スカウト代行 / マイナビ転職
マイナビ転職のスカウト代行|任せられる範囲と成果の測り方
マイナビ転職のスカウトを外に出すとき、「スカウト運用一式を委託する」と書いただけの契約は、あとで揉める原因になります。この媒体には候補者に届く経路が四つあり、経路ごとに委託のしやすさが違ううえ、求人原稿はマイナビ側の制作専門スタッフが作り、掲載後は営業担当のサポートも付くからです。この記事では、業務委託契約や仕様書に書く条項の順番に沿って、四つの経路を一つずつ判定し、媒体側の役務と重ならない委託範囲を決めていきます。以下は、2026年9月24日時点で公式サイトに記載されている内容に基づいて整理しています。運営は株式会社マイナビです。
業務範囲の条項は、経路ごとに書き分ける
最初に書くのは、代行会社に任せる業務の範囲です。マイナビ転職の法人向けページでは、候補者に届く手段として「スカウトメール」「DM」「コンタクトメール」「気になるマッチング」が挙げられています。四つは動く主体が違い、企業が相手を選んで送るもの、システムが推薦してくるもの、候補者のほうから関心を示してくるものに分かれます。主体が違えば、代行会社に渡すものも「作業」なのか「判断」なのかが変わるため、範囲の条項は経路ごとに分けて書くのが実務的です。
| 経路 | 公式の説明 | 委託の形 | 条項に書くこと |
|---|---|---|---|
| スカウトメール・DM | 求職者をセグメントして配信できる。職種・エリア・経験などによる詳細な絞り込みが可能 | 作業の委託 | 週あたりの送信数の上限と下限、絞り込み条件と変更時の承認、文面の差し替え頻度 |
| コンタクトメール | レコメンドエンジンが1日最大20名のスカウト会員を自動推薦する | 判断の委託 | 送る/送らないの線、迷った場合の扱い、見送り理由の記録 |
| 気になるマッチング | 求職者が「気になる」を押すと、すぐに応募依頼か面接依頼の連絡ができる | 一次の仕分けのみ | 通知を受けてから社内に渡すまでの時間、最終判断は自社が行うこと |
| 求人原稿 | マイナビ内の制作専門スタッフが作成する | 対象外 | 除外する業務として明記する |
スカウトメールとDMは、絞り込みの条件を文書にできれば誰がやっても再現できる作業なので、委託の中心になります。ただし通数の上限や配信の制約は公開情報に記載がなく、プランで変わる可能性が高い項目です。契約通数を先に決めてしまうと、媒体側の上限と合わないことがあるため、運営に通数を確かめてから代行の契約通数を書く順番にします。
判断を渡す経路には、基準と権限の条項を足す
コンタクトメールは、探す作業をシステムが担います。代行会社に残るのは、推薦された相手に送るかどうかの判断です。1日最大20名なら週5営業日で100名になり、この判定を外に出すことは、採用要件の解釈を外に出すことと同じ意味を持ちます。基準が曖昧なまま任せると、代行会社は無難に全員へ送るか、逆に絞りすぎるかのどちらかに寄りやすくなります。そこで契約には、「経験職種が合致していれば送る」のような線と、迷った候補者を週次の定例に持ち込む手順を書いておきます。
見送った理由を一行ずつ残す条項も入れておくと、後で効いてきます。見送りの理由が溜まれば、どの条件がずれているのかが見え、レコメンドの入力側や募集要件を見直す材料になります。記録の置き場所と形式を決めておけば、代行会社を替えたときにも判断の履歴が引き継げます。
気になるマッチングは、もう一段慎重に扱います。候補者はすでに自社に関心を示しており、そこに面接依頼を送ることは、会う約束をすることに近いからです。導入事例にも、"気になる"のリアクションをくれたユーザーには「攻め」の姿勢でアプローチできるという企業のコメントが載っています。放置すれば機会を逃すので、一次の仕分けは代行、応募依頼か面接依頼かの最終判断は自社という分担を条項にしておくと、判断を手放さずに速度を保てます。
