スカウト代行 / Indeed
Indeedのスカウト代行|任せられる範囲と成果の測り方
Indeedの公式サイトは、この媒体をセルフサービス型と説明しています。求人を掲載するために必要な作業は「アカウントの開設」と「項目を登録する」の2点のみとされ、掲載後も営業担当者などに連絡せずに募集内容を修正できると書かれています。自分でできると明記された媒体で代行を使うなら、何を頼み、何を頼まないかを、契約の文言として先に決めておかないと費用の説明がつきません。この記事では、Indeedの運用を外に出すときの委託契約を、条項の形で一つずつ組み立てます。以下は2026年9月24日時点で公式サイトに記載されている内容に基づいており、運営はIndeedです。
条項を書く前に|手が足りなくなる場所を三つに分ける
契約の文言を書く前に、何のために外の手を借りるのかを確かめます。立ち上げについては、公式が新規のアカウント作成、求人投稿、初期設定のやり方を電話で併走する案内を出しており、日時を予約する形で、条件によって特別クーポンが付与されることもあるとされています。アカウントを開設するだけで求人掲載を始められるとも書かれているので、立ち上げのために代行を入れる必然性は高くありません。手が足りなくなるのは、始めた後の作業です。
公式の記載を読むと、負荷が集まる場所は三つに分かれます。一つ目は求人票の作り込みで、公式ガイドは主な業務内容を詳細かつ簡潔なリストにすること、一日の仕事の流れや大まかな組織の構成を書くことを勧め、求人情報の文字数制限はないとしています。二つ目はクリック課金の運用で、スポンサー求人は予算を自由に設定でき、いつでも開始でき、いつでも止められるため、調整の余地が常に残ります。三つ目は改善のサイクルで、公式は応募状況や求職者の傾向に応じて求人情報を改善できるとしていますが、できるということは、やらなければ変わらないということです。
| 負荷のかかる場所 | 頼む相手の例 | 契約で頼む中身 |
|---|---|---|
| 求人票の作り込み | 原稿を書ける制作会社・ライター | 11欄の執筆と改訂 |
| クリック課金の運用 | 求人広告の運用を扱う会社 | 予算配分と単価の調整 |
| 改善のサイクル | 採用の運用支援・RPO | 週次の確認と改善の提案 |
三つとも、難しいというより続けるのが大変な種類の作業です。なお、スカウト代行会社に「Indeedのスカウトを代行してほしい」と頼む形は、この媒体では成り立ちにくくなります。自動アプローチ機能は自動で送る仕組みとして案内されており、文面を一人ずつ書く作業がそもそも存在しないからです。
委託範囲の条項|成果物と改訂の頻度で書く
一つ目の条項は、委託の範囲です。「Indeedの運用一式」と書くと、何が納品されれば仕事をしたことになるのかが決まりません。上の三つのうちどれを頼むのかを書き、それぞれの成果物と頻度を並べます。求人票の作り込みを頼むなら、たとえば次のような形になります。
受託者は、委託者が指定する求人について、Indeedの直接投稿の各項目の原稿を作成し、月に一回以上、応募状況に基づく改訂案を提出する。改訂案には、変更した項目と変更の理由を記載する。
ここで「変更の理由」まで書かせるのは、担当者が替わったときに、どの修正が何のためだったかを追えるようにするためです。原稿の出来を判断する基準も、条項か別紙に書いておきます。公式ガイドが示している指針、つまり職種名に訴求文を入れない、仕事内容に一日の流れと組織の構成を入れる、応募要件を必要十分にする、の三つをそのまま納品の基準にすると、認識のずれが起きにくくなります。基準の書き方はIndeedのスカウトテンプレートの作り方にまとめています。
ATSを使っている会社は、関係者が一社増えることも範囲の条項に入れます。公式の案内では、「Indeed エントリー」を完備したATSを利用すると、ATS上で作成した求人情報がIndeedの求人検索結果に表示されるとされ、Indeedと連携したATSを提供するパートナー企業という記載もあります。原稿の修正をATSの画面で行うのか、Indeedの管理画面で行うのかによって、代行会社に渡す権限が変わります。
