スカウト代行 / スカウト運用
送信する時間帯と曜日|「一般に良いとされる時間」ではなく、「相手の層が媒体を見る時間」を自社の記録で見つける
スカウトを、いつ送れば開かれるのか。「朝の通勤の時間が良い」「月曜の朝は避けろ」「金曜の夜は読まれない」と聞くが、どれも根拠が無く、自社の相手に当てはまるかも分からない。担当者は、手が空いたときに送っている。結論を先に書くと、送信の時間帯と曜日は、「一般に良いとされる時間」で決めるものではなく、「自社が送る相手の層が、媒体を見る時間」を、自社の記録で見つけるものです。相手の層(現職の忙しさ、職種、生活の時間)で、見る時間は違います。最初は仮説で二〜三の時間帯を試し、開封と返信の記録で決めます。ただし、時間帯は「件名と一段落目と対象」の後です。文面と対象が合っていなければ、いつ送っても開かれません。開封率の改善は開封率と返信率のどちらを先に改善するかに、時期の設計は夏・冬のボーナス時期の転職市場にまとめています。媒体の送信の仕組み(予約送信の可否、送信の上限)は、公式の案内で確認します。
時間帯で迷う構造
送信の時間帯で迷うのは、次の構造で起きます。
| 構造 | 起きていること |
|---|---|
| 「一般に良い時間」を探している | 「朝が良い」「昼休みが良い」の一般論を、自社の相手に当てはめようとしている |
| 相手の層を見ていない | 現職で忙しい経験者と、動いている若手と、幹部で、媒体を見る時間は違う |
| 自社の記録が無い | いつ送って、いつ開かれたかを、記録していない |
| 担当者の都合で送っている | 「手が空いたとき」「業務の終わりにまとめて」。相手の時間ではなく、担当者の時間 |
| 時間帯を試していない | 一つの時間帯で送り続け、比べていない |
| 時間帯を、文面より先に直そうとしている | 件名と一段落目が定型のまま、時間帯を変えても、開かれない |
| 媒体の仕組みを確認していない | 予約送信ができるか、送信の上限が時間帯に関わるか。公式の案内で確認していない |
| 「開封」と「返信」の時間を混ぜている | 開封は送信の直後に起きやすく、返信は数日後に来ることもある。別の動き |
構造の大半は、「一般論を当てはめている」ことと「記録が無い」ことです。
時間帯が効く理由と効かない理由
時間帯は、効く場合と効かない場合があります。
| 効く理由 | 効かない理由 |
|---|---|
| 受信箱の上のほうに表示される。候補者が媒体を開いたときに、新しい順で上にあれば、目に入りやすい | 件名が定型なら、上にあっても開かれない |
| 候補者が媒体を見る習慣の時間(通勤、昼休み、就寝前など)に届けば、その場で開かれる | 対象が合っていなければ、開かれても返信は来ない |
| 他社のスカウトが少ない時間帯なら、埋もれにくい | 媒体の通知の仕組み(送信の時刻ではなく、候補者が開いた時刻に通知)によっては、送信の時刻の意味が薄い |
| 候補者が「考える余裕がある時間」(週末、就寝前)に届けば、返信を書く時間がある | 送信の時刻と、候補者が読む時刻は違う。送信の時刻の最適化には限界がある |
効く理由と効かない理由の要点は、「時間帯は、件名と対象が合っている前提で、上乗せで効く」ことです。時間帯だけで開封率が大きく変わることは、少ないです。
媒体の通知の仕組み(送信の時刻に通知が届くのか、候補者が媒体を開いたときにまとめて表示されるのか)で、時間帯の効き方が変わります。仕組みは公式の案内で確認します。
相手の層で違う「見る時間」
相手の層で、媒体を見る時間は違います。一般的な傾向であり、自社の記録で確かめます。
| 相手の層 | 媒体を見やすい時間の傾向 | 理由 |
|---|---|---|
| 現職で忙しい経験者 | 通勤の時間、昼休み、夜遅く、週末 | 業務の時間中は見ない。隙間の時間で見る |
| 動いている人(転職の意向がある) | 日中も含めて、幅広く | 積極的に媒体を見ている。時間帯の影響が小さい |
| 若手 | 夜、週末 | 業務の時間中は見にくい。就寝前に見る |
