採用代行 / IT・Web
IT・Web業界で採用代行が機能する条件・機能しない条件
同じ採用代行を使っても、機能する会社と機能しない会社があります。IT・Web業界では、その差が特に大きい。差を作るのは代行の腕ではなく、発注側の条件です。要件を決める技術者がいるか、面接の枠を出せるか、条件の幅を先に出せるか、記録が社内にあるか、任せる工程が絞られているか。結論を先に書くと、IT・Web業界で採用代行が機能するのは、要件・体制・条件・記録・工程の五つで「社内に残すものを残している」会社で、機能しないのは「全部任せたい」会社です。発注の前に、五つで自社がどちらにいるかを確かめ、機能しない条件があれば、発注の前にそれを変えます。工程の切り分けはIT・Web業界の採用代行に、課題の分解はIT・Web業界の採用課題に、事例の見方は支援事例のどこを見るべきかに書いています。ここでは、機能する条件と機能しない条件を対にして並べます。
五つの対
| 軸 | 機能する条件 | 機能しない条件 |
|---|---|---|
| 要件 | 社内の技術者が要件を決め、代行と一緒に「経歴で読める言葉」に整える | 「要件は代行が考えて」。技術者が要件の整理に時間を出さない |
| 体制 | 技術者の面接の枠が週に決まった数あり、代行が枠を預かれる | 「技術者は忙しくて面接に出られない」。枠が無い |
| 条件 | 年収の幅と働き方を、スカウトの段階で伝えてよいと決めている | 「条件は面接で話す」。幅を出さない |
| 記録 | 候補者の一覧と面接の記録が社内の環境にあり、代行がそこに書く | 「記録は代行に任せる」。契約が終わると消える |
| 工程 | 任せる工程が一つか二つに絞られ、残す工程が決まっている | 「全部任せたい」。残す工程が無い |
五つのうち、一つでも「機能しない条件」にあると、代行はその部分で止まります。全部が機能する条件にある必要は無く、機能しない条件を発注前に一つずつ変えます。
要件:技術者が決めているか
| 機能する | 機能しない |
|---|---|
| 技術者が「いまうまくやっている人が、入った頃にすぐできたこと」から必須を三〜五つ出す | 「良い人」「モダンな技術に強い人」のまま代行に渡す |
| 代行が「経歴で読める言葉」に整え、技術者が確認する | 代行が要件を推測して検索する |
| 要件が変わったら、技術者から代行に伝わる | 要件が変わっても代行に伝わらず、ずれた推薦が続く |
要件の整理に技術者の時間を出せない会社は、代行に出しても、面接に来る人がずれます。時間は、最初の一回に集中し、その後は月次の確認で足ります。要件の作り方はエンジニアの採用要件の作り方に書いています。
エラベルの見解
機能しない条件の中で、最も多く、最も直しやすいのは「体制」です。「技術者は忙しくて面接に出られない」と言う会社で、代行が母集団を増やしても、面接の枠が無く、候補者は待たされて他社に決まります。直し方は、技術者に「週に一枠、この曜日のこの時間を面談の枠として空けておく。埋まらなければ前日に解放する」と預かってもらうこと。それだけで、日程の確定が即日になり、辞退が減ります。エラベルで担当者を選ぶ企業には、「技術者の面接の枠を、代行が先に預かれる形になっていますか」を、私たちから先に聞いています。枠が無い会社には、発注の前に枠の話をします。枠が出ないなら、いまは発注の時期ではありません。枠の預かり方は面接の日程調整の進め方に書いています。
体制:面接の枠を出せるか
| 機能する | 機能しない |
|---|---|
| 技術者の枠が週に決まった数あり、代行が預かって候補者に即日で候補を出せる | 候補者の希望を聞いてから技術者に確認し、返事に数日かかる |
| 一次を「経歴で読める必須の照合」(代行)、二次を技術者との面接(社内)に分け、技術者の時間を絞っている | 全段に技術者が出て、枠が足りない |
| 決める人が一人 | 面接官の多数決。結論が出ない |
体制は、費用をかけずに変えられる条件です。技術者が一人でも、週に一枠から始められます。
条件:幅を先に出せるか
| 機能する | 機能しない |
|---|---|
| 年収の幅と働き方を、スカウトの文面か初回の連絡で伝える | 「条件は面接で」。候補者が面談前に離れる |
| 幅の中の額は面談で、と分けている | 幅も額も出さず、内定の段階で初めて出して辞退される |
| 条件の判断を決める人が一人で、速い | 条件の判断に社内で時間がかかり、候補者が他社で決まる |
IT・Web業界の候補者は、複数の会社を同時に見ていて、条件の幅が分からない会社を後回しにします。幅を出すかどうかは会社の判断ですが、出さない会社では代行の母集団形成は効きにくい。条件の出し方はスカウト段階で条件を出すかに書いています。
記録:社内の環境にあるか
| 機能する | 機能しない |
|---|---|
| 候補者の一覧と面接の記録が、社内のATSか共有の場所にあり、代行がそこに書く | 記録が代行の環境にあり、社内から見えない |
