採用代行 / 営業

営業採用を代行に出す判断基準|任せられる工程と残す工程

公開 2026-09-16

営業の採用は、エンジニアやデザイナーと比べて応募が集まりやすく、代行に出しやすい職種に見えます。ただ、「営業経験者」という言葉の中には、売る相手(法人か個人か)、売り方(新規か既存か、電話か訪問か紹介か)、単価と期間(数万円を即決か、数千万円を半年か)、任せる段階(見込みを作るところからか、商談からか、契約後の継続か)が全部違う仕事が含まれます。結論を先に書くと、営業採用で代行に出せるのは「探す・届ける・一次対応する・進捗を回す」で、「自社の営業の型(相手・売り方・単価と期間・任せる段階)の決定・売る力の評価・目標と評価の設計」は社内に残すのが線です。営業の型が決まっていない募集は、応募は集まっても、自社の営業ができる人が来ません。営業が辞める構造は営業がすぐ辞めてしまうに、採用代行そのものの整理は採用代行(RPO)とはにまとめています。

営業採用が他の職種と違う点

一つ目は、応募は集まるが、合う人が来ないことです。営業は経験者の母数が多く、「営業募集」と出せば応募は来ます。ただ、法人の高単価の新規営業を求めているのに、個人向けの店頭販売の経験者が来る、といったずれが起きます。応募の数は足りているのに、面接で「うちの営業とは違う」となります。

二つ目は、営業の型が会社ごとに違うことです。売る相手、売り方、単価と期間、任せる段階。この四つの組み合わせで、同じ「営業」でも別の仕事になります。候補者は自分の経験した型を想定して応募するので、四つが求人票に無いと、面接でずれます。

三つ目は、経歴の数字が実態を表さないことです。「売上目標を達成」「トップの成績」と書かれていても、何を、誰に、どう売って、どの段階を担ったかが分からないと、自社で再現できるかは分かりません。数字の裏の型を読む必要があります。

四つ目は、入社後の定着が採用の設計で決まることです。営業は、入社後の目標と評価の設計が合わないと、早く辞めます。採用の段階で、目標と評価がどうなっているかを候補者に伝えられないと、入社後にずれます。

この四つから、代行に出せる工程が決まります。

工程ごとの「任せられる・残す」

工程任せられるか理由
営業の型の決定(相手・売り方・単価と期間・任せる段階)残す自社の商材と営業の実態から。社内にしか分からない
目標と評価の設計残す入社後の定着を決める。経営と営業の責任者で
要件の決定残す営業の型から。外部は整理を手伝える
求人票の作成任せられる(型が決まっていれば)決まったものを候補者に伝わる言葉にする
媒体の選定と運用任せられる営業職に届く媒体と経路の経験があれば
スカウトの検索と送信任せられる型に合わせた検索と、文面の個別化
応募者への一次対応任せられる連絡、日程、流れの案内。応募が多いので、ここが最も効く
書類の一次絞り条件付き型(相手・売り方・単価)の分類は任せられる。売る力の妥当性は残す
売る力の評価残す営業の責任者が面接で聞く。外部は評価の型作りと記録
合否の判断残す会社の判断
条件の決定と提示残す会社の判断。歩合や目標の説明を含む
内定後の対応任せられる辞退を防ぐ連絡

線の要点は、「営業の型の四つが、募集の前に社内で決まっているか」です。この四つが求人票とスカウトの中身になり、書類の一次絞りの基準になります。決まっていれば、応募が多い営業の採用では、一次対応と一次絞りを代行に出すことで、社内の負担が大きく減ります。

エラベルの見解

相談で多いのは、「営業を募集して応募は月に数十件来るが、面接で合う人がいない」というご相談です。求人票を見ると、「営業職募集。法人・個人向けの営業」と書かれていて、相手も売り方も単価も任せる段階も無い。応募者は、店頭販売、電話営業、法人の新規、既存の深耕と、全部の型の人が混ざっていて、自社の型(法人の高単価の新規、見込みを作るところから)に合う人は一部です。応募の数が、社内の書類確認の負担になっています。

見ていて差がつくのは、「営業の型を四つの観点で一文にして、求人票の一行目に書いているか」です。「中小企業の経営者向けに、〇〇を新規で提案し、見込みの創出から契約まで担う営業」。一行目で型が分かれば、合う型の人が応募し、合わない型の人は見送ります。応募の総数は減りますが、面接に呼べる人の割合が上がり、書類確認の負担が減ります。エラベルでは、営業の案件をお受けする前に、依頼側に四つの観点で営業の型を一文にしていただいています。

代行に出す前に社内で確認すること

代行に出す前に、社内で揃えておくことを六つ挙げます。

六つのうち、一つ目と二つ目が最も重要です。型と目標が決まっていれば、他は整理できます。

営業の責任者がいない会社の組み方

経営者が営業を見ていて責任者がいない、または一人目の営業を採る会社は多い。組み方を三つ示します。

一つ目は、経営者が「自分の営業の型」を言語化することです。経営者が売ってきた型(相手、売り方、単価と期間、段階)が、自社の営業の型です。それを求人票に書き、面接で経営者が売る力を確かめます。

