スカウト代行 / 社内SE

社内SEへのスカウト文面の型|件名と本文の順番

公開 2026-09-20

社内SEへのスカウトで返信が来ない文面には、共通する型があります。件名が「DX推進を担う社内SE募集」、本文が「上流工程から裁量を持って幅広く経験できます」で、相手の経歴には触れていない。社内SEの経験者は、どの会社も「DX推進」「上流工程」「裁量」と書くので、三語を信じていません。知りたいのは、中身の割合(ヘルプデスクがどのくらいで、インフラの運用と基幹システムの保守と新しい仕組みの導入がそれぞれどのくらいか)、一人目か二人目以降か、決裁と予算と上司は誰か、使っているものとベンダーの数、いまの職場より何が良くなるか、そして自分が整えた範囲のどこを見て送ってきたか。ここが書いてある文面に返信が来て、書いてない文面は開かれずに終わります。結論を先に書くと、件名は相手が整えた範囲の一点と自社の中身の割合、本文は「一行目→中身の割合→一人目かどうかと聞く相手→決裁と予算と上司→使っているものとベンダーと整えた後に任せること→条件の幅→返信の手間を下げる締め」の順で組みます。社内SEに何を訴求するかは社内SE向けスカウトの訴求に書いていますので、ここでは「件名と本文の型」に絞ります。

先に決めるのは「中身の割合」と「一人目かどうか」

文面を書く前に、経営者と、いまITを見ている人に、中身の割合と一人目かどうかを聞いて決めます。割合は、ヘルプデスク(PCの設定、アカウント、問い合わせ)、インフラの運用(ネットワーク、サーバー、クラウド)、基幹システムの保守(会計、販売、人事の仕組みとベンダーとのやりとり)、新しい仕組みの導入、の四つがそれぞれどのくらいか。一人目かどうかは、社内にITの分かる人がいるか、分からないことを誰に聞けるか、です。「DX推進」と書いてヘルプデスクが七割なら、入ってから辞めます。

決めること文面のどこに使うか
中身の割合(四つ)件名と本文の二段目。隠さない
一人目か二人目以降か、聞く相手本文の三段目
決裁と予算と上司(いくらまで誰の承認で、上司は誰か)本文の四段目
使っているものとベンダーの数本文の五段目
整えた後に任せること(割合がどう変わるか)本文の五段目
いまより良くなる一点本文の五段目と六段目

止まりやすいのは、経営者に聞かずに人事が「DX推進」で書くときです。割合が決まっていない会社は、文面の二段目が書けません。書けないなら、先に決めます。

件名の型

件名は「相手が整えた範囲の一点+自社の中身の割合」です。「DX推進」「社内SE募集」「上流工程」は、社内SEの受信箱では埋もれるか、疑われます。

例の形
相手の一点+割合「〇〇(相手が整えたもの)のご経験について|ヘルプデスク〇割・基幹の保守〇割・導入〇割の社内SE」
相手の一点+一人目かどうか「〇〇(相手が整えた範囲)を見て|ITの分かる人が一人いる、二人目の社内SE」
相手の転向元+割合「〇〇(SIer・SES)で〇〇をされてきた方へ|運用と導入が中心の社内SE、決裁の範囲あり」

件名でやってはいけないのは、「DX推進」「上流工程」「裁量が大きい」だけで組むこと、割合を書かずに「幅広く」と書くこと、伏せ字で煽ることです。件名のNGはスカウト件名のNG例に書いています。

本文の型

本文は七段で組みます。読む側が最初に見るのは一行目と、「中身の割合」と「一人目かどうか」です。

書くこと長さ注意
相手が整えた範囲の一点(何を見て送ったか)一〜二文「幅広いご経験」ではなく、整えたものの一点
中身の割合(四つがそれぞれどのくらいか)二〜三文ヘルプデスクが多いなら多いと書く。隠さない
一人目か二人目以降か、分からないことを聞く相手一〜二文一人目なら一人目と書く。外部に聞ける相手がいれば書く
決裁と予算と上司(いくらまで誰の承認で、上司は誰か)二〜三文「裁量」と書かず、範囲を書く。上司がITの分からない人なら、その旨も
使っているものとベンダーの数、整えた後に任せること二〜三文製品名は書ける範囲で。整えた後に割合がどう変わるかを書く
条件の幅(給与の幅、在宅、勤務時間)一〜二文幅で書く。決まっていないことは決まっていないと書く
締め(返信の手間を下げる。一言の返信でよい、日程の候補を出す)一文応募を求めない。書類を求めない

止まりやすいのは、二段目を「幅広く担当」で書くときです。社内SEの読む側は「幅広く」を「ヘルプデスクが大半」と読みます。

転向元で一行目を変える

社内SEへの転向元は、大きく五つあります。一行目と、重心を置く段が変わります。

転向元一行目の変え方重心を置く段
一人情シス経験者一人で整えた範囲の一点に触れ、二人目以降か聞く相手がいるかを先に書く三段目(一人目かどうか)と四段目(決裁)
情シス部門経験者部門で担った範囲の一点に触れ、範囲が広がることと決裁が近いことを書く二段目(割合)と四段目
SIer・SESからの転向常駐先で整えた範囲の一点に触れ、自社のものとして整えられることと、決裁の範囲を書く四段目と五段目(整えた後に任せること)
社内開発経験者作ったものの一点に触れ、開発の割合を正直に書く(少ないなら少ないと)二段目
大きな部門から小さな会社へ担った範囲の一点に触れ、一人で見る範囲の広さと、決裁が近いことの両方を書く二段目と三段目と四段目

