スカウト代行 / データサイエンティスト
データサイエンティストを探すときの検索条件とターゲティング
データサイエンティストにスカウトを送る前の検索で、「データサイエンティスト」の肩書と手法名で条件を組むと、二つの問題が起きます。一つは、分析(問いに答える)・モデル(予測を組み込む)・基盤(データを整える)の違う役割の人が同じ一覧に出ること。もう一つは、データの仕事をしていても肩書がアナリスト、エンジニア、マーケター、研究員のままの人が多く、肩書で絞ると対象が狭くなること。データ職の検索で最初にやるべきは、役割と最初の問いを決め、肩書ではなく経験で探し、「何のデータで、何を明らかにし、誰が使ったか」で読むことです。結論を先に書くと、検索条件は、先に役割(分析・モデル・基盤)と最初の問いを決め、肩書ではなく経験(解いた問い・扱ったデータの種類・結果が使われたか)で組み、要件の必須だけにし、プロフィールを「何のデータで、何を明らかにし、誰が使ったか」で読み、転向層(事業側の分析担当、研究者、エンジニア)を役割ごとに含めて送る順を決めます。文面の型はデータサイエンティストへのスカウト文面に、要件の作り方はデータサイエンティストの採用要件の作り方に書いていますので、ここでは「検索条件とターゲティング」に絞ります。媒体ごとの検索の仕様には触れません。仕様は各媒体の公式情報でご確認ください。
先に「役割」と「最初の問い」を決める
分析・モデル・基盤のどれが主か、入社した人に最初に解いてほしい問いは何か、を決めます。役割によって探す経験が変わり、問いによって扱うデータの種類が決まります。
| 役割 | 探す経験 | プロフィールで見る言葉 |
|---|---|---|
| 分析(問いに答えて事業に返す) | 事業の問いを明らかにし、結果が判断に使われた経験 | 「〇〇を明らかに」「施策に反映」「意思決定」 |
| モデル(予測や推定を組み込む) | 予測や推定を作り、本番に入れて動かした経験 | 「予測」「推定」「本番」「運用」「精度」 |
| 基盤(データを集めて整える) | 散らばったデータを集めて使える形にした経験 | 「収集」「整備」「パイプライン」「品質」 |
止まりやすいのは、三つの役割を一人に求めて探すときです。三つ全部を書いている人は少なく、いても要件が高くなりすぎます。主の役割で探します。
肩書ではなく経験で組む
条件に入れるのは、肩書や手法名ではなく、要件の必須に当たる経験です。肩書は「または」で複数(データサイエンティスト、データアナリスト、機械学習エンジニア、データエンジニア、マーケティングアナリスト、研究員)を入れるか、入れずにプロフィールの言葉で読みます。
| 要件 | 検索条件に | 理由 |
|---|---|---|
| 必須:〇〇(データの種類)を扱った経験 | データの種類の言葉で入れる(「購買」「行動ログ」「センサー」など) | 問いに合うデータの経験 |
| 必須:結果が事業の判断に使われた経験 | プロフィールで読む | 検索の言葉にしにくい |
| 歓迎:特定の手法やツール | 入れない | 問いに合わせて選ぶもの。入社後に覚えられる |
| 歓迎:学位 | 入れない | 学位と経験の中身は一致しない |
| 歓迎:データサイエンティストの肩書 | 入れない | 肩書の有無と中身は一致しない |
止まりやすいのは、手法名やツール名を「かつ」で並べて、数人しか出ないときです。手法は外し、データの種類と問いで読みます。要件の絞り方はデータサイエンティストの採用要件の作り方に書いています。
プロフィールを「何のデータで、何を明らかにし、誰が使ったか」で読む
データ職の経験の中身は、三つで読めます。何のデータを扱ったか(種類と量)、何を明らかにしたか(解いた問い)、結果を誰が使ったか(事業に返ったか)。この三つが書いてある人は、肩書が何であってもデータ職の経験があります。
| プロフィールの記述 | 読み方 |
|---|---|
| 「データサイエンティストとして各種分析」 | 肩書はあるが、データも問いも使われ方も無い。中身が読めない |
| 「〇〇(データ)を分析し、〇〇(問い)を明らかにして、〇〇の施策に反映」 | 三つが揃っている。分析の役割の経験 |
| 「〇〇の予測モデルを構築し、本番で運用。精度を改善」 | モデルの役割の経験 |
| 「散らばっていた〇〇のデータを集めて整備し、分析できる形に」 | 基盤の役割の経験 |
| 「マーケティング担当として〇〇のデータを見て施策を判断」 | 肩書は事業側だが、データで問いに答えた。分析の転向候補 |
止まりやすいのは、手法名の一致だけで送るときです。「〇〇(手法)を使用」の人に「〇〇の問いを解いてほしい」と送っても、問いとデータの経験が合わなければ返信は来ません。
エラベルの見解
相談で最も多い思い込みは、「データサイエンティストは希少で、高学歴で、高い」というものです。実際には、事業の問いにデータで答えてきた人は、肩書がマーケター、事業企画、アナリスト、エンジニアのまま多くいて、「データサイエンティスト」で検索すると漏れます。ある会社では、肩書と手法名で検索して数人しか出ず、その数人は条件が合わない状態でした。担当者が入って、自社の役割を「分析が主。最初の問いは顧客の離脱」と決め、肩書を外し、「離脱」「継続」「顧客」「施策に反映」の言葉でプロフィールを読む形にしたところ、事業側で顧客のデータを見て施策を判断してきた人が複数見つかり、一行目にその点を書いて送ると返信が来ました。データ職の検索は、肩書と手法で機械的に絞るより、問いとデータの言葉で出して人が読むほうが合います。
