採用代行 / 比較・選び方
採用の見える化から始める
採用がうまくいっていない。そう感じたときに、まずやるのは見える化です。どこで詰まっているかが分からないまま、媒体を増やしたり代行を入れたりしても、当たるかどうかは運になります。この記事では、何を記録し、どう見るかを整理します。ツールがなくても始められます。
記録する四つ
一.工程ごとの件数。応募、書類通過、面談設定、面談実施、内定、承諾。上から順に並べます。
二.工程ごとの所要日数。応募から一次連絡まで、書類の合否まで、面談設定まで、次の面接まで。
三.経路の記録。どの媒体、どの紹介会社、リファラルか。応募のたびに記録します。
四.落とした理由・辞退の理由。要件のどの項目に照らして落としたか。辞退の理由は何か。
この四つがあれば、詰まりどころは特定できます。
そして、四番目が最も抜けやすく、最も価値があります。件数は数えていても、理由は記録されていないことが多い。
ツールがなくてもできる
表計算で始められます。
一行に一人。列に、次を置きます。
- 氏名(または管理番号)
- 応募日、経路
- 書類の合否と、その日付
- 面談の設定日、実施日
- 各段階の結果と日付
- 落とした理由、辞退の理由
この形で記録すると、件数も所要日数も経路別も出せます。
そして、個人情報を含むため、置き場所とアクセス権には注意してください。共有の設定、閲覧できる人の範囲。自社の管理方針に沿って運用します。
ツールの導入は、記録が回り始めてからで構いません。記録の運用が定まっていない状態でツールを入れると、ツールの機能に合わせて運用が決まります。扱いはATSの選び方にまとめています。
見方の順番
一.工程ごとの件数を上から並べる。どこで大きく落ちているか。
二.所要日数を見る。どこで時間がかかっているか。
三.経路ごとに分ける。特定の経路だけで起きているか。
四.職種ごとに分ける。特定の職種だけか。
五.時期で見る。いつから起きているか。
この順番で見ると、詰まりどころが絞れます。
そして、件数と時間の両方を見てください。件数が出ていても、時間がかかっていれば候補者は他社に流れます。
エラベルの見解
見える化で、自社側の数字を先に見てください。ここから始めると、判断がずれません。
見るのは四つです。書類の合否を返すまでの日数。面接の候補日を提示するまでの日数。質問への回答までの日数。面接から次の面接までの間隔。
多くの会社は、この数字を持っていません。そして、測ってみると想定より長いことが多い。
書類の合否に一週間かかっている。面接の候補日が出るまで三日かかっている。この間、候補者は待っています。
そして、この遅れは母集団を増やしても解決しません。むしろ、応募が増えるほど滞ります。
だから、外部の手段を検討する前に、自社の所要日数を測ってください。ここが原因なら、代行を入れても媒体を増やしても、同じところで止まります。
測り方は簡単です。採用管理システムか、メールの日付を見ればわかります。数件を抜き出して確認するだけでも、傾向は掴めます。
自社の数字を知らないまま外部を検討すると、判断を誤ります。
記録が判断に変わるとき
記録があるだけでは、判断は変わりません。見る場と、比べる相手が要ります。
見る場を作る。月に一度、数字を並べて確認する時間。定例会でも構いません。
比べる相手を決める。前月、前年の同時期、職種ごと。
変化の原因を記録する。文面を変えた、条件を広げた、職種を追加した。数字の横に書いておきます。
次に何を変えるかを決める。見て終わりにしない。
四番目まで進むと、記録が運用に繋がります。多くの場合、見て終わっています。
記録が続かないとき
項目が多すぎる。全部を記録しようとすると、続きません。四つに絞ってください。
入力する人が決まっていない。誰が、いつ記録するか。
使われていない。記録しても誰も見ないなら、続けるのは難しい。見る場を作ってください。
手間がかかりすぎる。媒体からの転記、複数の場所への入力。自動化できる部分は自動化します。
この四つのうち、三番目が最も多い。使われる状態を作ることが、続ける条件です。
見えると何が変わるか
原因が特定できる。「採用がうまくいかない」が、「書類の通過率が低い」に変わります。打ち手が決まります。
判断が速くなる。数字があると、議論が短く済みます。
外部への説明ができる。代行会社に依頼するとき、現状を具体的に伝えられます。提案の精度が上がります。
経営への説明ができる。費用の判断材料になります。
社内の協力が得やすくなる。「書類の合否が一週間かかっています」と示せば、現場も動きやすくなります。
三番目は、代行を検討するときに効きます。現状の数字を渡せると、返ってくる提案が具体的になります。渡す情報は代行会社に渡す前提情報の整理にまとめています。
代行を使う場合
記録の担当を決める。自社か、代行か。両方が入力すると、二重になります。
置き場所を一つにする。自社の環境に集約し、代行にはアクセス権を渡す形が管理しやすい。
報告に含めてもらう。工程ごとの件数と時間を、稼働報告の項目にします。
自社側の数字も並べる。合否までの日数、候補日の提示までの日数。片方だけだと、原因が偏って見えます。
四番目が重要です。代行の数字だけを見ていると、詰まりの原因が代行側にあるように見え続けます。
エラベルの見解
見える化を始めるとき、「完璧な記録を作ろうとしない」でください。始まらなくなります。
項目を増やし、過去の分も遡って記録し、集計の仕組みも作る。この設計をしてから始めようとすると、たいてい始まりません。
だから、今日から記録できる形で始めてください。
表計算に、応募日と経路と結果だけを書く。これだけでも、経路別の実績は出ます。
そして、続けているうちに「これも知りたい」が出てきます。所要日数、落とした理由、辞退の理由。必要になった項目を足していけば足ります。
逆に、最初から項目を増やすと、入力の負担で止まります。
そして、過去の分は遡らなくて構いません。今日からの分だけで、数か月たまれば傾向は見えます。
記録は、始めることが最も難しい。完璧さより、続くことを優先してください。
三か月分たまった時点で、見える景色が変わります。
まとめ
- 記録するのは、工程ごとの件数・所要日数・経路・落とした理由と辞退の理由
- 最も抜けやすく、最も価値があるのは四番目
- ツールがなくても表計算で始められます。個人情報の扱いには注意する
- 見る順番は、件数 → 所要日数 → 経路 → 職種 → 時期
- 自社側の数字を先に見る。合否までの日数、候補日の提示までの日数
- 記録が判断に変わるには、見る場・比べる相手・変化の記録・次に変えること
- 続かない原因の多くは「使われていない」
- 完璧を目指さない。今日から記録できる形で始める
よくある質問
何から記録すればよいですか
応募日、経路、各段階の結果と日付。この三つから始めてください。表計算で足ります。数か月たまれば、工程ごとの件数と所要日数、経路別の実績が出せます。項目は、必要になったときに足していく形で構いません。
過去の分も記録すべきですか
遡る必要はありません。今日からの分で、三か月もたまれば傾向は見えます。過去の分を遡ろうとすると、その作業で止まることが多い形です。まず始めて、続けることを優先してください。
代行に記録を任せられますか
任せられます。ただし、置き場所を自社の環境にして、アクセス権を渡す形にしてください。代行会社の環境にだけ記録が残ると、契約が終わったときに失われます。あわせて、自社側の数字(合否までの日数など)は自社で測ってください。