媒体側の役務と重なる業務は、除外条項で外す
四つ目の「求人原稿」は経路ではなく前提です。法人向けページには、求人内容はマイナビ内の制作専門スタッフが作成し、作成前にインタビューや撮影をする"取材"もプランに含まれている(一部プランを除く)と案内されています。つまり、求人原稿の制作を代行会社に頼む余地はほとんどありません。見積もりに「求人原稿の作成」が入っていたら、何を指しているのかを確かめたうえで、除外する業務として契約に書いておきます。
もう一つ重なりやすいのが、営業担当のサポートです。よくある質問では、掲載開始後も営業担当が掲載中データの分析、原稿修正の提案、気になるマッチングの案内、メール機能の活用、選考方法の見直しを行うとされています。助言はここで受けられるので、外部の代行に残るのは「助言を運用に落として手を動かし続けること」に絞られます。
| 営業担当のサポート | 外部代行に残す作業 | 条項での扱い |
|---|---|---|
| 掲載中データの分析 | 分析結果を絞り込み条件や送信計画に反映する | 範囲に含める |
| 原稿修正の提案 | 取材で話す内容の整理、修正案への意見 | 取材準備として含める |
| 気になるマッチングの案内 | 日々の通知の仕分け | 範囲に含める(最終判断は除く) |
| メール機能の活用 | 文面の作成と送信作業 | 範囲に含める |
| 選考方法の見直し | 社内調整の推進 | 必要に応じて別途 |
表の右端で「含める」と書いたものも、営業担当の提案と代行会社の提案がぶつかることがあります。どちらの提案を採るかを決めるのは自社だと明記し、代行会社には営業担当との打ち合わせ内容を共有する義務を書いておくと、二つの助言が並走して混乱する事態を避けられます。
エラベルの見解
外に出してよいのは送信と仕分けの作業まで、というのがこの媒体での線引きです。そのうえで、代行会社に頼む価値が一番高いのは、実は送信作業より取材の準備だと考えています。原稿はマイナビ側が作るので、反応が悪いときに自社で直せるのは文面だけで、原稿の改訂は営業担当を通した往復になります。取材は一度きりに近い機会で、そこで話した内容が数か月にわたって原稿に効き続けます。何を話すか、現場の誰が出るか、どの数字を用意するか。ここを採用実務に慣れた担当者と詰めておくと、送信作業をいくら積み増すより反応が変わることがあります。担当者を選ぶときは、取材の設計を手伝えるかを聞いてみてください。
報酬と成果指標の条項は、媒体の契約形態に合わせる
報酬の条項は、自社とマイナビの契約形態を先に確定させてから書きます。法人向けページには「マイナビ転職」掲載料金が20万円(税抜)~と記載され、掲載プランや期間により大きく変動し、時期やエリアに応じたキャンペーンもあるとされています。一方で、求人広告の成果報酬型としてマイナビ転職AGENT Boosterが案内されており、採用者の入社確定後にのみ請求される形です。2025年12月からは、一度の申し込みで人材紹介(マイナビ転職AGENT)と求人広告(マイナビ転職AGENT Booster)を同時に利用できるようになったとも書かれています。
| 契約形態 | 採用単価の式 | 代行費の位置づけ | 成果指標の置き方 |
|---|---|---|---|
| 掲載型 | (掲載料金+代行費)÷採用人数 | 掲載料金と並ぶ固定費 | 掲載期間中の面談到達数 |
| 成果報酬型 | (成果報酬+代行費)÷採用人数 | 採用決定前に出ていく唯一の費用 | 面談到達数と、その先の選考進行 |
成果報酬型を選ぶ場合、代行費だけが採用前に確定して出ていくので、代行の成果を「送信数」で測ると噛み合いません。条項には面談に到達した件数を主な指標として書き、送信数は作業量の確認用にとどめます。
