採用代行 / 営業
営業向けスカウト文面の型|刺さる訴求と外す訴求
営業にスカウトを送っても返信が来ない会社の文面には、共通点があります。「営業職を募集しています」「成長企業で一緒に働きませんか」「頑張り次第で高収入」と書かれていて、何を、誰に、どう売るのか、目標と評価はどうなっているのかが無い。営業の候補者はこれを読んで、「型が分からない」「条件を隠している」と判断し、閉じます。結論を先に書くと、営業へのスカウトは、営業の型(相手・売り方・単価と期間・任せる段階)で対象を絞り、一行目で候補者が売ってきた型の一点に触れ、自社の営業の型・目標と評価・進め方を先に書き、会社の紹介は後ろに回す型にすると、返信が変わります。母集団形成の全体は営業の母集団形成に、代行に出す工程の線は営業採用を代行に出す判断基準にまとめています。
営業がスカウトを読まない理由
営業の候補者は、スカウトを受け取り慣れています。営業は経験者の母数が多く、スカウトも多く届く。読まれない理由は、他の職種と共通する部分(定型文)と、営業に特有の部分があります。
一つ目は、自社の営業の型が分からないことです。「営業職」だけでは、法人か個人か、新規か既存か、単価はどのくらいか、どの段階を任されるかが分からず、候補者は自分の経験に合うかを判断できません。
二つ目は、条件を隠していると読まれることです。「頑張り次第で高収入」「インセンティブあり」は、固定給が低いことや、目標が高いことを隠す言葉として読まれます。営業の候補者は、固定と歩合の仕組み、目標の水準を最初に知りたい。書かれていないと、「聞いたら不利な条件だろう」と判断します。
三つ目は、「成長企業」「活躍」「やりがい」といった言葉に飽きていることです。営業向けのスカウトは、この種の言葉で埋まっていることが多く、候補者は読み飛ばします。
四つ目は、見込みを誰が作るかが最初の関心事だということです。営業の負担は、見込みの創出からか、商談からかで大きく変わります。書かれていないと、「見込みも自分で作る前提だろう」と読まれます。
この四つから、文面の型が決まります。型を示す、条件を隠さない、形容詞を使わない、段階を明示する。
先に決めるのは対象:営業の型で絞る
文面の前に、誰に送るかを決めます。営業では、「相手・売り方・単価と期間・任せる段階」の四つが対象の絞り込みです。
自社の型と同じ型で売ってきた人に絞ります。法人の経営者に新規で高単価を提案してきた人、個人に店頭で即決の商材を売ってきた人、既存の顧客に継続の提案をしてきた人。型が同じなら、商材が違っても、営業の力は再現されます。型が違えば、経歴の数字が良くても、自社では再現されにくい。
「営業」の肩書と「トップの成績」で検索すると、型が混ざります。型の要素(相手の規模、新規か既存か、単価の水準、担った段階)で検索します。
隣接する業界の同じ型の営業を、対象に含めます。商材は入社後に覚えられ、型が同じことが重要です。同業に限ると狭く、競業の問題も出ます。スカウトの対象の絞り方も参考になります。
エラベルの見解
相談で多いのは、「営業に数百通送っているが、返信率が低い」というご相談です。文面を見ると、一行目が「営業職を募集しております」、二行目が「当社は成長中で」、条件は「インセンティブあり」。型も条件も段階も無い。営業の候補者から見ると、読まない理由が全部そろっています。数百通の労力が、読まれない文面の量産に使われています。
見ていて差がつくのは、「一行目で候補者の型の一点に触れ、条件を隠さずに書いているか」です。「中小企業の経営者に〇〇を新規で提案されてきたご経歴を拝見しました。当社でも同じ相手に〇〇を提案しており、見込みは自社で作り、商談から契約までをお任せします。固定と歩合の仕組みはこうです」。ここまで書くと、候補者は「型が合う」「条件が分かる」と判断し、返信します。エラベルでは、営業の担当者に、条件を文面の中に入れることを最初にお願いしています。条件を書くと返信の総数は減りますが、返信した人との面談で辞退が減ります。
