スカウト代行 / 労務
労務を探すときの検索条件とターゲティング
労務にスカウトを送る前の検索で、「人事労務経験〇年以上、〇〇の資格」で条件を組むと、二つの問題が起きます。一つは、「人事労務」の肩書で実態は採用や人事全般が主で、労務は入退社の手続きを少し触った程度の人が多く出ること。もう一つは、給与計算・社会保険の手続き・勤怠・規程を実際に回してきた人は、肩書が総務、経理、事務、社労士事務所の職員のままで、「労務」では出ないこと。加えて、大企業の分業の一部(給与計算だけ、社会保険だけ)を担ってきた人と、小さな会社で一人で全部回してきた人も混ざります。労務の検索で最初にやるべきは、自社の分担と重心と規模を決め、資格や年数ではなく「何の手続きを、どの規模で、一人かチームか、従業員対応はあったか」で探すことです。結論を先に書くと、検索条件は、先に自社の分担(社内で持つものと社労士に出すもの)と重心(手続き・規程・相談)と規模を決め、資格や年数ではなく経験(回した手続きの範囲・規模・一人かチームか・従業員対応)で組み、要件の必須だけにし、プロフィールを「何の手続きを、どの規模で、一人かチームか、従業員対応はあったか」で読み、社労士事務所からの転向層と経理や総務からの転向層を含めて送る順を決めます。文面の型は労務へのスカウト文面に、要件の作り方は労務の採用要件の作り方に書いていますので、ここでは「検索条件とターゲティング」に絞ります。媒体ごとの検索の仕様には触れません。仕様は各媒体の公式情報でご確認ください。労務に関わる法令上の扱いは専門家(社会保険労務士など)にご確認ください。
先に「分担」「重心」「規模」を決める
自社の分担(給与計算・社会保険・勤怠・規程・年末調整などのうち、社内で持つものと社労士や外部に出すもの)、重心(手続きを正確に回すことが主か、規程や仕組みを整えることが主か、従業員からの相談に応じることが主か)、規模(社員数の目安)を決めます。三つで探す人が変わります。
| 決めること | 探す人が変わる点 |
|---|---|
| 分担 | 給与計算を社内で持つなら給与計算を回した人。社労士に出すなら手続きと勤怠の人 |
| 重心 | 手続きなら正確に回してきた人。規程なら作った・改定した人。相談なら窓口を担った人 |
| 規模 | 大企業の分業の一部と、小さな会社の一人労務は、必要な力が違う |
止まりやすいのは、「労務経験者」で分担を決めないときです。一覧が混ざり、文面も混ざります。決め方は労務の採用要件の作り方に書いています。
資格や年数ではなく経験で組む
条件に入れるのは、資格や年数ではなく、要件の必須に当たる経験です。肩書は「または」で複数(労務、人事労務、総務、経理、事務、社労士事務所)を入れるか、入れずにプロフィールの言葉で読みます。
| 要件 | 検索条件に | 理由 |
|---|---|---|
| 必須:〇〇(分担に応じた手続き)を回した経験 | 手続きの言葉で(「給与計算」「社会保険」「勤怠」「入退社」「年末調整」) | 分担の中核 |
| 必須:一人か少人数で回した経験(一人労務なら) | プロフィールで読む | 検索の言葉にしにくい |
| 歓迎:資格 | 入れない | 資格と回した経験は一致しない |
| 歓迎:年数 | 入れない | 年数より手続きの範囲と体制 |
| 歓迎:特定の給与や勤怠の仕組み | 入れない | 入社後に覚えられる |
止まりやすいのは、資格を必須にして数人しか出ないときです。資格を外し、回した手続きで読みます。資格があっても手続きをほとんど回していない人と、資格が無くても一人で全部回してきた人がいます。
プロフィールを「何の手続きを、どの規模で、一人かチームか、従業員対応はあったか」で読む
労務の経験の中身は、四つで読めます。何の手続きを(給与計算、社会保険、勤怠、規程、年末調整)、どの規模で(社員数)、一人かチームか(一人で全部か、分業の一部か)、従業員対応はあったか(相談の窓口、休職や復職の対応)。四つが書いてある人は、肩書や資格が何であっても労務の経験があります。
