採用代行 / IPO準備企業
IPO準備企業の採用代行|最初に外注すべき業務はどれか
ここでいうIPO準備企業は、上場の審査に向けて管理体制を整える途中の会社です。経理、法務、労務、内部監査といった管理部門の採用が急に要り、人事は規程や評価や労務の制度作りで手一杯、経営陣は監査法人や証券会社との対応で時間が消え、事業側は成長を続けて採用も増え、採用の運用そのものがこれから審査で見られる対象になります。この会社が採用代行を使うとき、何から出せばよいか。この記事は、その順番を決めるためのものです。結論を先に書くと、最初に出すべきは「記録が残る形の運用」で、具体的には応募者と候補者への連絡、面接の日程調整、面接の記録、決裁の記録の下書きを、決裁と記録の流れと一緒に作りながら回すことです。次が「管理部門の経路」で、紹介会社への依頼書、知人や監査法人や証券会社からの紹介の受付、紹介会社との日々の連絡です。最後が「事業側の集める工程」で、転職サイト、スカウト、社員の紹介を、審査期間中の採用の方針の一枚の中で回します。順番の理由は、採用の記録は後から遡って作れず最初から残る形にしておく必要があり、管理部門は急ぎで経路が事業側と違い、事業側の採用は審査期間中の方針で絞ることがあるので方針が一枚になってから出すからです。ただし、運用を出す前に、管理部門の責任者が半日で決裁と記録の流れと契約の形を決めることが前提です。社内に残す役割はIPO準備企業の採用体制の作り方に、失敗の形はIPO準備企業が採用代行で失敗するパターンに、上場した後の順番は上場企業の採用代行にまとめています。
この時期に、採用のどこが詰まるか
順番を決めるには、この時期に採用のどこが詰まっているかを先に見ます。人事が制度作りで埋まり、経営陣が審査対応で埋まり、統制がまだ無い会社では、次のように詰まります。
| 工程 | この時期の現実 | 詰まったときの損失 |
|---|---|---|
| 連絡、日程、記録 | 人事が制度作りで埋まり、返事が止まる。記録はチャットと手元に散る | 候補者が去る。審査の準備で記録を遡って整え直す |
| 決裁 | 誰が要件を承認し、誰が採用を決裁し、誰が条件を承認するかが決まっていない | 決裁の記録がなく、審査で説明できない |
| 管理部門の採用 | 事業側と同じ経路(転職サイトとスカウト)で探す | 経験者はスカウトに反応しにくく、決まらない |
| 条件 | 現金の給与の幅が職種ごとに決まっておらず、「上場後」に寄りかかる | 辞退が続く。株式報酬の説明が面接官ごとに違う |
| 事業側の採用 | 審査期間中に続けるか止めるかが経営陣の中で揺れる | 代行が振り回され、進行中の候補者が去る |
| 代行との契約 | 委託先の管理として整っておらず、法務や監査法人が止める | 契約がまとまらず、採用が始まらない |
この表で、損失が最も大きいのに見えにくいのは「記録が散り、審査の準備で遡って整え直す」ことです。記録は後から作れず、遡る作業は審査対応で最も忙しい時期に重なります。最初に出すのは、記録が残る形の運用で、決裁と記録の流れを一緒に作ります。
出す前に:管理部門の責任者が半日で流れと契約の形を決める
運用を代行に出すには、管理部門の責任者が半日を取って、次を決めます。
- 決裁と記録の流れ。誰が要件を承認し、誰が採用を決裁し、誰が条件を承認するか。候補者の個人情報をどこに置き、誰がアクセスし、いつ消すか。労働条件をいつどう通知し、記録をどこに残すか
- 記録の所在。要件の紙、候補者の一覧、面接の記録、決裁の記録、通知の記録を、社内の共有の場所に置いて代行が更新する
- 代行との契約の形。秘密保持の範囲、個人情報の扱い、再委託の可否、代行の側の管理の体制を書面で出してもらうこと
