採用代行 / 比較・選び方

採用の見える化から始める

公開 2026-09-08

採用がうまくいっていない。そう感じたときに、まずやるのは見える化です。どこで詰まっているかが分からないまま、媒体を増やしたり代行を入れたりしても、当たるかどうかは運になります。この記事では、何を記録し、どう見るかを整理します。ツールがなくても始められます

記録する四つ

一.工程ごとの件数。応募、書類通過、面談設定、面談実施、内定、承諾。上から順に並べます

二.工程ごとの所要日数。応募から一次連絡まで、書類の合否まで、面談設定まで、次の面接まで。

三.経路の記録。どの媒体、どの紹介会社、リファラルか。応募のたびに記録します

四.落とした理由・辞退の理由。要件のどの項目に照らして落としたか。辞退の理由は何か。

この四つがあれば、詰まりどころは特定できます

そして、四番目が最も抜けやすく、最も価値があります。件数は数えていても、理由は記録されていないことが多い。

ツールがなくてもできる

表計算で始められます

一行に一人。列に、次を置きます。

この形で記録すると、件数も所要日数も経路別も出せます

そして、個人情報を含むため、置き場所とアクセス権には注意してください。共有の設定、閲覧できる人の範囲。自社の管理方針に沿って運用します

ツールの導入は、記録が回り始めてからで構いません記録の運用が定まっていない状態でツールを入れると、ツールの機能に合わせて運用が決まります。扱いはATSの選び方にまとめています。

見方の順番

一.工程ごとの件数を上から並べる。どこで大きく落ちているか。

二.所要日数を見る。どこで時間がかかっているか。

三.経路ごとに分ける。特定の経路だけで起きているか。

四.職種ごとに分ける。特定の職種だけか。

五.時期で見る。いつから起きているか。

この順番で見ると、詰まりどころが絞れます

そして、件数と時間の両方を見てください。件数が出ていても、時間がかかっていれば候補者は他社に流れます。

エラベルの見解

見える化で、自社側の数字を先に見てください。ここから始めると、判断がずれません。

見るのは四つです。書類の合否を返すまでの日数。面接の候補日を提示するまでの日数。質問への回答までの日数。面接から次の面接までの間隔

多くの会社は、この数字を持っていません。そして、測ってみると想定より長いことが多い

書類の合否に一週間かかっている。面接の候補日が出るまで三日かかっている。この間、候補者は待っています

そして、この遅れは母集団を増やしても解決しません。むしろ、応募が増えるほど滞ります

だから、外部の手段を検討する前に、自社の所要日数を測ってください。ここが原因なら、代行を入れても媒体を増やしても、同じところで止まります。

測り方は簡単です。採用管理システムか、メールの日付を見ればわかります。数件を抜き出して確認するだけでも、傾向は掴めます。

自社の数字を知らないまま外部を検討すると、判断を誤ります

記録が判断に変わるとき

記録があるだけでは、判断は変わりません。見る場と、比べる相手が要ります。

見る場を作る。月に一度、数字を並べて確認する時間。定例会でも構いません

比べる相手を決める。前月、前年の同時期、職種ごと。

変化の原因を記録する。文面を変えた、条件を広げた、職種を追加した。数字の横に書いておきます

次に何を変えるかを決める。見て終わりにしない。

四番目まで進むと、記録が運用に繋がります。多くの場合、見て終わっています。

記録が続かないとき

項目が多すぎる。全部を記録しようとすると、続きません。四つに絞ってください

入力する人が決まっていない。誰が、いつ記録するか。

使われていない。記録しても誰も見ないなら、続けるのは難しい。見る場を作ってください

手間がかかりすぎる。媒体からの転記、複数の場所への入力。自動化できる部分は自動化します

この四つのうち、三番目が最も多い。使われる状態を作ることが、続ける条件です。

見えると何が変わるか

原因が特定できる。「採用がうまくいかない」が、「書類の通過率が低い」に変わります。打ち手が決まります

判断が速くなる。数字があると、議論が短く済みます。

外部への説明ができる。代行会社に依頼するとき、現状を具体的に伝えられます。提案の精度が上がります

経営への説明ができる。費用の判断材料になります。

社内の協力が得やすくなる。「書類の合否が一週間かかっています」と示せば、現場も動きやすくなります。

三番目は、代行を検討するときに効きます。現状の数字を渡せると、返ってくる提案が具体的になります。渡す情報は代行会社に渡す前提情報の整理にまとめています。

代行を使う場合

記録の担当を決める。自社か、代行か。両方が入力すると、二重になります

置き場所を一つにする。自社の環境に集約し、代行にはアクセス権を渡す形が管理しやすい。

報告に含めてもらう。工程ごとの件数と時間を、稼働報告の項目にします。

自社側の数字も並べる。合否までの日数、候補日の提示までの日数。片方だけだと、原因が偏って見えます

四番目が重要です。代行の数字だけを見ていると、詰まりの原因が代行側にあるように見え続けます。

エラベルの見解

見える化を始めるとき、「完璧な記録を作ろうとしない」でください。始まらなくなります。

項目を増やし、過去の分も遡って記録し、集計の仕組みも作る。この設計をしてから始めようとすると、たいてい始まりません

だから、今日から記録できる形で始めてください

表計算に、応募日と経路と結果だけを書く。これだけでも、経路別の実績は出ます

そして、続けているうちに「これも知りたい」が出てきます。所要日数、落とした理由、辞退の理由。必要になった項目を足していけば足ります

逆に、最初から項目を増やすと、入力の負担で止まります

そして、過去の分は遡らなくて構いません。今日からの分だけで、数か月たまれば傾向は見えます。

記録は、始めることが最も難しい。完璧さより、続くことを優先してください。

三か月分たまった時点で、見える景色が変わります。

まとめ

よくある質問

何から記録すればよいですか

応募日、経路、各段階の結果と日付。この三つから始めてください。表計算で足ります。数か月たまれば、工程ごとの件数と所要日数、経路別の実績が出せます。項目は、必要になったときに足していく形で構いません。

過去の分も記録すべきですか

遡る必要はありません。今日からの分で、三か月もたまれば傾向は見えます。過去の分を遡ろうとすると、その作業で止まることが多い形です。まず始めて、続けることを優先してください。

代行に記録を任せられますか

任せられます。ただし、置き場所を自社の環境にして、アクセス権を渡す形にしてください。代行会社の環境にだけ記録が残ると、契約が終わったときに失われます。あわせて、自社側の数字(合否までの日数など)は自社で測ってください。