スカウト代行 / スカウト代行
要件シートの作り方
スカウトの要件をシートにまとめる。目的は、検索条件に翻訳できる形にすることです。求人票をそのまま渡しても、条件は組めません。求人票は候補者に見せる文書、要件シートは運用のための文書。この記事では、含める項目と書き方を整理します。ターゲット像のすり合わせはターゲット像のすり合わせ方にまとめています。
求人票との違い
求人票は候補者に見せるものです。魅力を伝え、応募を促す。書けないことがあります。
要件シートは運用のための文書です。内部で使うので、率直に書けます。
- 落とす理由
- 採らない層とその理由
- 条件を緩められる順番
- 現場の実情
この四つは求人票には書けませんが、要件シートには書けます。そして、これらが検索条件を組むときの材料になります。
含める項目
一.職種と役割
- 職種名
- 実際に担当する業務(求人票より具体的に)
- 誰と働くか、どの組織に入るか
二.必須の条件
- 経験(業務内容、年数)
- スキル
- それぞれについて、なぜ必須なのか
三.歓迎する条件
- あると望ましい経験やスキル
- 必須との違いを明確に
四.採らない層とその理由
- 経験は合うが見送る場合
- この項目が検索条件の絞り込みに使えます
五.候補者の出身
- どういう環境から来る人が多いか
- 過去に採用した人の前職の傾向
- 業界、規模、職種
六.条件
- 想定年収の幅
- 勤務地、働き方
- 緩められる範囲
七.優先順位
- 条件を緩める順番
- 外せない条件
八.訴求の材料
- 候補者に伝えたいこと
- 入社した人が魅力を感じた点
- 求人票に書いていない情報
この八つのうち、四番目と七番目が運用で効きます。
エラベルの見解
要件シートで、「緩める順番」を書いておくと運用が速くなります。ここを書いている会社は多くありません。
条件を組むと、母数が想定より少ないことがあります。そのとき、どの条件を緩めるかを相談することになる。この相談に時間がかかります。
社内で確認し、現場に聞き、判断が返るまで数日。その間、送信は止まります。
だから、先に順番を決めておいてください。
「経験年数は緩めてよい」「業界は隣接まで広げてよい」「この職種の経験は外せない」「勤務地は相談可能」。
この順番があれば、代行は自分で調整できます。母数が足りなければ、決められた順番で緩める。相談の往復が減ります。
そして、緩めた結果も記録してください。どこまで緩めて、どういう候補者が該当したか。次の募集のときの材料になります。
要件シートは、判断を先送りしないための文書でもあります。運用が始まってから決めることを減らすと、速く回ります。
書き方の具体例
抽象的な書き方
- 「主体性のある方」
- 「即戦力となる方」
- 「カルチャーに合う方」
検索条件に翻訳できる書き方
- 「少人数の環境で、仕組みがない状態から作った経験がある方」
- 「この業務を、この規模の組織で、この年数以上担当した方」
- 「意思決定が速い環境を好む方(前職の規模や組織の形から推測)」
違いは、経歴から判断できるかどうかです。
そして、落とす理由も同じです。
- ×「合わない方」
- ○「大きな組織で分業された環境しか経験がない方は、今回は見送る」
経歴を見て判断できる形で書いてください。
優先順位のつけ方
必須の条件を並べる。
それぞれについて、「これがないと何が起きるか」を確認する。
- ないと業務が回らない → 外せない
- ないと立ち上がりが遅い → 緩められる
- あると望ましい → 歓迎に移す
この確認をすると、必須の条件が減ることがあります。多くの場合、必須に入れすぎています。
そして、母数との関係を見てください。条件を組んで母数が少なすぎるなら、必須の条件が多すぎる可能性があります。
緩める順番は、この確認の結果から決まります。
誰が書くか
人事が書き、現場が確認する形が一般的です。
現場が書く場合、市場から外れた条件になることがあります。人事が市場の観点で確認してください。
人事が書く場合、業務の実態が反映されないことがあります。現場の確認が要ります。
代行に書いてもらう形もあります。ヒアリングをもとに、代行が要件シートの案を作る。自社が確認して直す。
四番目は、要件が固まっていない場合に有効です。ただし、内容の確認は自社が行ってください。
更新の運用
要件シートは、運用の中で変わります。
更新する場面
- 母数が足りず、条件を緩めたとき
- 返信の傾向から、ターゲットを調整したとき
- 面談での違和感から、基準を直したとき
- 事業の状況が変わり、求める人が変わったとき
更新の担当を決めてください。誰が直し、誰が確認するか。
そして、変更の履歴を残してください。いつ、何を、なぜ変えたか。数字の変化と照らせます。
古いシートのまま運用が続くと、代行の判断もずれます。
使われるようにする
分量を抑える。一枚か二枚で足ります。厚いシートは読まれません。
具体例を入れる。通した人、落とした人の経歴。
置き場所を決める。共有の場所に、最新版を一つ。
定例会で参照する。条件を変えるとき、判断が分かれたとき。引く場面があると、更新も続きます。
そして、代行にも更新を提案してもらってください。運用の中で気づいた点を、シートに反映する。実務を担っている側の知見が入ります。
エラベルの見解
要件シートを作る作業は、社内の認識を揃える作業でもあります。ここに副次的な価値があります。
書こうとすると、決まっていないことが見つかります。この条件は必須なのか歓迎なのか。この経験がないとどうなるのか。年収の幅はどこまで動かせるのか。
そして、現場と人事で答えが違うことがあります。
だから、要件シートは一人で書かないでください。人事が案を作り、現場が確認する。あるいは、一緒に書く。この過程で、ずれが見つかります。
そして、ずれが見つかったら、そこが議論すべき点です。曖昧なまま進めると、書類の判断で毎回もめます。
さらに、このシートは面接官への共有にも使えます。同じ基準で判断できる状態になります。
要件シートは、代行に渡すための文書として作り始めても、社内の共通言語になります。
作る手間はかかりますが、一度作れば長く使えます。そして、代行を替えても、内製に戻しても使えます。
まとめ
- 求人票は候補者向け、要件シートは運用のための文書。率直に書ける
- 含めるのは、職種と役割・必須・歓迎・採らない層・候補者の出身・条件・優先順位・訴求の材料
- 「緩める順番」を書いておくと、相談の往復が減る
- 書き方は、経歴から判断できる形にする
- 必須の条件は「これがないと何が起きるか」で確認する。減ることが多い
- 人事が書き、現場が確認する。代行に案を書いてもらう形もある
- 更新の担当と履歴を決める。古いシートのままだと判断がずれる
- 作る作業は、社内の認識を揃える作業でもある
よくある質問
求人票をそのまま渡してはいけませんか
求人票だけでは、検索条件を組む材料が足りません。落とす理由、採らない層、緩める順番。これらは求人票には書けませんが、運用では要ります。求人票に加えて、要件シートを用意してください。
どのくらいの分量が適切ですか
一枚か二枚で足ります。厚いシートは読まれず、更新もされません。必須の条件、落とす理由、緩める順番、訴求の材料。この四つが書かれていれば、運用には使えます。
代行に書いてもらってもよいですか
ヒアリングをもとに案を作ってもらう形は有効です。特に、要件が固まっていない場合に効きます。ただし、内容の確認は自社が行ってください。そして、なぜその条件にしたかの理由も書いてもらうと、後から見直せます。