予算と承認の条項|出稿の判断を誰が持つか
二つ目の条項は、お金の動かし方です。スポンサー求人は、求人情報がクリックされた時にのみ請求金額が加算される「クリック課金型」で、上限予算を超えて課金されることはないとされています。上限を決めておけば青天井にはなりませんが、上限の範囲内でどう配分するかは日々の判断になります。契約には、月次の出稿上限、単価や予算を動かすときの承認の線、上限に近づいたときの連絡の方法を書きます。
この媒体に固有の論点が、一定の利用条件で開く機能です。料金のページには、有料オプションの利用で一定のご利用条件を満たすと複数のオプション機能が利用できるようになるという記載があり、別の箇所には、スポンサー求人でIndeedが定める基準以上の出稿をした場合のみ利用可という注記があります。その文脈で案内されているのが、企業ページプレミアム、Indeed PLUS AIアシスタント、自動アプローチ機能です。具体的な基準は公開されていないため、商談で確かめる項目になります。
| 判断 | 自社に残す | 代行会社に任せてよい |
|---|---|---|
| 月の出稿上限 | 上限額を決める | 上限の範囲内での求人ごとの配分 |
| 単価の変更 | 一定の幅を超える変更の承認 | 幅の範囲内での調整 |
| 有料オプションの開始・停止 | 開始と停止の決定 | 開始・停止の提案と理由の説明 |
| 機能の解放を目的にした出稿 | 出稿を増やすかどうかの決定 | 条件と必要額の確認 |
表の最後の行は、代行会社に委ねないほうがよい判断です。機能を開くための出稿は、採用に必要な量を超えるおそれがあり、出稿額が増えるほど代行会社の手数料が増える契約だと、利害が一致しません。機能を目的に出稿を増やすのか、必要な露出の結果として機能が開くのか、その順番は自社が決めます。
エラベルの見解
セルフサービス型と明記されている媒体で代行が成り立つのは、作業が簡単であることと、続けられることが別だからだと考えています。管理画面の操作に専門性は要らず、求人票を直すのも予算を調整するのも手順としては難しくありません。ただ、採用担当者が他の業務と兼務していると真っ先に後回しになり、後回しにしても媒体側から催促は来ません。私たちが委託を勧めるのは、社内に見る人がいない場合です。逆に、週に30分でも見る人がいるなら、この媒体は自社で回せるので、契約するなら範囲を求人票の作り込みだけに絞るほうが費用の説明がつきます。
権限と引き継ぎの条項|アカウントを誰の名義で持つか
三つ目の条項は、アカウントの扱いです。公式の案内には、複数の採用担当者でIndeedを利用したい場合は、登録後にアクセスできるダッシュボード(管理画面)上から担当者を追加するよう書かれています。アカウントの名義は自社に置き、代行会社の担当者を追加する形にしておけば、契約を終えたときに権限を外すだけで済みます。代行会社の担当者を追加する形が取れるかどうかは、規約と運営への確認が要ります。
引き継ぎの条項には、契約を終えるときに何を受け取るかを書きます。改訂の履歴、求人ごとのクリック数と応募数の推移、有料オプションの利用履歴が最低限の対象です。応募者とのメッセージや選考状況は、Indeedが無料で提供する採用管理システムの画面上で管理されるとされているので、アカウントが自社名義であれば手元に残ります。代行会社の名義でアカウントを作ると、この履歴ごと失うおそれがあります。
応募者の情報を代行会社が扱う場合は、個人情報の取り扱いも条項に入れます。誰がどこまで閲覧できるか、契約終了後にどう消去するかを決めておきます。職業紹介や個人情報に関する法令の解釈が関わる部分は、個別の判断を専門家にご確認ください。
報告の条項|成果を何で測るかを先に書く
最後の条項は、報告と成果の測り方です。公式の案内では、「初期費用」「掲載費用」「採用成功報酬」がかからず、募集から採用まで一貫して無料で、費用が発生するのはスポンサー求人を自分で開始した場合のみとされています。媒体への支払いがクリック代だけなので、採用単価の式は(スポンサー求人のクリック代+委託費)÷採用人数と単純に置けます。契約前に見積もるなら、代行会社に「月に何本の求人を何回改訂し、そのために何時間使うか」を聞き、委託費をその時間で割って比べます。
