スカウト代行 / スカウト運用
開封率と返信率のどちらを先に改善するか|「数字が低いほう」ではなく、「どこで落ちているか」と「自社で動かせるか」で決める
スカウトを送っているが、開封率も返信率も低い。「件名を変えれば開封が上がる」「本文を変えれば返信が上がる」と言われるが、どちらから手を付ければよいか分からない。両方を同時に変えて、何が効いたか分からなくなった。結論を先に書くと、開封率と返信率のどちらを先に改善するかは、「数字が低いほう」で決めるものではなく、「どこで落ちているか」と「自社で動かせるか」で決めます。開封率は「件名と送り主」で動き、返信率は「一段落目と対象と条件」で動きます。落ちている場所を見分け、動かせるものから、一つずつ変えて測ります。両方が低いなら、先に対象を見直します。返信が来ない場合の全体はスカウトの返信が来ないに、週次の振り返りは週次の振り返りで見る数字にまとめています。開封率や返信率の数字は、媒体によって取れるものと取れないものがあり、仕様は各媒体の公式の案内で確認します。
どちらを先にするか迷う構造
開封率と返信率のどちらを先に改善するかで迷うのは、次の構造で起きます。
| 構造 | 起きていること |
|---|---|
| 「数字が低いほう」で決めようとしている | 開封率と返信率は、意味も動かし方も違う。低さの比較では決まらない |
| 二つの数字の意味を分けていない | 開封は「件名と送り主で開くか」、返信は「本文と対象と条件で動くか」。別の段階 |
| 落ちている場所を見ていない | 「開封されていない」のか「開封されたが返信が無い」のかを、分けて見ていない |
| 同時に変えている | 件名と本文と対象を同じ週に変え、何が効いたか分からない |
| 媒体で取れる数字を確認していない | 開封率が取れない媒体もある。取れない数字を追っている |
| 一般の相場と比べている | 「返信率の平均」と比べて一喜一憂。自社の先週と比べていない |
| 対象の問題を、文面で直そうとしている | 対象が合っていないのに、件名と本文を直し続ける |
| 動かせないものを追っている | 媒体の仕様、候補者の市場の動き。自社で動かせない要因 |
構造の大半は、「二つの数字を分けていない」ことと「同時に変える」ことです。
二つの数字の意味の違い
開封率と返信率は、別の段階の数字です。
| 数字 | 意味 | 何で動くか | 自社で動かせるか |
|---|---|---|---|
| 開封率 | 送ったスカウトのうち、開かれた割合 | 件名、送り主の名前と肩書、送る時間帯と曜日、媒体の表示の仕組み | 件名と送り主と時間帯は動かせる。媒体の仕組みは動かせない |
| 返信率 | 開かれたスカウト(または送った全体)のうち、返信が来た割合 | 一段落目、本文の中身、対象の合い、条件、会社の見え方(検索された先) | 一段落目と本文と対象は動かせる。条件は判断が要る。会社の見え方は時間がかかる |
意味の要点は、「開封率は入口、返信率は中身」です。開封されなければ、本文は読まれません。開封されても、本文が届かなければ、返信は来ません。
返信率の分母が「送った全体」か「開封された分」かで、見え方が変わります。「開封された分に対する返信率」が取れるなら、そちらで見ると、「開封の問題」と「本文の問題」が分かれます。取れない媒体では、送った全体に対する返信率で見て、開封率と合わせて推測します。
落ちている場所の見分け方
開封と返信のどちらで落ちているかを、見分けます。
| 状態 | 見分け方 | 落ちている場所 |
|---|---|---|
| 開封率が低く、開封された分の返信率は悪くない | 開封されれば返信が来ている | 入口(件名、送り主、時間帯) |
