物流・運送業界の採用単価とRPO費用の考え方|運べる量から逆算し、拠点と時間帯ごとに費用を見る

業界別の採用代行物流・運送 更新日 2026-10-16

物流・運送業界では、ドライバーや倉庫の作業員が足りないと、受けられる荷物の量そのものが減ります。しかも、ドライバーの労働時間には上限と細かな基準があり、1人が担える仕事の量は決まっています。このため、採用代行(RPO)の費用を「1人採るのにいくらか」だけで見ると、採用で得られるものの大きさを見誤ります。結論から書くと、物流・運送業界のRPO費用は、人が足りずに運べない荷物の量から採用の価値を逆算し、拠点と時間帯ごとに費用のかかり方を分けて比べると判断しやすくなります。

採用代行の料金や職種ごとの採用単価は、会社の規模・拠点・地域によって大きく異なり、公的な統計もないため、この記事では相場の金額は扱いません。自社の数字で比べる手順を書きます。

業界の採用構造:1人が担える量に上限がある

ドライバーの労働時間には、ほかの職種とは違う基準があります。厚生労働省の「自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」によれば、トラック運転者の時間外労働は、令和6年4月から原則月45時間・年360時間、臨時的な特別の事情がある場合でも年960時間が上限となりました。あわせて改正された改善基準告示では、2024年4月1日以降、1年の拘束時間は原則3,300時間以内、1か月の拘束時間は原則284時間以内とされ、1日の休息期間は継続11時間を与えるよう努めることを基本とし、9時間を下回らないことが原則とされています(いずれも例外の定めがあります)。

この基準があるため、1人のドライバーが担える運行の量には上限があります。荷物の量が増えても、今いるドライバーの残業でまかなうことには限りがあり、人を増やさなければ受けられない荷物が出てきます。採用の費用を考えるときは、「1人増えると、運べる量がどれだけ増えるか」「運べずに断っている荷物がどれだけあるか」を出し、そこから採用にかけてよい額を逆算してください。業界の採用の難しさは物流・運送業界の採用代行で任せる範囲で書いています。

拠点と時間帯ごとに費用のかかり方を分ける

物流・運送業界の採用は、拠点のある地域と、働く時間帯によって、候補者の集まり方が大きく変わります。同じ会社でも、都市部の拠点と郊外の拠点、日中の仕事と早朝・夜間の仕事では、1人あたりの費用が何倍も違うことがあります。

区分採用の傾向費用の見方
都市部の拠点・日中応募は集まりやすいが、ほかの業界とも取り合う応募への返事の速さで採れるかが決まる
郊外の拠点通える範囲の候補者が少ない地域の経路に費用をかけ、通勤の手段も条件に入れる
早朝・夜間の時間帯候補者が限られる時間帯の手当を含めた条件で比べる
大型・特殊な車両免許を持つ人が限られる免許の取得を支援して採る場合の費用と比べる

会社全体で採用単価を一つ出すと、採りやすい拠点の数字に引っぱられ、採りにくい拠点にかけるべき費用が見えなくなります。拠点と時間帯ごとに採用単価を出し、どこにどれだけかけているかを並べてください。ドライバーの採用の費用はドライバー採用の代行費用でも書いています。

エラベルの見解

物流・運送会社からの相談で多い思い込みは、常に募集を出していれば、いずれ人は集まるという考え方です。実際には、常に募集を出し続けている会社ほど、応募への返事が遅れたり、面接の担当がその日の配車や現場の対応に追われていたりして、応募が来ても採用まで進まないことがよくあります。その結果、広告の費用だけがかかり続けます。

担当者を選ぶときは、募集を出すことより、応募が来たその日のうちに連絡し、面接の日程を決められる体制をつくれる人かどうかを見てください。拠点の担当者が面接に出られる時間を先に押さえ、応募への一次連絡と日程調整を担える担当者のほうが、同じ広告の費用でも採れる人が増えます。物流・運送業界では、採用の費用の多くが、応募から面接までの間で失われています。