文面の型:一行目は候補者の型、次に自社の型と条件
| 順 | 中身 | 書き方 |
|---|---|---|
| 一 候補者の経歴の一点 | 売ってきた相手、売り方、単価、担った段階のどれか一つ | 「中小企業の経営者に〇〇を新規で提案されてきたご経歴を拝見しました」 |
| 二 自社の型との重なり | その一点が、自社の型とどう重なるか | 「当社でも、同じ相手に〇〇を提案しています」 |
| 三 自社の営業の型 | 相手・売り方・単価と期間・任せる段階 | 「見込みは自社のマーケティングが作り、商談から契約までをお任せします。一件の額は〇〇の幅、期間は〇か月ほど」 |
| 四 目標と評価 | 固定と歩合の仕組み、目標の考え方、達成の水準の目安 | 隠さず、具体的に。数字を書く場合は社内で確認したもの |
| 五 進め方と受け入れ | ツール、報告、最初の三か月に誰が教えるか、同行の有無 | 具体的に |
| 六 チームの体制 | 何人で、責任者は誰か、一人目か | 一人目なら、一人目ならではの範囲 |
| 七 商材と顧客 | 何を、誰に。商材の特徴を短く | 三行以内。商材の説明で長くしない |
| 八 会社の紹介 | 事業と規模を短く | 三行以内 |
| 九 次の一歩 | 営業の責任者が出る短い面談 | 「営業の責任者と一緒に、商談の実例をお見せしながら三十分ほど」 |
型の要点は、「三と四を、商材と会社の紹介より前に書く」ことです。営業の候補者は、商材の魅力より、自分の型に合うか、条件が分かるかで判断します。商材の説明は、型と条件のあとに短く。
刺さる訴求と、外す訴求
| 刺さる訴求 | 外す訴求 |
|---|---|
| 相手・売り方・単価と期間・段階の具体 | 「営業職」「法人営業」だけ |
| 見込みを誰が作るか | 書かない。「新規開拓」だけ |
| 固定と歩合の仕組み、目標の考え方 | 「頑張り次第で高収入」「インセンティブあり」 |
| 最初の三か月に誰が教え、同行するか | 「未経験歓迎」だけで受け入れの中身が無い |
| 商談の流れと、決まるまでの期間 | 「やりがいのある仕事」 |
| 商材が売れる理由の具体(顧客が買う理由) | 「業界トップ」「革新的な商品」 |
| 営業の責任者の経歴と、一緒に働く形 | 「風通しが良い」「アットホーム」 |
| 一人目なら、営業の型を作る裁量 | 「裁量があります」だけ |
| 目標が達成できなかった場合の扱い | 隠す |
訴求の要点は、「条件を隠す言葉を使わない」ことです。「頑張り次第で高収入」は、固定給が低いか目標が高いことを隠す言葉として、営業の候補者に読まれます。仕組みを具体的に書くほうが、信頼されます。
送った後の運用
返信が来たあとの運用で、営業に特有の注意を整理します。
一つ目は、返信の速さです。営業の候補者は、複数の会社を同時に受け、対応の速い会社から決めます。他の職種より、この傾向が強い。返信にはその日、遅くとも翌日に返し、面談の日程はその返信の中で提案します。
二つ目は、面談に営業の責任者が出ることです。営業の候補者は、面談で「誰の下で働くか」「商談の実例はどんなものか」を確かめます。人事だけの面談では確かめられず、見送ります。営業の責任者が、商談の実例を見せながら、型と条件を直接話します。
三つ目は、面談で条件を再確認することです。スカウトに書いた固定と歩合の仕組み、目標の水準を、面談で改めて伝えます。書いてあっても、候補者は読み飛ばしていることがあります。面談で確認して、その時点で合わなければ、互いの時間を使わずに済みます。
四つ目は、記録です。営業は送信数が多くなりがちなので、誰に送ったか、返信があったかの記録を依頼側の環境に残します。スカウトの重複防止も参考になります。
代行に出せる範囲
| 工程 | 代行に出せる | 社内で持つ |
|---|---|---|
| 対象の決定 | 型で絞る検索の条件の提案 | 営業の型の確定 |
| 検索と一覧化 | 出せる。型の要素で | — |
| 文面の型作り | 出せる | 型・目標と評価・進め方・受け入れの中身を社内が出す |
