採用代行 / SaaS

SaaS業界で採用代行が機能する条件・機能しない条件

公開 2026-09-22

同じ採用代行を使っても、機能するSaaSの会社と機能しない会社があります。差を作るのは代行の腕ではなく、発注側の条件です。要件に事業の段階が入っているか、職種の優先順位が決まっているか、職種ごとの責任者が見極めを担っているか、条件の幅を先に出しているか、記録が社内にあるか、任せる工程が絞られているか。結論を先に書くと、SaaS業界で採用代行が機能するのは、段階・優先順位・体制・条件・記録・工程の六つで「社内に残すものを残している」会社で、機能しないのは「全職種を同時に、全部任せたい」会社です。発注の前に六つで自社を確かめ、機能しない条件があれば、発注の前にそれを変えます。工程の切り分けはSaaS業界の採用代行に、課題の分解はSaaS業界の採用課題に、IT・Web業界の条件はIT・Web業界で採用代行が機能する条件・機能しない条件に書いています。ここでは、SaaS業界の六つの対に絞ります。

六つの対

機能する条件機能しない条件
段階要件に「いまの段階で、最初の三か月に何をしてもらうか」が入っている「営業経験〇年」。前の段階の会社で活躍した人が来て合わない
優先順位採用計画で職種の優先が決まり、一職種の型を作ってから広げる全職種を同時に始め、どれも遅い
体制職種ごとの責任者が見極めを担い、経営者は最終だけ。枠を週に決まった数で預ける経営者が全職種の全段に出て、枠が足りない
条件年収の幅と働き方を、スカウトの段階で伝えてよいと決めている「条件は面接で」。比較が速い業界で後回しにされる
記録複数の職種を一つの一覧で見られ、社内の環境にある記録が代行の環境。職種ごとにばらばら
工程任せる工程が一つか二つに絞られ、残す工程の担当がいる「全部任せたい」

六つのうち一つでも機能しない条件にあると、代行はその部分で止まります。

段階:要件に入っているか

機能する機能しない
「立ち上げ」「拡大」「安定」のどれかを、職種ごとに要件に書いている段階が無く、代行が「営業経験者」を広く集める
「最初の三か月に何をしてもらうか」を、いまうまくやっている人の実態から書いている「即戦力」「自走できる人」
段階が変わったら、要件が更新されて代行に伝わる去年の要件のまま

段階は経営者にしか言えません。要件に段階を入れる作業は、代行と一緒に三十分で足ります。

エラベルの見解

SaaS業界で最も多い機能しない条件は「優先順位」です。全職種を同時に始めると、代行は全職種の母集団を作り、面接の枠が奪い合いになり、候補者が待たされ、他社で決まる。会社は「代行が集めた人が決まらない」と言いますが、原因は枠です。直し方は、採用計画の一枚で「最初の一職種」を決め、その職種で型(要件・文面・日程・記録)を一か月で作り、回ってから次の職種に広げること。エラベルで担当者を選ぶ企業には、「最初に型を作る職種は、どれですか」を、私たちから先に聞いています。一職種で回れば、二職種目は型を写すだけで速い。同時に始めるより、結果として速く採れます。計画の作り方は採用計画の設計の進め方に書いています。

優先順位:一つずつ広げているか

機能する機能しない
一職種で型を作り、三か月回してから次へ全職種を同時に契約
型(要件の一枚・文面の型・日程の型・記録の形)が、職種を替えても写せる形職種ごとにゼロから
経営者の面接の枠の数から、同時に動かせる職種の数を決めている枠を見ずに募集の数を決める

優先順位は費用がかからず、今日から変えられます。

体制:責任者が見極めを担っているか

機能する機能しない
営業の責任者、CSの責任者、技術の責任者が、それぞれの職種の見極めを担う経営者が全部
経営者は最終だけ。枠を週に決まった数で代行に預ける経営者の予定を毎回確認
責任者がいない職種は、責任者を先に採るか後に回す責任者がいない職種を先に募集し、見極めが無い

体制は、段階が進むほど整えやすい条件です。立ち上げの段階では経営者が全部を担うことが多く、その場合は同時に動かす職種を一つに絞ります。枠の預かり方は面接の日程調整の進め方に書いています。

条件:幅を先に出せるか

機能する機能しない
年収の幅と働き方を、スカウトの文面か初回の連絡で「条件は面接で」
幅の中の額は面談で、と分けている幅も額も出さず、内定で初めて出す
条件の判断が速い(決める人が一人)判断に時間がかかる