- 人事とは別の採用の窓口。決めてよい範囲と、経営陣に上げる範囲。経営陣への確認は審査対応を避けた曜日に週に一度
- 現金の条件の幅。職種ごとに先に決める。株式報酬は書面と専門家の確認を経た内容だけ
代行は、この半日に同席して聞き出し、紙にするところまでを引き受けます。何を証跡として残すべきか、委託先として何を求めるべきかは、監査法人や証券会社の指摘と法令の整理に沿い、個別の判断は専門家に確認してください。契約で確認する項目は採用代行の業務委託契約書で確認する10項目に、個人情報の扱いは採用代行と個人情報保護法に書いています。
最初に出す工程:記録が残る形の運用(連絡・日程・記録・決裁の記録の下書き)
なぜ最初か。記録は後から遡って作れず、審査の準備で遡る作業は最も忙しい時期に重なるからです。運用そのものは判断を含まず、人事が制度作りで埋まっている時期に代行が持つと、候補者への返事が止まらなくなります。決裁と記録の流れを作りながら回すので、流れが実際に動くかも最初の月で分かります。
代行に頼む内容。応募者と候補者への連絡、面接の日程調整(経営陣の枠は審査対応を避けた曜日に固定、事業側の責任者の枠に直接入れる)、面接の記録の型と記入、決裁の記録の下書きと催促(決裁そのものは社内)、労働条件の通知の書面の準備と通知の記録(中身は社内と専門家)、候補者の一覧と記録を社内の共有の場所に置いて更新する、窓口への確認を週に一度にまとめる。
社内に残す判断。要件の承認、採用の決裁、条件の承認は、流れのとおりに社内が行います。「進めるか止めるか」は窓口か事業側の責任者が紙の中で決めます。人事は、制度の観点で運用を月に一度見ます。
費用の見方。候補者の件数と面接の回数で稼働が決まります。「記録が社内の共有の場所に揃っているか」「決裁の記録が流れのとおりに残っているか」「候補者が返事を待った日数」で、最初の月の効果を見ます。監査に耐える記録の考え方は上場企業が採用代行で失敗するパターンに、日程調整は面接の日程調整は代行に出せるかに、採用管理システムはATS(採用管理システム)の運用は代行に出せるかに整理しています。
エラベルの見解
相談で最も多い思い込みは、「管理部門を急いで採りたいのだから、代行にはまず経理と法務の候補者を探してもらう」というものです。実際には、記録の流れがない中で管理部門の候補者が動き始めると、経営陣の決裁がチャットの一言で残り、条件の承認が口頭で終わり、審査の準備で「この採用の決裁は誰がいつしたか」を遡ることになります。管理部門の採用は急ぎで正しいのですが、順番が逆です。先に記録が残る形の運用を流れと一緒に作り、その流れの中で管理部門の経路を動かすと、急ぎの採用の記録がそのまま審査に出せます。流れを作るのに要る時間は半日で、遡って整え直す時間より短く済みます。
この順番で代行を選ぶと、見るべき点が決まります。契約の前の面談で「採用の決裁は誰がしますか。記録はどこに置きますか」と聞いてくる担当者は、この時期に何が要るかを知っています。「まず経理の候補者を出します」から入る担当者は、記録を散らします。エラベルでは、依頼側が担当者の経歴を見て選ぶ仕組みなので、上場準備の会社で記録の流れを一緒に作ってきた担当者に、運用から入る形で頼めます。
次に出す工程:管理部門の経路(紹介会社への依頼書・紹介の受付・日々の連絡)
なぜ次か。管理部門の採用は急ぎで、記録の流れが動き始めたらすぐに動かします。経路は事業側と違い、経験者は紹介会社経由や知人の紹介で動くことが多いので、転職サイトとスカウトより先に、紹介会社と紹介の経路を整えます。要件は管理部門の責任者が「入る時点で持っていないと困ること」と「入ってから身につくこと」に分けたものを使います。