| 一行目の個別化 | 出せる。経歴の型の一点を書く | — |
| 送信 | 出せる | 名義と時間帯 |
| 返信の一次対応 | 出せる。その日か翌日に | — |
| 面談の設定 | 出せる | 営業の責任者の面談の枠の確保 |
| 面談 | — | 営業の責任者が出る |
| 記録と数の整理 | 出せる | — |
分け方の要点は、「返信の一次対応を、その日か翌日に返せる体制で代行に出す」ことです。営業のスカウトは、返信が来てからの速さで決まります。社内で対応が遅れるなら、外に出す価値が大きい。目標と評価の中身は、社内でしか出せません。
エラベルの見解
担当する側から見ると、営業のスカウトで最も効くのは、条件を文面に書くことと、返信にその日に返すことです。条件を書くと、返信の総数は減りますが、返信した人は条件を受け入れていて、面談後の辞退が減ります。その日に返すと、複数社を受けている候補者の中で、自社が先に面談を組めます。依頼側から「条件を書くと不利では」と言われることがあるので、報告では返信数だけでなく、面談後の辞退率と面接に進んだ数を並べて示しています。
エラベルでは、営業の案件で担当者を紹介するとき、依頼側に「営業の型の一文」と「目標と評価の説明」を先に用意していただき、それが担当者に渡ってから文面に入るようお伝えしています。渡らなければ、担当者の最初の仕事は、この二つを引き出す打ち合わせです。条件が正直に書かれた文面は、営業の候補者に「正直な会社」として読まれ、それ自体が訴求になります。
まとめ
- 営業がスカウトを読まない理由は型が分からない・条件を隠していると読まれる・形容詞に飽きている・見込みを誰が作るかが分からない
- 先に決めるのは対象。営業の型(相手・売り方・単価と期間・段階)で絞る。隣接する業界の同じ型を含める
- 文面の型は一行目に候補者の型の一点→自社の型との重なり→自社の型→目標と評価(隠さない)→進め方と受け入れ→体制→商材(短く)→会社の紹介(短く)→営業の責任者が出る面談
- 刺さる訴求は型・段階・条件・受け入れ・商談の流れの具体。外す訴求は「頑張り次第で高収入」「成長企業」「やりがい」などの隠す言葉と形容詞
- 返信にはその日か翌日。面談には営業の責任者が出て、条件を再確認
- 代行に出せるのは型で絞った検索・個別化・送信・その日の一次対応・面談の設定・記録。目標と評価の中身は社内から
よくある質問
固定と歩合の仕組みをスカウトに書くと、他社に条件を知られませんか
求人票に書く範囲の情報であれば、スカウトに書いても通常は問題ありません。営業の候補者は、条件が分からないスカウトを「隠している」と読み、返信しません。書く粒度は、固定と歩合の割合、目標の考え方、達成の水準の目安で、個別の社員の年収や細かい計算式ではありません。この粒度は、採用サイトや求人票と同じ範囲です。条件を書かずに返信をもらっても、面談で聞かれて辞退されるので、先に書くほうが互いの時間を使いません。
「トップの成績」の人に送っているのに返信が来ません
「トップの成績」は、型が分からないまま数字だけで選んだ対象で、自社の型と違う可能性があります。個人向けの即決の営業でトップだった人に、法人の半年かかる営業のスカウトを送っても、「自分の型と違う」と読まれます。対象を、数字ではなく型(相手・売り方・単価と期間・段階)で絞り、一行目で型の一点に触れると、返信が来ます。数字は、型が合った上で見る材料で、型が違う人の数字は自社では再現されません。
商材の魅力を伝えないと、営業は興味を持たないのでは
営業の候補者が最初に見るのは、商材の魅力より、自分の型に合うか、条件が分かるか、見込みを誰が作るかです。商材は、型と条件のあとに、「何を、誰に、顧客はなぜ買うか」を三行で書けば足ります。「業界トップ」「革新的」といった言葉より、「顧客が買う理由」の具体のほうが、営業には伝わります。商材の詳しい説明は、面談で営業の責任者が商談の実例を見せながら話すほうが、候補者には響きます。