| プロフィールの記述 | 読み方 |
|---|---|
| 「人事労務として人事業務全般」 | 主は人事の可能性。労務の手続きの記述が無い |
| 「〇〇名規模で給与計算から社会保険の手続きまで一人で担当」 | 労務の実務。規模。一人 |
| 「大手の人事部で給与計算を担当」 | 給与計算の一部。分業。他の手続きは不明 |
| 「総務として入退社の手続き、勤怠の管理、規程の改定を担当」 | 肩書は総務だが、労務の手続きを回している。対象 |
| 「社労士事務所で〇〇社の手続きと給与計算を担当」 | 複数社の手続き。一社の労務への転向候補 |
| 「休職や復職の対応、従業員からの相談の窓口も」 | 従業員対応の経験。相談の重心に合う |
止まりやすいのは、「人事労務」の肩書だけで送るときです。実態が人事の人に「給与計算から」と送っても合いません。
エラベルの見解
相談で最も多い思い込みは、「労務は『人事労務』で検索すれば出てくる」というものです。実際には、「人事労務」で出てくる人の多くは実態が採用や人事全般で、労務の手続きを実際に回してきた人は、肩書が総務、経理、事務、社労士事務所の職員のまま多くいて、肩書では漏れます。ある会社では、「人事労務」の肩書と資格で検索して出てきた人に送っていましたが、面談で「給与計算は社労士に出していて自分ではやっていない」と分かることが続いていました。担当者が入って、自社の分担を「給与計算と手続きと勤怠を社内で。規程は社労士と」と決め、肩書と資格を外し、「給与計算」「社会保険」「勤怠」「一人で」の言葉でプロフィールを読む形にしたところ、総務で労務の手続きを一人で回してきた人と、社労士事務所から一社の労務に移りたい人が見つかり、面談で合うようになりました。労務の検索は、肩書と資格で機械的に絞るより、手続きの言葉で出して人が読むほうが合います。
転向元を分担と重心に合わせて含める
労務を主にしてきた経験者は少ないので、転向元を含めます。転向元は、自社の分担と重心で向き不向きがあります。
| 転向元 | 素養の見どころ | 向く分担・重心 |
|---|---|---|
| 社労士事務所の職員 | 複数社の手続きと給与計算。一社に集中したい記述 | 手続きが主。給与計算を社内で持つ |
| 総務・事務で労務を兼務 | 入退社と勤怠と規程を回した。労務に軸を移したい記述 | 手続きと規程 |
| 経理で給与計算を兼務 | 給与計算の正確さ。労務に広げたい記述 | 給与計算を社内で持つ |
| 人事で労務を一部担当 | 手続きの一部。労務を主にしたい記述 | 手続きが主で、社労士の支えがある |
| 相談の窓口(人事・産業保健など) | 従業員対応。休職復職の経験 | 相談が重心 |
転向元には、文面の一行目で転向であることに先に触れ、転向元ごとに訴求を変えます。一行目の変え方は労務へのスカウト文面に書いています。
止まりやすいのは、転向層に労務の経験者向けの文面を送るときです。経歴と合わず、返信が来ません。
送る順の付け方
| 順 | 条件 |
|---|---|
| 一 | 分担と重心と規模が自社と合い、四つ(手続き・規模・一人かチームか・従業員対応)が書いてあり、一行目に書ける一点がある |
| 二 | 分担が合い、規模がやや違う。文面で規模の違いに先に触れられるなら送る |
| 三 | 転向層。自社の分担と重心に向く転向元で、回した手続きの記述がある。転向の文面で送る |
| 送らない | 実態が人事で労務の手続きの記述が無い。分担が逆(給与計算を社内で持つのに、給与計算は社労士に出していた経験のみ)。大企業の分業の一部で一人労務を求めている。四つが読めず資格と年数だけ。一行目に書ける一点が無い |
止まりやすいのは、「資格があるから」で送るときです。回した手続きと体制の近さで順を付けます。
