スカウト代行 / スカウト代行
送信データの引き渡し
スカウト代行との契約が終わるとき、送信データの引き渡しがスカウト特有の論点になります。誰に送ったか、どんな返信があったか。この記録がないと、次の担い手が同じ候補者に送ることになります。この記事では、受け取る項目と形式、返還と削除の順番を整理します。なお、個人データの取り扱いは自社の管理体制によって判断が変わるため、専門家にご確認ください。採用代行全般の扱いは契約終了時に返してもらうデータにまとめています。
受け取る項目
送信の記録
- 誰に、いつ、どの媒体で送ったか
- 使った文面(版が分かる形で)
- 送信時の検索条件
返信の記録
- 返信の有無と、その内容
- 返信の日時
- 返信への対応の内容
その後の経過
- 面談に至ったか
- 面談の結果
- 見送りになった理由
運用の記録
- 月ごとの送信数、返信率、面談設定率
- 条件と文面の変更履歴
- うまくいかなかった試みの記録
この四つのうち、一番目が最も重要です。引き継がれないと、重複が起きます。
形式を指定する
表計算またはCSVで受け取る。次の環境に取り込める形式。
画面の写しでは足りません。件数が多いと、再入力の作業が発生します。
そして、項目を指定してください。
- 候補者の識別(媒体上のIDなど)
- 送信日
- 媒体名
- 使った文面の版
- 返信の有無と日付
- その後の経過
この六つがあれば、次の担い手が判断できます。
候補者の氏名や連絡先を含む場合、個人情報の取り扱いに注意してください。渡す範囲と、受け取った後の管理を決めておきます。
媒体に残るデータ
媒体の管理画面にも記録があります。
確認すること
- 契約の名義(自社名義なら、アカウントを維持すれば残ります)
- アカウントを削除すると、履歴が見えなくなるか
- 書き出せる形式と範囲
- 返信のやりとりが残るか
名義が代行会社だと、契約終了とともにアクセスできなくなることがあります。
だから、終了の前に書き出してください。そして、自社の環境に移します。
媒体ごとに仕様が違うため、書き出せる範囲は確認が要ります。
エラベルの見解
送信データで、最も価値があるのに受け取り忘れやすいのが「返信の内容」です。
送信の記録は、受け取るべきものとして認識されます。誰に送ったか。重複を避けるために要る、と分かりやすい。
一方、返信の内容は「済んだこと」として扱われがちです。返信が来て、面談に至るか至らないかが決まった。それで終わり。
ところが、返信の内容には材料が詰まっています。
候補者が何を気にしていたか。どの訴求に反応したか。何が理由で見送ったか。これらは、次の文面を作るときの材料になります。
そして、次の担い手にとって、これ以上の材料はありません。「この会社の候補者は、この点を気にする」という情報が、実例として残っている。
だから、返信の内容も引き渡しの対象に入れてください。
すべての返信を残す必要はありません。分類(前向き、条件が理由、時期が理由)と、印象に残った返信の内容。これだけでも十分です。
そして、日頃から自社の環境に記録する運用にしておけば、引き渡しの作業自体が不要になります。
返還と削除を分ける
返還してもらうもの。自社に残したいデータ。上に挙げた四つ。
削除してもらうもの。代行会社の環境に残っている個人データ。
順番があります。受け取る → 内容を確認する → 削除を依頼する。
先に削除してもらうと、必要なデータが取り出せなくなります。
削除について決めること
- 対象の範囲
- 方法
- 完了の報告を受け取るか
- 期限
個人データの返還や削除の扱いは、契約の定めに沿って処理してください。定めがない場合は、この機会に取り決めます。
確認の期間を置く
受け取ったデータが使えるかを確認してください。
- ファイルが開けるか
- 項目が揃っているか
- 次の環境に取り込めるか
- 件数が想定と合っているか
この確認をしてから、削除を依頼します。
そして、差し戻す余地を持たせてください。形式が違う、項目が足りない。受け取ってから気づくことがあります。