代行に頼む内容。紹介会社への依頼書(要件の三つと現金の条件の幅を載せ、全社に同じ版を同じ日に)、推薦の受付と日程と進捗の共有、知人や監査法人や証券会社からの紹介の受付と連絡(誰に声をかけるかは経営陣)、見送りの理由を要件の言葉で紹介会社に戻す、管理部門の職種ごとの進捗の一枚、転職サイトとスカウトは補助として一つに絞って運用。
社内に残す判断。要件の中身と実務の見極めは管理部門の責任者、採るかどうかと条件と紹介会社との条件の交渉は経営陣が持ちます。管理部門の責任者そのものの採用(CFOや管理部長)は代行の範囲ではなく、経営陣が紹介と知人で動きます。
費用の見方。残した紹介会社の数と推薦の件数で稼働が決まります。「管理部門の職種ごとに、推薦から面接に進んだ数」と「経営陣に確認が届く回数が週に一度になったか」で効果を見ます。経理の採用は経理採用を代行に出す判断基準に、法務は法務採用を代行に出す判断基準に、労務は労務採用を代行に出す判断基準に、紹介会社との折衝は人材紹介会社との折衝は代行に出せるかに書いています。
最後に出す工程:事業側の集める工程(転職サイト・スカウト・社員の紹介)を方針の一枚の中で
なぜ最後か。事業側の採用は、審査期間中に続けるか、止めるか、絞るかを経営陣で一枚にしてから出さないと、方針の揺れで代行が振り回され、進行中の候補者が去るからです。記録の流れと管理部門の経路が動いてから、方針の一枚に沿って集める工程を足すと、事業側の採用も同じ記録の流れの中で回ります。
代行に頼む内容。方針の一枚に沿った職種の転職サイトの運用(一つか二つに絞る)、スカウトの文面の作成と送信と追客(「誰に送るか」の基準は事業側の責任者)、社員の紹介の仕組みの運用、応募と紹介の数を職種ごとに一枚で見せる、方針が変わったときの切り替え(「進行中の候補者は最後まで進め、新しい募集を止める」の運用)。
社内に残す判断。方針の一枚と月に一度の見直しは経営陣、要件と「誰に送るか」の基準は事業側の責任者、採るかどうかと条件は経営陣が持ちます。媒体の契約は社内の名義です。
費用の見方。媒体の費用と代行の稼働に分かれ、方針の一枚に沿って動く時期と動かない時期で範囲を変える契約にします。「方針との差」と「進行中の候補者が方針の変更で去った数」で効果を見ます。優先順位の場は急成長フェーズの会社の採用体制の作り方に、採用計画は採用計画の設計は代行に出せるかに、スカウトはスカウトの送信は代行に出せるかに、社員の紹介はリファラル採用の設計は代行に出せるかに整理しています。
エラベルの見解
外に出してよいのは、流れを紙にするときの問いと整理・連絡・日程・記録・決裁の記録の下書きと催促・通知の書面の準備・紹介会社への依頼書と日々の連絡・紹介の受付・転職サイトとスカウトと社員の紹介の運用・職種ごとの一枚までで、「決裁の流れの設計と決裁そのもの」「要件の中身と実務の見極め」「採るかどうかと条件」「株式報酬の説明の中身」「審査期間中の方針」「委託先としての契約の形」「紹介会社との条件の交渉」は社内に残します。この時期は人事も経営陣も埋まっているので、決裁の流れの設計も代行に頼みたくなりますが、審査で見られるのは社内の流れであり、代行が設計した流れは社内が説明できません。代行は、社内が決めた流れの中で、記録が残る形で回します。
