スカウト代行 / Eight Career Design
Eight Career Designの検索条件の組み方|母集団を狭めすぎない設計
Eight Career Designで検索条件を組むときは、母集団の成り立ちを先に押さえておくと判断がぶれません。このデータベースは転職希望者が登録したものではなく、名刺アプリ「Eight」のユーザーで構成されており、公式サイトは「会社名やフリーワードで候補者をピンポイント検索」できると説明しています。名刺由来である以上、職種によって母集団の厚みが大きく変わります。この記事では、最初の判断から、検索で候補が尽きたあとに経路を移すところまでを分岐の順にたどります。以下は2026年9月24日時点で公式サイトに記載されている内容に基づき、運営はSansan株式会社です。
出発点の分岐|対象職種は名刺を交換する職種か
条件を組む前に、対象職種がこの媒体に向いているかを確かめます。公式サイトが挙げる母集団の数字は次のとおりです。
- 名刺アプリ「Eight」のユーザー450万人で構成されたデータベース
- 「他社スカウトサービスには登録されていない人材が約80%」
- 「Eightの利用者の54%は管理職」
- ユーザー数は「年間36万人も増加している」
ただし、職種別や業界別の内訳は公開されていません。自社の対象職種で何人いるかは、公開情報からは見積もれません。
見積もりで考えておきたいのが、名刺由来であることの偏りです。導入事例に掲載されたアデコ株式会社のコメントには、「営業職や管理職といった、クライアントと名刺交換する層にこそマッチするサービスだと直感。そこであえてスーパーバイザーを狙わず、特定職種のみに特化して導入することに決めました」という記述があります。社外との接点が多い職種ほど名刺の情報が厚くなり、社外と名刺を交換する機会が少ない職種では母集団が薄くなる可能性があります。対象職種が名刺を交換する職種かどうかが、この媒体での最初の分岐です。向かないと判断したら、条件の工夫を重ねる前に、他の媒体を主にする選択肢を検討します。
分岐1|会社名と役職で広く取り、タレントプールに入れる
向いている職種なら、次は何を軸に探すかです。よくある質問では、候補者の選定に使える情報として「ユーザーが設定しているキャリアサマリ、年齢、転職意向度、名刺記載情報など」が挙げられています。このうち他の媒体にないのが名刺記載情報で、会社名、部署名、役職が載っています。どの会社のどの部署の誰か、という単位で探せることが、条件設計の出発点を変えます。
| 比べる点 | 一般的なスカウト媒体 | この媒体 |
|---|---|---|
| 条件の入り口 | 経験職種・年収・年齢 | 会社名・部署名・役職 |
| 送る根拠 | 職務経歴書の記述 | 名刺とキャリアサマリ |
| 転職意向の読み方 | 登録した事実から読む | 行動データから推定される |
採用したいポジションの経験者がどの会社のどの部署にいるかを先に書き出しておくと、検索は当てやすくなります。抽象的なスキルの条件から入ると、キャリアサマリの書き方の個人差に左右されます。
見つけた候補者はすぐ送らず、タレントプールに入れます。機能ページには「候補者はタレントプールで管理することができ、いつでもダイレクトにスカウトできます」とあり、プロフィールの更新や募集要項の閲覧を転職意向の高まりとして知らせる、転職意向度の通知が組み合わさっています。送る相手を条件で細かく絞るより、プールに入れる相手を広めに取り、送る時期を通知で選ぶ組み方になります。
エラベルの見解
会社名で探せる媒体では、検索画面に向かう前に、ターゲット企業のリストを作る作業が要ります。ここで同業他社だけを並べると、母集団はすぐに薄くなります。私たちがこの工程に入るときは、「同じ課題を解いている別の業界」までリストを広げます。たとえば法人向けの販売管理を担ってきた人は、業種が違っても仕事の構造が近いことがあります。どこまで広げてよいかは、採用したいポジションの仕事を分解できる人でないと判断できません。同じリスト作りでも、業界の仕事の中身を知る担当者と、社名を検索で集める担当者とでは、候補の厚みが変わります。会社名で絞れる媒体は、業界の枠を外す設計と組み合わせたときに効きます。
分岐2|通知が届かないとき、何を緩めるか
プールを作って数週間たっても、転職意向度の通知がほとんど届かないことがあります。このときに疑う場所と、緩めてよい条件・緩めないほうがよい条件を分けておきます。
| 症状 | 疑う条件 | 次の一手 |
|---|---|---|
| プールの人数自体が少ない | ターゲット企業が同業他社に偏っている | 同じ課題を解く別業界まで企業を広げる |
| プールは多いが通知が届かない | 役職や年齢の幅が、動く時期の人とずれている | 役職の幅を一段広げ、年齢は上限だけ残す |
| 通知は届くが返信がない | 送る時期より、文面や会う形式の問題 | 条件は触らず、文面の見直しへ |
| 転職意向度で絞ると候補が残らない | 意向度を必須条件にしている | 意向度は条件から外し、送る順番の材料にする |
四つ目は起きやすい分岐です。意向度は行動データから推定されたもので、いま高い人だけを条件で狙うと、候補が残らないうえに、他社も同じ時期に動いている可能性があります。公式サイトが掲げる「他社より先に採用できる」という利点は、意向が高まる前からプールに入れておくことで生きます。条件は会社名と役職で広めに取り、意向度は送る順番を決める材料として使います。運用の時系列での組み立てはEight Career Designのスカウト運用設計にまとめています。
