採用代行 / 採用イベント・ミートアップ

採用イベント・ミートアップは代行に出せるか|任せる範囲の切り分け方

公開 2026-09-20

「採用イベントをやりたいが、企画から運営までの手が無いので代行に出したい」という相談は、スカウトや媒体だけでは会えない候補者と接点を作りたい会社から来ます。出せます。ただ、採用イベントで候補者が持ち帰るのは「この会社の人と話した」という体験であり、登壇して語るのも、参加者と話すのも、社員でなければ意味がありません。外の人が持てるのは、その場が成立するように企画し、集め、回し、その後を追う部分です。結論を先に書くと、採用イベント・ミートアップは、「誰に何のためにやるかの決定」「社員が登壇して語ること」「参加者と直接関係を作ること」「費用の承認」「参加者情報の扱いの方針」は会社が持ち、「目的に沿った企画の案と集客の設計・告知と申込の管理・会場や配信の手配と当日の運営・参加者への翌日までの連絡と選考への案内・参加者の反応と応募への影響の記録」は代行に出せます。人が集まらないときの見直し方は採用イベントに人が集まらないときに書いていますので、ここでは「採用イベントを工程に分けて出す」観点に絞ります。

「語る」と「回す」を分ける

採用イベントを工程に分けると、次のようになります。

一つ目は、誰に、何のために、何を持ち帰ってもらうかを決めることです。転職を考えている経験者に「この会社の技術と人」を知ってもらうのか、学生に「この業界の仕事」を知ってもらうのか、すでに選考中の候補者に「チームの人」と会ってもらうのか。会社が決めます。案は外の人が出せます。

二つ目は、企画の案と集客の設計です。テーマ、形式(登壇か座談か懇親か)、規模、日時、場所か配信か、どこで告知し誰を招くか。外の人ができ、決めるのは会社です。

三つ目は、告知と申込の管理です。告知文の作成、告知先への掲載、申込の受付、参加者への事前の連絡、リマインド。外の人ができます。

四つ目は、会場や配信の手配と当日の運営です。会場、機材、配信、受付、進行、時間管理、懇親の段取り。外の人ができます。

五つ目は、社員が登壇して語り、参加者と話すことです。社員が行います。外の人は、登壇の内容を社員から聞き出して構成を整えることと、当日の進行の補助ができます。

六つ目は、参加者へのその後の連絡です。翌日までにお礼と、選考や面談への案内、質問への回答。外の人ができます。

七つ目は、参加者の反応と応募への影響を記録することです。誰が来て、何に反応し、その後に応募や面談に進んだか。外の人ができます。

八つ目は、費用の承認と、参加者情報の扱いの方針です。会社が決めます。

八つのうち、一の決定、五の語ること、八は会社が持ち、それ以外は外に出せます。

代行に出せる工程と出せない工程

工程会社が持つ代行に出せる
誰に・何のために・何を持ち帰ってもらうか決める目的の整理と案
企画と集客の設計決めるテーマ、形式、規模、日時、告知先の案
告知と申込の管理告知文、掲載、受付、事前連絡、リマインド
会場・配信の手配と当日の運営費用を承認する手配、受付、進行、時間管理、懇親の段取り
登壇と参加者との対話社員が語る登壇内容の聞き出しと構成、進行の補助
参加者へのその後の連絡選考の判断翌日までのお礼、選考や面談の案内、質問への回答
反応と応募への影響の記録続けるかを判断する参加者ごとの記録、応募や面談への進み
参加者情報の扱い方針を決める方針に沿った管理

表の要点は、「登壇と参加者との対話」が社員であることです。代行が会社の説明をする採用イベントは、会社案内を読み上げる場になり、参加者は「社員と話したかった」と帰ります。代行が持つのは、社員が語れるように内容を聞き出して構成し、当日の進行を回す部分です。

もう一つの要点は、「参加者へのその後の連絡」です。採用イベントは「やって終わり」になりがちで、参加者はその後に何も届かず、他社のイベントに行きます。翌日までにお礼と次の案内(面談、選考、次のイベント)を送る形にすると、イベントが応募につながります。ここは社員がやると遅れるので、外に出すと速くなります。

エラベルの見解

相談で最も多い思い込みは、「採用イベントは人を集めれば、そのうち何人かは応募する」というものです。実際には、集めても「誰に何を持ち帰ってもらうか」が決まっていないイベントは、参加者が「会社の説明を聞いた」だけで帰り、応募にはつながりません。ある会社では、年に数回イベントを開き、毎回数十人を集めていましたが、その後の応募は数えるほどでした。聞くと、内容は事業の説明と募集の案内で、社員が話す時間は短く、参加者の名簿はあるものの翌日以降の連絡は無く、誰が応募したかも追えていませんでした。担当者が入って、目的を「選考中とスカウト返信済みの候補者に、チームの人と話してもらう」に絞り、規模を十人程度にし、内容を社員三人の座談と懇親にし、翌日までにお礼と面談の案内を送る形にしたところ、参加者は減ったのに応募と面談に進む数は増えました。採用イベントで増やすべきは参加者の数ではなく、「社員と話して、翌日に次の案内が届いた」参加者の数です。