担当する側から見ると、この時期に三つの工程を「一度に全部」で受けると、流れのない中で管理部門と事業側の候補者が同時に動き、決裁がチャットの一言で残り、方針の揺れで事業側の候補者が去り、審査の準備で会社に整え直しをさせます。半日で流れと契約の形を決め、記録が残る運用を回し、管理部門の経路を動かし、方針の一枚に沿って事業側を足す、と一つずつ進める形だと、審査の準備で「採用の記録はそのまま出せる」と言われ、上場した後も続けて頼まれます。エラベルでは、依頼側が担当者を選べるので、契約の前の面談で「記録の流れを先に決めさせてください。管理部門はその流れの中で急ぎます」と順番を提案してくる担当者を選べば、この形になります。個別の証跡と委託先の管理の判断は、専門家に確認してください。
まとめ
- IPO準備企業が代行に出す順番は、一に記録が残る形の運用(連絡・日程・記録・決裁の記録の下書き)を決裁と記録の流れと一緒に作ること、二に管理部門の経路(紹介会社への依頼書・紹介の受付・日々の連絡)、三に事業側の集める工程を審査期間中の方針の一枚の中で回すこと
- 順番の理由は、記録は後から遡って作れず、管理部門は急ぎで経路が違い、事業側は方針で絞ることがあるから
- 運用を出す前に、管理部門の責任者が半日で決裁と記録の流れ、記録の所在、委託先としての契約の形、人事とは別の窓口、現金の条件の幅を決める
- 記録は最初から社内の共有の場所に置いて代行が更新する。決裁そのものと条件の承認は社内が流れのとおりに行う
- 管理部門は紹介会社と知人と監査法人や証券会社からの紹介を先に動かし、要件は「入る時点で持っていないと困ること」で分ける
- 事業側は方針の一枚ができてから出し、「進行中の候補者は最後まで進め、新しい募集を止める」の切り替えを運用に入れる。証跡と委託先の管理の個別の判断は専門家に
よくある質問
管理部門の採用が本当に急ぎです。記録の流れを作る半日を待てません
半日は、記録の流れを決めるだけで、管理部門の経路を動かすのと同じ週に済みます。流れを決めずに動かすと、急ぎの採用ほど決裁が口頭で終わり、審査の準備で遡ることになり、遡る時間は半日より長くかかります。どうしても同時に動かすなら、紹介会社への依頼書だけを先に出し、推薦が来るまでの数日で流れを決め、推薦の受付から流れの中で回す形にします。代行には「流れが決まるまで、決裁と条件の話は社内に上げてから」と最初に伝えます。失敗の形はIPO準備企業が採用代行で失敗するパターンに、経理の要件は経理の採用要件の作り方に整理しています。
法務が「代行に候補者の情報を渡すこと」を止めています
止める理由は、代行との契約が委託先の管理の対象になりうるからで、代行を使えないという意味ではないことが多くあります。契約書に秘密保持と個人情報の扱いと再委託の可否を入れ、記録を社内の共有の場所に置く形にし、代行の側の管理の体制を書面で出してもらうと、法務や監査法人と話せる材料になります。最初の工程を「記録が残る形の運用」にしているのは、この材料を最初から作るためでもあります。委託先として何を求めるべきかは法令の整理と監査法人の指摘に沿い、個別の判断は専門家に確認してください。個人情報の扱いは採用代行と個人情報保護法に、渡す情報の範囲は採用代行に渡す候補者情報とNDAの範囲に、職業安定法との関係は採用代行と職業安定法に書いています。
上場した後、出した工程はどうなりますか
統制の手順が確定し、準備の期間に作った決裁と記録の流れがその手順の土台になります。代行との関係は「流れを一緒に作る」から「決まった手順の中で回す」に変わり、出した工程はそのまま続けるか、採用チームを置いて社内に戻すかを選びます。稟議と予算の手順で代行の契約自体が止まりやすくなるので、準備の期間に委託先としての契約を整えておくと、上場後の更新が楽になります。残しておいた記録と流れは、どちらを選んでもそのまま使えます。上場した後の順番は上場企業の採用代行に、体制の作り方はIPO準備企業の採用体制の作り方に、規模と代行の相性は会社規模と代行会社の相性に整理しています。