SaaS業界の候補者は、複数のSaaSの会社を同時に見ています。幅が分からない会社は後回しにされ、代行の母集団形成が効きません。条件の出し方はスカウト段階で条件を出すかに書いています。

エラベルの見解

「全部任せたい」というSaaSの会社は、多くの場合、人事の担当がおらず、経営者が採用も見ています。その状態で全部を任せると、段階の判断も条件の判断も代行に寄り、代行にはできないので止まります。エラベルは担当者を工程ごと・職種ごとに選べる形にしているので、経営者が「段階の要件と条件と最終の判断」だけに時間を使い、「母集団形成・一次対応・日程・記録」を担当者が担う、という組み方ができます。経営者の時間は、職種ごとに三十分の要件の整理と、最終の面接だけで足ります。人事の担当を採るまでの間の形としても使えます。工程の切り分けは母集団形成は代行に出せるか面接の日程調整は代行に出せるかに書いています。

記録:一つの一覧で社内にあるか

機能する機能しない
複数の職種を一つの一覧(一人一行・職種の列・段階の列)で見られ、社内の環境にある職種ごとに別のファイル。代行の環境
週次の一枚で、職種ごとの数と止まりが届く月末の報告だけ
契約が終わっても、記録と型が社内に残り、次の職種に写せる契約が終わると消える

SaaSは職種を次々に採るので、型が社内に残るかどうかで、二職種目以降の速さが変わります。記録の扱いは引き継ぎ資料に含める内容に書いています。

工程:絞られているか

機能する機能しない
「営業の母集団形成と一次対応」のように、職種と工程で任せる範囲が明確「採用を全部」
残す工程(段階の要件・見極め・条件・合否)の担当が決まっている残す工程の担当がいない
一職種・一工程で三か月回し、記録で効いたかを見てから広げる最初から全職種・全工程

機能しない条件を変える順番

変えること費用
優先順位:最初の一職種を決めるかからない
段階:その職種の要件に「最初の三か月」を入れる経営者の三十分
体制:責任者と経営者の枠を週に決まった数でかからない
記録:一つの一覧を社内の環境にかからない
工程:任せる工程を一つに絞る契約の範囲が小さくなる
条件:幅を出すかを決める会社の判断

一から五は発注の前に社内で変えられます。六は会社の判断です。

機能しているかを見る記録

見ること機能している目印
書類の○と面接の一致一致していれば段階が機能
面接の枠の待ち人数と段階ごとの日数減っていれば優先順位と体制が機能
面談前の離脱と辞退の理由「条件」「速さ」が減っていれば条件が機能
週次の一枚と、型が次の職種に写せたか写せていれば記録が機能
任せた工程の数字動いていれば工程が機能

件数のまま並べ、前月と比べます。割合や外部の平均で断定しません。見る指標は採用代行との定例会で見るべき数字に書いています。

まとめ

よくある質問

投資家から採用の人数を求められていて、一職種ずつでは間に合いません

人数が多いほど、一職種の型を先に作るほうが速い。全職種を同時に始めると、面接の枠で詰まり、三か月後に「応募は来たが決まらない」になります。一職種で型を一か月で作り、二職種目からは型を写して二週間で回し始める形なら、三か月で複数の職種が動きます。同時に動かせる職種の数は、経営者と責任者の面接の枠の数で決まり、枠を超える計画は枠から見直します。

人事の担当がいません。経営者が全部を見ている状態で代行は機能しますか

経営者が「段階の要件と条件と最終の判断」に絞り、「母集団形成・一次対応・日程・記録」を代行に出す形なら機能します。経営者が全部の面接に出る形は機能しません。人事の担当を採るまでの間、代行の担当者が記録と型を社内の環境に作っておけば、人事の担当が入ったときに引き継げます。最初の人事の採用も、同じ型で進められます。

段階が「拡大」で、去年の「立ち上げ」の要件のまま募集していました

要件の一枚を、いまの段階で更新します。「決まりの無いことを自分で決めて進める人」から「型を回して数を出し、後から入る人に型を渡せる人」へ。文面と求人票も同じく更新し、いまうまくやっている人の「最初の三か月」を書き直します。去年の要件で来た候補者の記録は「旧段階」として分け、比べません。段階が変わるたびに要件を更新することを、採用計画の見直しの日に入れます。