送信枠が余るときの使い方|使い切るのではなく、余る理由を見て稼働を回す
月末のレポートを見ると、送信枠の半分も使っていない。契約したプランの枠が余っている。「使い切ってください」と担当者に言いたくなりますが、その一言が返信率を落とします。結論を先に書くと、枠が余るのは、稼働・母数・個別化・計画のどれかが理由で、枠を使い切ることが目的ではありません。余る理由を見て、余った分を稼働と個別化に回すか、プランを下げてください。プランの選び方は媒体のプラン選びに、足りないときの対処は送信枠が足りないときの優先順位にまとめています。媒体の名前や料金、枠の数には触れません。
枠が余る四つの理由
枠が余る理由は、たいてい次のどれかです。
一.稼働が枠に届かない。 担当者の週の稼働時間で送れる数が、枠より少ない。一通ごとに個別化していれば、送れる数は限られます。枠が稼働を上回っている状態で、枠のほうが大きすぎます。
二.母数が枠に届かない。 条件に合う候補者が、枠より少ない。母数が少ない職種では、枠を使い切ろうとすると、条件を緩めて合わない人に送ることになります。
三.個別化に寄せている。 意図的に送信数を絞り、一通ごとに丁寧に書く運用にしている。返信率を保つための選択で、枠が余るのは設計どおりです。
四.計画が変わった。 採用人数が減った、職種の募集が一段落した、優先順位が下がった。送る必要が減った状態です。
四つのどれかを、担当者に確認します。理由によって、対処が違います。一と四はプランを下げる方向、二は対象の見直しか別の手法、三はそのままで問題ありません。
余った枠の三つの使い道
枠が余っていて、稼働に余裕があるなら、次の使い道があります。
一.隣の層に、少量だけ試す。 主な対象とは別の層(隣の職種、まだ動いていない人、別の企業規模の人)に、少量を個別化して送ります。新しい層の反応を見る実験です。数は絞り、返信対応を薄くしない範囲で行います。
二.過去に返信が無かった人への再送。 前回の送信から一定の期間が空いていて、状況が変わっている可能性のある人に、一段落目を変えて送ります。前回と同じ文面の再送は避けます。「以前もご連絡しましたが、状況が変わり」の形です。
三.関係づくりの連絡。 すぐの募集ではなく、「今後こういう募集が出る予定で、そのときに連絡してよいか」という関係づくり。繁忙期の前や、次の職種の準備に使えます。返信率は低いですが、取り合いの少ない層との接点になります。
三つとも、「余っているから送る」ではなく、「送る目的がある」ものです。目的が無いなら、送りません。
使ってはいけない使い方
余った枠を、次の形で使うと、成果が落ちます。
対象を広げて、枠を埋める。 条件を緩め、合わない人にも送る。送信数は増えますが、返信率は下がり、返信が来ても面談で「合わない」が増えます。面談者の時間が消え、担当者の返信対応も薄くなります。
型の文面で、一斉に送る。 個別化をやめ、同じ文面を大量に送る。読まれなくなり、会社の印象が「誰にでも送っている会社」になります。同じ職種の候補者は横でつながっていることが多く、比べられます。
同じ人に、短期間で何度も送る。 枠を埋めるために、返信の無い人に繰り返し送る。候補者から見れば、しつこい会社です。
返信対応を削って、送信に回す。 送る数を増やすために、返信への対応を後回しにする。返信が活かされず、面談に進まなくなります。
どれも、「枠を使い切る」を目的にしたときに起きます。目的は面談であって、枠の消化ではありません。
プランを下げる判断
枠が余る理由が「稼働が届かない」「計画が変わった」なら、プランを下げます。
目安は、三か月続けて枠の半分以下しか使っていない状態です。一か月だけなら、たまたまの可能性があります。三か月続けば、構造的に余っています。
下げると、月額は下がります。下げた費用は、担当者の稼働を増やす、別の手法(紹介会社、リファラルの報奨)に回す、といった使い方ができます。枠に払っていた費用を、面談につながる部分に移します。
下げる前に、契約の条件を確認します。契約期間の途中で下げられるか、下げた後に再度上げるときに条件があるか。媒体のプラン選びで挙げた確認点です。
「いつか使うかもしれない」で上のプランを残すのは、使わない枠に払い続けることです。必要になったら上げればよく、上げる手続きは多くの場合、下げる手続きより簡単です。
エラベルの見解
相談で最も多い思い込みは、「枠が余っているのは、担当者が怠けているから」というものです。実際には、担当者が一通ごとに丁寧に書いているから枠が余っている、ということのほうが多くあります。枠を使い切っている担当者は、型で大量に送っていることが多く、返信率は低い。枠が余っている担当者は、個別化していることが多く、返信率は高い。枠の消化率と、担当者の質は、逆の関係にあることすらあります。
