採用代行 / 営業
営業採用を代行に出す判断基準|任せられる工程と残す工程
営業の採用は、エンジニアやデザイナーと比べて応募が集まりやすく、代行に出しやすい職種に見えます。ただ、「営業経験者」という言葉の中には、売る相手(法人か個人か)、売り方(新規か既存か、電話か訪問か紹介か)、単価と期間(数万円を即決か、数千万円を半年か)、任せる段階(見込みを作るところからか、商談からか、契約後の継続か)が全部違う仕事が含まれます。結論を先に書くと、営業採用で代行に出せるのは「探す・届ける・一次対応する・進捗を回す」で、「自社の営業の型(相手・売り方・単価と期間・任せる段階)の決定・売る力の評価・目標と評価の設計」は社内に残すのが線です。営業の型が決まっていない募集は、応募は集まっても、自社の営業ができる人が来ません。営業が辞める構造は営業がすぐ辞めてしまうに、採用代行そのものの整理は採用代行(RPO)とはにまとめています。
営業採用が他の職種と違う点
一つ目は、応募は集まるが、合う人が来ないことです。営業は経験者の母数が多く、「営業募集」と出せば応募は来ます。ただ、法人の高単価の新規営業を求めているのに、個人向けの店頭販売の経験者が来る、といったずれが起きます。応募の数は足りているのに、面接で「うちの営業とは違う」となります。
二つ目は、営業の型が会社ごとに違うことです。売る相手、売り方、単価と期間、任せる段階。この四つの組み合わせで、同じ「営業」でも別の仕事になります。候補者は自分の経験した型を想定して応募するので、四つが求人票に無いと、面接でずれます。
三つ目は、経歴の数字が実態を表さないことです。「売上目標を達成」「トップの成績」と書かれていても、何を、誰に、どう売って、どの段階を担ったかが分からないと、自社で再現できるかは分かりません。数字の裏の型を読む必要があります。
四つ目は、入社後の定着が採用の設計で決まることです。営業は、入社後の目標と評価の設計が合わないと、早く辞めます。採用の段階で、目標と評価がどうなっているかを候補者に伝えられないと、入社後にずれます。
この四つから、代行に出せる工程が決まります。
工程ごとの「任せられる・残す」
| 工程 | 任せられるか | 理由 |
|---|---|---|
| 営業の型の決定(相手・売り方・単価と期間・任せる段階) | 残す | 自社の商材と営業の実態から。社内にしか分からない |
| 目標と評価の設計 | 残す | 入社後の定着を決める。経営と営業の責任者で |
| 要件の決定 | 残す | 営業の型から。外部は整理を手伝える |
| 求人票の作成 | 任せられる(型が決まっていれば) | 決まったものを候補者に伝わる言葉にする |
| 媒体の選定と運用 | 任せられる | 営業職に届く媒体と経路の経験があれば |
| スカウトの検索と送信 | 任せられる | 型に合わせた検索と、文面の個別化 |
| 応募者への一次対応 | 任せられる | 連絡、日程、流れの案内。応募が多いので、ここが最も効く |
| 書類の一次絞り | 条件付き | 型(相手・売り方・単価)の分類は任せられる。売る力の妥当性は残す |
| 売る力の評価 | 残す | 営業の責任者が面接で聞く。外部は評価の型作りと記録 |
| 合否の判断 | 残す | 会社の判断 |
| 条件の決定と提示 | 残す | 会社の判断。歩合や目標の説明を含む |
| 内定後の対応 | 任せられる | 辞退を防ぐ連絡 |
線の要点は、「営業の型の四つが、募集の前に社内で決まっているか」です。この四つが求人票とスカウトの中身になり、書類の一次絞りの基準になります。決まっていれば、応募が多い営業の採用では、一次対応と一次絞りを代行に出すことで、社内の負担が大きく減ります。
エラベルの見解
相談で多いのは、「営業を募集して応募は月に数十件来るが、面接で合う人がいない」というご相談です。求人票を見ると、「営業職募集。法人・個人向けの営業」と書かれていて、相手も売り方も単価も任せる段階も無い。応募者は、店頭販売、電話営業、法人の新規、既存の深耕と、全部の型の人が混ざっていて、自社の型(法人の高単価の新規、見込みを作るところから)に合う人は一部です。応募の数が、社内の書類確認の負担になっています。
