スカウト代行 / スカウト運用

追客(フォローアップ)の設計|「返信が無い人」と「返信の後に止まった人」を分け、それぞれに、いつ・誰が・何を送るかを決める

公開 2026-09-13

スカウトに返信が来て、やり取りが始まったのに、途中で止まる。面談をしたのに、その後の音沙汰が無い。「考えます」と言われたまま、連絡が無い。追いかけたいが、しつこくなるのが怖く、放置している。放置した候補者は、他社に決まる。結論を先に書くと、追客(フォローアップ)は、「返信が無い人」と「返信の後に止まった人」を分けて設計します。前者は再送の問題で、後者が追客の問題です。止まった段階(返信の後、日程の前、面談の後、応募の前、内定の後)ごとに、「いつ」「誰が」「何を」送るかを決め、回数と間隔と、やめる判断を先に決めておけば、しつこくならずに追えます。返信が無い人への再送は同じ候補者に何回送ってよいかに、面談の後の流れはスカウトのCTAは面談か応募かにまとめています。

追客が設計されていない構造

追客が設計されていないのは、次の構造で起きます。

構造起きていること
「返信が無い人」と「止まった人」を分けていない両方を「追う」で一括りにし、再送の話と追客の話が混ざる
止まった段階を見ていない「日程の前で止まった」と「面談の後で止まった」では、送るものが違う
追うタイミングが無い「気づいたら送る」で、一週間後だったり、一か月後だったり
誰が追うかが決まっていない人事か、面談の担当者か、代行か。誰も追わない
何を送るかが無い「その後いかがですか」だけ。相手にとっての新しい材料が無い
しつこさの怖さで、放置している「追うと嫌がられる」で、一度も追わない
やめる判断が無い追い始めたら、いつまで追うかが無く、追い続けるか、途中で忘れる
記録が無い誰を、いつ、何回追ったかが無く、重複するか、漏れる

構造の大半は、「段階ごとに、いつ・誰が・何を」が無いことです。設計すれば、追えます。

追客の対象の分け方

追客の対象を、止まった段階で分けます。「返信が無い人」は、追客ではなく再送の対象です。

止まった段階状態追客の位置づけ
返信が無い一度目のスカウトに返信が無い再送の対象。同じ候補者に何回送ってよいか
返信の後、日程の前「話を聞きたい」と返信が来たが、日程の候補を送っても返事が無い追客の対象。最も惜しい段階
日程が決まった後、面談の前日程は決まったが、前日の確認に返事が無い、当日に来ない追客の対象。理由の確認
面談の後、応募の前面談をしたが、応募の意思の返事が無い追客の対象。面談の後の設計
応募の後、選考の途中応募したが、書類の提出や面接の日程で止まった追客の対象。選考の運用
内定の後、返事の前内定を出したが、承諾の返事が無い追客の対象。内定後の接点
「今は動けない」と言った人時期を言って止まった追客の対象。時期に合わせて
「考えます」と言った人判断を保留した追客の対象。考える材料を渡す

分け方の要点は、「止まった段階で、送るものが違う」ことです。「日程の前」なら日程の候補を出し直し、「面談の後」なら面談の補足と応募の流れ、「内定の後」なら迷いを聞く。

段階ごとの追客の型

段階ごとに、「いつ」「誰が」「何を」を決めます。

段階いつ誰が何を
返信の後、日程の前候補を送って三日後に一度、一週間後に一度担当者(人事か代行)「先日の日程の候補、まだ有効です。合わなければ、ご都合を」。新しい候補も添えて
面談の前日に返事が無い前日に一度担当者「明日〇時、お待ちしています。接続はこちら。ご都合が変わればお知らせを」
面談の当日に来ない当日に一度担当者「ご都合が変わりましたか。改めて候補をお送りします」。責めない
面談の後、応募の前翌日に一度、一週間後に一度面談の担当者(役割の責任者など)翌日:感謝、補足、応募の流れ。一週間後:「もし迷っている点があれば」
応募の後、書類で止まった三日後に一度担当者「書類の提出で、お困りの点があれば。形式は自由で構いません」
選考の日程で止まった三日後に一度担当者新しい候補を添えて
内定の後、返事の前三日後に一度(期限の前)、期限の日に一度責任者か面接官「迷っている点があれば、お話しします」。一緒に働く人との接点の提案
「今は動けない」相手が言った時期の少し前に一度最初の送り主「以前、〇月頃とおっしゃっていたので。状況はいかがですか」
「考えます」一週間後に一度面談の担当者か最初の送り主「考える材料として、〇〇を補足します」。新しい材料を添えて

型の要点は、「段階ごとに、回数は一〜二回、間隔は数日から一週間、送る人は段階に合った人」です。全段階を人事が追う形は、「事務的」に見えます。面談の後は面談の担当者から、内定の後は責任者から。

