採用代行 / SaaS

SaaS業界の採用代行|業界特有の難しさとどこを外注するか

公開 2026-09-22

SaaS業界の会社が採用代行を検討するとき、動機は「事業が伸びていて、営業もCSもエンジニアも同時に足りない」であることが多い。ただ、SaaSの採用は、職種が横に広く、事業の段階で要る人が変わり、候補者がSaaS業界の中で会社を比べている、という三つの難しさがあり、「全部を同時に任せる」形は最も失敗しやすい。結論を先に書くと、SaaS業界の採用代行は、母集団形成・一次対応・日程調整・記録は外に出せる一方、職種と段階で切った要件の決定・事業の段階に合う人の見極め・条件の判断は社内に残さないと、採れても段階に合いません。代行に出す前に、三つの難しさを自社の段階で分解し、職種ごとに「任せる・残す」を決めることが、代行が機能する条件です。職種ごとの切り分けは営業採用を代行に出す判断基準カスタマーサクセス採用を代行に出す判断基準インサイドセールス採用を代行に出す判断基準に、段階の考え方は急成長フェーズの会社の採用代行に書いています。ここでは、SaaS業界で共通する切り分けに絞ります。

SaaS業界の採用が難しい三つの理由

難しさ中身代行への影響
職種が横に広い営業(フィールド・インサイド)・CS・マーケ・エンジニア・PdM・デザイナー。同時に複数を採る職種ごとに要件と経路と文面が違う。「SaaSの採用に強い」だけでは足りない
事業の段階で要る人が変わる立ち上げは「決まりの無いことを決めて進める人」、拡大は「型を回して数を出す人」、安定は「仕組みを作る人」同じ職種名でも、段階で要件が逆になる。段階を伝えないと、前の段階の人が来る
候補者がSaaS業界の中で比べている候補者はSaaSからSaaSへ動くことが多く、事業の内容・段階・裁量・条件で会社を比べる「SaaSだから」は差にならない。段階と役割の実態で差を出す

三つのうち、代行で解決できるのは母集団形成と速さで、段階に合う要件と見極めは社内の関わりが要ります。

工程ごとの「任せられる・残す」

工程任せられるか理由
職種と段階で切った要件の決定残す事業の段階と体制から、経営者と各部門の責任者が決める
要件を「経歴で読める言葉」に整える一緒に代行が整え、社内が確認
母集団形成(媒体・スカウト)任せられる職種ごとの検索と文面の型があれば外で回せる
一次対応(返信・日程)任せられる速さが要る工程。同時に複数の職種を動かすときに特に
書類の一次確認一部任せられる必須の照合は外で。段階に合うかは社内
段階に合う人の見極め(面接)残す「決まりの無いことを決めて進めた場面」を、社内の責任者が聞く
条件の判断残す会社の判断。SaaS業界は条件の比較が速い
内定後の接点一部任せられる接点の設計は外で。迷いへの答えは社内の人
記録と報告任せられる一覧と週次の一枚。複数の職種を一つの一覧で

複数の職種を同時に採るSaaSでは、「一次対応と日程と記録」を外に出すだけで、社内の責任者の時間が要件と見極めに戻ります。

エラベルの見解

SaaS業界で多くの会社が見落とすのは、「事業の段階」を要件に入れることです。「営業を採る」で募集し、代行が営業の経験者を集めると、大手のSaaSで型のある営業をしてきた人が来ます。立ち上げの段階の会社では、型が無く、その人は「何をすればよいか分からない」となります。逆に、拡大の段階で「立ち上げの経験がある人」を採ると、型で回すことに退屈します。「いまの段階で、最初の三か月に何をしてもらうか」を要件に入れると、検索も文面も面接も段階に揃います。エラベルで担当者を選ぶ企業には、「いまの事業の段階を、要件の一枚に書いていますか」を、私たちから先に聞いています。段階の書き方は「決まりの無いことを自分で決めて進める」「型を回して数を出す」「仕組みを作って人に渡す」の三つのどれかで足ります。要件の整理の型は採用要件の定義の進め方に書いています。

代行に出す前に社内で確認すること

確認中身
事業の段階を一言で言えるか立ち上げ・拡大・安定のどれか。職種ごとに違うこともある
職種ごとに要件を決める人がいるか営業の責任者、CSの責任者、技術の責任者。経営者が全部を兼ねていないか
同時に採る職種の優先順位全部を同時に始めると、面接の枠と経営者の時間が足りない
条件の幅を先に出せるかSaaS業界の候補者は条件の比較が速い。幅を出さないと面談前に離れる
面接の枠職種ごとの責任者と経営者の枠を、週に決まった数出せるか
記録の形複数の職種を一つの一覧で見られるか

「同時に採る職種の優先順位」が、SaaSで最も詰まります。営業もCSもエンジニアも、と同時に始めると、経営者の面接の枠が埋まり、全部が遅れます。優先順位は採用計画の一枚で決めます。計画の作り方は採用計画の設計の進め方に書いています。

