スカウト代行 / 建築設計
建築設計へのスカウト文面|開封される件名と本文の型
建築設計にスカウトを送っても返信が来ない。文面を見せていただくと、件名が「一級建築士歓迎、設計業務全般」で、本文に「大型案件に携われる」「やりがいのある環境」と書いてあり、候補者の作品のどこを見たのか、自社が何の分野(意匠・構造・設備)で何の用途(住宅・商業・オフィス・公共)の設計をしていて、どの段階(基本設計・実施設計・監理)を任せるのか、会社の作品はどこで見られるのかが、どこにも書かれていません。建築設計は、公開している作品を見て送っているかを一行目で判断し、会社の作品が無いと「どんな設計をする会社か」を判断できません。結論を先に書くと、件名は「相手の作品の一点+自社の分野と用途」、本文は「一行目に相手の作品の具体の一点→自社の分野・用途・段階と会社の作品→任せる範囲と設計の考え方→実態と工夫(正直に)→資格の扱いと設計部長がどういう人か→条件の幅→案件の区切りに合わせた短い締め」の順で、会社の紹介は後ろに回すか短くします。刺さる訴求と外す訴求の中身は建築設計向けスカウト文面の型に書いていますので、ここでは「建築設計向けの件名と本文の型」に絞って、そのまま使える形にします。資格が必要な業務の範囲など法令上の扱いは専門家にご確認ください。
先に決めるのは「分野・用途・段階」と「会社の作品」
文面の前に、二つを決めます。一つは、自社の分野(意匠・構造・設備のどれか)、用途(住宅・商業・オフィス・公共・工場など)、任せる段階(基本設計・実施設計・監理のどこからどこまで)。二つは、会社の作品をどこで見せるか。公開している作品のページ、または面談で見せる資料。作品を見せられない会社に、建築設計は来ません。
| 決めること | 文面での書き方の例 |
|---|---|
| 分野・用途 | 「意匠設計。用途は〇〇(商業・オフィス)が主」 |
| 段階 | 「基本設計から監理まで一通り」「実施設計が主。基本設計はチーフと」 |
| 会社の作品 | 「作品は〇〇(公開ページ)で。面談でも資料をお見せします」 |
止まりやすいのは、「設計業務全般」と書くときです。建築設計は「分野も用途も決まっていない」と読みます。
件名の型
建築設計が件名で見るのは、「自分の作品を見ているか」「何の分野と用途の会社か」の二つです。
| 型 | 例 | なぜ開かれるか |
|---|---|---|
| 相手の作品の一点+自社の分野と用途 | 〇〇(作品)の〇〇(空間・構成の一点)を拝見|当社の〇〇(用途)の設計を | 作品を見たと分かる |
| 相手の用途と段階+自社の用途と段階 | 〇〇(用途)を基本設計から監理まで担われた方へ|当社の〇〇を一通り | 用途と段階が合う |
| 相手の考え方+自社の考え方 | 〇〇(設計の考え方)を大切にされている方へ|当社も〇〇から設計しています | 考え方で重なると分かる |
書いてはいけない件名は、「設計者募集」「設計業務全般」「一級建築士歓迎」「大型案件」「やりがい」のように、作品も分野も無いものです。件名の失敗の型は件名でやりがちな失敗に書いています。
本文の型
本文は、建築設計が「確かめる順」に並べます。
| 順 | 書くこと | 長さ | 注意 |
|---|---|---|---|
| 一行目 | 相手の作品の具体の一点。「〇〇(作品)の〇〇(空間・構成・素材)の扱いを拝見しました」 | 一文 | 作品名と、どこを見たかを具体に |
| 二 | 自社の分野・用途・段階と会社の作品。何を設計している会社か、作品はどこで見られるか | 三行 | 「全般」を使わない。作品の在り処を書く |
| 三 | 任せる範囲と設計の考え方。どの段階から、どこまで自分で決められるか、会社としての設計の考え方 | 三行 | 実態どおりに。「任せる」の一言にしない |