見ていて差がつくのは、担当者が「枠が余っていますが、これで足りています」と説明できるかどうかです。「必要な面談数に対して、この送信数で足りています。枠を使い切ると、個別化が減って返信率が落ちます」。こう言える担当者は、枠ではなく面談を見ています。
発注側にできるのは、「枠が余っている」ではなく「面談は足りているか」を聞くことです。面談が足りていれば、枠が余っていても問題ありません。足りていなければ、枠ではなく、対象と文面と母数を見ます。
余りを稼働に回す
枠が余っていて、稼働にも余裕がある、という状態は多くありません。多くの場合、枠が余っているのは稼働が足りないからです。
この場合、余った枠は使えないので、プランを下げ、下げた費用で稼働を増やすほうが、面談は増えます。枠を増やしても稼働が無ければ送れませんが、稼働を増やせば、個別化を保ったまま送信数が増え、返信対応も速くなります。
「枠に払うか、稼働に払うか」で見れば、多くの会社で、枠に払いすぎ、稼働に払わなすぎです。担当者の稼働時間が週に数時間で、枠が大きいプランを契約している、という形です。逆にすれば、同じ費用で面談は増えます。
担当者に、「枠を下げて、その分を稼働に回したら、面談はどう変わるか」を聞いてください。見立てが出れば、判断できます。
余りを記録に残す
枠の使用率は、月ごとに記録しておきます。レポートの項目に「枠の使用率」を入れてもらえば、余っているかどうかが毎月見えます。
三か月の推移で、余りが構造的か一時的かが分かります。構造的なら、プランを下げる。一時的なら、理由(担当者の休暇、社内の承認の滞り、母数の一時的な減少)を確認し、様子を見ます。
記録があれば、プランの見直しのときに「三か月の使用率はこうだった」と根拠を持って判断できます。無ければ、営業の「上のプランがおすすめ」に流されます。
エラベルの見解
担当する側から見ると、枠が余っているときに最も困るのは「使い切ってください」と言われることです。使い切るには、個別化を減らすか、対象を広げるしかありません。どちらも返信率を落とし、面談を減らします。それでも枠を埋めれば、「使い切った」ので評価は保たれますが、採用は進みません。
枠は、担当者の評価の指標にしないでください。指標にすれば、担当者は枠に最適化します。面談設定数を指標にすれば、担当者は枠を「必要な分だけ使う」ようになり、余った稼働を個別化と返信対応に回します。
発注側にできるのは、「枠を使い切らなくてよい。面談が足りていればよい」と最初に伝えることです。それだけで、担当者は余った枠を無理に埋めず、面談につながる部分に稼働を使えます。
まとめ
- 枠が余る理由は稼働・母数・個別化への転換・計画の変更の四つ。理由で対処が違う
- 余った枠の使い道は隣の層への少量の試し・期間を空けた再送・関係づくりの連絡。目的が無いなら送らない
- 使ってはいけないのは対象を広げる・型で一斉送信・短期間の繰り返し・返信対応を削る
- 三か月続けて半分以下ならプランを下げ、下げた費用を稼働か別の手法に回す
- 多くの場合、枠に払いすぎ、稼働に払わなすぎ。枠を下げて稼働を増やすほうが面談は増える
- 枠の使用率は月ごとに記録し、構造的か一時的かを見る
- 枠は担当者の評価の指標にしない。面談設定数を指標にする
よくある質問
枠が余っているのに、面談も足りません。どうすればよいですか
枠の問題ではなく、対象・文面・母数・返信対応のどれかの問題です。段階ごとの数字でどこで落ちているかを見てください。返信が来ないなら対象と文面、返信は来るが面談に進まないなら返信対応の速さ、送る相手がいないなら母数です。枠を使い切っても、これらは直りません。
担当者に「枠が余っているので使い切ってほしい」と言ってしまいました
すぐに「面談が足りていれば、枠は余ってよい」と伝え直してください。使い切ろうとすると、対象が広がるか個別化が減り、返信率が落ちます。三か月続けて半分以下しか使っていないなら、プランを下げることを担当者と検討します。
余った枠を、別の職種や拠点で使えますか
媒体によって、枠を共有できる場合とできない場合があります。公式の案内か営業窓口に確認してください。共有できるなら、余った枠を優先順位の低い職種の少量の送信に使えます。ただし、担当者の稼働が分かれるので、主な職種の返信対応が薄くならない範囲で行います。
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