代行費そのものを見積もるときは、経路ごとの作業量から積み上げます。コンタクトメールの判定なら「週の推薦件数×一人あたりの判定時間」、スカウトメールなら「週の送信数×一通あたりの作成時間」、気になるマッチングなら「週の通知件数×仕分けの時間」です。推薦は最大値が公開されていますが、送信数と通知件数は自社の面接枠と過去の実績から置くしかありません。代行会社の見積もりをこの式に当てはめ、一通や一件にどれだけの時間を見込んでいるかを聞けば、安い提案が何を省いているかが見えてきます。費用の比べ方はスカウト代行の費用比較にもまとめています。
契約書の空欄を、誰に聞いて埋めるか
ここまでの条項には、契約前の時点では埋められない空欄が残ります。スカウトメール・DMの通数、外部の代行会社にアカウントを渡せるか、複数担当者の権限をどう分けられるか、気になるマッチングの通知を誰が受け取れるか、といった項目は公開されていません。運営に聞く項目と代行会社に聞く項目を分け、答えが出た順に条項へ書き込んでいきます。
外部の担当者が管理画面に入り、候補者のWeb履歴書を閲覧する以上、アクセス権の範囲と、契約終了時に誰がいつ権限を削除するかも条項に入れます。送信履歴と候補者の記録をどの形式で引き渡すかも決めておかないと、代行会社を替えたときに同じ人へ二度送ることになりかねません。個人情報の取り扱いや職業安定法に関わる部分は一般的な整理にとどめ、個別の判断は専門家にご確認ください。
エラベルの見解
この媒体で代行を入れるかどうかは、四つの経路を同時に回すかどうかで決まると考えています。経路が一つなら自社で足ります。四つを回すとなると、コンタクトメールの推薦と気になるマッチングの通知を毎日誰かが見る必要があり、その「毎日見る」が続かないときに委託の価値が出ます。ただ、委託しても受け取る側に毎日見る人がいなければ、代行会社の報告が溜まるだけです。私たちが担当者を紹介するときも、社内の受け手が週に何時間使えるかを先に伺います。同じ業務範囲でも、受け手の時間に合わせて報告の粒度を変えられる担当者かどうかで、結果は分かれます。委託範囲の考え方はスカウト代行の範囲、運用の組み立てはマイナビ転職のスカウト運用設計にまとめています。
まとめ
- 業務範囲の条項は、スカウトメール・DM、コンタクトメール、気になるマッチング、求人原稿の四つに分けて書く
- 判断を渡すコンタクトメールには送る線と見送り理由の記録を、気になるマッチングには最終判断を自社に残すことを書く
- 求人原稿の制作と営業担当の助言は媒体側の役務なので、代行の範囲は取材準備と「手を動かし続ける作業」に絞る
- 報酬の条項は掲載型か成果報酬型かを確定させてから書き、成果指標は送信数ではなく面談到達数に置く
- 通数、アカウントの権限、記録の引き渡しは契約前に空欄を埋め、個人情報の扱いは専門家に確認する
よくある質問
Q. マイナビ転職の求人原稿も代行会社に書いてもらえますか
法人向けページでは、求人内容はマイナビ内の制作専門スタッフが作成し、取材もプランに含まれる(一部プランを除く)と案内されています。そのため代行会社に原稿制作を頼む余地はほとんどありません。代行会社に頼めるのは、取材で話す内容の整理や、出来上がった原稿への意見です。
Q. コンタクトメールの判定まで任せても大丈夫ですか
任せることはできますが、採用要件の解釈を外に出すことになります。送る/送らないの線、迷ったときの扱い、見送り理由の記録方法を契約や仕様書に書いてから任せると、判断のぶれが小さくなります。見送り理由の記録は、条件を見直す材料にもなります。
Q. 代行会社の成果は何で測ればよいですか
送信数ではなく、面談に到達した件数を主な指標に置くことを勧めます。とくに成果報酬型の契約では、代行費だけが採用前に出ていく費用になるため、送信数で測ると費用と成果が噛み合いません。送信数は作業量の確認用として別に見ておきます。
※料金・通数・機能の条件は変わります。掲載した内容は2026年9月24日時点で公式サイトに記載されているものです。個別の契約内容は、契約書と運営の案内でご確認ください。