スカウトの返信率の相場|他社の数字が使えない理由と、自社の基準の作り方

返信率の改善スカウト運用 更新日 2026-10-16

スカウトを運用していると、「自社の返信率は高いのか低いのか」を知りたくなります。媒体の担当者や代行会社の資料、ネット上の記事には、返信率の目安らしき数字が載っていることもあります。ただ、その数字と自社の数字を比べて一喜一憂するのは、多くの場合あまり意味がありません。結論から書くと、スカウトの返信率は、返信の定義、分母の取り方、媒体の仕様、職種によって大きく変わるため、条件の違う数字どうしは比べられません。見るべきは、同じ媒体・同じ職種で、自社の過去と比べてどう変わったかです。

この記事では、公表されている返信率をそのまま比べられない理由と、媒体・職種ごとに自社の基準を作る手順を書きます。返信率の一般的な数値は、出典を確認できる一次情報が見当たらないため、この記事では扱いません。

他社の数字をそのまま比べられない理由

返信率の数字を見るときは、その数字が何を数えているのかを確かめてください。同じ「返信率」という言葉でも、中身が違うことがよくあります。

違いが出るところ例数字への影響
返信の定義何らかの返信をすべて数えるか、前向きな返信だけを数えるか辞退の返信も含めると高く見える
分母の取り方送信した数で割るか、開封された数で割るか開封数で割ると高く見える
媒体の仕様返信しやすい画面の作りか、候補者の利用状況はどうか媒体によって土台が違う
職種・対象候補者が多い職種か、少ない職種か。経験年数の条件は採りにくい職種ほど低くなりやすい
文面の種類一斉送信か、一人ひとりに合わせた文面か送る数と返信の割合が逆に動くことがある

この表の一行目と二行目は、特に見落としやすい点です。「返信率が高い」と言われる数字が、前向きでない返信も含み、開封数を分母にしていれば、送信数を分母にして前向きな返信だけを数えた自社の数字と比べても、差が出るのは当然です。媒体の担当者や代行会社から数字を示されたら、まず何を何で割った数字なのかを聞いてください。

自社の基準を作る手順

他社の数字の代わりに、自社の基準を作ります。手順は次のとおりです。

  1. 定義を決める:返信をどう数えるか(前向きな返信だけか、すべての返信か)、分母を何にするか(送信数か、開封数か)を決め、社内と代行会社で共有する
  2. 媒体と職種で分ける:返信率は媒体ごと、職種ごとに分けて記録する。全体を一つの数字にまとめない
  3. 一定期間の数字を取る:最初の数か月の数字を、その媒体・職種の基準にする
  4. 変えたことを記録する:文面、対象の条件、送る時間帯などを変えたら、いつ何を変えたかを記録する
  5. 基準と比べる:変えた後の数字を、同じ媒体・同じ職種の基準と比べる

この手順で大切なのは、二つ目の「分ける」です。たとえば、エンジニアと営業を同じ媒体で採っていて、全体の返信率が下がったとしても、それがエンジニアの返信率が下がったのか、営業の送信数が増えて全体が引っ張られたのかは、分けて見ないと分かりません。

エラベルの見解

相談を受けていて多いのは、代行会社を替えたら返信率が変わったが、数字の定義も一緒に変わっていたというケースです。前の会社は前向きな返信だけを数えていて、新しい会社はすべての返信を数えている。それだけで、返信率は大きく上がったように見えます。発注側は担当者が替わって改善したと受け取りますが、実際には何も変わっていないこともあります。

代行会社を選ぶとき、あるいは担当者が替わるときは、最初に返信率の定義を発注側から指定してください。定義をそろえてはじめて、担当者による差が見えるようになります。同じ料金・同じ業務範囲でも、担当者によって結果が分かれるのは事実ですが、それを確かめるには、同じ物差しで測る必要があります。

返信率だけを追わない

返信率は、スカウト運用の途中の数字です。返信率が高くても、その後の面談や選考に進まなければ、採用にはつながりません。返信率を上げようとして、対象を広げたり、条件を緩く書いたりすると、返信は増えても求める人ではない、ということが起こります。

見る数字は、返信率に加えて、次の段階まで並べてください。

この並びで、どこで人が大きく減っているかを見ると、返信率を上げるべきなのか、返信の後の動きを直すべきなのかが分かります。返信が来ない原因の切り分け方はスカウトの返信がない原因、代行会社から返信率の報告を受けたときの確かめ方は返信率が上がらないと言われたときで書いています。

比べるときにそろえる条件

自社の中で返信率を比べるときも、条件をそろえる必要があります。次の点が違うと、数字の差が何によるものか分からなくなります。

一度に複数のことを変えると、何が効いたのかが分からなくなります。文面を変えるなら文面だけ、対象を変えるなら対象だけを変え、一定期間の数字を取ってから次を変えるのが基本です。

エラベルの見解

返信率の基準を作るうえで、もう一つ伝えたいのは、返信率の数字は担当者の工夫を映すということです。同じ媒体、同じ職種、同じ条件でも、候補者の経歴をきちんと読んで一人ひとりに合わせた文面を書く担当者と、テンプレートを大量に送る担当者では、前向きな返信の割合が違ってきます。

ただし、担当者の差を見るには、上で書いたように定義と条件をそろえておく必要があります。そろえたうえで差が出るなら、それは担当者の差です。スカウトを外に出すなら、誰がどんな考え方で文面を書くのかまで確かめてから選んでください。返信率は、その判断が正しかったかを後から確かめるための数字になります。

まとめ

よくある質問

返信率の目安となる数字はありませんか

媒体や代行会社、記事によって目安らしい数字が示されることはありますが、返信の定義や分母、媒体、職種がそろっていないため、自社の数字とそのまま比べるのは難しいのが実情です。自社の同じ媒体・同じ職種での過去の数字を基準にするほうが、判断に使えます。

開封率と返信率はどちらを見ればよいですか

両方を見るのが理想です。開封率が低いなら件名や送る時間帯、対象の選び方に原因がある可能性があり、開封されても返信がないなら本文や求人の条件に原因がある可能性があります。ただし、返信率の分母に開封数を使うか送信数を使うかは、最初に決めて固定してください。

代行会社から高い返信率を報告されました。信じてよいですか

数字そのものより、何を何で割った数字かを確かめてください。前向きでない返信も含めていないか、開封数を分母にしていないかを聞き、自社の定義と合わせてもらうと、他の時期や他の担当者と比べられるようになります。そのうえで、面談や応募につながっているかも確認してください。

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