契約終了日から逆算して、確認の期間を確保してください。
返還が不要な設計
最も確実なのは、そもそも返還が要らない形にしておくことです。
自社の採用管理システムに、接触の記録を集約する。誰に、いつ、どの媒体で送ったか。返信の有無と内容。
この形なら、契約が終わるときにやることは権限の削除だけです。データは最初から自社にあります。
そして、この設計は媒体をまたぐ重複の判定にも使えます。媒体の機能では、横断的な確認はできません。
だから、運用の最初から記録を自社に集約してください。契約の段階で決めておく項目です。
設計は情報漏えいを防ぐ設計にまとめています。
次の担い手に渡す
受け取ったデータを、そのまま渡さないでください。整理してから渡すと、立ち上がりが速くなります。
整理すること
- 送信済みの候補者の一覧(重複を避けるため)
- 反応が良かった文面、悪かった文面
- 現在の条件と、その設計意図
- 母数の状況(未送信の候補者がどれだけいるか)
- うまくいかなかった試み
五番目が最も価値があります。次の担い手が同じことを繰り返さずに済みます。
そして、母数の状況を伝えてください。一巡している場合、次の担い手も同じ状況から始まります。知らないまま始めると、判断を誤ります。
契約に書いておく
- 引き渡しの対象(送信記録、返信の記録、経過、運用の記録)
- 形式(表計算またはCSV)
- 時期(都度か、契約終了時か)
- 確認の期間
- 削除の手順と報告
三番目を「都度」にする形も検討してください。月次の報告に含めてもらえば、契約終了時の作業が減ります。
エラベルの見解
送信データの引き渡しで、「母数の状況」を一緒に受け取ってください。数字だけでは分からない情報です。
現在の検索条件で、該当する候補者が何件いるか。そのうち、送信済みが何件か。未送信がどれだけ残っているか。
この情報がないと、次の担い手は同じ条件で送り始めます。そして、送れる候補者が少ないことに気づく。
その結果、「新しい会社にしたら数字が落ちた」という判断になりがちです。原因は母数なのに。
だから、引き渡しのときに母数の状況を確認してください。
代行に依頼すれば出せます。現在の条件での母数、送信済みの割合、新規に登録される候補者の傾向。
そして、この情報は次の担い手にとっても、自社にとっても判断の材料になります。
母数が枯れているなら、条件を広げるか、媒体を追加するか、時期を置くか。引き継ぐ前に決めておけます。
引き渡しは、データを渡すだけの作業ではありません。次の判断のための材料を揃える作業です。
まとめ
- 受け取るのは、送信の記録・返信の記録・その後の経過・運用の記録
- 最も重要なのは送信の記録。引き継がれないと重複が起きる
- 受け取り忘れやすいのは「返信の内容」。次の文面の材料になる
- 形式は表計算またはCSV。画面の写しでは足りない
- 媒体に残るデータは、名義と書き出せる範囲を確認する
- 順番は受け取る → 確認する → 削除を依頼する
- 最も確実なのは、返還が要らない設計(自社の環境に集約)
- 「母数の状況」も一緒に受け取る
よくある質問
送信履歴を全件受け取る必要がありますか
重複を避けるために、送信済みの候補者は把握しておく必要があります。ただし、氏名や連絡先まで全件を受け取る必要はないこともあります。媒体上の識別と送信日があれば、重複の判定はできます。渡す範囲は、個人情報の取り扱いを踏まえて決めてください。
媒体の名義が代行会社です
契約終了とともにアクセスできなくなることがあります。終了の前に、送信履歴と返信の記録を書き出してください。書き出せる範囲は媒体によって違うため、事前に確認します。あわせて、契約の移行ができるかも検討してください。
返信の内容まで受け取れますか
契約に定めておけば受け取れます。すべての返信を残す必要はなく、分類と印象に残った内容で足ります。日頃から自社の環境に記録する運用にしておくと、引き渡しの作業自体が不要になります。