スカウト代行 / デザイナー

デザイナーへのスカウト文面|開封される件名と本文の型

公開 2026-09-20

デザイナーにスカウトを送っても返信が来ない。文面を見せていただくと、件名が「クリエイティブなデザイナー募集」で、本文に「センスを活かして」「おしゃれなプロダクト」と書いてあり、候補者の作品のどこを見たのか、何を作ってほしいのか、デザインを誰が決めるのかが、どこにも書かれていません。デザイナーは、公開している作品を見て送っているかを一行目で判断します。見ていない文面は、それだけで閉じられます。加えて、「センス」「おしゃれ」「クリエイティブ」のような見た目の言葉は、デザインを表面の飾りと見ている会社の言葉として読まれます。結論を先に書くと、件名は「相手の作品の一点+自社で作るもの」、本文は「一行目に相手の作品の具体の一点→自社の課題との重なり→領域と作るもの→デザインの位置づけ(誰が決めるか)→進め方と環境→体制→現状(正直に)→条件の幅→作品の話ができる人が出る面談への短い締め」の順で、会社の紹介は後ろに回すか省きます。刺さる訴求と外す訴求の中身はデザイナー向けスカウト文面の型に書いていますので、ここでは「デザイナー向けの件名と本文の型」に絞って、そのまま使える形にします。

先に決めるのは「作るもの」と「位置づけ」

文面の前に、二つを決めます。一つは、入社した人に何を作ってほしいか。領域(プロダクトの画面、サービスの体験、ブランド、広告や販促物)と、最初に手を付けるもの。もう一つは、デザインの位置づけ。デザイナーが決めるのか、事業や開発の要望を形にするのか、経営者の好みで決まるのか。位置づけを正直に書くことが、合う人を呼びます。

位置づけ文面での書き方の例
デザイナーが決める「画面の構成と体験はデザイナーが決め、開発と一緒に作る」
要望を形にする「事業側の要件を受けて形にする。要件の段階から入ってもらいたい」
経営者の判断が大きい「最終は経営者が見る。提案の場は毎週ある」

止まりやすいのは、位置づけを「裁量が大きい」の一言で済ませるときです。デザイナーは「結局、誰が決めるのか」を見ます。

件名の型

デザイナーが件名で見るのは、「自分の作品を見ているか」「何を作る会社か」の二つです。

なぜ開かれるか
相手の作品の一点+自社で作るもの〇〇(作品)の〇〇(画面や体験の一点)を拝見|当社の〇〇の画面を作品を見たと分かる
相手の領域+自社の課題〇〇(領域)でのご経歴へ|当社の〇〇(課題)を一緒に領域が合い、課題が具体
相手の進め方+自社の進め方〇〇(利用者の調査など)から設計されている方へ|当社も〇〇から作りたい進め方で重なると分かる

書いてはいけない件名は、「デザイナー募集」「クリエイティブ」「センス」「おしゃれ」のように、見た目の言葉か、誰にでも送れるものです。件名の失敗の型は件名でやりがちな失敗に書いています。

本文の型

本文は、デザイナーが「確かめる順」に並べます。

書くこと長さ注意
一行目相手の作品の具体の一点。「〇〇の〇〇(画面・導線・体験)で、〇〇されている点を拝見しました」一文作品名と、どこを見たかを具体に
自社の課題との重なり。「当社の〇〇でも同じ課題があり」二行作品の一点と自社の課題をつなぐ
領域と作るもの。最初に手を付けるもの二、三行「幅広く」ではなく最初の一つを
位置づけ。誰が決めるか。要件のどの段階から入るか二、三行正直に。「裁量」で逃げない
進め方と環境。利用者の調査はあるか、開発との関係、使う道具二行事実を
体制。デザイナーは何人目、誰と組むか一、二行一人目なら一人目と書く
現状。いまのデザインの状態。整っていないなら正直に二行良く見せない
条件の幅一、二行幅で書く
短い締め。「作品の話ができる者が出ます。三十分で、〇〇の話を」一文誰が出るかを書く
最後会社の紹介一、二行先に書かない

長さは、スマートフォンで二度スクロールする程度に収めます。

エラベルの見解

相談で最も多い思い込みは、「デザイナーには会社の雰囲気やブランドの良さを伝えれば響く」というものです。実際には、雰囲気を書いた文面より、「作品のどこを見たか」と「デザインを誰が決めるか」を書いた文面のほうが返信が来ます。ある会社では、会社の世界観とブランドを丁寧に書いた文面で返信が無く、担当者が候補者の視点で読むと、「作品を見た形跡が無い」「何を作るか分からない」「誰が決めるか書いていない」ので、候補者は「見た目を整える人を探しているのでは」と読んでいました。一行目を「〇〇(作品)の〇〇の導線で、迷わせない設計をされている点を拝見し」に変え、「当社の〇〇も同じ課題。画面の構成はデザイナーが決め、開発と一緒に作る」と書き直したところ、返信が来ました。デザイナーへの文面で効くのは、会社の雰囲気ではなく、「作品を見て、課題でつなぎ、位置づけを正直に書く」ことです。