倉庫の仕事は派遣と直接雇用を並べて比べる

倉庫の仕分けやピッキングなどの仕事では、派遣で人を確保する方法と、直接雇用で採る方法を比べることになります。派遣は繁忙期に合わせて人数を増やしやすい一方、派遣料金は働いている間ずっとかかります。直接雇用は採用の費用と手間がかかりますが、長く働いてもらえれば月の費用は抑えられます。

比べるときに知っておきたいのが、派遣で受け入れられる期間の決まりです。労働者派遣法第40条の2は、派遣先が、同じ事業所などの業務について、派遣可能期間を超える期間継続して労働者派遣を受けてはならないと定め、派遣可能期間を三年としています。無期雇用の派遣労働者に係る派遣など、例外もあります。繁忙期だけ人を増やす仕事は派遣、年間を通じて続く仕事は直接雇用、という分け方を基本に、期間の決まりも踏まえて考えてください。個別の判断は社会保険労務士・弁護士にご確認ください。

外注の使いどころと料金の形

物流・運送業界の採用で採用代行に任せやすいのは、求人広告の運用、応募者への一次連絡、面接の日程調整です。応募が来てから連絡までの時間を短くすることが、そのまま採用の数に効きます。免許の確認や、運転の適性の見極め、配属する拠点と時間帯の判断は社内に残します。

求人を出すときに気をつけたいのが、労働時間の実態の伝え方です。職業安定法第5条の4は、労働者の募集を行う者や募集受託者などが広告などで募集に関する情報を提供するときに、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならないと定めています。拘束時間や休日の実態を伏せて応募を集めると、入社後の早い時期の退職につながり、採用の費用が無駄になります。労働時間の基準を守った働き方を、求人の段階で具体的に示してください。

人材紹介を使う場合、職業安定法第32条の3により、有料職業紹介事業者の手数料は、厚生労働省令で定める種類・額か、届け出た手数料表に基づくものに限られています。配車の管理職など、少人数の採用で紹介を使う場合は、運べる量から逆算した上限の額と並べて比べてください。

エラベルの費用は、採用が決まったときに1名につき10万円(税別)です。採用が決まらなければ費用はかかりません。特定の拠点や時間帯で採りにくい職種を採りたい場合の選択肢の一つとして比べてみてください。

エラベルの見解

もう一つ見てほしいのは、物流・運送業界の採用費用は、入社後の早い時期の退職で大きく膨らむということです。入社してすぐに辞められると、採用の費用に加えて、同乗での教育や研修にかけた時間も失われます。早い時期の退職の多くは、求人で聞いていた働き方と、実際の運行や拘束の時間の違いから起きています。

採用代行に任せるときは、採用人数と一緒に、入社から一定の期間で残っている人数を拠点ごとに記録してください。残る人が少ない拠点があれば、求人で伝えている内容と実際の働き方がずれていないかを担当者と確かめます。入社前に実態を正確に伝えるだけで、繰り返しの採用の費用は減らせます。

まとめ

よくある質問

物流・運送業界の採用代行の費用の相場はいくらですか

採用代行の料金は、任せる業務の範囲や職種、料金の形によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。運べる量から採用にかけてよい額を出し、その範囲で同じ業務範囲の見積もりを比べてください。エラベルの場合は、採用が決まったときに1名10万円(税別)です。

大型免許を持たない人を採って免許を取らせる方法は費用の面で得ですか

免許を持つ人が採りにくい地域では、取得を支援して採る方法が選択肢になります。取得にかかる費用と期間、取得後に続けて働いてもらえるかを、免許を持つ人を採る場合の費用と並べて比べてください。支援の条件や返済の取り決めを設ける場合は、個別の判断を社会保険労務士・弁護士にご確認ください。

時間外労働の上限が変わったことで、採用の計画はどう変えればよいですか

1人のドライバーが担える量に上限があるため、今の運行を続けるのに必要な人数を、労働時間の基準に合わせて計算し直してください。不足する人数が分かれば、拠点ごと・時間帯ごとに採用の計画を立てられます。最新の基準は厚生労働省のポータルサイトで確認してください。

出典

本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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