スカウト代行 / Liiga
Liigaのスカウトテンプレートの作り方
Liigaは現在「外資就活ネクスト」に名称が変わっていて、企業からのスカウトはエージェントからのスカウトと同じ受信箱に並びます。選択肢の幅ではエージェントに勝てないので、文面は一社の案内として、企業にしか書けないことを書き切る形になります。この記事では、実際の文面例を三つ置き、一文ずつ何のために書いているかを解説しながら型を作ります。以下は、2026年9月23日時点で公式サイトおよび運営会社のサイトに記載されている内容に基づいており、運営は株式会社ハウテレビジョンです。
文例1:コンサル出身者に送る初回スカウト
まず、全文を置きます。事業会社の経営企画部門が、戦略コンサルティングファームでPMIの案件を続けて担当してきた候補者に声をかける想定です。社名や人名は伏せていますが、分量と順番はこのまま使えます。
件名:PMI後の統合を、事業側で率いていただける方を探しています(◯◯株式会社 経営企画部長 △△より)
◯◯株式会社で経営企画部長をしております△△です。企業から直接お送りしています。
PMIの案件を続けて担当されている点に目が留まりました。弊社はこの一年で二社を買収し、いま統合の実務を社内で担える人がいません。外から支援していただく立場ではなく、事業側で統合を率いる役割をお任せしたいと考えています。
一度、私と事業統括の役員の二人で、オンラインで45分ほどお話しできませんか。選考ではなく、統合の現状と任せたい範囲をお伝えする場です。想定する年収は◯◯〜◯◯万円です。
候補日:◯月◯日(火)19時/◯月◯日(木)8時/◯月◯日(土)10時
この文面は、エージェントからのスカウトと並べて読まれることを前提に組んでいます。エージェントは複数の求人を束ねて提示できますが、一緒に働くメンバー、直近で動いている案件、組織の課題、会う相手の名前と役割は、企業からでなければ具体的に書けません。次の表は、文例のどの部分が企業側にしか書けない情報にあたるかを示したものです。
| 文例の部分 | 書いている情報 | エージェントには書きにくい理由 |
|---|---|---|
| 差出人と「企業から直接お送りしています」 | 誰が送っているか | 同じ受信箱のエージェントの連絡と区別できる |
| 「この一年で二社を買収し」 | 直近で動いている案件と、いま声をかける理由 | 社内の情報 |
| 「事業側で統合を率いる役割」 | 組織の課題と任せたい範囲 | 現場を知らないと書けない |
| 「私と事業統括の役員の二人で」 | 会う相手の名前と役割 | 企業からなら約束できる |
| 候補日を三つ | 意思決定の速さ | 間に人が入らないから言える |
同サイトは、特徴の三つ目に「信頼できるエージェントとのマッチングを促進する口コミ評価」を挙げ、エージェント会社と担当者ごとに評価と件数を並べています。利用者は比較して選ぶことに慣れているので、曖昧な書き方はそのまま判断されます。一社の案内として深く書くほうが、この場では噛み合います。
一行目の書き分け:経歴のどこを読んだかを返す
文例1の核は、二段落目の一行目です。運営会社の事業概要は、登録者のうち60%以上が年収600万円以上のプロフェッショナル層だとしています。実績のある層なので、「ご経験豊富な」のような抽象的な褒め方はすぐ見抜かれます。経歴のどこを読んだかを、一行目でそのまま返します。
| 読んだ材料 | 一行目の形 |
|---|---|
| 担当した案件の領域 | 「◯◯領域での案件を続けて担当されている点に目が留まりました」 |
| 役割の変化 | 「実行支援から◯◯へ役割を広げてこられた流れに関心を持ちました」 |
| 業界の組み合わせ | 「◯◯と△△の両方を経験されている方を探していました」 |
| 直近の動き | 「◯◯に取り組まれている時期にお声がけするのが適切かと考えました」 |
