スカウト代行 / 営業
営業へのスカウト文面|開封される件名と本文の型
営業にスカウトを送っても返信が来ない。文面を見せていただくと、件名が「成長企業で活躍する営業募集」で、本文に「頑張り次第で高収入」「やりがいのある仕事」と書いてあり、誰に何をどう売る営業なのか、目標はどのくらいで評価はどう決まるのか、見込み客は誰が作るのかが、どこにも書かれていません。営業の経験者は、この種の文面を「条件を隠している」と読みます。営業は自分の型(相手・売り方・単価と期間)が合うかと、目標と評価が隠されていないかを最初に確かめる職種です。結論を先に書くと、件名は「相手の営業の型の一点+自社の型」、本文は「一行目に相手の型の一点→自社の型(相手・売り方・単価と期間)→目標と評価の中身(隠さない)→見込みの作り方と受け入れ→商談の流れ→体制→条件の幅(固定と変動を分けて)→営業の責任者が出る面談への短い締め」の順で、商材と会社の紹介は後ろに回すか短くします。刺さる訴求と外す訴求の中身は営業向けスカウト文面の型に書いていますので、ここでは「営業向けの件名と本文の型」に絞って、そのまま使える形にします。
先に決めるのは「自社の営業の型」
文面の前に、自社の営業の型を四つで決めます。相手(法人か個人か、大手か中小か、経営者か担当者か)、売り方(新規か既存か、訪問か電話やオンラインか、単独か同行か)、単価と期間(一件の大きさと、商談から受注までの長さ)、段階(立ち上げで型を作るのか、型がある中で数を伸ばすのか)。型が違う営業に送っても、返信は来ません。
| 型の要素 | 書き方の例 |
|---|---|
| 相手 | 「中小企業の経営者に」「大手の担当部門に」 |
| 売り方 | 「新規が七割。紹介と問い合わせが三割」「既存の深耕が主」 |
| 単価と期間 | 「一件の規模は〇〇の幅。商談から受注は数か月」 |
| 段階 | 「型はまだ無く、一緒に作る」「型があり、数を伸ばす」 |
止まりやすいのは、「営業なら誰でも」で型を決めないときです。新規の法人営業と、既存の個人営業は、別の職種と考えます。
件名の型
営業が件名で見るのは、「自分の型を見ているか」「条件を隠していないか」の二つです。
| 型 | 例 | なぜ開かれるか |
|---|---|---|
| 相手の型+自社の型 | 〇〇(相手)への新規営業のご経歴へ|当社の〇〇への〇〇 | 型で自分と重なると分かる |
| 相手の段階+自社の段階 | 営業の型を立ち上げから作られた方へ|当社はいま型を作る段階 | 段階が合う |
| 相手の単価と期間+自社 | 〇〇規模で数か月の商談を回されたご経歴へ|当社も同じ規模と期間 | 商談の感覚が近いと分かる |
書いてはいけない件名は、「営業募集」「高収入」「成長企業」「やりがい」「未経験歓迎」のように、型が無いか隠す言葉です。件名の失敗の型は件名でやりがちな失敗に書いています。
本文の型
本文は、営業が「確かめる順」に並べます。商材と会社の紹介は後ろです。
| 順 | 書くこと | 長さ | 注意 |
|---|---|---|---|
| 一行目 | 相手の型の一点。「〇〇(相手)に〇〇(売り方)で〇〇(単価や期間)の営業をされたご経歴を拝見しました」 | 一文 | 型の一点に触れる。数字や実績を持ち上げない |
| 二 | 自社の型。相手・売り方・単価と期間・段階 | 三、四行 | 四つを短く |
| 三 | 目標と評価の中身。目標の置き方、評価の決まり方、達成した人と未達の人の扱い | 三行 | 隠さない。書けない理由があるなら、その理由を |
| 四 | 見込みの作り方と受け入れ。見込みは誰が作るか、入社後に何を渡すか | 二、三行 | 「自分で開拓」なら書く |
| 五 | 商談の流れ。初回から受注までの段階と、誰が同行するか | 二行 | 事実を |
| 六 | 体制。営業は何人、責任者は誰、一人目か | 一、二行 | ― |
| 七 | 条件の幅。固定と変動を分けて。年収の幅、勤務の形 | 二行 | 固定と変動の割合を書く |
| 八 | 商材と会社の紹介 | 二行 | 短く。先に書かない |
| 九 | 短い締め。「営業の責任者が出ます。三十分で、目標と評価の話を」 | 一文 | 誰が出て何を話すかを |
長さは、スマートフォンで二度スクロールする程度に収めます。
エラベルの見解
相談で最も多い思い込みは、「営業には年収の上限と成長性を見せれば響く」というものです。実際には、「頑張り次第で年収〇〇万円」と書いた文面より、「目標はこう置き、評価はこう決まり、達成した人はこう、未達の人はこう」と目標と評価の中身を書いた文面のほうが、営業の経験者からの返信は多い。ある会社では、年収の上限と成長性を前面に出した文面で返信が無く、担当者が候補者の視点で読むと、「上限だけ書いてあって固定が無い」「目標が書いていない」ので、候補者は「歩合が重く、目標が高いのを隠している」と読んでいました。「固定は〇〇の幅。変動は達成率に応じて。目標は前年の実績から置き、四半期で見直す。見込みの半分は問い合わせから渡す」と書き直したところ、返信が来ました。営業への文面で効くのは、上限の高さではなく、隠していないことです。
書いてはいけないこと
一つ目は、「頑張り次第で高収入」「成長企業」「やりがい」「アットホーム」のような、隠す言葉と形容詞です。営業の経験者は飽きていて、隠していると読みます。