転向層を役割ごとに含める
データ職の経験者は少ないので、転向の素養がある層を役割ごとに含めます。転向元は役割で違います。
| 役割 | 転向元 | 素養の見どころ |
|---|---|---|
| 分析 | 事業側の分析担当(マーケター、事業企画、営業企画) | データを見て施策を判断した経験。結果が使われた |
| モデル | 研究者、エンジニア | 予測や推定を作った経験。本番に入れた経験があればなお |
| 基盤 | データエンジニア、バックエンドエンジニア | データの収集と整備の経験 |
転向層には、文面の一行目で「〇〇のご経歴から、データの仕事に軸足を移したい方へ」と、転向であることに先に触れます。
止まりやすいのは、転向層に「データサイエンティスト経験者向け」の文面を送るときです。経歴と合わず、返信が来ません。
送る順の付け方
| 順 | 条件 |
|---|---|
| 一 | 何のデータで何を明らかにし誰が使ったかが書いてあり、役割と問いが自社と合い、一行目に書ける一点がある |
| 二 | 三つのうち二つが書いてあり、役割が合う。データの種類が近い |
| 三 | 転向層。役割に合う転向元で、データで判断した経験が読める。転向の文面で送る |
| 送らない | 肩書だけで中身が無い。役割が逆(基盤を求めているのに分析のみ)。データの種類が遠い。一行目に書ける一点が無い |
止まりやすいのは、「データサイエンティストの肩書があるから」で送るときです。役割が違う人に送っても合いません。
条件の保存と見直し
組んだ条件は、「分析用」「モデル用」「基盤用」「転向層用」のように分けて名前を付けて保存し、送った結果と一緒に記録します。月に一度、返信が来た人の共通点(データの種類、解いた問い、役割、転向元)を見て、条件と読み方を直します。保存の仕方は検索条件の保存と使い回しに書いています。
エラベルの見解
担当する側から見ると、データ職の検索で会社ごとに差がつくのは、「最初の問いが事業の責任者の言葉で決まっているか」です。条件の組み方と読み方は担当者が持てますが、問いが「データを活用したい」だと、扱うデータの種類も役割も決まらず、一覧が混ざります。問いが「顧客の離脱を減らしたい」と決まっている会社では、データの種類(顧客と行動)と役割(分析)が決まり、検索の言葉も転向元も決まり、文面も面談も一本につながります。エラベルでスカウトの検索を担当する人には、条件を組む前に、事業の責任者に「入社した人に最初に何を明らかにしてほしいか」を聞いてもらっています。文面の型はデータサイエンティストへのスカウト文面に書いています。
代行に出す場合の範囲
担当者が持つのは、要件から必須の経験を取り出して条件を組むこと、出てきた人を「何のデータで、何を明らかにし、誰が使ったか」で読んで絞ること、転向層を役割ごとに分けて送る順を付けること、条件と結果を記録して月に一度見直すこと、です。会社が持つのは、役割と最初の問いの決定、要件の必須と歓迎の区別、転向層をどこまで含めるかの判断、事業の責任者が担当者に話す時間、です。担当者がデータ職の経験(問い、データ、使われ方)を読める経験があるかは、担当者を選ぶときに確かめます。担当者の経歴の見方は担当者の経歴の見方に書いています。
まとめ
- 先に役割(分析・モデル・基盤)と最初の問いを決める。役割で探す経験が変わり、問いでデータの種類が決まる
- 検索条件は肩書と手法名ではなく経験(データの種類・解いた問い・使われたか)で組む
- プロフィールは「何のデータで、何を明らかにし、誰が使ったか」で読む。肩書がデータサイエンティストでも三つが無ければ中身が読めない
- 転向層を役割ごとに含める。分析なら事業側の分析担当、モデルなら研究者とエンジニア、基盤ならデータエンジニア
- 肩書だけで中身が無い人、役割が逆の人には送らない
- 条件は役割ごと・転向層用で分けて保存し、返信が来た人の共通点で月に一度直す
よくある質問
学位や論文を条件にしてはいけませんか
条件には入れません。学位や論文と、事業の問いにデータで答える経験は、一致しないことが多い。研究の経験がモデルの役割に活きることはあるので、モデルを求めるなら研究者を転向層として含めますが、学位そのものを必須にすると、事業側で実績を積んだ人が漏れます。読むのは「何のデータで、何を明らかにし、誰が使ったか」です。
手法名で検索しないと、スキルが分からないのでは
手法は問いに合わせて選ぶもので、手法名の一致は「その手法を使ったことがある」以上を教えません。スキルが合うかは、扱ったデータの種類と解いた問いが自社と近いかで読み、面接では自社の最初の問いを題材に取り組み方を見ます。手法名は、プロフィールを読むときの補助にとどめます。
一人目のデータ職を採るとき、どの役割で探せばよいですか
多くの会社では、一人目は「分析が主で、データを整えるところも自分でやる」形が成立しやすい。最初の問いに答えるために必要なデータを自分で集めて整え、結果を事業に返す。モデルは問いが定まりデータが整ってからです。探すのは、事業の問いにデータで答えてきた人で、データの整備も自分でやった経験がある人。転向元なら、事業側の分析担当でデータを自分で触ってきた人が近い。役割の順番はデータサイエンティスト採用を代行に出す判断基準にも書いています。