部を外部に、日々の関わりを現場に残す形で分け、早期離職の防止を成果の物差しにして見積もると、判断しやすくなります。
外部への費用は会社、料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、この記事では金額の相場は扱いません。
オンボーディングを分ける
オンボーディングの仕事は、次のように分けられます。
| 仕事 | 中身 | 担い手 |
|---|---|---|
| 仕組みづくり | 入社初日から一定期間の流れ、教える内容、関わる人の役割を決める | 外部が担える。社内の確認が要る |
| 入社時の研修 | 会社の仕組み、ルール、使う道具の説明 | 外部が一部を担える |
| 定期的な面談 | 入社後の一定の時期に、困りごとや不安を聞く | 外部が担える。現場とも共有する |
| 現場での受け入れ | 仕事の教え方、日々の声かけ、チームへの紹介 | 現場が担う |
外部が力を発揮しやすいのは、仕組みづくりと定期的な面談です。とくに定期的な面談は、入社した人が上司には言いにくい不安を、社外の担当者になら話せることがあります。一方、現場での受け入れは、上司や同僚にしかできません。外部に頼む場合も、現場の受け入れの役割を明確にしておくことが大切です。詳しい切り分けは入社後のオンボーディングは代行に出せるかで書いています。
雇入れ時の安全衛生教育
オンボーディングの中には、法律で行うことが定められているものもあります。労働安全衛生法第59条第1項は、事業者は、労働者を雇い入れたときは、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行わなければならないと定めています。第2項は、労働者の作業内容を変更したときにも準用するとしています。
オンボーディングを外部に頼む場合も、この教育を誰がどのように行うかを決めておく必要があります。業務に関する安全や衛生の内容は、現場の実情を知る人が教えるほうが適切なことが多いため、外部が担う研修とは分けて、社内の責任で行うことを確認してください。具体的な教育の内容は、労働基準監督署などの案内も確認してください。
エラベルの見解
オンボーディングの外注で多いのは、研修の資料はきれいに整ったのに、現場の受け入れが変わらないケースです。入社した人が辞める理由は、研修の内容より、配属先で質問しにくい、誰に何を聞けばよいか分からない、といった日々の関わりにあることが多いのです。
外部に頼むなら、研修の資料づくりだけでなく、現場の上司が入社した人とどう関わるかの手引きもつくってもらってください。最初の一週間に何を話すか、一か月後に何を確かめるか、といった具体的な手引きがあると、上司が変わっても受け入れの質が保てます。同じ料金・同じ業務範囲でも、現場の関わり方まで設計してくれる担当者かどうかで、定着の結果は変わります。
工数の見積もり方
オンボーディングの工数は、次の要素で変わります。
- 入社する人の数と時期:入社が集中する時期があるか、毎月少しずつ入社するか
- 仕組みがあるかどうか:今の仕組みを見直すのか、一からつくるのか
- 定期的な面談の回数:入社後のどの時期に、何回面談するか
- 職種の数:職種ごとに教える内容が違う場合、仕組みの種類が増える
仕組みづくりは最初に工数がかかりますが、一度つくれば繰り返し使えます。定期的な面談は、入社する人の数に比例して工数が増えます。オンボーディングの進め方は入社後のオンボーディングの進め方で書いています。
料金の形と成果の物差し
オンボーディングを外部に頼むときの料金の形は、仕組みづくりを成果物で頼む形、定期的な面談を件数や月額で頼む形、両方を組み合わせた形などがあります。エラベルでは、採用決定時に1名10万円(税別)という形で、担当者を選んで採用の実務を任せられる仕組みを用意しています。
成果の物差しとしては、次のものが使えます。
- 早期離職の数:入社後の一定期間に辞めた人の数
- 立ち上がりの速さ:入社した人が一人で仕事を任されるようになるまでの期間
- 面談で拾った困りごとの数と、その対応:面談で出た困りごとが現場に伝わり、改善されているか
エラベルの見解
オンボーディングで、もう一つ考えてほしいのは、採用の段階とのつながりです。入社後に辞める人の中には、選考の段階で伝えられていた仕事や条件と、入社後の実態が違うと感じて辞める人がいます。この場合、オンボーディングをどれだけ工夫しても、根本の原因は採用の段階にあります。
定期的な面談で聞いた困りごとの中に、採用の段階での伝え方に原因があるものがないかを確かめてください。採用とオンボーディングを同じ担当者が見ていると、こうした原因に気づきやすく、求人や面接の伝え方を直すことにつなげられます。
まとめ
- オンボーディングは仕組みづくり・研修・定期的な面談・現場での受け入れに分ける
- 外部が力を発揮しやすいのは仕組みづくりと定期的な面談。現場での受け入れは上司や同僚が担う
- 労働安全衛生法第59条は、雇い入れたときに業務に関する安全衛生教育を行うことを求めている。誰が行うかを決める
- 研修の資料だけでなく、現場の上司の関わり方の手引きもつくる
- 成果の物差しは早期離職の数、立ち上がりの速さ、困りごとへの対応。採用の段階とのつながりも確かめる
よくある質問
入社後のオンボーディングを外注したときの費用の相場はいくらですか
会社や料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。入社する人の数と時期、仕組みづくりの範囲、面談の回数をそろえて見積もりを取り、比べてください。
外部の担当者との面談で、入社した人は本音を話しますか
上司には言いにくい不安も、社外の担当者になら話せることがあります。ただし、面談で聞いた内容をどこまで社内に共有するかを、入社した人にも説明し、信頼を損なわないように進めてください。
中途入社の人にもオンボーディングは必要ですか
必要です。中途入社の人は経験があるため放っておかれがちですが、会社のやり方や社内の人間関係には慣れていません。誰に何を聞けばよいかを示し、定期的に困りごとを聞くことで、早く力を発揮できるようになります。
本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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