二つ目は、目標と評価を書かないことです。「面談でお伝えします」は「言えない事情がある」と読まれます。
三つ目は、年収の上限だけを書くことです。固定と変動を分け、幅で書きます。
四つ目は、見込みの作り方を書かないことです。「自分で開拓」なら書き、問い合わせや紹介があるなら割合を書きます。書かないと「全部自分で開拓」と読まれます。
五つ目は、商材と会社の紹介から始めることです。営業は商材より型を先に見ます。
六つ目は、締めに営業の責任者が出ることを書かないことです。人事だけの面談では、目標と評価と商談の流れの質問に答えられません。
送る前の確認
| 確認 | 見ること |
|---|---|
| 件名に相手の型の一点があるか | 「営業募集」「高収入」になっていないか |
| 自社の型が四つ(相手・売り方・単価と期間・段階)で書いてあるか | 「営業全般」になっていないか |
| 目標と評価の中身を書いたか | 「面談で」と隠していないか |
| 条件が固定と変動に分かれて幅で書いてあるか | 上限だけになっていないか |
| 見込みの作り方が書いてあるか | 「自分で開拓」を隠していないか |
| 面談に営業の責任者が出ると書いたか | 実際に出る合意があるか |
返信が来ないときの直す順番
| 症状 | 直すところ |
|---|---|
| 開かれない | 件名。型の一点があるか。隠す言葉になっていないか |
| 開かれるが返信が無い | 目標と評価と条件の正直さ。見込みの作り方があるか |
| 返信は来るが面談で辞退 | 面談に営業の責任者が出たか。文面の条件と面談の実態が合っていたか |
| 面談後に辞退 | 目標と評価の実態。文面で良く見せていなかったか。商談の流れが文面と違わなかったか |
一箇所ずつ変えます。変え方はスカウト文面のABテストのやり方に書いています。
エラベルの見解
担当する側から見ると、営業向けの文面で会社ごとに差がつくのは、「目標と評価の中身を、営業の責任者が文面に書くことに合意しているか」です。件名と一行目は担当者が書けますが、目標と評価は営業の責任者にしか語れず、しかも「書きたくない」と言われることが多い。書きたくない理由は、目標が高い、変動が重い、未達の人の扱いが厳しい、のどれかで、隠しても面談で分かります。営業の責任者に「目標はどう置き、評価はどう決まり、達成と未達でどう違うか」を聞いて書き、その責任者が面談に出る文面は、営業に「隠していない」と伝わります。エラベルでスカウト文面を担当する人には、文面を書く前に、営業の責任者に目標と評価の中身を聞き、書くことの合意と面談に出る合意を取ってもらっています。刺さる訴求と外す訴求は営業向けスカウト文面の型に書いています。
代行に出す場合の範囲
担当者が持つのは、候補者の経歴(相手・売り方・単価と期間・段階)を読んで件名と一行目を相手ごとに書くこと、営業の責任者に聞いた型と目標と評価と見込みの作り方を本文にすること、送る前の確認、返信の記録と直す順番の提案、です。会社が持つのは、自社の型の決定、目標と評価の中身を書くことの合意、条件の幅(固定と変動)、営業の責任者が面談に出ること、です。営業の責任者が目標と評価を「書きたくない」と言う状態では、営業へのスカウトは成立しません。出す前に合意します。
まとめ
- 先に自社の営業の型(相手・売り方・単価と期間・段階)を決める。型が違う営業に送っても返信は来ない
- 件名は「相手の型の一点+自社の型」。「高収入」「成長企業」は隠す言葉として読まれる
- 本文は一行目に相手の型の一点→自社の型→目標と評価の中身→見込みの作り方と受け入れ→商談の流れ→体制→条件の幅(固定と変動)→営業の責任者が出る面談への締め。商材と会社は後ろ
- 目標と評価を隠さない。「面談で」は「言えない事情がある」と読まれる
- 条件は固定と変動を分けて幅で。上限だけ書かない
- 返信が来ないときは件名→目標と評価と条件の正直さ→面談に営業の責任者が出たか→実態の一致の順に直す
よくある質問
目標が高く、変動が重いのですが、書くと来ないのでは
書きます。書かずに面談で分かると辞退され、入社後に分かると早く辞めます。高い目標と重い変動を受け入れる営業は一定数いて、その人たちには「達成した人はこうなる」を事実で書くことが材料になります。書けない理由が「目標が決まっていない」なら、目標を決めることが先です。
未経験の人にも送りたいのですが
未経験向けは別の文面にします。経験者向けの文面(型の一点、目標と評価)は、未経験の人には読めません。未経験向けには、「〇〇のご経歴(接客、販売、カスタマーサポートなど)から営業に軸足を移したい方へ」と転向であることに先に触れ、受け入れ(教える人、最初の三か月、同行)を厚く書きます。同じ文面で両方を狙うと、どちらにも刺さりません。探し方は営業を探すときの検索条件とターゲティングに書いています。
年収を幅で書くと、上限を要求されませんか
幅で書いた場合、営業は自分の実績を幅の中に置いて読みます。書かないと「低いのでは」か「歩合が重いのでは」と読んで開きません。固定と変動を分けて書けば、上限の要求より「固定はいくらか」の確認になり、目線合わせが速くなります。書かないことで失う返信のほうが大きい。条件の出し方は条件提示・オファー面談の進め方に書いています。