| 週次の一枚で、段階ごとの数と止まりが社内に届く | 月末の報告だけで、途中が見えない |
| 契約が終わっても、記録と型が社内に残る | 契約が終わると、候補者の情報も型も消える |
記録が社内に無い会社は、代行が機能しているかどうかも分からず、契約が終わった後に何も残りません。記録の置き場所は、契約の前に決めます。記録の扱いは引き継ぎ資料に含める内容に書いています。
エラベルの見解
「全部任せたい」という会社ほど、代行が機能しません。全部を任せると、代行は要件を推測し、条件を出せず、技術の見極めを代行が行い、面接に来る人がずれ、会社は「代行の質が低い」と言います。任せる工程を一つか二つに絞り、残す工程(要件・技術の見極め・条件・合否)を社内で担う会社では、同じ代行が機能します。エラベルは、担当者を工程ごとに選べる形にしているので、「一次対応と日程だけ」「スカウトの母集団形成だけ」のように、一つの工程から始められます。一つの工程で機能すれば、次の工程を足す判断ができます。最初から全部を任せる契約より、一つの工程から始めて広げるほうが、結果が出て、費用も読めます。工程の切り分けは母集団形成は代行に出せるかや一次面接は代行に出せるかに書いています。
工程:一つに絞られているか
| 機能する | 機能しない |
|---|---|
| 「スカウトの母集団形成と一次対応」のように、任せる工程が明確 | 「採用を全部」 |
| 残す工程(要件・技術の見極め・条件・合否)が、社内の誰が担うか決まっている | 残す工程の担当がいない |
| 一つの工程で三か月回し、記録で効いたかを見てから次を足す | 最初から全工程を契約し、どこが効いたか分からない |
工程を絞ると、代行の担当者に求める経験も絞れます。「バックエンドのスカウト文面を作った経験」のように、職種と工程で確かめられます。
機能しない条件を変える順番
| 順 | 変えること | 費用 |
|---|---|---|
| 一 | 体制:技術者の枠を週に一つ預かる | かからない |
| 二 | 記録:一覧と記録の形を社内の環境に | かからない(既存の共有の場所で) |
| 三 | 工程:任せる工程を一つに絞る | 契約の範囲が小さくなる |
| 四 | 要件:技術者と一緒に経歴で読める言葉に | 技術者の時間(最初の一回) |
| 五 | 条件:幅を出すかを決める | 会社の判断 |
一から三は、発注の前に社内で変えられます。四は代行と一緒に、五は会社の判断です。五つが揃ってから発注すると、代行は機能します。
機能しているかを見る記録
| 見ること | 機能している目印 |
|---|---|
| 一次に進んだ数と、書類の○との一致 | 一致していれば要件が機能 |
| 段階ごとの日数 | 短くなっていれば体制が機能 |
| 面談前の離脱 | 減っていれば条件が機能 |
| 週次の一枚が届いているか | 届いていれば記録が機能 |
| 任せた工程の数字が動いているか | 動いていれば工程が機能 |
件数のまま並べ、前月と比べます。割合や外部の平均で断定しません。三か月で動かない工程は、代行の問題か、社内の残す部分の問題かを、五つの対で分けます。見る指標は採用代行との定例会で見るべき数字に書いています。
まとめ
- 代行が機能するかは代行の腕より発注側の条件で決まる
- 五つの対は要件・体制・条件・記録・工程。「社内に残すものを残している」会社で機能する
- 最も多く最も直しやすい機能しない条件は体制(技術者の枠)。週に一枠から
- 「全部任せたい」は機能しない。一つの工程から始めて広げる
- 変える順番は体制→記録→工程→要件→条件。一〜三は発注前に社内で
- 機能しているかは記録で件数のまま見る。三か月で動かなければ五つの対で分ける
よくある質問
代行を使って失敗した経験があり、また使うか迷っています
失敗の原因を、五つの対で分けてみてください。「要件は代行に任せた」「技術者が面接に出られなかった」「条件を出さなかった」「記録が代行にあった」「全部任せた」のどれかに当たることが多い。当たった条件を変えてから、一つの工程だけを任せて三か月見る形なら、前と同じ結果にはなりにくい。失敗のパターンは急成長フェーズの会社が採用代行で失敗するパターンや人事が一人の会社の失敗のパターンにも書いています。
技術者が「要件を言葉にする時間が無い」と言います
最初の一回、いまうまくやっている人に「入った頃にすぐできたことと、時間がかかったこと」を三十分聞くだけで、必須の候補は出ます。その後は、月次の確認で「面接に来た人は要件と合っていたか」を一言で足ります。技術者の時間は、要件の整理と二次面接に絞り、それ以外(一次対応、日程、記録)を外に出すと、技術者の負担は減ります。
条件の幅を出したくありません。それでも代行は機能しますか
幅を出さない会社では、スカウト型の母集団形成は効きにくく、候補者が面談前に離れます。掲載型の媒体や紹介会社経由で、条件を後で話す形なら動くことはありますが、辞退は増えます。幅を出すかは会社の判断で、出さない場合は「速さ」と「求人票の実態」で補う形になります。判断の材料はスカウト段階で条件を出すかに書いています。