スカウトと人材紹介の費用比較|手数料の仕組みを知ったうえで「同じ範囲」で比べる

返信率の改善スカウト運用 更新日 2026-10-16

採用の手段を選ぶとき、「スカウトと人材紹介はどちらが安いのか」はよく出る問いです。人材紹介は成功報酬で、採用が決まらなければ費用はかからない一方、決まったときの手数料は大きくなりがちです。スカウトは媒体費が中心で、うまく回れば一人あたりは安く見えます。結論から書くと、両者を比べるには、人材紹介の手数料に含まれている作業を、スカウトの側でも費用として数える必要があります。そのうえで比べると、どちらが安いかは職種や採用人数、社内の体制によって変わり、一律には決まりません。

以下は職業安定法の条文に沿った手数料の仕組みと、自社の数字で比べる手順です。紹介会社の手数料の率は会社や契約によって異なるため、この記事では金額の相場は扱いません。

人材紹介の手数料の仕組み

人材紹介(有料職業紹介)の手数料には、職業安定法で決まりがあります。第32条の3第1項は、有料職業紹介事業者は、次の場合を除き、職業紹介に関していかなる名義でも手数料や報酬を受けてはならないと定めています。

また、同条第2項は、原則として求職者からは手数料を徴収してはならないとしています。つまり、人材紹介の手数料は、原則として採用する企業が払うものです。

さらに、第32条の16第3項は、有料職業紹介事業者に対し、紹介により就職した者の数、そのうち一定の離職者の数、手数料に関する事項などについて情報の提供を行わなければならないと定めています。紹介会社と契約する前に、手数料表や返金の規定を確認しておくことは、費用を比べるうえで欠かせません。

費用に含まれている作業の範囲をそろえる

人材紹介の手数料には、紹介会社が担っている作業の費用が含まれています。スカウトでは、同じ作業を社内か代行会社が担います。比べるときは、この作業の範囲をそろえてください。

作業人材紹介の場合スカウトの場合
候補者を探す紹介会社が行う社内または代行会社が検索し、送る相手を選ぶ
最初の声かけ紹介会社が行う社内または代行会社が文面を書いて送る
求人の説明・動機づけ紹介会社が候補者に説明する社内がカジュアル面談などで行う
日程調整紹介会社が行うことが多い社内または代行会社が行う
面接社内が行う社内が行う
条件の調整・内定後のフォロー紹介会社が間に入ることが多い社内が直接行う

この表を見ると、人材紹介の手数料には、スカウトなら社内で担う作業の多くが含まれていることが分かります。スカウトの費用を媒体費だけで出すと、これらの作業の費用が抜け落ち、スカウトが実態より安く見えます。スカウトの採用単価の出し方はスカウト経由の採用単価で詳しく書いています。

エラベルの見解

費用を比べる相談を受けると、多くの会社が人材紹介の手数料を「高い」、スカウトを「安い」と決めてかかっていることに気づきます。ところが、社内の時間を含めて計算してみると、職種によっては両者の差が思ったより小さいこともあります。とくに、採りにくい職種で返信が少なく、面談を何度も重ねてやっと一人採れたような場合は、社内の時間が大きくなります。

逆に、スカウトの運用に慣れていて、少ない時間で質の高い候補者に声をかけられる体制がある会社では、スカウトのほうがはっきり安くなります。どちらが安いかは、手段そのものではなく、誰がどれだけの時間でその手段を回すかで決まります。同じスカウトでも、担当者によって費用は大きく変わります。

自社の数字で比べる手順

スカウトと人材紹介を自社の数字で比べるには、次の手順で進めます。

  1. 同じ職種を選ぶ:比べる手段で採用している、同じ職種を対象にする
  2. 同じ期間を決める:半年や一年など、比べる期間をそろえる
  3. 人材紹介の費用を出す:その期間に払った手数料の総額に、面接など社内でかかった時間を加える
  4. スカウトの費用を出す:媒体費、代行費、送信から内定後までに社内でかかった時間を合計する
  5. 採用人数で割る:それぞれの手段で採用した人数で割り、一人あたりの費用を出す
  6. 定着も見る:入社後の一定期間で辞めた人がいれば、その扱いを決めて比べる

人材紹介では、入社後の早い時期に辞めた場合の返金の規定があることが多く、その規定も費用の比較に関わります。スカウトにはそうした仕組みがないので、早期の退職があった場合の費用の重さが変わります。

使い分けの考え方

比べた結果をもとに、手段を一つに絞る必要はありません。多くの会社では、次のように使い分けています。

スカウトの運用を外に出す場合の費用の比べ方はスカウト代行の費用の比べ方で書いています。

エラベルの見解

もう一つの選択肢として、スカウトの運用を、担当者を選んで外に出す方法があります。人材紹介の成功報酬とも、媒体を自社だけで回すのとも違う形です。エラベルでは、採用決定時に1名10万円(税別)という形で、担当者を選んでスカウトや採用の実務を任せられる仕組みを用意しています。

どの手段を選ぶにしても、大切なのは、費用を同じ範囲でそろえて比べることと、誰が実際に動くのかを確かめることです。手数料の率や媒体費の額だけで決めると、実際にかかっている社内の時間や、担当者による差を見落とします。

まとめ

よくある質問

人材紹介の手数料の相場はいくらですか

紹介会社が届け出た手数料表や契約によって異なるため、一律の相場はお伝えできません。契約前に、紹介会社から手数料表と返金の規定を受け取り、確認してください。職業安定法でも、有料職業紹介事業者には手数料に関する事項の情報提供が求められています。

スカウトと人材紹介を併用すると、同じ候補者が重なりませんか

重なることはあります。スカウトで声をかけた候補者が、紹介会社からも推薦されてくる場合です。どちらの経由とするかで手数料の扱いが変わることがあるため、紹介会社との契約で、重複したときの扱いを確認しておいてください。

社内に人事がいない場合はどちらが向いていますか

社内に採用の時間を割ける人がいない場合、スカウトを自社だけで回すのは難しいことが多いです。人材紹介を中心にするか、スカウトの運用を外部に任せる方法を検討してください。費用は、社内の時間がかからない分も含めて比べると判断しやすくなります。

出典

本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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