職種ごとに代行の型が違う

職種代行に向く工程社内に残す度合い
フィールドセールス母集団形成(スカウト中心)、一次対応段階に合う人の見極めは社内。数字の実績の読み方
インサイドセールス掲載型の母集団形成、一次対応型で回せる人かを社内で
カスタマーサクセス母集団形成、一次対応「顧客の成功」の実態を社内が語る
エンジニア・PdM母集団形成(スカウト中心)技術の見極めは社内。IT・Web業界の採用代行と同じ
マーケ母集団形成、ポートフォリオの一次確認事業の段階に合う施策の経験を社内で

「SaaSの採用に強い代行」でも、職種ごとの型を持っているかは別です。営業とエンジニアでは、経路も文面も違います。

代行を選ぶときの確認項目

確認聞き方
職種ごとの型があるか「フィールドセールスとCSで、検索条件と文面をどう変えますか」
段階を要件に入れるか「立ち上げの段階と拡大の段階で、同じ営業職の要件をどう変えますか」
担当者の経歴「担当する方は、SaaS業界のどの職種の採用を、どの段階の会社で、どの工程で担った経験がありますか」
複数の職種を同時に回す形「同時に三職種を動かすとき、一覧と報告をどう一つにしますか」
返事の速さと記録の置き場所「候補者への返事は何営業日以内か。記録はどこに置くか」
費用の構造「月額に含まれる工程と職種の数は」

費用は、含まれる工程と職種の数で変わり、金額の相場を先に聞くより「同じ工程・同じ職種数で比べる軸」をそろえます。費用の構造は採用代行の費用の内訳に、選び方の軸は採用代行会社の選び方に書いています。

代行に出したあとに起きること

起きること原因対応
応募は増えたが、段階に合わない要件に段階が無い「最初の三か月に何をしてもらうか」を要件に
複数の職種を始めて、全部が遅い優先順位が無く、経営者の枠が足りない職種の優先を決め、一つずつ
条件の比較で他社に負ける幅を先に出していない。速さで負けている幅を先に、確定を即日に
「SaaSだから」の文面で返信が来ない差が段階と役割の実態で出ていない実態の言葉で動く理由を作る
契約が終わると記録が消える記録が代行の環境社内の環境に置く形を契約で

出したあとの問題は、「段階」「優先順位」「条件と速さ」「実態の言葉」に戻ります。契約の前に、工程の切り分けと記録の置き場所を書面にします。

エラベルの見解

相談で多いのは、資金を調達した直後に「一気に採用したい」というSaaSの会社です。全職種を同時に募集し、代行に全部を任せ、三か月後に「応募は来たが決まらない」となります。原因は、経営者の面接の枠が全職種で奪い合いになり、日程が詰まり、候補者が他社で決まることです。エラベルは担当者を工程ごと・職種ごとに選べる形にしているので、「まず営業の母集団形成と一次対応だけ」「次にCS」と、優先順位に沿って一つずつ広げられます。一つの職種で回る型ができれば、次の職種は速い。一気に始めるより、一つずつのほうが、結果として速く採れます。急成長の段階の失敗のパターンは急成長フェーズの会社が採用代行で失敗するパターンに、向く代行の条件はスタートアップに向く採用代行の条件に書いています。

まとめ

よくある質問

経営者が全職種の面接に出ていて、枠が足りません

段階に合う人の見極めを、職種ごとの責任者に分け、経営者は最終だけにします。責任者がいない職種は、その職種の採用を後に回すか、責任者を先に採ります。経営者の枠を「週に決まった数」で代行に預け、候補を即日で出せる形にすると、同じ枠の数でも詰まりが減ります。枠の預かり方は面接の日程調整の進め方に書いています。

立ち上げの段階で、型が無いのに代行に出せますか

型が無いのは事業の話で、採用の型(要件の一枚、一覧、文面の型、日程の型)は代行と一緒に作れます。むしろ、立ち上げの段階では「決まりの無いことを自分で決めて進める人」という要件が明確で、対象が絞りやすい。要件に「型が無い段階で、最初の三か月に何をしてもらうか」を書き、面接で「決まりの無いことを自分で決めた場面」を聞く形にします。採用の記録は最初から社内の環境に置き、事業が拡大の段階に入ったときに、記録と型が残る形にします。

候補者から「他社のSaaSと比べて、御社の何が違うのか」と聞かれます

「SaaSだから」ではなく、「いまの段階で、この役割で、最初の三か月に何をするか」と「一緒に働く人」と「裁量の実態」で答えます。それは、いまうまくやっている人の「前の会社と違うこと」から作れます。他社との比較を候補者にされる前提で、求人票とスカウト文面に段階と役割の実態を書き、面接で現場の人が語る形にします。差の出し方は自社紹介はどこまで書くかに書いています。