見ていて差がつくのは、「営業の型を四つの観点で一文にして、求人票の一行目に書いているか」です。「中小企業の経営者向けに、〇〇を新規で提案し、見込みの創出から契約まで担う営業」。一行目で型が分かれば、合う型の人が応募し、合わない型の人は見送ります。応募の総数は減りますが、面接に呼べる人の割合が上がり、書類確認の負担が減ります。エラベルでは、営業の案件をお受けする前に、依頼側に四つの観点で営業の型を一文にしていただいています。
代行に出す前に社内で確認すること
代行に出す前に、社内で揃えておくことを六つ挙げます。
- 営業の型が一文で言えるか。 相手(法人か個人か、規模、誰と話すか)、売り方(新規か既存か、電話か訪問か紹介か、単独かチームか)、単価と期間(一件の額と、初回接触から契約までの期間)、任せる段階(見込みの創出からか、商談からか、契約後の継続か)
- 目標と評価が決まっているか。 最初の三か月と一年の目標、評価の方法、歩合の有無と仕組み。候補者に説明できる形に
- 営業の進め方が伝えられるか。 見込みの作り方(自社で作るのか、営業が作るのか)、商談の流れ、使うツール、報告の仕組み
- 売る力を評価する人がいるか。 営業の責任者。いなければ、経営者が営業を見ているか
- 受け入れの体制があるか。 入社後の最初の三か月に、誰が教えるか、同行するか
- 営業の責任者が面接に出られるか。 営業は、一緒に働く責任者との相性が定着を左右する
六つのうち、一つ目と二つ目が最も重要です。型と目標が決まっていれば、他は整理できます。
営業の責任者がいない会社の組み方
経営者が営業を見ていて責任者がいない、または一人目の営業を採る会社は多い。組み方を三つ示します。
一つ目は、経営者が「自分の営業の型」を言語化することです。経営者が売ってきた型(相手、売り方、単価と期間、段階)が、自社の営業の型です。それを求人票に書き、面接で経営者が売る力を確かめます。
二つ目は、一人目の営業に「型を作るところから」と正直に書くことです。経営者の型を引き継ぎながら、再現できる形に整えていく役割。それに魅力を感じる人(自分で型を作りたい人)と、整った型で動きたい人は違うので、正直に書いて分けます。
三つ目は、外部の営業の経験者を、要件の整理と面接だけに入れることです。顧問、業務委託、知人。「自社の商材と型で、どういう営業が合うか」を整理してもらい、面接で売る力を聞いてもらう。
どの組み方でも、「売る力の評価を代行に任せない」ことは同じです。
代行を選ぶときの確認項目
| 確認項目 | 聞き方 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 営業採用の経験 | 「営業の採用で、どの型(相手・売り方・単価)の募集を担当しましたか」 | 型の区別が付いているか |
| 経歴の読み方 | 「『売上目標を達成』という経歴を、どう読みますか」 | 何を、誰に、どう売って、どの段階を担ったかを確かめる姿勢があるか |
| 一次対応の体制 | 「応募が多い場合、一次対応をどう回しますか」 | 営業の採用は応募が多い。一次対応の速さが決める |
| 一次絞りの基準 | 「書類の一次絞りは、何を基準に行いますか」 | 型で分類する基準を持っているか |
| 目標と評価の扱い | 「目標と歩合の説明は、候補者にどう伝えますか」 | 正直に伝える前提か |
| 担当者 | 「担当する方の経歴を教えてください」 | 営業か営業の採用の経験があるか。担当者の経歴を確認する |
確認の要点は、「一次対応の体制」の答え方です。営業の採用は応募が多く、一次対応が遅れると、良い候補者から他社に決まります。応募が多いときに、その日か翌日に返せる体制があるかを確かめます。
代行に出したあとに起きること
| 起きること | 戻し方 |
|---|---|
| 応募は多いが型の違う人ばかり | 求人票の一行目で型を示す。一次絞りの基準を型で作る |
