ATS導入の支援の副業単価の目安と決め方|導入の作業より「運用の決まりづくり」に時間がかかる
ATS(採用管理システム)の導入の支援は、依頼先の会社が採用管理システムを選び、設定し、社内で使えるようにするまでを手伝う仕事です。採用の業務の流れを知っていて、システムの扱いにも慣れている人事経験者に向いた副業です。単価を決めるとき、システムの設定の作業だけで考えると、実際の時間とのずれが大きくなります。導入の支援で時間がかかるのは、設定より、誰がどの情報をいつ入力するかといった運用の決まりをつくり、社内に定着させる部分だからです。結論から書くと、ATS導入の支援の単価は、選定・設定・運用の決まりづくり・社内への説明の時間から組み立て、導入後の定着まで含めるかを最初に決めると、無理のない単価になります。
単価は依頼先や業務の範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、この記事では金額の相場は扱いません。
作業の時間から単価を組み立てる
ATS導入の支援の作業は、次のように分けられます。
| 作業 | 中身 | 時間のかかり方 |
|---|---|---|
| 選定 | 依頼先の採用の規模や流れに合うシステムを比べる | 候補のシステムの数で変わる |
| 設定 | 選考の段階、求人、評価の項目、権限などを設定する | 職種の数と選考の複雑さで変わる |
| 運用の決まりづくり | 誰がどの情報をいつ入力・更新するかを決める | 関わる人の数で変わる |
| 社内への説明 | 人事や面接官に使い方を説明する | 説明する人の数で変わる |
| 導入後の定着 | 使い始めてからの質問に答え、決まりを見直す | 含めるかどうかで変わる |
単価を組み立てるときは、各作業にかかる時間を見積もり、自分の時間単価を掛けてください。設定の作業は、システムに慣れていれば短い時間で済むこともありますが、運用の決まりづくりと社内への説明は、関わる人の数に応じて時間が増えます。時間単価の考え方は本業年収と副業単価の関係で書いています。
導入後の定着まで含めるか
ATS導入の支援で、単価を大きく左右するのが、導入後の定着まで含めるかどうかです。システムを設定して使い方を説明しただけでは、実際には使われないことがよくあります。面接官が評価を入力しない、人事が表計算の資料と二重に管理してしまう、といったことです。
受ける前に、次のどちらで受けるかを依頼先と決めてください。
- 設定と説明までの成果物で受ける:導入の作業を一式として受ける。導入後の質問は範囲外とする
- 導入後の一定期間の定着まで含める:使い始めてからの質問への回答や、決まりの見直しを一定期間受ける
二つ目の形は、依頼先にとっての価値が高く、単価も上げやすくなります。一方で、導入後の質問がどれだけ来るかは読みにくいため、期間と対応の範囲を決めておくことが大切です。
エラベルの見解
ATS導入の支援の単価で多い失敗は、システムの設定に時間をかけすぎて、運用の決まりづくりが手薄になることです。システムには多くの機能があり、細かく設定しようとすると時間がいくらでもかかります。ところが、依頼先にとって大切なのは、細かな設定より、毎日の採用の業務でシステムが使われることです。
受けるときは、最初から機能を使い切る設定を目指さず、依頼先の今の採用の流れに必要な設定に絞ってください。そのうえで、運用の決まりと社内への説明に時間をかけるほうが、システムが定着し、依頼先からの評価も高まります。担当する側から見て、この優先順位をつけられる人ほど、時間あたりの価値を高められます。
個人情報の扱いで気をつけること
ATSには、候補者の氏名、連絡先、経歴、選考の評価など、多くの個人情報が入ります。個人情報の保護に関する法律第23条は、個人情報取扱事業者に対し、取り扱う個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じることを求め、第25条は、個人データの取扱いを委託する場合に、委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行うことを求めています。
導入の支援で、依頼先のATSに入って設定を行う場合、候補者の情報に触れることがあります。依頼先から与えられた権限の範囲で作業し、作業に必要のない情報を見たり持ち出したりしないこと、作業が終わったら自分のアカウントを止めてもらうことを守ってください。また、システムの権限の設定を手伝うときは、依頼先の社員が必要な範囲の情報だけを見られるように設定することを提案すると、依頼先の安全管理にも役立ちます。ATS導入の支援の仕事の中身はATS導入の支援の副業の仕事で書いています。
単価を上げていくには
ATS導入の支援で単価を上げていくには、次のことが役に立ちます。
- 得意なシステムをつくる:特定のシステムの導入を続けて受けると、設定の時間が短くなり、質も上がる
- 導入後の運用まで受ける:導入後の運用の支援や、データの集計まで受けると、継続の依頼につながる
- 採用の流れの改善まで提案する:システムの導入をきっかけに、採用の流れそのものの見直しを提案する
エラベルの見解
ATS導入の支援で、もう一つ考えてほしいのは、システムは採用の流れを映す鏡だということです。システムを設定するためには、選考の段階や、誰が何を判断するのかをはっきりさせる必要があります。その過程で、依頼先の採用の流れのあいまいな部分が見えてきます。
システムの導入を、単なる設定の作業としてではなく、採用の流れを整える機会として依頼先に提案できれば、仕事の価値は大きく上がります。それが、単価を上げる一番の根拠になります。
まとめ
- ATS導入の支援の単価は、選定・設定・運用の決まりづくり・社内への説明の時間から組み立てる
- 時間がかかるのは設定より、運用の決まりづくりと社内への説明
- 導入後の定着まで含めるかを最初に決め、含めるなら期間と対応の範囲を決める
- 候補者の情報は与えられた権限の範囲で扱い、作業後はアカウントを止めてもらう
- システムの導入を、採用の流れを整える機会として提案する
よくある質問
ATS導入の支援の副業単価の相場はいくらですか
依頼先や業務の範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。選定から社内への説明までの時間を見積もり、導入後の定着を含めるかを決めたうえで、自分の時間単価を掛けて単価の根拠をつくってください。
使ったことのないATSの導入を頼まれたらどうすればよいですか
システムの基本の考え方は共通する部分が多いですが、慣れていないシステムは設定に時間がかかります。その分の時間を見込むか、提供会社の資料やサポートを使えるかを確かめてから、単価を決めてください。
導入後の質問はどこまで受ければよいですか
最初に、導入後の一定期間の質問への回答を含めるかどうかと、その期間と対応の範囲を決めておいてください。範囲を超える質問は、別の作業として相談できるようにしておくと安心です。
本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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