採用計画の設計を外注したときの費用と工数の目安|計画づくりに使う数字を誰が集めるかで変わる
採用計画は、いつまでに、どの職種を、何人、どの手段で採るかを決めるものです。事業の計画と結びついていて、採用のすべての動きの出発点になります。この計画づくりを外部に頼むとき、費用と工数を大きく左右するのは、計画づくりに使う数字を誰が集めるかです。事業の計画、退職の見込み、過去の採用の実績といった数字がそろっていれば、計画は早く形になります。そろっていなければ、数字を集めるところから始めることになります。結論から書くと、採用計画の外注は、外部が担う工程と、社内に残る工程を分け、数字の準備の状態を確かめてから見積もると、判断しやすくなります。
外部への費用は会社、料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、この記事では金額の相場は扱いません。
採用計画を工程に分ける
採用計画の設計は、次の工程に分けられます。
| 工程 | 中身 | 担い手 |
|---|---|---|
| 数字の収集 | 事業の計画、組織の計画、退職の見込み、過去の採用の実績を集める | 社内が持っている数字を出す。外部は何が要るかを示す |
| 必要人数の算出 | 事業の計画と退職の見込みから、採用が必要な人数を職種ごとに出す | 外部が計算の枠組みをつくれる |
| 手段と時期の設計 | 職種ごとに、どの手段で、いつから採用を始めるかを決める | 外部が過去の経験をもとに案を出せる |
| 予算の見積もり | 手段ごとの費用を見積もり、採用の予算をまとめる | 外部が下書きできる。社内の確認が要る |
| 経営との合意 | 計画を経営者と合わせ、承認を得る | 社内が担う |
この表で大切なのは、一つ目の「数字の収集」は社内にしかできないことです。事業の計画や退職の見込みは、社内の人しか知りません。外部に頼む場合も、必要な数字を社内で集める時間が必要になります。詳しい切り分けは採用計画の設計は代行に出せるかで書いています。
数字の準備が工数を左右する
採用計画の工数は、社内の数字がどれだけそろっているかで大きく変わります。依頼する前に、次の数字があるかを確かめてください。
- 事業の計画:今後の売上や事業の拡大の計画。どの部署で人が増えるかの見通し
- 組織の計画:部署ごとの人数の計画、新しく立ち上げる部署
- 退職の見込み:過去の退職の実績から見た、今後の退職の見込み
- 過去の採用の実績:手段ごとの応募数、選考の通過率、採用までの期間、採用の費用
これらがそろっていれば、外部は計算と設計に集中できます。そろっていなければ、数字を集める工程が加わり、工数が増えます。とくに四つ目の過去の採用の実績は、記録が残っていない会社も多く、その場合は過去の求人や選考の記録をたどるところから始めることになります。
エラベルの見解
採用計画の外注で多いのは、事業の計画が固まっていないのに、採用計画だけを先に頼むケースです。事業の計画が曖昧なままでは、必要な人数も時期も決められず、外部がつくった計画も仮置きの数字の積み重ねになります。結果として、計画どおりに進まず、作り直しの工数がかかります。
採用計画を頼む前に、少なくとも今後一年の事業の計画の大まかな見通しを、経営者と人事で共有してください。見通しが立っていれば、外部はそれをもとに具体的な計画をつくれます。同じ料金・同じ業務範囲でも、事業の計画の段階から一緒に整理してくれる担当者かどうかで、計画の使いやすさは大きく変わります。
料金の形ごとの考え方
採用計画の設計を外部に頼むときの料金の形は、主に次のように分かれます。
- 成果物:採用計画書の一式に対して払う。何を受け取れるかが分かりやすい
- スポット(時間・回数):打ち合わせや分析の時間に応じて払う。部分的な相談に向く
- 月額の中に含める:採用代行の月額の中で、最初の工程として計画をつくり、運用しながら見直す
計画は一度つくって終わりではなく、採用を進めながら見直していくものです。月額の中に含める形では、計画の見直しまで続けて頼めるかを確かめてください。採用計画の進め方は採用計画の設計の進め方で書いています。
品質の見方
採用計画の成果物の品質は、次の点で確かめられます。
- 事業の計画と結びついているか:採用の人数と時期が、事業の計画から説明できるか
- 手段ごとの根拠があるか:どの手段で何人採るかが、過去の実績や市場の見え方に基づいているか
- 見直しの基準があるか:計画どおりに進まないとき、何を見て、いつ見直すかが決まっているか