| 開封率は悪くないが、返信率が低い | 開かれているが、返信が無い | 中身(一段落目、本文、対象、条件) |
| 開封率も、開封された分の返信率も低い | 入口も中身も | 対象が合っていない可能性が高い |
| 開封率が取れない媒体で、返信率が低い | 開封が分からない | 件名を一つ変えて返信率が動くか、本文を一つ変えて動くかで、推測 |
| 返信は来るが、面談や応募に進まない | 返信の後で落ちている | 返信後の対応、条件のすり合わせ、面談の設計。開封率と返信率の問題ではない |
見分けの要点は、「開封された分の返信率」が取れるかどうかです。取れれば、入口と中身が分かれます。取れなければ、一つずつ変えて推測します。
「返信は来るが進まない」は、開封率と返信率の改善では直りません。返信後の対応を見ます。代行の返信対応。
開封率を先にする場合
入口で落ちている場合、開封率を先に改善します。
件名を、一つ変える。 「〇〇のご経験を拝見して」のような相手の経歴に触れる形、役割の一行を入れる形、会社名を入れる形、質問の形。一週間に一つの型で送り、開封率を比べる。件名の作り方は、シリーズの次の記事で。
送り主の名前と肩書を、変える。 「採用担当」より「事業の責任者」や「一緒に働く人」の名前。媒体の仕組みで送り主を変えられるかは、公式の案内で確認。
送る時間帯と曜日を、変える。 候補者が媒体を見る時間帯は、職種と状況で違う。自社の記録で、開封の多い時間帯を見る。
件名に、一段落目の要点を入れる。 本文を読まなくても、件名で「自分に関係がある」と分かる形。
「テンプレートに見える件名」を避ける。 「【急募】」「【スカウト】」のような、誰にでも送っている印の件名は、開封されにくい。
一つずつ、一週間ずつ。 件名を変えた週は、本文と対象を変えない。翌週、開封率を比べる。
開封率を先にする要点は、「件名と送り主」に絞ることです。本文を直しても、開封されなければ読まれません。
エラベルの見解
相談で最も多い失敗は、「返信率が低いので本文を三回書き直したが、変わらなかった。開封率を見ると、そもそも開かれていなかった」というものです。落ちている場所を見ずに、中身を直していました。件名を「相手の経歴に触れる形」に変えたら、開封率が上がり、本文を変えずに返信も増えました。入口で落ちているのに、中身を直していたのです。
見ていて差がつくのは、担当者が「開封された分の返信率」を見るかどうかです。「返信率が低いので本文を直します」と言う担当者と、「開封率と、開封された分の返信率を分けて見ましょう。開封で落ちているなら件名、開封後で落ちているなら一段落目です」と、落ちている場所から入る担当者がいます。後者は、直す先を間違えません。
発注側にできるのは、担当者に「返信率」だけでなく「開封率と、開封された分の返信率」を出してもらうことです。媒体で取れない場合は、その旨を確認します。
返信率を先にする場合
中身で落ちている場合、返信率を先に改善します。
一段落目を、一つ変える。 「なぜあなたに送ったか」を、相手の経歴の具体的な部分に触れて書く。「〇〇のご経験が、この役割の△△に活きると考えた」。一段落目が定型なら、開封されても閉じられる。
対象を、見直す。 一段落目を直しても返信が無いなら、送っている相手が合っていない。要件と対象の像を、ペルソナの作り方で見直す。
条件を、確認する。 本文に条件が書かれていて、市場と合っていなければ、読まれても返信は来ない。条件を書くか書かないか、書くなら幅で。給与で負ける場合。
会社の見え方を、確認する。 候補者は、本文の後に会社名で検索する。検索された先(採用サイト、口コミ)が弱ければ、返信は来ない。採用サイトへの導線。
返信のハードルを、下げる。 「応募してください」ではなく、「まず話を聞くだけの場があります」「返信は一言で構いません」。