書いてはいけないこと

一つ目は、「センス」「おしゃれ」「クリエイティブ」「かっこいい」のような見た目の言葉です。デザインを表面の飾りと見ている会社の言葉として読まれます。課題と作るものと位置づけで書きます。

二つ目は、作品を見ずに送ることです。一行目で分かります。作品が公開されていない候補者には、経歴の一点(領域、担当した範囲、進め方)に触れます。

三つ目は、位置づけを「裁量が大きい」で済ませることです。誰が決めるかを書きます。経営者の判断が大きいなら、そう書いたうえで提案の場があることを書きます。

四つ目は、現状を良く見せることです。デザインが整っていないなら書きます。「整えるところから」を役割にすると、それに関心がある人には材料になります。

五つ目は、会社の紹介から始めることです。

六つ目は、締めに作品の話ができる人が面談に出ることを書かないことです。人事だけの面談では、作品の話も位置づけの質問にも答えられません。

送る前の確認

確認見ること
件名と一行目に相手の作品の具体の一点があるか作品名と、どこを見たかが書いてあるか
見た目の言葉を使っていないか「センス」「おしゃれ」「クリエイティブ」が無いか
作るものが最初の一つで書いてあるか「幅広く」になっていないか
位置づけが「誰が決めるか」で書いてあるか「裁量」で逃げていないか
現状を正直に書いたか良く見せていないか
面談に作品の話ができる人が出ると書いたか実際に出る合意があるか

返信が来ないときの直す順番

症状直すところ
開かれない件名。作品の一点があるか。見た目の言葉になっていないか
開かれるが返信が無い一行目(作品を見たと分かるか)と、位置づけの正直さ
返信は来るが面談で辞退面談に作品の話ができる人が出たか。文面の位置づけと面談の実態が合っていたか
面談後に辞退位置づけの実態。「デザイナーが決める」と書きながら経営者の好みで覆る構造が無いか

一箇所ずつ変えます。変え方はスカウト文面のABテストのやり方に書いています。

エラベルの見解

担当する側から見ると、デザイナー向けの文面で会社ごとに差がつくのは、「候補者の作品を実際に見て、自社の課題と重なる一点を見つける時間を担当者に与えているか」です。件名と一行目を書くには、候補者の作品を開いて、画面や導線を見て、自社の課題と重なる一点を見つける作業が要ります。この時間を「一通に数分」で済ませようとすると、一行目は「作品を拝見しました」だけになり、見ていないと分かります。作品を見て一点を見つける時間を認めている会社では、送信数は減りますが、一行目で「見ている」と伝わり、返信が来ます。エラベルでスカウト文面を担当する人には、候補者の作品を見る時間を確保したうえで、自社の課題を具体に聞いて、重なる一点を探してもらっています。刺さる訴求と外す訴求はデザイナー向けスカウト文面の型に書いています。

代行に出す場合の範囲

担当者が持つのは、候補者の作品を見て件名と一行目を相手ごとに書くこと、自社の課題と重なる一点を見つけること、聞いた作るものと位置づけと現状を本文にすること、送る前の確認、返信の記録と直す順番の提案、です。会社が持つのは、作るものと位置づけの決定、現状の事実、作品の話ができる人が面談に出ること、条件の幅、です。作品を見る時間を担当者に認めないと、一行目は定型になります。出す前に、一通あたりの時間の考え方を合意します。

まとめ

よくある質問

作品が公開されていない候補者には、何を書けばよいですか

経歴の一点に触れます。「〇〇(領域)で〇〇(担当した範囲)を、〇〇(進め方)で設計されたご経歴を拝見し」のように。作品が無くても、領域と担当範囲と進め方が書いてあれば、一行目は書けます。それも無い候補者には送りません。一行目に書けることが無い相手に送ると、定型になります。

社内にデザインを分かる人がいません。面談に誰が出せばよいですか

作品の話ができる人がいない場合は、その事実を文面に書きます。「一人目のデザイナーで、社内にデザインを見られる人はいない。作るものを一緒に決めてほしい」のように。面談には、作るものを決める人(事業の責任者か経営者)が出て、「何に困っていて、何を作ってほしいか」を話します。デザインを評価できない代わりに、課題を具体に話せることが要ります。一人目のデザイナーに関心を持つ人は、「自分で決められる」ことを材料にします。

デザイナーの経験者が少なく、送る相手がいません

領域を広げるか、転向層を含めます。プロダクトの画面のデザイナーが少ないなら、隣の領域(広告や販促物、印刷物)で利用者の課題から設計してきた人を含め、一行目で「〇〇のご経歴から、プロダクトの画面に軸足を移したい方へ」と転向であることに先に触れます。探し方はデザイナーを探すときの検索条件とターゲティングに書いています。