分岐3|検索で尽きたら、つながりスカウトと求人の公開に経路を移す
条件を広げても候補が増えなくなったら、検索の外に経路を移します。一つ目はつながりスカウトです。機能ページでは「自社社員とつながってる人に限定してスカウトメールを送ることでメールの返信率、その先の内定数増加につなげられる可能性が高まります」と説明されています。導入事例に掲載された株式会社マイクロアドのコメントには、この機能が「『近しい企業へスカウトを送りたい』と考えていた当社にぴったりの機能でした」とあります。この経路の母集団は、検索条件ではなく社員のEight上のつながりで決まるので、社内での利用状況を確かめたうえで、通常の検索とは別のリストとして持ちます。
二つ目は求人情報の公開です。よくある質問には、求人情報を作成・掲載するとEightユーザーに公開され、「公開範囲を制限することで、特定のユーザーにのみ公開することや、非公開での設定も可能です」とあります。募集要項の閲覧は転職意向度の通知の材料にもなっているので、公開範囲の設定は、候補者が向こうから近づいてくる経路の太さを決める条件の一つです。
| 公開の設定 | 得られるもの | 失うもの |
|---|---|---|
| 全体に公開 | 閲覧をきっかけに通知が届く材料が増える | 募集が広く知られる |
| 範囲を制限 | 見せる相手を選べる | 通知の材料が減る |
| 非公開 | 募集を伏せておける | 候補者から近づいてくる経路がなくなる |
母集団を見積もる|何を聞き、何を掛けるか
分岐をたどる前後で、自社の条件での数を見積もっておくと判断が速くなります。公式サイトには「候補者を無料で検索してみる」という導線と「候補者の数を無料検索」という案内があり、契約前に確かめられる仕組みが用意されています。公開されていない項目は、聞き方と使い方をそろえておきます。
| 聞くこと | 聞く相手 | 見積もりでの使い方 |
|---|---|---|
| 対象職種・ターゲット企業での候補者数 | 運営(無料検索) | 候補者数 × 過去の返信率 = 見込める返信数 |
| 検索条件として使える項目の一覧 | 運営 | 会社名・役職以外で絞れる範囲が分かる |
| タレントプールの上限数 | 運営 | 溜める運用の上限が決まる |
| 意向度の通知が届く条件 | 運営 | 月に届く通知の件数を読む |
| 社員のEightの利用状況 | 社内 | つながりスカウトの母集団の見当 |
もう一つ確かめておきたいのが、エージェントとの関係です。この媒体にはエージェント向けの別サービスがあり、エージェント向けページは「ヘッドハンター・エグゼクティブサーチファーム専門」と掲げ、「厳選したエージェント様にご利用を限定」としています。企業とエージェントで入口が分かれている形ですが、同じ候補者を取り合う構図になるかは運営に確かめる項目です。
エラベルの見解
相談で多い思い込みは、「通知が届く人だけに送れば効率がよい」というものです。意向度で絞ると、その時点で動いている人にしか届きません。この媒体を使う意味は、他の媒体に出てこない人に、意向が高まる前から近づけることにあります。私たちが条件を組むときは、意向度を必須条件にせず、プールに入れた人の中で送る順番を決める材料として使います。見積もりの面でも、通知の件数だけを母集団と数えると、実際より小さく見積もることになります。候補者数に返信率を掛けた数と、月に届く通知の件数を分けて並べると、待つ運用がどれだけの母集団を支えているかが見えます。代行を検討する場合の切り分けはスカウト代行の範囲にまとめています。
まとめ
- 最初の分岐は、対象職種が名刺を交換する職種かどうか。向かない職種なら、条件の工夫より媒体の選び直しを先に検討する
- 条件は会社名と役職で広めに取り、見つけた候補者はタレントプールに入れて、送る時期を通知で選ぶ
- 通知が届かないときは症状で疑う条件を分け、転職意向度は必須条件にせず送る順番の材料にする
- 検索で候補が尽きたら、つながりスカウトと求人の公開範囲に経路を移す
- 公開されていない数は、無料検索で出る候補者数に返信率を掛けて見積もる
よくある質問
Q. Eight Career Designでは、どんな情報で候補者を絞り込めますか
よくある質問では、キャリアサマリ、年齢、転職意向度、名刺記載情報などから選定できるとされています。具体的な検索項目の一覧は公開されていないため、商談で確かめてください。名刺記載情報を使えば、会社名や役職を軸に探せるのがこの媒体の特徴です。
Q. 契約前に、自社の条件で何人いるかを確かめられますか
公式サイトには、候補者の数を無料で検索できるという案内があります。対象職種やターゲット企業で検索し、そこに過去の返信率を掛けると、見込める返信数の見当がつきます。職種別の内訳は公開されていないので、この確認を先に行うと判断しやすくなります。
Q. 転職意向度が高い人だけに絞って送るのは、効率がよいですか
意向度は行動データから推定されたもので、高い人だけに絞ると候補が少なくなり、他社と同じ時期に競うことになります。会社名と役職で広めにプールを作り、意向度は送る順番を決める材料として使うほうが、この媒体の仕組みと噛み合います。
※料金・通数・機能の条件は変わります。掲載した内容は2026年9月24日時点の公式サイトの記載です。契約前に運営にご確認ください。