本文の長さを、確認する。 長すぎる本文は、開封されても読まれない。一段落目で要点、二段落目で役割、三段落目で次の一歩。
一つずつ、一週間ずつ。 一段落目を変えた週は、件名と対象を変えない。
返信率を先にする要点は、「一段落目と対象」に絞ることです。本文の後半を直しても、一段落目で閉じられていれば、届きません。
両方が低いときの順番
開封率も返信率も低い場合の、順番です。
一、対象を先に見直す。 両方が低いときは、送っている相手が合っていないことが多い。件名も本文も、合わない相手には届かない。要件と対象の像を見直し、送る相手を絞る。
二、対象を絞ったうえで、件名を変える。 合う相手に、開かれる件名で。一週間。
三、開封率が上がったら、一段落目を変える。 開かれた本文が、読まれる一段落目で。一週間。
四、それでも返信が無ければ、条件と会社の見え方を見る。 文面で直せない要因。条件は判断が要り、会社の見え方は時間がかかる。
五、返信が来たら、返信後の対応を見る。 返信率が上がっても、面談や応募に進まなければ、次の段階。
順番の要点は、「対象→件名→一段落目→条件と見え方→返信後」です。文面(件名と一段落目)を直す前に、対象を見直します。対象が合っていなければ、文面をいくら直しても、返信は来ません。
両方が低いときに、件名と本文を同時に変えるのは、最も避けたい形です。何が効いたか分からず、また両方を変えることになります。
一つずつ変えて測る運用
開封率と返信率の改善を、運用にします。
| 項目 | 運用 |
|---|---|
| 記録 | 週ごとに、送信数、開封数(取れれば)、返信数、返信後の面談や応募の数。媒体ごと、求人ごと |
| 変えるもの | 週に一つ。件名か、送り主か、時間帯か、一段落目か、対象か。同時に変えない |
| 変える前の数字 | 変える前の一〜二週の数字を記録。比べる元 |
| 期間 | 一つの変更につき、一〜二週。送信数が少なければ、二〜三週 |
| 判断 | 上がった→続ける。変わらない→戻すか別の変え方。下がった→戻す |
| 記録の型 | 日付、変えたもの、変える前、変えた後、判断。一枚 |
| 週次の振り返り | 週次の振り返りで見る数字の十五分で、「今週どこで落ちたか」「来週一つ変えること」 |
| 比べる相手 | 自社の先週。一般の相場や他社の数字と比べない |
| 送信数の確保 | 送信数が少ないと、率の変動が大きい。判断できる送信数を確保するか、期間を延ばす |
| 媒体の仕様 | 取れる数字、送り主の変更の可否、送信の上限は、公式の案内で確認 |
運用の要点は、「週に一つ、一〜二週、自社の先週と比べる」です。効果の測り方の考え方は施策の効果を測る仕組みがないと同じです。
外注する場合の範囲
開封率と返信率の改善を、スカウト代行に出す場合の範囲です。
出せる工程。 媒体で取れる数字の確認、開封率と返信率(開封された分の返信率が取れれば)の集計、落ちている場所の見分け、対象の見直しの案、件名の案(複数の型)、送り主と時間帯の案、一段落目の案(相手ごとに)、条件と会社の見え方の確認、週に一つ変える運用の設計と実行、記録の一枚、週次の振り返りの材料、返信後の対応との接続。
社内に残す判断。 対象の決定(要件と像)、条件の判断、送り主に誰の名前を使うか、会社の見え方(採用サイト、口コミ)への対処の判断、変更の承認。
外注の効きどころ。 開封率と返信率の改善は、「週に一つ変えて測る」運用の継続が要点で、社内では「同時に変える」「相場と比べて一喜一憂」になりやすい工程です。担当者が数字を分けて集計し、落ちている場所を見分け、一つずつ変えて記録すれば、改善は積み上がります。担当者は複数の会社のスカウトを見ているので、「この職種でこの件名の型は開かれやすい」「この一段落目は閉じられる」の見立てを持ち込めます。ただし、他社の率を自社の目標にはせず、自社の先週と比べます。