二つ目は、一人目の営業に「型を作るところから」と正直に書くことです。経営者の型を引き継ぎながら、再現できる形に整えていく役割。それに魅力を感じる人(自分で型を作りたい人)と、整った型で動きたい人は違うので、正直に書いて分けます。

三つ目は、外部の営業の経験者を、要件の整理と面接だけに入れることです。顧問、業務委託、知人。「自社の商材と型で、どういう営業が合うか」を整理してもらい、面接で売る力を聞いてもらう。

どの組み方でも、「売る力の評価を代行に任せない」ことは同じです。

代行を選ぶときの確認項目

確認項目聞き方見るポイント
営業採用の経験「営業の採用で、どの型(相手・売り方・単価)の募集を担当しましたか」型の区別が付いているか
経歴の読み方「『売上目標を達成』という経歴を、どう読みますか」何を、誰に、どう売って、どの段階を担ったかを確かめる姿勢があるか
一次対応の体制「応募が多い場合、一次対応をどう回しますか」営業の採用は応募が多い。一次対応の速さが決める
一次絞りの基準「書類の一次絞りは、何を基準に行いますか」型で分類する基準を持っているか
目標と評価の扱い「目標と歩合の説明は、候補者にどう伝えますか」正直に伝える前提か
担当者「担当する方の経歴を教えてください」営業か営業の採用の経験があるか。担当者の経歴を確認する

確認の要点は、「一次対応の体制」の答え方です。営業の採用は応募が多く、一次対応が遅れると、良い候補者から他社に決まります。応募が多いときに、その日か翌日に返せる体制があるかを確かめます。

代行に出したあとに起きること

起きること戻し方
応募は多いが型の違う人ばかり求人票の一行目で型を示す。一次絞りの基準を型で作る
一次対応が遅れて、良い候補者が他社に決まる一次対応の目安をその日か翌日に。代行の体制を確認
面接で「目標と歩合はどうなっているか」と聞かれ、答えが曖昧目標と評価を決め、求人票とスカウトに書く
経歴の数字で通した人が、面接で型が違う一次絞りで「何を、誰に、どう、どの段階」を確かめる項目を足す
入社後に早く辞める採用の工程の外だが、目標と評価と受け入れの設計。営業がすぐ辞めてしまう

戻し方の要点は、「応募の数ではなく、型が合う応募の数と、面接に進んだ数を見る」ことです。営業の採用は応募の数で安心しがちですが、合う人が来ていなければ、数は負担でしかありません。

エラベルの見解

担当する側から見ると、営業の採用で最も効くのは、求人票の一行目で型を示すことと、一次対応を速くすることです。型を示すと、合わない応募が減り、書類確認の負担が減ります。一次対応を速くすると、良い候補者を逃さなくなります。この二つは、代行に出す工程の中で最も結果に効く部分で、社内が忙しいときほど、外に出す価値があります。

エラベルでは、営業の案件をお受けするとき、依頼側に営業の型の一文と、目標と評価の説明を先に用意していただいています。この二つが担当者に渡れば、担当者は最初の週から求人票を直し、一次対応を回せます。渡らなければ、担当者の最初の仕事は、この二つを引き出す打ち合わせになります。営業の採用は、代行に出しやすい職種ですが、型が決まっていない募集は、代行に出しても応募が増えるだけです。

まとめ

よくある質問

営業は応募が多いので、代行に出す必要は無いのではないですか

応募が多いことと、合う人が来ることは別です。応募が多い状態で、一次対応と一次絞りを社内で回すと、対応が遅れて良い候補者を逃し、書類確認で社内が疲れます。代行に出す価値は、応募を増やすことより、一次対応を速くし、型で一次絞りをして、社内が面接に集中できる状態を作ることにあります。応募が多い職種ほど、一次対応と一次絞りを外に出す効果が大きい。ただし、型が決まっていないと、代行も一次絞りの基準を持てません。

「トップの成績」の経歴の人を採ったのに、自社で売れません

経歴の数字は、何を、誰に、どう売って、どの段階を担ったかが分からないと、自社で再現できるかの証明になりません。前職で見込みを自社が作り、商談だけを担っていた人は、見込みの創出から任せる自社では動けないことがあります。個人向けの即決の営業で成績を出した人は、法人の半年かかる営業では別の力が要ります。一次絞りと面接で、数字の裏の型(相手・売り方・単価と期間・段階)を確かめます。「トップ」より、「自社の型と同じ型で売った経験」を必須にします。

歩合や目標を求人票に書くと、応募が減りませんか

書かないと、面接や内定の段階で聞かれ、そこで辞退されるか、入社後に「聞いていた話と違う」となります。歩合や目標は、営業の候補者が最初に知りたいことで、書いてある求人票のほうが「正直な会社」として信頼されます。書き方は、仕組み(固定と歩合の割合、目標の決め方、達成の水準の目安)を具体的に。数字を書く場合は、社内の実態に沿ったものを、経営と営業の責任者で確認したうえで書きます。目標が現実的でないなら、採用の前に目標の設計を見直します。