| 幹部、経営幹部 | 早朝、夜遅く、週末 | 日中は会議。移動や就寝前に見る |
| リモート中心で働く人 | 日中の隙間、昼休み | 業務の合間に見やすい |
| シフトで働く人(販売、医療、製造など) | シフトによる。休みの日、シフトの前後 | 業務の時間が固定でない |
| 子育てや介護で時間が限られる人 | 早朝、子どもが寝た後、週末の一部 | 自分の時間が限られる |
| 学生 | 授業の合間、夜 | 昼間は授業 |
層の要点は、「自社が送る相手の層で、仮説を立てる」ことです。「朝が良い」の一般論は、現職で忙しい経験者には当てはまることが多いですが、シフトで働く人には当てはまりません。
仮説は、送る相手の層ごとに、二〜三の時間帯を選びます。「現職の経験者」なら、「通勤の時間帯」「昼休み」「夜」の三つ。
最初の仮説の立て方
自社の記録が無い段階での、仮説の立て方です。
送る相手の層を、確認する。 役割ごとに、送る相手が「現職で忙しい経験者」か「動いている若手」か「幹部」か。層によって仮説が変わる。
層に合う時間帯を、二〜三選ぶ。 上の表を参考に。「現職の経験者」なら、通勤の時間帯(朝七〜八時台、夕方十八〜十九時台)、昼休み(十二時台)、夜(二十一〜二十二時台)から二〜三。
曜日を、二〜三選ぶ。 平日の中日(火・水・木)と、週末(土・日)。月曜の朝と金曜の夜は、一般に避けられることが多いが、自社で確かめる。
媒体の仕組みを、確認する。 予約送信ができれば、担当者の業務時間外の時間帯にも送れる。できなければ、担当者の業務時間の中で、層に合う時間帯を選ぶ。送信の上限が時間帯や日ごとにある媒体もある。公式の案内で確認。
担当者の都合を、仮説に混ぜない。 「業務の終わりにまとめて送る」は、担当者の都合。相手の層に合わせて、予約送信か、時間を決めて送る。
社員に聞く。 「転職活動のとき、スカウトをいつ見ていたか」。同じ層の社員の習慣が、仮説の材料。
紹介会社や媒体の担当者に聞く。 「この層は、いつ媒体を見ることが多いか」。担当者は傾向を知っていることがある。参考にし、自社の記録で確かめる。
仮説の要点は、「層から二〜三の時間帯を選び、試す前提で決める」ことです。一つに決めて送り続けない。
エラベルの見解
相談で最も多い失敗は、「『朝八時が良い』と聞いて、全部のスカウトを朝八時に送り続けたが、開封率が変わらなかった。送る相手はシフトで働く人で、朝八時は業務の時間だった」というものです。一般論を、層を見ずに当てはめていました。層に合わせて、「休みの日の午前」「シフトの前後」に仮説を立て直し、二つを試して記録したら、開封の時間帯が見え、送信の時間を合わせることで開封率が上がりました。「良い時間」は、層で違いました。
見ていて差がつくのは、担当者が「相手の層から仮説を立てる」かどうかです。「朝が良いと言われています」と一般論で送る担当者と、「この役割の相手は現職の経験者なので、通勤と昼休みと夜の三つを試して、記録で決めます」と、層から試す担当者がいます。後者は、自社に合う時間帯を見つけます。
発注側にできるのは、担当者に「送る相手の層」を伝え、「一般論ではなく、試して記録で決める」ことを認めることです。
自社の記録で見つける方法
仮説を、自社の記録で確かめ、時間帯を見つける方法です。
| 項目 | 方法 |
|---|---|
| 記録するもの | 送信の日時(曜日と時間帯)、開封の日時(取れる媒体で)、返信の日時、返信の有無。役割と相手の層ごと |
| 試す単位 | 一つの時間帯を、一〜二週。同じ役割、同じ層、同じ文面で。時間帯だけを変える |
| 比べるもの | 時間帯ごとの開封率(取れれば)と返信率。開封の時刻の分布(送信からどのくらい後に開かれたか) |
| 開封の時刻の分布から読む | 「送信の直後に開かれている」なら、送信の時刻が見る時間に合っている。「数時間後に開かれている」なら、候補者が見る時間はそちら。次の仮説に |
| 返信の時刻の分布から読む | 返信は、開封の後、考える時間を経て来る。返信の時刻が集まる時間帯(夜、週末)は、候補者が「考える時間」。送信の時間帯とは別に見る |