追客の文面

追客の文面の、書き方です。「その後いかがですか」だけにしません。

要素書き方
前回に触れる「先日の面談で〇〇についてお話ししました」。何の続きかを明示
新しい材料「補足として、△△をお伝えします」「一緒に働く□□と話す場も設けられます」。前回に無かったもの
相手の迷いに触れる「迷っている点があれば、お聞かせください」。「決めてください」ではなく
次の一歩を軽く「一言のご返信でも」「ご質問だけでも」
断りやすさ「ご興味が無ければ、ご返信は不要です」「今回はご縁が無くても、またご連絡させてください」
期限があるなら事実として「内定の返事の期限は〇日です。延ばすことも相談できます」。急かさない
送り主の名前段階に合った人の名前で。面談の後なら面談の担当者
長さ短く。三〜五文
責めない「ご返信がありませんが」「お忙しいとは思いますが」を書かない

文面の要点は、「新しい材料」と「断りやすさ」です。「その後いかがですか」は、新しい材料が無く、相手に「返事を催促された」と受け取られます。「補足があります」なら、相手は「材料が増えた」と受け取ります。

エラベルの見解

相談で最も多い失敗は、「面談の後、応募の返事が無い候補者に、人事から一週間ごとに『その後いかがですか』を三回送り、返事が来ず、口コミに『催促された』と書かれた」というものです。誰が(人事)、何を(催促)、何回(三回)、が全部ずれていました。面談の担当者(役割の責任者)から、翌日に「感謝と補足と応募の流れ」、一週間後に「迷っている点があれば」の二回だけ、「ご縁が無くても、またご連絡を」を添えて、に変えたら、返事が来る率が上がり、断りの返事も丁寧に来るようになりました。追客は、催促ではなく、材料の追加でした。

見ていて差がつくのは、担当者が「段階ごとに、誰が送るか」を分けるかどうかです。「追客はこちらで一括で送ります」と人事や代行から全部送る担当者と、「面談の後は面談の担当者から、内定の後は責任者から送る形にします。文面は私が下書きします」と、段階に合った人から送る設計をする担当者がいます。後者の追客は、催促に見えません。

発注側にできるのは、面談の担当者と責任者に、「追客の一通を、自分の名前で送る」役割を渡すことです。

追客をやめる判断

追客は、やめる判断を先に決めます。決めないと、追い続けるか、途中で忘れます。

やめる場面判断
段階ごとの回数を送り切った「返信の後、日程の前」で三日後と一週間後の二回を送って返事が無ければ、やめる。三か月後に、新しい理由があれば再送の対象に
「今後の連絡は不要」と言われた即座にやめる。記録して、送らない
「他社に決まった」と言われたやめる。「おめでとうございます。またご縁があれば」で終わる。半年以上経ってから、新しい理由があれば
「今は動けない」と時期を言われたその時期まで待つ。時期の前に一度だけ
断りの返事が来たやめる。感謝して終わる。翻意を促さない
返事が無いまま、内定の期限が過ぎた期限の日に一度連絡し、返事が無ければ、内定を取り下げる旨を丁寧に伝えて、やめる
追客の後、明らかに関心が無い返事「特に」「大丈夫です」のような短い返事。一度だけ「ご縁があればまた」で終わる
記録で、追客の効果が無い段階「この段階の追客は、返事が来ない」と記録で分かれば、その段階の追客をやめるか、型を変える

やめる判断の要点は、「回数を送り切ったらやめる」と「意思の表明に従う」です。「まだ返事が来ていないから」で追い続けることが、催促になります。

やめた候補者は、消えるのではなく、「三か月後に新しい理由があれば再送の対象」に戻ります。追客をやめることと、関係を切ることは、別です。

追客の記録と運用

追客を、記録して運用します。

項目運用
候補者の段階の記録候補者ごとに、いまどの段階で止まっているかを、表で。「返信の後、日程の前」「面談の後、応募の前」
追客の予定段階ごとの型に沿って、「いつ、誰が、何を」の予定を、候補者ごとに入れる。三日後、一週間後
追客の実施の記録送った日、送った人、送った内容(型)、返事の有無と内容
毎日の確認担当者が毎朝、「今日、追客の予定がある候補者」を表で確認し、送る(または、送る人に依頼する)
送る人への依頼面談の担当者や責任者が送る場合、担当者が下書きを用意し、「今日送ってください」と依頼。送ったかを確認
やめる判断の記録「回数を送り切った」「意思の表明」「他社に決まった」を記録し、追客の対象から外す。再送の対象に戻す時期も
効果の記録段階ごとに、追客の一回目と二回目の返事の率。効いている段階と効いていない段階
週次の振り返り「今週、どの段階で何人が止まり、追客で何人が動いたか」。週次の振り返りで見る数字の中で
三か月ごとの見直し段階ごとの型(いつ、誰が、何を)を、効果の記録で見直す