外注しても動かない場合。 対象の見直しを社内が認めない、条件の判断を先送りする、送り主を「採用担当」から変えない、同時に複数を変えるよう求める。社内の判断で、代行を替えても直りません。
開封率と返信率は、落ちている場所を見分けて、一つずつ変えれば、改善できます。外注は、見分けと、一つずつの運用を持ち込む手段です。
エラベルの見解
担当する側から見ると、この相談で最も多いのは、「対象が合っていないのに、文面を直し続けている」ことです。開封率も返信率も低い。件名を五回、本文を五回変えた。変わらない。送っている相手を見ると、要件と大きくずれた層に、大量に送っていました。
文面は、合う相手に届けるための道具です。合わない相手には、どんな文面でも届きません。両方が低いときは、文面の前に対象です。
発注側にできるのは、「文面を直してほしい」の前に、「送っている相手は、要件と合っているか」を担当者と確認することです。
まとめ
- 迷うのは低いほうで決める・意味を分けない・落ちている場所を見ない・同時に変える・取れる数字を確認しない・相場と比べる・対象の問題を文面で・動かせないものを追う構造
- 開封率は入口(件名、送り主、時間帯)、返信率は中身(一段落目、本文、対象、条件、会社の見え方)。開封された分の返信率が取れれば、入口と中身が分かれる
- 見分けは開封が低く開封後の返信は悪くないなら入口・開封は悪くなく返信が低いなら中身・両方低いなら対象・取れないなら一つずつ変えて推測・返信後で落ちているなら別の段階
- 開封率を先にするなら件名・送り主・時間帯・件名に要点・テンプレートに見える件名を避ける。一つずつ一週間ずつ
- 返信率を先にするなら一段落目・対象・条件・会社の見え方・返信のハードル・長さ。一つずつ一週間ずつ
- 両方が低いなら対象→件名→一段落目→条件と見え方→返信後の順。文面の前に対象。同時に変えない
- 運用は週ごとの記録・週に一つ・変える前の数字・一〜二週・判断・一枚・週次の振り返り・自社の先週と比べる・送信数の確保・媒体の仕様は公式の案内で
- 外注できるのは数字の確認と集計・見分け・対象と件名と一段落目の案・条件と見え方の確認・運用の設計と実行・記録・振り返りの材料・返信後との接続。社内に残るのは対象・条件・送り主・会社の見え方への対処・変更の承認
よくある質問
開封率が取れない媒体では、どう判断すればよいですか
一つずつ変えて、返信率の動きで推測します。件名を一つ変えて返信率が動けば、入口で落ちていた。本文の一段落目を変えて動けば、中身で落ちていた。どちらも動かなければ、対象が合っていない可能性が高いです。媒体で取れる数字(開封、既読、返信など)は仕様によるので、公式の案内で確認します。取れる数字が少ない媒体ほど、「週に一つ、一〜二週」の運用を守ることが要点です。
返信率の平均と比べて、自社は低いですか
一般の相場や他社の数字と比べても、判断はできません。職種、媒体、対象、条件、会社の見え方が違えば、率も違います。比べるのは、自社の先週です。「先週より上がったか、下がったか」を、週に一つ変えながら見ます。相場と比べて「低い」と焦って複数を同時に変えると、何が効いたか分からなくなります。相場は、「自社が極端に外れていないか」の目安にとどめます。
件名も本文も変えたのに、まったく変わりません
対象が合っていない可能性が高いです。送っている相手が、要件(役割、経験、状況)と合っていなければ、件名も本文も届きません。要件と対象の像を見直し、送る相手を絞ります。絞ったうえで、件名→一段落目の順に、一つずつ変えます。それでも変わらなければ、条件(市場と合っているか)と会社の見え方(検索された先)を見ます。文面で直せない要因は、判断(条件)と時間(見え方)が要ります。