スカウト代行 / スカウト代行

契約書で決めておくこと

公開 2026-09-08

スカウト代行の契約書は、業務委託契約の型に沿って作られます。ただし、スカウトには他の外注にない論点があります。誰の名義で送るのか、候補者の情報を誰が持つのか、送った記録は誰のものか。この記事では、締結前に決めておく項目を整理します。個別の条項の作り方については、専門家にご確認ください。見積もりの読み方は見積もりで確認する項目にまとめています。

決めておく九つの項目

一.業務の範囲。工程で列挙する。

二.送信の名義。誰の名前で送るか。

三.候補者情報の取り扱い。閲覧、保存、削除。

四.媒体アカウントの名義と権限

五.成果物の帰属。文面、検索条件、リスト。

六.報告の内容と頻度

七.再委託の可否

八.契約期間と解約の予告

九.終了時の引き渡し

このうち、二番目・三番目・五番目がスカウト特有です

送信の名義を決める

候補者に届くスカウトは、誰の名前で送られるか

形は三つあります

自社の採用担当者の名前で送る。候補者から見ると、自社から届いた形になります。

代行会社の担当者の名前で送る媒体の仕様によっては選べないことがあります

役職や部署名で送る。「採用担当」など。

このうち、一番目が多い形です

そして、一番目を選ぶ場合、決めておくことがあります

返信が来たとき、誰がどう返すか。候補者は自社の担当者に返信したつもりです。

候補者から電話が来たとき。自社に来ることがあります。

面談の場に誰が出るか。スカウトを送った名前の人が出ないことがあります。

この三つを決めておかないと、候補者から見て一貫しない対応になります

候補者の体験に関わる部分です契約書の条項というより、運用の設計として決めてください

候補者情報の扱い

スカウト代行では、代行会社が候補者の個人情報に触れます

決めること

二番目が論点になります

媒体の管理画面だけで作業する運用なら、代行会社側に情報は残りません

一方、候補者リストを別のファイルに書き出して管理する運用だと、情報が代行会社側に残ります

どちらの運用かを確認してください

そして、個人情報の取り扱いについては、自社の規程と照らして専門家にご確認ください

エラベルの見解

契約書で最も抜けやすいのが、「送信済みリストの帰属」です。スカウト特有の項目です。

送信済みリストとは、誰にいつ送ったかの記録です。

これが要る理由

代行会社を替えたとき。新しい会社が同じ候補者に送ってしまいます。候補者から見ると、同じ会社から二度目が届く

多くの媒体では、一定期間は同じ候補者に送り直せません送れる相手が減っていることを、次の会社は知りません

自社で直接送るとき。同じ問題が起きます。

再アプローチを検討するとき。前回いつ送ったか、どんな反応だったかが要ります。

この四つのために、送信済みリストは自社に残す必要があります

書いておく内容

「本業務において送信した候補者の記録(候補者を特定する情報、送信日、使用した文面の種別、返信の有無と内容)は、委託者に帰属し、契約終了時に委託者の指定する形式で引き渡す」

このような趣旨の条項を入れてください実際の文言は専門家にご確認ください

そして、契約中も定期的に受け取ってください

終了時にまとめて受け取る形だと、終了がもめたときに出てこないことがあります

月次の報告に含めてもらうこれで、いつでも手元にある状態になります

送信済みリストは、払った媒体費で作られた記録です

成果物の帰属

スカウト代行で作られるもの

この六つの権利が自社に帰属するかを確認してください

帰属していれば、代行会社が替わっても使えます

そして、社内で運用に戻すときにも使えます

逆に、代行会社に帰属する契約だと、終了後に使えないことがあります

確認の仕方

「契約終了後、この文面を自社で使い続けられますか」と聞く。

答えが曖昧なら、条項で明確にしてください

再委託の可否

代行会社が、さらに別の会社や個人に委託することがあります

確認すること

三番目を確認してください

再委託自体は問題ではありませんただし、候補者の情報が想定より広く渡ることになります

自社の個人情報の規程と照らして判断してください

報告の内容を条項に入れる

報告は運用の話ですが、条項に入れておくと後から依頼する手間が省けます

入れる内容

二番目を具体的に書いてください

「業務の実施状況を報告する」だけだと、粒度が代行会社の裁量になります

契約期間と解約

決めること

五番目がスカウト特有です

成果報酬型で、面談設定まで進んでいる候補者がいる状態で解約した場合その成果は精算するのか

面談は設定されたが、実施が解約後になる場合

この扱いを決めておいてください

解約と引き継ぎは解約と引き継ぎにまとめています

エラベルの見解

契約書に、「担当者の交代」についての一文を入れることをおすすめします

スカウトの結果は、担当者の手つきに寄る部分が大きい業務です。

候補者の経歴のどこに触れるか、返信に何を返すか、条件をどう組むか

だから、担当者が交代すると結果が変わります

ところが、多くの契約書には担当者について何も書かれていません

入れておく内容

交代する場合の事前連絡。何日前に知らせるか。

引き継ぎの方法。文面の意図、条件の根拠、進行中の候補者。

交代後の期間。立ち上がるまでに何が変わるか。

そして、交代を理由にした解約の可否

四番目まで書くかは、依存度によります

ただし、一番目と二番目は入れてください

交代が事後報告になると、結果が落ちた理由が分かりません

「先月から返信率が下がった」。原因を探して、実は担当者が替わっていた

この事態を防ぐだけでも、一文を入れる価値があります

そして、契約前に「誰が担当しますか」と聞いておくと、この一文が自然に入ります担当者を特定して契約する形になるからです

契約書は、人を特定しない書き方が普通ですでも、スカウトは人で結果が変わります

まとめ

よくある質問

代行会社の契約書のひな型をそのまま使ってよいですか

内容を確認したうえでなら使えます。ただし、送信済みリストの帰属、成果物の権利、担当者の交代については書かれていないことが多いところです。追記を求めてください。締結前に、自社の規程と照らして専門家にご確認ください。

送信の名義は自社と代行会社のどちらがよいですか

自社名義が多い形です。候補者から見て自然だからです。ただし、返信対応や面談の場での一貫性を設計しておく必要があります。誰が返信するか、面談に誰が出るか。ここを決めずに自社名義にすると、候補者から見てちぐはぐな対応になります。

候補者情報の取り扱いはどこまで細かく決めるべきですか

閲覧の範囲、代行会社側での保存の有無、終了時の削除、再委託先の扱い。この四つは決めてください。自社の個人情報保護に関する規程がある場合、それと整合しているかも確認が要ります。個別の判断は専門家にご確認ください。