| 四 | 実態と工夫。案件の数、締切前の忙しさ、残業の目安、工夫していること | 二、三行 | 正直に。良く見せない |
| 五 | 資格の扱いと設計部長。資格の要否と手当・取得の支援、設計部長がどういう設計をし、どう任せる人か | 二、三行 | 設計部長の名前は出さず、設計と進め方を |
| 六 | 条件の幅 | 一、二行 | 幅で書く |
| 七 | 会社の紹介 | 一、二行 | 短く |
| 八 | 短い締め。「いまの案件の区切りに合わせて、設計部長と作品の話を三十分」 | 一文 | 区切りに合わせることと、作品の話ができる人が出ることを |
長さは、スマートフォンで二度スクロールする程度に収めます。
エラベルの見解
相談で最も多い思い込みは、「建築設計には『大型案件』『やりがい』を伝えれば響く」というものです。実際には、建築設計は「大型」を規模ではなく「自分の作品にならない分業の一部」の印と読むことがあり、「やりがい」を実態の無い言葉として読みます。ある会社では、「大型案件、やりがいのある環境、一級建築士歓迎」と書いた文面で返信が無く、担当者が候補者の視点で読むと、作品を見た形跡が無く、会社の作品がどこで見られるかも無く、候補者は「設計の会社かどうかも分からない」と読んでいました。一行目を「〇〇(作品)の〇〇の光の扱いを拝見し」に変え、「当社は〇〇(用途)の意匠設計。作品は〇〇で。基本設計から監理まで一通り任せる。設計部長は〇〇を大切にする人」と書き直したところ、返信が来ました。建築設計への文面で効くのは、「大型」でも「やりがい」でもなく、作品を見て、会社の作品を示し、任せる範囲を実態どおりに書くことです。
書いてはいけないこと
一つ目は、「設計業務全般」「大型案件」「やりがい」「成長」のような、作品も分野も無い言葉です。分野・用途・段階と会社の作品で書きます。
二つ目は、作品を見ずに送ることです。一行目で分かります。作品が公開されていない候補者には、経歴の一点(用途、段階、担当した範囲)に触れます。
三つ目は、「一級建築士歓迎」を前面に出すことです。資格者は「資格だけを見ている」と読み、非資格者は「対象外」と読みます。資格の要否と扱い(手当、取得の支援)を事実で書きます。
四つ目は、任せる範囲を「任せる」の一言で済ませることです。実態は「実施設計の一部」なのに「基本設計から」と書くと、面談で分かって辞退されます。実態どおりに書きます。
五つ目は、会社の紹介から始めることです。
六つ目は、締めを「すぐに面談を」とすることです。建築設計は案件の区切りまで動けません。区切りに合わせる姿勢を書きます。
送る前の確認
| 確認 | 見ること |
|---|---|
| 件名と一行目に相手の作品の具体の一点があるか | 作品名と、どこを見たかが書いてあるか |
| 自社の分野・用途・段階と、会社の作品の在り処が書いてあるか | 「全般」になっていないか。作品を見せられるか |
| 任せる範囲が実態どおりか | 「基本設計から」と書いて実際は実施の一部、になっていないか |
| 実態(案件の数、忙しさ)を正直に書いたか | 良く見せていないか |
| 資格の扱いが事実で書いてあるか | 「歓迎」の一言になっていないか |
| 締めが案件の区切りに合わせる形で、作品の話ができる人が出ると書いたか | 「すぐに」になっていないか |
返信が来ないときの直す順番
| 症状 | 直すところ |
|---|---|
| 開かれない | 件名。作品の一点があるか。「全般」「大型」になっていないか |
| 開かれるが返信が無い | 一行目(作品を見たと分かるか)と、会社の作品の在り処。任せる範囲 |
| 返信は来るが面談で辞退 | 面談に設計部長が出て作品の話をしたか。文面の任せる範囲と面談の実態が合っていたか |