料金の形は、上で挙げたほかに、採用が決まったときに支払う形もあります。エラベルでは、採用決定時に1名10万円(税別)という形で、担当者を選んで採用の実務を任せられる仕組みを用意しています。計画づくりを含めて頼むかどうかは、担当者との面談で範囲を確かめてください。
エラベルの見解
採用計画の外注で、もう一つ考えてほしいのは、計画を運用する人が誰かです。どれだけよい計画をつくっても、それを日々の採用に落とし込み、進み具合を見て手を打つ人がいなければ、計画は机の上のものになります。
外部に計画をつくってもらうなら、その後の運用を誰が担うかを決めてください。社内の人事が運用するなら、計画をつくる段階から関わってもらうと理解が深まります。外部に運用まで頼むなら、計画づくりと運用を同じ担当者が担えるかを確かめると、計画の意図がぶれずに進みます。
まとめ
- 採用計画の外注は、外部が担う工程と社内に残る工程を分けて考える
- 数字の収集と経営との合意は社内が担う。外部は計算と設計を助ける
- 工数は、事業の計画、組織の計画、退職の見込み、過去の採用の実績がそろっているかで大きく変わる
- 料金の形は成果物・スポット・月額など。計画の見直しまで頼めるかを確かめる
- 計画をつくった後に運用する人を決める
よくある質問
採用計画の設計を外注したときの費用の相場はいくらですか
会社や料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。社内の数字の準備の状態を伝えたうえで見積もりを取り、成果物の範囲をそろえて比べてください。
過去の採用の記録が残っていなくても頼めますか
頼めますが、過去の求人や選考の記録をたどる工程が加わるため、工数が増えることがあります。記録がない場合は、今回の採用から記録を残す仕組みを一緒につくることも検討してください。次の計画づくりが楽になります。
採用計画は何か月ごとに見直せばよいですか
事業の状況や採用の進み具合によって変わります。計画をつくる段階で、どの数字を見て、どのタイミングで見直すかを決めておくと、計画どおりに進まないときに早く手を打てます。
本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
この記事のタグ
関連記事
- 採用計画の設計は代行に出せるか|任せる範囲の切り分け方 採用計画の設計を採用代行に出せるかは、「何人を、いつまでに、何のために採るか」を決める部分と、「その人数を採るために、どの経路で、どのくらいの母集団と工程が要るか」を逆算して表にする部分を分ければ答えが出ます。前者は事業計画と要員計画から会社が決めるもので外に出せず、後者は過去の数字と経路の特性から逆算する作業で、外に出せます。代行に出せる工程と出せない工程、出したほうがよい状況、出さないほうがよい状況、担当者の選び方、出す前に用意しておくものをまとめました。 採用代行採用計画の設計
- 採用計画の設計の進め方|自社でやる場合の手順 採用計画を自社で作るとき、「今年は十名」の一行で止まると、いつ何をすればよいか分からず、年末に「結局三名だった」で終わります。進め方は、来期に何をするかから要員を出す→退職と異動を引いて採用で埋める数と時期を決める→去年の数字を経路ごとに拾う→入社一名に要る面接・書類・応募の件数を経路ごとに逆算する→月ごとに工程を暦に置く→月末に見る表を作る→ずれたら経路・要件・時期のどれを直すか決める、の七つの手順。各手順で使う表と、止まりやすい場所、止まったときの抜け方、外の人に頼む場合の境目をまとめました。 採用代行採用計画の設計
- 人材紹介会社との折衝を外注したときの費用と工数の目安|紹介会社の数と推薦への返答の速さで決まる 人材紹介会社とのやりとりを外部に頼むとき、費用と工数をどう見積もるか。紹介会社への求人の説明・推薦への返答・選考の連絡・条件の調整に分けたときの工数のかかり方、契約する紹介会社の数が工数を左右する理由、手数料の実績の確かめ方を整理しました。 採用代行人材紹介会社との折衝
- 求人媒体の運用を外注したときの費用と工数の目安|掲載費とは別に「運用の手間」を見積もる 求人媒体の運用を外部に頼むとき、費用と工数をどう見積もるか。掲載費と運用の費用を分けて考える理由、運用を原稿の更新・応募者の管理・数字の振り返りなどの工程に分けたときの外部と社内の分担、媒体の契約やアカウントの扱いで確かめることを整理しました。 採用代行求人媒体の運用