総務採用の代行費用の相場|「何でも屋」を探さず、仕事を棚卸しして払える額を決める
総務は、会社によって仕事の中身が最も違う職種の一つです。オフィスの管理、備品の購入、郵便や来客の対応、社内行事、規程の管理、株主総会の準備、場合によっては経理や労務の一部まで、他の部署が担っていない仕事がまとめて「総務」に集まっていることがよくあります。そのため、総務の採用を代行に出すときは、他の職種以上に何を担ってもらうのかを決めることが、費用と結果を左右します。結論から書くと、総務の代行費用は、今の総務の仕事を棚卸しし、誰がどれだけの時間をかけているかから払える額を逆算すると、判断しやすくなります。
代行の料金は会社、料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、この記事では金額の相場は扱いません。
まず仕事を棚卸しする
総務の求人を出す前に、今の総務の仕事を書き出してください。次のように分けると、整理しやすくなります。
| 仕事のかたまり | 例 | 求める経験 |
|---|---|---|
| 日々の運営 | 郵便、来客、備品、オフィスの管理 | 事務の経験があれば担いやすい |
| 社内の仕組み | 規程の管理、社内の手続き、社内行事の運営 | 社内の調整や文書づくりの経験 |
| 会社の機関 | 株主総会・取締役会の準備、登記の手配 | 機関の運営に関わった経験 |
| 隣の領域 | 経理や労務の一部、情報システムの管理 | それぞれの領域の実務経験 |
棚卸しをすると、「総務」という一つの言葉の中に、求める経験の違う仕事がいくつも混ざっていることが分かります。これらをすべて一人で担える人を探すと、候補者はかなり限られます。どの仕事を新しく採る人に任せ、どの仕事を他の担当者や外部に残すかを決めてから代行に出してください。要件の決め方は総務採用の要件定義で書いています。
兼務の時間と外部委託から逆算する
総務の担当者がいない、または足りない会社では、多くの場合、その仕事を誰かが兼務しています。払える額の手がかりは、その兼務の時間と、外部に頼んでいる費用です。
- 経営者や管理部門の責任者の時間:本来の仕事の合間に、総務の雑務を担っている時間
- 他部門の社員の時間:営業や開発の社員が、来客対応や備品の手配などを分担している時間
- 外部への委託費:オフィスの管理、郵便の処理、行事の運営などを外部に頼んでいる費用
とくに一つ目は、見落とされやすい費用です。経営者が総務の雑務に時間を取られていると、その時間は経営の判断や営業に使えたはずの時間です。総務の担当者を採ることで、これらの時間をどれだけ取り戻せるかが、採用にかけられる額の目安になります。そこに、人材紹介で採った場合の費用(紹介会社の手数料表に基づく手数料と社内の時間)を並べると、代行費用の上限が見えてきます。
エラベルの見解
総務の採用相談で多いのは、「何でもやってくれる人」を探しているケースです。求人に「総務全般」と書き、面接でも「いろいろお願いしたい」と伝える。候補者から見ると、仕事の範囲が分からず、入社後にどれだけ仕事が増えるかが読めません。経験のある人ほど、こうした求人を避けます。
棚卸しで決めた仕事の範囲を、求人と面接で具体的に伝えてください。「入社後の半年は、日々の運営と社内行事の運営を担当していただき、規程の管理は次の段階でお願いしたい」と伝えれば、候補者は自分に合うかを判断できます。同じ料金・同じ業務範囲でも、この整理ができていれば、担当者は合う人を選んで声をかけられます。
見積もりで確かめる工程
総務の採用代行の見積もりでは、次の工程が含まれているかを確かめてください。
- 仕事の範囲の言語化:棚卸しした仕事のうち、採る人に任せる範囲を決めて求人に書く
- 経歴の読み解き:担ってきた仕事のかたまり、会社の規模、社内の調整の経験を読む
- 文面の作成:自社の規模、総務の体制、任せる範囲と将来広げたい範囲を具体的に書く
- 選考の設計:社内の調整や優先順位のつけ方を、具体的な場面を想定して聞く面接を組む
- 入社後の引き継ぎの準備:兼務していた人から、何をどう引き継ぐかを決めておく
総務は、兼務していた人からの引き継ぎが多い職種です。引き継ぎの準備ができていないと、入社した人が何から手をつければよいか分からず、立ち上がりが遅れます。スカウトの進め方は総務のスカウトで書いています。
期間と料金の形
総務は、仕事の範囲が絞れていれば候補者が集まりやすい職種です。一方で、範囲が広く、会社の機関や隣の領域まで求めると、採用までに時間がかかります。代行費用は、月あたりの金額ではなく、採用までの期間を通した総額で比べてください。
料金の形は、月額固定、採用決定時の支払い、両者の組み合わせなどがあります。エラベルでは、採用決定時に1名10万円(税別)という形で、担当者を選んで採用の実務を任せられる仕組みを用意しています。どの形でも、上で逆算した上限の中に収まるかで判断してください。
エラベルの見解
総務の採用で、もう一つ考えてほしいのは、総務の仕事の価値を社内で認めることです。総務の仕事は、うまくいっているときほど目立たず、評価されにくい傾向があります。評価の仕組みがないまま採用すると、入社した人が自分の仕事が認められていないと感じて、早く辞めてしまうことがあります。
採用の前に、総務の担当者を何で評価するかを決めてください。社内の手続きの時間がどれだけ短くなったか、社員からの問い合わせにどれだけ早く答えられたか、といった形で、仕事の成果を見える形にしておくと、候補者にも伝わりやすく、定着にもつながります。
まとめ
- 総務は会社によって中身が違う。仕事を棚卸しして、採る人の範囲を決めてから代行に出す
- 払える額は、経営者や他部門が兼務している時間と、外部への委託費から逆算する
- 「総務全般」ではなく、任せる範囲と将来広げる範囲を具体的に伝える
- 見積もりでは、仕事の範囲の言語化と、入社後の引き継ぎの準備が含まれているかを確かめる
- 総務の担当者を何で評価するかを採用の前に決めておく
よくある質問
総務採用の代行費用の相場はいくらですか
会社や料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。総務の仕事を兼務している人の時間と外部への委託費、人材紹介で採った場合の費用から上限を逆算し、その範囲で見積もりを比べてください。
総務と経理・労務を一人に任せてもよいですか
会社の規模によっては一人で担うこともありますが、求める経験の幅が広がるため、候補者は限られます。経理や労務の一部は税理士事務所や社会保険労務士に委託し、総務の担当者はその窓口を担う、といった分担も検討してください。
未経験の人を総務に採ることはできますか
日々の運営が中心の仕事なら、事務の経験がある人や、接客などで人と調整する仕事をしてきた人を採って育てる選択もあります。会社の機関や規程の管理まで求める場合は、経験のある人のほうが立ち上がりが早くなります。
本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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