| 判断 | 開封率が高い時間帯を続ける。差が無ければ、時間帯の影響は小さいと判断し、文面と対象に戻る |
| 開封が取れない媒体 | 返信率と、返信の時刻の分布で推測。返信の時刻の数時間前が、開いた時間の目安 |
| 期間 | 送信数が少ないと、率の変動が大きい。判断できる送信数(役割ごとに数十以上)を確保するか、期間を延ばす |
| 見直し | 三か月に一度。層や季節で変わることがある |
見つける方法の要点は、「時間帯だけを変えて、開封の時刻の分布を見る」ことです。送信の時刻と開封の時刻のずれが、候補者が見る時間を教えてくれます。
比べる相手は、自社の別の時間帯です。一般の「開封率の平均」とは比べません。
時間帯より先に直すこと
時間帯を直す前に、直すべきことがあります。時間帯は、これらの後です。
| 先に直すこと | 理由 |
|---|---|
| 件名 | 件名が定型なら、どの時間帯に送っても開かれない。スカウトの件名の作り方 |
| 一段落目 | 開かれても、一段落目で「自分宛て」が無ければ、返信は来ない。経歴のどこに触れると返信が増えるか |
| 対象 | 送る相手が要件と合っていなければ、いつ送っても返信は来ない。開封率と返信率のどちらを先に改善するか |
| 送り主 | 「採用担当」より人の名前。時間帯より効く |
| 返信への対応の速さ | 返信が来ても、対応が遅ければ流れる。時間帯を最適化しても、後で失う |
先に直す要点は、「時間帯は、上乗せの改善」であることです。件名・一段落目・対象・送り主が整っていない状態で時間帯を直しても、変化は小さいです。逆に、それらが整っていれば、時間帯の改善は「最後の上乗せ」として効きます。
「時間帯を直せば開封率が上がる」と最初に考えるのは、順番が逆です。
送信の運用
時間帯を決めた後の、送信の運用です。
| 項目 | 運用 |
|---|---|
| 予約送信 | 媒体に予約送信の機能があれば、決めた時間帯に予約。担当者の業務時間に縛られない。機能の有無は公式の案内で |
| 予約送信が無い媒体 | 決めた時間帯に、担当者が送る時間を確保。「毎日十二時に送る」のように固定 |
| 層ごとの時間帯 | 役割と相手の層で、時間帯を分ける。「経験者は朝と夜、若手は夜」 |
| 曜日 | 決めた曜日に集中。「火・水・木の朝」「土の午前」 |
| 送信の上限 | 媒体の送信の上限(日ごと、月ごと)を確認し、時間帯に集中させても上限を超えないように。公式の案内で |
| まとめ送りの注意 | 同じ時間に大量に送ると、媒体の仕組みによっては制約がかかることがある。公式の案内で確認 |
| 一段落目の個別化との両立 | 時間帯に合わせて送るために、一段落目を定型にしない。書き溜めて、予約送信 |
| 記録 | 送信の日時を、必ずしも自動で記録されるとは限らないので、担当者が記録 |
| 時期の考慮 | 年末年始、連休、ボーナスの時期は、見る時間と動く意欲が変わる。年末年始のスカウト運用、夏・冬のボーナス時期の転職市場 |
運用の要点は、「予約送信で、相手の時間に届ける」ことです。担当者の業務時間に送る形は、相手の時間ではありません。
外注する場合の範囲
送信の時間帯と曜日を、スカウト代行に出す場合の範囲です。
出せる工程。 送る相手の層の整理、層ごとの仮説の時間帯と曜日の案、媒体の仕組み(予約送信、送信の上限、通知の仕組み)の確認、記録の型(送信・開封・返信の日時)、時間帯を試す運用の設計と実行、開封と返信の時刻の分布の集計と読み、時間帯の判断、予約送信の設定と運用、層ごとの時間帯の使い分け、時期(年末年始、連休、ボーナス)の調整、三か月ごとの見直し、時間帯より先に直すこと(件名、一段落目、対象、送り主)の点検。
社内に残す判断。 送る相手の層の確定、時間帯の試行の承認、送り主の名義、時期の調整の方針。
外注の効きどころ。 時間帯は、「記録して試す」運用の継続が要り、社内では「手が空いたときに送る」になりやすい工程です。担当者が層ごとに仮説を立て、予約送信で試し、時刻の分布を読めば、自社に合う時間帯が見つかります。担当者は複数の会社のスカウトを見ているので、「この層はこの時間帯に開かれやすい」の仮説を持ち込めます。ただし、仮説は自社の記録で確かめ、他社の時間帯を自社の正解にはしません。