| 一次対応が遅れて、良い候補者が他社に決まる | 一次対応の目安をその日か翌日に。代行の体制を確認 |
| 面接で「目標と歩合はどうなっているか」と聞かれ、答えが曖昧 | 目標と評価を決め、求人票とスカウトに書く |
| 経歴の数字で通した人が、面接で型が違う | 一次絞りで「何を、誰に、どう、どの段階」を確かめる項目を足す |
| 入社後に早く辞める | 採用の工程の外だが、目標と評価と受け入れの設計。営業がすぐ辞めてしまう |
戻し方の要点は、「応募の数ではなく、型が合う応募の数と、面接に進んだ数を見る」ことです。営業の採用は応募の数で安心しがちですが、合う人が来ていなければ、数は負担でしかありません。
エラベルの見解
担当する側から見ると、営業の採用で最も効くのは、求人票の一行目で型を示すことと、一次対応を速くすることです。型を示すと、合わない応募が減り、書類確認の負担が減ります。一次対応を速くすると、良い候補者を逃さなくなります。この二つは、代行に出す工程の中で最も結果に効く部分で、社内が忙しいときほど、外に出す価値があります。
エラベルでは、営業の案件をお受けするとき、依頼側に営業の型の一文と、目標と評価の説明を先に用意していただいています。この二つが担当者に渡れば、担当者は最初の週から求人票を直し、一次対応を回せます。渡らなければ、担当者の最初の仕事は、この二つを引き出す打ち合わせになります。営業の採用は、代行に出しやすい職種ですが、型が決まっていない募集は、代行に出しても応募が増えるだけです。
まとめ
- 営業採用で代行に出せるのは探す・届ける・一次対応する・進捗を回す。営業の型の決定・売る力の評価・目標と評価の設計は社内に残す
- 他の職種と違うのは応募は集まるが合う人が来ない・型が会社ごとに違う(相手・売り方・単価と期間・任せる段階)・経歴の数字が実態を表さない・定着が採用の設計で決まる
- 代行に出す前に型の一文・目標と評価・進め方の言語化・評価する人・受け入れの体制・責任者の面接の枠を確認
- 責任者がいなければ経営者が自分の型を言語化する・一人目には「型を作るところから」と正直に・外部の営業の経験者を整理と面接だけに
- 代行を選ぶときは一次対応の体制の答え方を見る。応募が多いので、速さが決める
- 応募の数ではなく、型が合う応募の数と面接に進んだ数を見る
よくある質問
営業は応募が多いので、代行に出す必要は無いのではないですか
応募が多いことと、合う人が来ることは別です。応募が多い状態で、一次対応と一次絞りを社内で回すと、対応が遅れて良い候補者を逃し、書類確認で社内が疲れます。代行に出す価値は、応募を増やすことより、一次対応を速くし、型で一次絞りをして、社内が面接に集中できる状態を作ることにあります。応募が多い職種ほど、一次対応と一次絞りを外に出す効果が大きい。ただし、型が決まっていないと、代行も一次絞りの基準を持てません。
「トップの成績」の経歴の人を採ったのに、自社で売れません
経歴の数字は、何を、誰に、どう売って、どの段階を担ったかが分からないと、自社で再現できるかの証明になりません。前職で見込みを自社が作り、商談だけを担っていた人は、見込みの創出から任せる自社では動けないことがあります。個人向けの即決の営業で成績を出した人は、法人の半年かかる営業では別の力が要ります。一次絞りと面接で、数字の裏の型(相手・売り方・単価と期間・段階)を確かめます。「トップ」より、「自社の型と同じ型で売った経験」を必須にします。
歩合や目標を求人票に書くと、応募が減りませんか
書かないと、面接や内定の段階で聞かれ、そこで辞退されるか、入社後に「聞いていた話と違う」となります。歩合や目標は、営業の候補者が最初に知りたいことで、書いてある求人票のほうが「正直な会社」として信頼されます。書き方は、仕組み(固定と歩合の割合、目標の決め方、達成の水準の目安)を具体的に。数字を書く場合は、社内の実態に沿ったものを、経営と営業の責任者で確認したうえで書きます。目標が現実的でないなら、採用の前に目標の設計を見直します。