条件の保存と見直し
組んだ条件は、「手続き用」「規程用」「転向層用(事務所)」「転向層用(総務)」のように分担と転向元ごとに名前を付けて保存し、送った結果と一緒に記録します。月に一度、返信が来た人の共通点(手続きの範囲、規模、一人かチームか、従業員対応、転向元)を見て、条件と読み方を直します。保存の仕方は検索条件の保存と使い回しに書いています。
エラベルの見解
担当する側から見ると、労務の検索で会社ごとに差がつくのは、「社労士との分担が決まっていて、正確に言えるか」です。重心と規模は比較的決まりやすいのですが、「給与計算は社労士」と言いながら実際は社内で確認と修正をしている、「規程は社労士」と言いながら相談する関係が無い、という会社があります。分担が正確に決まっている会社では、探す手続きの範囲が絞れ、転向元も決まり、文面も面談も一本につながります。分担が曖昧なまま探すと、面談で「思っていた分担と違う」で辞退されます。エラベルでスカウトの検索を担当する人には、条件を組む前に、上司に「何を社内で持ち、何を社労士に出し、社労士に何を相談できるか」を聞いてもらっています。文面の型は労務へのスカウト文面に書いています。
代行に出す場合の範囲
担当者が持つのは、要件から必須の経験を取り出して条件を組むこと、出てきた人を「何の手続きを、どの規模で、一人かチームか、従業員対応はあったか」で読んで労務と人事を見分けて絞ること、転向元を分けて送る順を付けること、条件と結果を記録して月に一度見直すこと、です。会社が持つのは、分担と重心と規模の決定、要件の必須と歓迎の区別、転向元をどこまで含めるかの判断、上司が担当者に話す時間、です。担当者が労務の経験(手続きの範囲、体制)を読める経験があるかは、担当者を選ぶときに確かめます。担当者の経歴の見方は担当者の経歴の見方に書いています。
まとめ
- 先に分担(社内で持つものと社労士に出すもの)・重心(手続き・規程・相談)・規模を決める。三つで探す人が変わる
- 検索条件は資格や年数ではなく経験(回した手続きの範囲・規模・一人かチームか・従業員対応)で組む。「人事労務」の肩書で絞ると実態が人事の人ばかり出る
- プロフィールで労務(手続きを回した)と人事(採用や全般)を見分ける。総務・経理・事務の肩書でも労務の手続きを回している人がいる
- 転向元(社労士事務所・総務・経理・人事の一部・相談の窓口)を分担と重心に合わせて含める。転向の文面を分ける
- 実態が人事の人、分担が逆の人、大企業の分業の一部で一人労務を求めている場合には送らない
- 条件は分担ごと・転向元ごとに分けて保存し、返信が来た人の共通点で月に一度直す
よくある質問
資格を持っている人を優先すべきですか
資格は知識の証明で、回した手続きの証明ではありません。資格があっても手続きをほとんど回していない人と、資格が無くても一人で全部回してきた人がいます。資格は歓迎にとどめ、検索条件には入れず、プロフィールを読むときの補助にします。規程の整備や法令の判断が重心なら、資格や社労士との関係を重く見ますが、それでも読むのは「何を回したか」です。
社労士事務所の人は、一社の労務に合いますか
手続きが主の分担なら、合うことが多い。複数の会社の手続きと給与計算を回してきた経験は、一社の労務にそのまま活きます。ただし、一社の中で従業員と直接向き合う経験(相談の窓口、休職復職の対応、板挟みの場面)は無いことが多いので、相談が重心の会社では文面で違いに触れ、面談で確かめます。「一社に集中したい」の記述がある人を優先します。
出てくる人が少なすぎます
肩書か資格で絞っているかを見ます。外して、手続きの言葉(「給与計算」「社会保険」「勤怠」「入退社」「規程」)で読む形にすると増えます。それでも少ないなら、転向元(社労士事務所、総務、経理、人事の一部)を自社の分担に合わせて含めます。労務を主にしてきた経験者は市場に少ないので、転向元を含めることが前提になります。