外注しても動かない場合。 社内が「担当者の業務時間に送る」を譲らない、件名と一段落目が定型のまま時間帯だけを直そうとする、記録を取らない。社内の判断で、代行を替えても直りません。
時間帯は、層から仮説を立て、記録で見つけるものです。外注は、仮説と試行と記録を担う手段です。
エラベルの見解
担当する側から見ると、時間帯の相談で最も多いのは、「時間帯を変えれば開封率が上がる」と最初に考えていることです。件名は「【急募】〇〇職募集」、一段落目は「ご経歴を拝見して」の定型のまま、「朝八時にすべきか、夜九時にすべきか」を聞かれます。
どの時間帯に送っても、定型の件名は開かれません。時間帯は、件名と一段落目と対象が整った後の、上乗せです。順番を逆にすると、時間帯を変えても変わらず、「時間帯は関係ない」と誤った結論になります。
発注側にできるのは、時間帯の話の前に、「件名と一段落目は整っているか」を担当者と確認することです。
まとめ
- 迷うのは一般に良い時間を探す・層を見ない・記録が無い・担当者の都合・試さない・文面より先に直す・仕組みを確認しない・開封と返信の時間を混ぜる構造
- 時間帯は受信箱の上に出る・見る習慣の時間に届く・他社が少ない時間・考える余裕の時間で効くが、件名が定型・対象が合わない・通知の仕組み・送信と読む時刻のずれで効かない。上乗せの改善
- 層で見る時間は違う。現職の経験者は通勤と昼と夜と週末・動いている人は幅広く・若手は夜と週末・幹部は早朝と夜と週末・リモートは日中の隙間・シフトは休みの日・時間が限られる人は早朝と夜・学生は合間と夜。自社の記録で確かめる
- 仮説は層を確認・二〜三の時間帯・二〜三の曜日・媒体の仕組み・担当者の都合を混ぜない・社員と担当者に聞く。試す前提で
- 記録で見つけるのは送信と開封と返信の日時・一〜二週で一つの時間帯・開封の時刻の分布・返信の時刻の分布・判断・取れない媒体は返信の時刻から推測・送信数の確保・三か月ごと。自社の別の時間帯と比べる
- 先に直すのは件名・一段落目・対象・送り主・返信への対応の速さ。時間帯はその後
- 運用は予約送信・無ければ固定の時間・層ごと・曜日を集中・上限を確認・まとめ送りの注意・個別化との両立・記録・時期の考慮
- 外注できるのは層の整理・仮説・仕組みの確認・記録の型・試行・集計と読み・判断・予約送信・使い分け・時期の調整・見直し・先に直すことの点検。社内に残るのは層の確定・試行の承認・名義・時期の方針
よくある質問
スカウトは、朝に送るのが良いと聞きました
「朝」が合うのは、現職で忙しい経験者が通勤の時間に媒体を見る場合などで、全ての層に当てはまるわけではありません。シフトで働く人には業務の時間、幹部には会議の時間かもしれません。送る相手の層から二〜三の時間帯の仮説を立て、時間帯だけを変えて一〜二週ずつ試し、開封の時刻の分布で確かめます。「朝が良い」は仮説の一つで、自社の記録で確かめるまでは正解ではありません。
開封率が取れない媒体では、時間帯をどう判断すればよいですか
返信率と、返信の時刻の分布で推測します。時間帯だけを変えて送り、返信率が動けば、時間帯が効いています。返信の時刻が集まる時間帯の数時間前が、候補者が開いた時間の目安です。それでも判断がつかなければ、時間帯の影響は小さいと見て、件名と一段落目と対象に戻ります。媒体で取れる数字(既読、開封、返信)は仕様によるので、公式の案内で確認します。
担当者の業務時間外に送りたいのですが、送れません
媒体に予約送信の機能があれば、業務時間中に文面を書いて、相手の層が見る時間帯(早朝、夜、週末)に予約します。機能の有無は公式の案内で確認します。予約送信が無い媒体では、担当者の業務時間の中で、層に合う時間帯(昼休みの十二時台、夕方の十八時台など)を選び、固定します。一段落目を個別に書く作業は業務時間中に書き溜め、送信だけを決めた時間に行う形にすれば、個別化と時間帯の両方を保てます。