代行に出したほうがよい状況

次の状況では、採用イベントの運営を代行に出したほうが進みます。

一つ目は、目的は決まっているが、告知・申込・当日の運営に人事の時間が取れず、開けていないときです。運営を外に出します。

二つ目は、イベントを開いているが、参加者へのその後の連絡が無く、応募につながっていないときです。翌日までの連絡と記録を外に出します。

三つ目は、内容が会社の説明ばかりで、社員が話す時間が短いときです。企画の案と登壇内容の聞き出しを外に出し、社員が語る形に変えます。

四つ目は、人が集まらないときです。集客の設計(誰に、どこで告知し、誰を直接招くか)を外に出します。集まらない原因の見方は採用イベントに人が集まらないときに書いています。

五つ目は、イベントの効果が分からず、続けるかどうか判断できないときです。記録を外に出します。

代行に出さないほうがよい状況

逆に、次の状況では、採用イベントを外に出しても進みません。

一つ目は、登壇する社員と、参加者と話す社員の時間が取れないときです。運営を外に出しても、語る人がいなければイベントは成立しません。先に社員の時間を確保します。

二つ目は、誰に何のためにやるかが決まっておらず、「とりあえず開いてみる」ときです。目的が無いイベントは、運営が完璧でも応募につながりません。先に目的を決めます。

三つ目は、参加者情報(氏名、連絡先、所属)を外の人に渡すことについて、方針が無いときです。申込の管理とその後の連絡を代行が持つと、参加者情報を扱うことになります。扱いの決まりと契約が先です。法令に関わる部分は専門家にご確認ください。

四つ目は、応募不足の原因が条件や選考の速さにあるときです。イベントでは解決しません。そちらを先に直します。

担当者の選び方

採用イベントの運営を任せる担当者は、次の点で選びます。

一つ目は、採用イベントを「誰に何を持ち帰ってもらうか」から企画した経験があるかです。集客の数より、目的に合う規模と形式を提案できる人。

二つ目は、社員から登壇の内容を聞き出し、話しやすい構成にできるかです。台本を書く人ではなく、社員の言葉で語れるように問いを用意する人。

三つ目は、当日の運営を、受付から進行から時間管理まで一人で回せるかです。

四つ目は、参加者への翌日までの連絡を、参加者ごとに一言添えて送れるかです。定型の一斉送信ではなく、当日の会話に触れた連絡ができる人。

五つ目は、参加者ごとの反応と、その後の応募や面談への進みを記録して、会社に戻せるかです。担当者の経歴の見方は担当者の経歴の見方に書いています。

出す前に用意しておくもの

採用イベントの運営を代行に出す前に、次を用意しておくと、最初の一週間が速くなります。

一つ目は、誰に、何のために、何を持ち帰ってもらうかの決定です。決まっていなければ、担当者が案を出して会社が決めます。

二つ目は、登壇する社員と、参加者と話す社員と、その時間です。当日だけでなく、事前の打ち合わせの時間も含めます。

三つ目は、費用の枠です。会場、配信、飲食、告知。承認する人も決めます。

四つ目は、参加者情報の扱いの方針と、代行との契約です。申込で集める項目、保管と廃棄、選考への引き継ぎ。法令に関わる部分は専門家にご確認ください。

五つ目は、参加者へのその後の流れです。イベントの後に、面談に誘うのか、選考に案内するのか、次のイベントを案内するのか。誰が判断し、誰が連絡するか。

六つ目は、これまでのイベントの記録です。あれば、担当者は「誰が来て、何に反応し、誰が応募したか」を最初に読み、企画に反映できます。

エラベルの見解

担当する側から見ると、採用イベントで最も効くのは、「規模を小さくして社員と話す時間を長くする」ことと、「翌日までに参加者ごとに一言添えて連絡する」ことの二つです。前者で参加者は「社員と話した」体験を持ち帰り、後者でその体験が応募につながります。大人数の説明会は運営の手間が大きいわりに、参加者は誰とも話さずに帰ります。エラベルでは、採用イベントの運営を任せる案件で担当者を紹介するとき、最初の一週間で目的と対象を会社と確認し、登壇する社員と時間を確保し、規模と形式の案を出し、参加者情報の扱いと、その後の流れを決めるところまでをお願いしています。社員が語ること、参加者と関係を作ること、費用と情報の方針は会社の役割であり、担当者はそれが成立するように企画し、集め、回し、追う役割に徹してもらっています。

まとめ

よくある質問

代行の担当者に登壇してもらうことはできませんか

登壇は社員が行うのが基本です。参加者が聞きたいのは、その会社で働いている人の話で、外の人が会社を説明する形は会社案内の読み上げになります。担当者が持てるのは、司会や進行、質疑の取りまとめまでです。社員が人前で話すのが苦手なら、登壇ではなく座談や懇親の形にして、担当者が問いを投げて社員が答える形にします。

参加者からの質問に、代行はどこまで答えてよいですか

事前に「答えてよい範囲」を決めておきます。選考の流れ、募集の概要、次の案内は答えられるように資料を渡し、日々の仕事やチームの様子は「社員が答えます」と社員に振ります。参加者の個別の選考状況や合否には答えず、人事に取り次ぎます。名乗り方(会社の採用事務局か、外部の運営か)も会社が決めます。

オンラインとオフライン、どちらがよいですか

目的と対象で決まります。遠方の候補者や、まだ転職の温度が低い人には、参加の負担が小さいオンラインが向きます。選考中の候補者や、チームの空気を感じてほしい人には、少人数のオフラインが向きます。どちらでも、社員と話す時間が確保されているかが要です。オンラインで一方的な配信になると、参加者は誰とも話さずに閉じます。