報告に含める指標は、次のように、何が分かるかと、数字が悪いときに誰が手を打つかをセットで条項か別紙に書きます。責任の所在が書かれていない指標は、報告に載っていても誰も動かないからです。原稿と広告運用を別々の会社に頼んでいる場合は、とくにこの切り分けが要ります。
| 指標 | 何が分かるか | 数字が悪いときに手を打つ側 |
|---|---|---|
| 無料掲載の求人本数と応募数 | 広告を入れる前の基準線 | 自社(求人の本数と中身の方針) |
| クリック数と消化額 | 出稿の量 | 広告運用の受託者 |
| クリックから応募に至った比率 | 求人票の出来 | 原稿の受託者 |
| 応募から面談設定に至った比率 | 自社の対応の速さ | 自社 |
| 求人票を改訂した回数 | 委託先が動いているか | 原稿の受託者 |
| 委託費÷応募数 | 委託の費用対効果 | 自社(契約の見直し) |
クリックから応募に至った比率が、委託先の責任を切り分ける境目になります。クリックが増えているのに応募が増えないなら、広告運用ではなく求人票の問題です。報告の書式には、この比率と改訂の回数を並べて載せるよう指定しておけば、改訂が応募に効いたかどうかを月次で確かめられます。
データの見方については、有料オプションのIndeedアナリティクスが案内されており、掲載中の求人情報の閲覧状況といった大まかなデータ動向から、求人情報ごとのクリック回数などの細かなデータまで数値で確認できるとされています。報告に使う数字が無料の画面で取れるのか、有料オプションが要るのかを、契約前に確かめておきます。有料オプションが要るなら、その費用をどちらが持つかも条項に書きます。
エラベルの見解
この媒体の委託で気をつけたいのは、代行費が媒体費を上回る状態です。媒体費がクリック課金で少額から始められるため、月の出稿が数万円なのに委託費が数十万円ということが起こり得ます。求人票の作り込みに価値があるならその対価なので、それ自体が悪いわけではありませんが、その場合の成果の指標は、クリック単価の最適化ではなく求人票の改善に置くべきで、報告の条項もそれに合わせて書きます。媒体費が安い媒体ほど、何にお金を払っているのかを取り違えやすいと考えています。委託範囲の考え方はスカウト代行の範囲、費用の見方はスカウト代行の費用比較にまとめています。
まとめ
- Indeedはセルフサービス型で、立ち上げより始めた後の作り込み・予算調整・改善のサイクルで手が足りなくなる
- 委託範囲の条項は「運用一式」ではなく、成果物と改訂の頻度、改訂の理由の記載まで書く
- 予算の条項では、出稿上限と承認の線を決め、機能の解放を目的にした出稿の判断は自社に残す
- アカウントは自社名義にして担当者を追加する形を確かめ、終了時に受け取る履歴を決めておく
- 報告の条項には、クリックから応募への比率と改訂の回数を並べ、委託費は作業時間で割って比べる
よくある質問
Q. Indeedの運用は代行に出さないと難しいですか
公式はセルフサービス型と説明しており、電話での初期設定の併走も案内されています。操作そのものに専門性は要りませんが、求人票の改訂や予算の調整を続ける時間が社内にあるかどうかで判断が分かれます。週に一度でも数字を見る人がいるなら、自社で回せる媒体です。
Q. スカウト代行会社にIndeedのスカウト送信を頼めますか
自動アプローチ機能は自動で送る仕組みとして案内されており、一人ずつ文面を書く作業がありません。頼むとすれば、求人票の作り込みや広告の運用、改善の提案になります。どの範囲を頼むのかを契約で具体的に書いてください。
Q. 契約書で最も揉めやすいのはどこですか
出稿額の判断です。出稿が増えるほど手数料が増える契約だと、機能の解放や露出の拡大を理由に出稿を増やす提案が出やすくなります。上限額と承認の線を自社が持つ形にしておくと、揉めにくくなります。個別の契約内容については、契約書と運営の案内をご確認ください。
※料金や機能の条件は変わります。掲載した内容は2026年9月24日時点で公式サイトに記載されているものであり、実際の条件は運営にご確認ください。