| 面談後に辞退 | 任せる範囲と実態。「一通り任せる」と書きながら実際は分業の構造が無いか |
一箇所ずつ変えます。変え方はスカウト文面のABテストのやり方に書いています。
エラベルの見解
担当する側から見ると、建築設計向けの文面で会社ごとに差がつくのは、「会社の作品を候補者に見せられる形があるか」です。件名と一行目は、担当者が候補者の作品を見れば書けます。しかし、会社の作品が公開されておらず、面談で見せる資料も無い会社では、候補者は「どんな設計をする会社か」を判断できず、返信が来ません。作品を公開しているか、面談で見せる資料を用意している会社では、文面に「作品は〇〇で」と書け、候補者は自分の設計と合うかを判断できます。エラベルでスカウト文面を担当する人には、文面を書く前に、設計部長に会社の作品をどこで見せるか、任せる範囲の実態、設計の考え方を聞き、作品を見せる段取りと面談に出る予定を確保してもらっています。刺さる訴求と外す訴求は建築設計向けスカウト文面の型に書いています。
代行に出す場合の範囲
担当者が持つのは、候補者の作品を見て件名と一行目を相手ごとに書くこと、設計部長に聞いた分野・用途・段階・会社の作品・任せる範囲・考え方・実態・資格の扱いを本文にすること、送る前の確認、当日中の返信と作品の案内、案件の区切りに合わせた日程の調整、設計部長の予定の確保、返信の記録と直す順番の提案、です。会社が持つのは、分野・用途・段階の決定、会社の作品を見せる形の用意、任せる範囲を実態どおりに書くことの合意、設計部長が面談に出て作品の話をすること、条件の幅、です。作品を見る時間を担当者に認めないと、一行目は定型になります。出す前に、一通あたりの時間の考え方を合意します。
まとめ
- 先に分野・用途・段階と、会社の作品をどこで見せるかを決める。作品を見せられない会社に建築設計は来ない
- 件名は「相手の作品の一点+自社の分野と用途」。「設計業務全般」「一級建築士歓迎」「大型案件」は開かれない
- 本文は一行目に作品の具体の一点→分野・用途・段階と会社の作品→任せる範囲と考え方→実態と工夫→資格の扱いと設計部長→条件の幅→案件の区切りに合わせた締め
- 任せる範囲を実態どおりに書く。「基本設計から」と書いて実際は実施の一部、は面談で分かる
- 資格の要否と扱いを事実で書く。「歓迎」の一言は資格者にも非資格者にも響かない
- 返信が来ないときは件名→一行目と会社の作品と範囲→面談に設計部長が出て作品の話をしたか→実態の一致の順に直す
よくある質問
会社の作品を公開していません。どう書けばよいですか
面談で見せる資料を用意し、文面に「作品は面談でお見せします」と書きます。公開できない事情(施主の意向など)があるなら、その旨を一言添えます。まったく見せられない状態では、建築設計は判断できず、返信は来にくい。公開できる作品を一つでも用意することが、文面を工夫するより効きます。
資格者を採るべきか、非資格者でよいか迷っています
任せる段階と、資格が必要な業務の範囲で決めます。設計の一部を担う役割なら非資格者でも経験があれば回せることが多く、資格が必要な業務を持つなら資格者が要ります。資格が必要な業務の範囲は法令に関わるので、専門家にご確認ください。決めたら、文面に「必須か歓迎か不問か」と、資格者の手当や取得の支援を事実で書きます。
「作品」と言えるものが無い候補者にはどう書けばよいですか
経歴の一点に触れます。「〇〇(用途)の〇〇(段階)を〇件担当されたご経歴を拝見し」のように、用途と段階と担当した範囲で一行目を書きます。作品が無くても、用途と段階が自社と近ければ対象になります。それも無い候補者には送りません。探し方は建築設計を探すときの検索条件とターゲティングに書いています。