中小企業が払える採用代行費用の目安|1人の欠員がいくらの損になるかから上限を決め、無料の経路と組み合わせる
中小企業の採用では、専任の採用担当がいないことがよくあります。社長や総務の担当者が、本来の仕事の合間に求人を出し、応募に返事をし、面接をしています。採用に使えるお金も限られ、採用代行(RPO)にいくらまで払ってよいのかは、ほかの会社の相場を見ても決まりません。結論から書くと、中小企業の採用代行の費用は、1人の欠員が会社にいくらの損を生んでいるかから上限を決め、ハローワークなど無料の経路と組み合わせて使うと無理がありません。
採用代行の料金は会社や業務の範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、この記事では相場の金額は扱いません。自社の数字から上限を出す手順を書きます。中小企業で代行をどう使うかは中小企業の採用代行の使い方で書いています。
中小企業の範囲と、採用に割ける時間
中小企業の範囲は、中小企業基本法第2条でおおむね定められています。製造業・建設業・運輸業などは資本金の額または出資の総額が三億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が三百人以下の会社及び個人、卸売業は一億円以下・百人以下、サービス業は五千万円以下・百人以下、小売業は五千万円以下・五十人以下とされています。施策ごとに範囲が定められるため、使う制度によって確かめる必要がありますが、多くの会社がこの範囲に入ります。
この規模の会社では、採用に割ける時間は、社長や担当者の本来の仕事の合間に限られます。応募への返事が遅れて候補者を逃したり、求人の内容を見直す時間がとれずに同じ求人を出し続けたりすることがよくあります。採用代行に期待されるのは、こうした作業を受け持ち、社長や担当者が面接と判断に集中できるようにすることです。
1人の欠員の損から上限を決める
中小企業の採用費の上限は、1人の欠員が会社に生んでいる損から考えます。
- 欠員で失っているものを出す:受けられない仕事の売上、ほかの社員の残業代、外注でしのいでいる費用など、欠員のせいで毎月失っている額を出す
- 採用にかかる期間を見込む:今のやり方で採れるまでに何か月かかっているかを出す
- 早く採れた場合に減る損を出す:採用代行を使って採用が早まった場合に、減らせる月数 × 毎月の損 を出す
- 上限を置く:減らせる損の額を上回らない範囲で、採用代行に払う額の上限を置く
たとえば、欠員のせいで毎月、受けられない仕事や残業代が発生しているなら、採用が一か月早まるだけで、その一か月分の損が減ります。この額と比べれば、採用代行に払う額が見合うかどうかを判断できます。欠員の損がほとんどない職種なら、急いで費用をかける必要はなく、時間をかけて無料の経路で探す選択もあります。
エラベルの見解
中小企業からの相談で多い失敗は、採用代行に任せれば、社長は採用にかかわらなくてよくなると考えて、面接まで任せようとすることです。中小企業では、社長と社員の距離が近く、誰が入るかが職場の雰囲気を大きく左右します。社長が候補者と会わずに決めると、入社後に合わないことが分かり、早く離れることになります。
担当者を選ぶときは、応募への一次連絡、日程の調整、求人の見直しなど、社長の時間を食っている作業を受け持ち、社長が候補者と会う時間を確保してくれる人かどうかを見てください。社長の判断は残し、その周りの作業を外に出す形が、中小企業の採用には合います。
無料の経路と組み合わせる
中小企業の採用では、費用のかからない経路を使い切ることが、採用費を抑える第一歩です。厚生労働省のハローワークインターネットサービスでは、求人の情報を公開して求職者に見てもらうことができます。地域の求職者に届きやすく、費用をかけずに応募を集められる経路です。
無料の経路の弱点は、応募への返事や面接の調整を自社で行う必要があることです。採用代行を組み合わせる場合は、無料の経路からの応募も含めて、一次連絡と日程調整をまとめて任せる形にすると、費用のかからない経路を生かしながら、社長や担当者の負担を減らせます。有料の経路を足すのは、無料の経路で応募が集まらない職種に絞ってください。
人材紹介を使う場合、職業安定法第32条の3により、有料職業紹介事業者の手数料は、厚生労働省令で定める種類・額か、届け出た手数料表に基づくものに限られています。採用者の年収に割合を掛ける形が多いため、上で出した上限と並べて比べてください。
料金の形と、労働条件の明示
中小企業は採用の件数が少なく、採用が決まらない月もあるため、固定の月額より、採用が決まったときに払う形や、作業の時間に応じて払う形が合いやすくなります。固定の月額を払い続けると、採れていない月も費用がかかり、上で出した上限を超えやすくなります。
エラベルの費用は、採用が決まったときに1名につき10万円(税別)です。採用が決まらなければ費用はかかりません。上で出した上限の範囲で試せるかどうか、比べる選択肢の一つにしてください。
採用が決まったら、労働条件の示し方にも気をつけてください。労働基準法第15条は、使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならないと定めています。求人で示した内容と、入社のときに示す労働条件が食い違うと、入社後の早い時期の退職につながり、採用の費用が無駄になります。労働条件の示し方など個別の判断は、社会保険労務士・弁護士にご確認ください。
エラベルの見解
もう一つ見てほしいのは、中小企業の採用は、求人の中身を具体的にするだけで応募が変わるということです。中小企業の求人は、仕事の中身や職場の様子が短い言葉でしか書かれていないことが多く、求職者には大企業の求人との違いが分かりません。会社の規模が小さいことは、裁量の大きさや社長との距離の近さとして伝えることもできます。
採用代行に任せるときは、求人の中身を、社長や社員に聞き取って具体的に書き直す作業も範囲に入れてください。一日の仕事の流れ、入社してから任される仕事、職場の人数や雰囲気を書くだけで、合う人からの応募が増えます。無料の経路でも、求人の中身を変えれば応募は変わります。
まとめ
- 中小企業の採用代行の費用は、1人の欠員が生んでいる損から上限を決める
- 採用が早まって減らせる損の額を上回らない範囲で、代行に払う額の上限を置く
- 社長の判断は残し、一次連絡・日程調整・求人の見直しなど周りの作業を外に出す
- ハローワークなど無料の経路を使い切り、有料の経路は応募が集まらない職種に絞る
- 固定の月額より、採用が決まったときに払う形などが合いやすい
よくある質問
中小企業の採用代行の費用の相場はいくらですか
採用代行の料金は、任せる業務の範囲や料金の形によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。1人の欠員の損から上限を出し、その範囲で同じ業務範囲の見積もりを比べてください。エラベルの場合は、採用が決まったときに1名10万円(税別)です。
1人だけ採りたい場合でも採用代行を使えますか
使えます。1人だけの採用なら、採用が決まったときに払う形や、作業の時間に応じて払う形を選ぶと、費用を抑えやすくなります。求人の見直しと一次連絡、日程調整だけを任せる形も考えられます。
ハローワークだけで採れない場合はどうすればよいですか
まず、求人の中身を具体的に書き直し、応募への返事を速くするなど、無料の経路のままでできることを試してください。それでも応募が集まらない職種に絞って、有料の求人広告やスカウト、人材紹介を足すと、費用を抑えながら採用を進められます。
- e-Gov法令検索「中小企業基本法」(第2条)
- e-Gov法令検索「労働基準法」(第15条)
- ハローワークインターネットサービス(厚生労働省)
- e-Gov法令検索「職業安定法」(第32条の3)
- エラベル 料金(公式)
本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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