一行目のすぐ後には、「なぜ今なのか」を置きます。在職中で、すぐに動く必要のない層です。組織の立ち上げ、案件の増加、ポジションの新設といった、いま声をかけている理由があると、読む理由になります。文例1の「この一年で二社を買収し」がそれにあたります。
専門用語の扱いにも注意します。同サイトは「コンサル・金融・セールスに強い」としていて、コンサルや金融の用語は、使い方の誤りが一目で分かる層です。PMIやカバレッジといった言葉を使うなら、現場の責任者が一度読む工程を入れておきます。一行目を書くのは人事でも、確かめるのは現場という分担にしておくと、誤用で読まれなくなる事態を避けられます。
エラベルの見解
担当する側から見ると、この層への文面は人事だけでは書き切れません。案件の具体も組織の課題も、現場にしかない情報だからです。かといって全文を部門長に書いてもらうのも続きません。
おすすめは、部門長に「この人の経歴で気になった点」と「いま任せたい仕事」を各一行だけ書いてもらい、人事がそれを一行目と二段落目に据える形です。文例1でいえば、「PMIの案件を続けて担当されている点」と「事業側で統合を率いる役割」の二つです。二行なら部門長も続けられますし、書き手が替わっても文面の核がぶれません。運用を外に任せる場合も、この二行を誰がいつ集めるかを先に決めておくと、外の担当者が書ける文面の質が大きく変わります。
文例2:条件を先に出す、金融フロント向けの後半
次は、文面の後半だけを差し替えた例です。金融のフロント職の候補者に送る想定で、会う相手と条件を先に出しています。在職中で忙しい層は、会う価値とかかる時間が書かれていないと判断してくれません。
当日は、法人営業部の部長(◯◯)と私の二名でお話しします。いま部として新しく立ち上げている領域と、最初の一年でお任せしたい顧客の範囲をお伝えします。
形式はオンラインで30分、今回は選考ではなく情報交換の場です。想定する年収レンジは◯◯〜◯◯万円で、経験に応じて上限まで検討します。
この後半には、会う相手(部署と役割、可能なら氏名)、話せること、形式と時間、選考との関係、想定レンジの五つが入っています。同サイトの求人には、いずれも年収レンジが明示されています。レンジが書いてある求人と並べて読まれるので、書かない文面は判断材料が一つ少ないことになります。出せない場合は、その旨を書くだけでも印象は変わります。
選考との関係をはっきりさせるのも、この層では重要です。情報交換の場なのか、選考の一部なのかが曖昧なまま会うと、双方の期待がずれます。日程は「ご都合を教えてください」と聞くより、文例1のように候補を三つ出すほうが動きます。
文例3:十日後に一度だけ送る追客
返信がない相手には、十日後に一度だけ、前と違うことを書いて送ります。在職中の層で、期末は特に動けません。返信が遅いことと興味が無いことは別なので、一週間で見切る必要はありません。
件名:先日の件の続報です(◯◯株式会社 経営企画部長 △△)
先日、PMI後の統合についてお送りした△△です。その後、統合の対象になる事業部の責任者も面談に同席できることになりました。
前回お伝えしきれなかった、統合後の組織の形についても具体的にお話しできます。ご興味があれば、候補日を改めてお送りします。
二通目に書くのは、一通目に書かなかったことです。事業の直近の動き、会う相手の変更、別ポジションの提示などが材料になります。同じ文面を送り直しても読まれず、三日後に催促するとそこで終わってしまいます。二通目の材料を用意できないなら、無理に送らずに次の候補に回すほうが、相手の時間を無駄にしません。週次の回し方はLiigaのスカウト運用設計にまとめています。
直す前と直した後:避けたい言い回しを書き換える
文例を使い回しているうちに、気づかないまま戻ってしまう言い回しがあります。どれも、比べて選ぶことに慣れた相手に、判断の材料を渡せていない書き方です。送る前に、次の表の左の列に当たる表現が残っていないかを見て、右の列の形に直します。