止まりやすいのは、五つの転向元に同じ一行目を送るときです。社内開発経験者に開発の割合を書かず、SIerからの転向に決裁の範囲を書かないと、自分に来た文面だと読まれません。

エラベルの見解

相談で最も多いのは、「DX推進、上流工程で送っているのに返信が来ない」という会社です。文面を見ると、中身の割合も、一人目かどうかも、決裁の範囲も書いてなく、「幅広く裁量を持って」で終わっている。読む側は、その文面を「ヘルプデスクが大半で、一人で全部やらされ、予算は無い」と読みます。ある会社では、担当者が経営者と話して、二段目を「ヘルプデスクが五割、基幹システムの保守とベンダーとのやりとりが三割、新しい仕組みの導入が二割。整えた後はヘルプデスクを外部に出し、導入の割合を増やす」と書き、四段目を「〇〇の範囲までは本人の判断で、それ以上は経営者の承認。上司は経営者で、ITは分からないが決めるのは速い」と、経営者の言葉で書き直しました。件名を「〇〇(相手が整えたもの)のご経験について|ヘルプデスク五割・保守三割・導入二割の社内SE、一人目」に変えたところ、一人情シスの経験者から返信が来て、面談で「割合が書いてあったので、正直な会社だと思った」と言われました。社内SEの文面は、良く見せる言葉を削り、割合と決裁を書くほうが届きます。

書いてはいけないこと

送る前の確認

確認すること見る場所
一行目が相手の整えた範囲の一点になっているか本文の一段目
中身の割合が四つとも書いてあり、実態と合っているか本文の二段目
一人目かどうかと聞く相手が書いてあるか本文の三段目
決裁と予算と上司が具体で、経営者に確認した数字か本文の四段目
「DX推進」「裁量」で範囲をごまかしていないか全体
転向元に合う一行目と重心になっているか本文の一段目と重心の段
締めが返信の手間を下げているか本文の七段目

返信が来ないときの直す順番

直すところ見る指標
件名(相手の一点+割合になっているか。「DX推進」が残っていないか)開封
一行目(相手が整えた範囲の一点か、経歴の要約か)開封後の返信
二段目と三段目(割合と一人目かどうかが書いてあるか)返信の中身(「詳しく聞きたい」が出るか)
四段目(決裁と予算と上司)面談での質問と辞退の理由(ここを聞かれるなら書き足りない)
送る相手(転向元と割合が合っているか)返信率が転向元で違うか

一度に全部を変えず、一つずつ変えて比べます。比べ方はスカウト文面のA/Bテストに書いています。

エラベルの見解

担当する側から見ると、社内SEの文面で会社ごとに差がつくのは、「経営者が中身の割合と決裁の範囲を自分の言葉で決めているか」です。文面の型は同じでも、経営者が「ITのことは全部見てほしい」としか言わない会社では、担当者は割合を書けず、「幅広く」と書くしかありません。経営者が「いまはヘルプデスクが半分、整えたら外に出す、決裁はこの範囲まで本人、上司は自分」と話した会社では、文面がそのまま経営者の言葉になり、返信が来ました。エラベルで社内SEのスカウトを担当する人には、文面を書く前に、経営者に「四つの割合、一人目かどうか、決裁と予算の範囲、上司は誰か、整えた後に何を任せるか」を直接聞いてもらっています。対象の絞り方は社内SEを探すときの検索条件に書いています。

代行に出す場合の範囲

担当者が持つのは、経営者から中身の割合と一人目かどうかと決裁と予算と上司を聞き出すこと、相手が整えた範囲の一点を読んで一行目を書くこと、転向元ごとに文面を分けること、返信率を見て件名と一行目と二段目と四段目を直すこと、です。会社が持つのは、経営者が担当者に話す時間、割合と決裁と予算と上司の決定、整えた後に任せることの決定、面談で文面と実態がずれないこと、です。担当者が社内SEの経歴(整えた範囲、一人か部門か、扱ったもの、経路)を読める経験があるかは、担当者を選ぶときに確かめます。

まとめ

よくある質問

ヘルプデスクが七割と書くと、返信が減りませんか

ヘルプデスクを避けたい人からの返信は減りますが、「整えた後に外部に出す」「導入の割合を増やす」と一緒に書けば、いまの職場で一人で全部を抱えている人からの返信が増えます。隠して送ると、面談で聞かれて辞退されるか、入ってから辞めます。割合と一緒に、整えた後にどう変わるかと、その時期の目安を経営者の言葉で書くのが型です。

決裁の範囲が決まっていません

決まっていない状態で「裁量を持って」と送ると、読む側に見透かされます。文面の前に、経営者が「いくらまでは本人の判断で、それ以上は誰の承認か」を決めます。金額が決められないなら、「〇〇(例:ライセンスの更新、消耗品)は本人の判断、それ以上は経営者と相談。年間の予算は入ってから一緒に組む」のように、種類で分けて書きます。決まっていないことを正直に書くほうが、「裁量」と書くより信用されます。

一人目の社内SEで、社内にITの分かる人がいません

一人目と書き、分からないことを聞ける相手を用意して書きます。相手は、いまのベンダーの担当者、顧問や業務委託のエンジニア、経営者の知人でも構いません。「一人目で、社内にITの分かる人はいないが、〇〇(外部)に聞ける」と書けば、一人情シスの経験者は「前の職場と同じか、少し良い」と読みます。聞く相手が誰もいないなら、先に用意します。用意できないまま送ると、一人目の経験者ほど避けます。