運用の要点は、「候補者ごとに段階と追客の予定を持ち、毎朝確認する」ことです。「気づいたら送る」では、一週間後だったり忘れたりします。

追客の記録は、個人情報を含みます。規程と法令に沿って扱い、アクセスできる人を限定します。

外注する場合の範囲

追客の設計を、スカウト代行に出す場合の範囲です。

出せる工程。 追客の対象の分け方(再送と追客の区別、段階の定義)、段階ごとの型(いつ、誰が、何を)の作成、追客の文面の型(段階ごと)、やめる判断の基準、候補者の段階の記録の表と毎日の確認、担当者自身が送る段階の追客の実施(返信の後の日程、書類の停滞、選考の日程など)、面談の担当者や責任者が送る段階の下書きと依頼と確認、やめる判断の記録と再送の対象への戻し、効果の記録と週次の振り返り、三か月ごとの見直し。

社内に残す判断。 面談の担当者と責任者が追客を自分の名前で送ることの合意、内定の期限の扱い(延長の可否)、やめる判断の基準の承認、個人情報の扱いの方針(専門家との連携)。

外注の効きどころ。 追客は、「候補者ごとの段階を把握し、毎日確認し、段階に合った人から送る」運用が要り、社内では「気づいたら人事が催促」になりやすい工程です。担当者が段階を記録し、予定を管理し、自分で送る段階は送り、責任者が送る段階は下書きして依頼すれば、追客は催促にならず、止まった候補者が動きます。担当者は複数の会社の追客を見ているので、「この段階でこの材料を送ると動く」の型を持ち込めます。ただし、面談の後と内定の後は、社内の人の名前で送ることが要ります。

外注しても動かない場合。 面談の担当者や責任者が追客の一通を送らない、内定の期限を延ばさず催促だけする、意思の表明を無視して追い続けることを求める。社内の判断で、代行を替えても直りません。

追客は、段階ごとに、いつ・誰が・何を、とやめる判断を決めれば、しつこくならずに追えます。外注は、段階の記録と予定の管理と、自分で送る段階の実施を担う手段です。

エラベルの見解

担当する側から見ると、追客の相談で最も多いのは、「返信の後、日程の前で止まった候補者を、追っていない」ことです。「話を聞きたい」と返信が来た。日程の候補を送った。返事が無い。そこで、放置。最も惜しい段階です。候補者は「話を聞きたい」まで来ていて、日程の候補が合わなかったか、見落としたか、忙しかっただけかもしれません。

三日後に「まだ有効です。合わなければご都合を」と新しい候補を添えて一度、一週間後にもう一度。それだけで、この段階の候補者の一部は動きます。追客の中で、最も効く段階です。

発注側にできるのは、「返信の後、日程の前」で止まった候補者が、いま何人いるかを、担当者に聞くことです。

まとめ

よくある質問

追客すると、しつこいと思われませんか

しつこく見えるのは、「回数が多い」「間隔が短い」「新しい材料が無い」「催促の言葉」「意思の表明を無視」のときです。段階ごとに一〜二回、数日から一週間の間隔で、前回に無かった材料(補足、新しい候補、一緒に働く人との接点)を添え、「ご興味が無ければ返信は不要」と断りやすさを付け、意思の表明があればやめる。この形なら、しつこいとは見えず、「丁寧に対応してくれる会社」と見えます。追わずに放置するほうが、候補者を失います。

面談の後、「考えます」と言われたまま連絡がありません

一週間後に、面談の担当者(役割の責任者など)から、「考える材料」を添えて一度送ります。「先日はありがとうございました。考える材料として、〇〇を補足します。一緒に働く△△と話す場も設けられます。迷っている点があれば、お聞かせください。ご縁が無くても、またご連絡させてください」。人事からの「その後いかがですか」は催促に見えます。一週間後の一回で返事が無ければ、追客はやめ、三か月後に新しい理由があれば再送の対象に戻します。

内定を出した後、返事が来ません

返事の期限の三日前に、責任者か面接官から「迷っている点があれば、お話しします。一緒に働く人と話す場も設けられます」と一度。期限の日に、「期限は本日ですが、延ばすことも相談できます」と一度。「決めてください」ではなく、「迷いを聞く」と「期限を相談できる」を伝えます。それでも返事が無ければ、期限の翌日に、内定を取り下げる旨を丁寧に伝えて終わります。内定後の辞退の構造は年収交渉で毎回折り合わない候補者体験が悪いまま放置されているにも書いています。