| 直す前 | 読まれない理由 | 直した後 |
|---|---|---|
| 「あなたのようなご経験豊富な方に」 | 誰にでも送れる文になる | 読んだ経歴の一点を名指しする |
| 「成長できる環境」「風通しが良い」 | 実績のある層には具体が無いと映る | 任せる範囲と会う相手を書く |
| 「業界最大手の」「急成長中の」 | 比較に慣れた層には物差しにならない | 直近の案件や組織の変化を書く |
| 年収をぼかす | 年収レンジを書いた求人と並ぶので不利になる | レンジを書く。出せなければその旨を書く |
| 媒体の統計(平均年収・登録者比率など)の引用 | 媒体の数字であって自社の話ではない | 自社の提示条件だけを書く |
文面は、求人情報とも揃えます。同サイトは特徴の二つ目に「外資就活ネクストだけの特別求人が掲載されるジョブサーチ」を挙げていて、スカウトを読んだ相手は求人情報も見に来ます。掲載に書いていないことを文面で書くと、確かめられて食い違います。文面を直したら、同じ週に求人情報も見直す習慣にしておきます。
テンプレートとして持つのは、骨組みだけです。会社と組織の説明、条件、選考の流れは共通の部分として固定し、冒頭の一行、いま声をかけている理由、会う相手と話せることは一人ずつ、あるいは募集の背景ごとに書き換えます。戦略系、実行支援系、経営企画、金融のフロントなど、募集しているポジションの数だけ中盤の説明を用意しておくと、量を落とさずに個別性を保てます。直すときは月に一度、一か所ずつにします。
エラベルの見解
相談で多い思い込みは、「返信が来ないのは文面が弱いからだ」というものです。実際には、文例1のように会う相手と候補日まで書いても返信がない場合、原因は文面より提示条件にあることが少なくありません。同サイトは転職後の平均年収として20代620万円、30代930万円、40代1,300万円を挙げています(2020年〜2024年の当社転職決定実績から算出)。
自社のレンジがこの水準から大きく離れているなら、一行目をいくら磨いても結果は変わりにくいはずです。文面を三回直しても反応が変わらないときは、文面の担当者を替える前に、提示条件を社内で見直してください。直す場所を間違えると、書き手の評価まで誤ります。
まとめ
- 初回スカウトは、差出人、読んだ経歴の一点、いま声をかける理由、任せる範囲、会う相手、条件、候補日の順に一社の案内として書き切る
- 一行目は経歴のどこを読んだかを返す。専門用語は現場の責任者が確かめる
- 後半には会う相手・話せること・形式と時間・選考との関係・想定レンジを入れる。レンジを書いた求人と並んで読まれる
- 追客は十日後に一度だけ、一通目に書かなかったことを書く
- テンプレートは骨組みだけを持ち、ポジションごとに中盤を用意し、月に一度・一か所ずつ直す
よくある質問
Q. Liigaのスカウトにはテンプレートを使ってよいですか
骨組みとしてのテンプレートは使えますが、丸ごと使い回せる文面は作れません。会社の説明や条件、選考の流れは固定し、冒頭の一行といま声をかける理由、会う相手は一人ずつ書き換えます。
Q. 年収はスカウト文面に書くべきですか
同サイトの求人には年収レンジが明示されており、スカウトはそれと並べて読まれます。書ける範囲で想定レンジを書くほうが、判断の材料になります。出せない場合は、その旨を書いておくだけでも印象が変わります。
Q. 返信がない場合、何日後に追客すればよいですか
在職中の層なので、十日後に一度、前と違う内容で送るのが目安です。三日後の催促は逆効果になりやすく、同じ文面の送り直しも読まれません。
※仕様や提供範囲は変わります。掲載した内容は2026年9月23日時点の公式サイトおよび運営会社のサイトの記載であり、通数・料金・テンプレート管理の仕様は契約前に運営の案内でご確認ください。