採用代行 / 従業員300名規模の会社
従業員300名規模の会社が採用代行で失敗するパターン
従業員がおよそ三百名の規模の会社は、小さい会社と大企業の間にあります。人事は数名の部門になり始めたが専門化していない、採用は中途が通年で新卒も始めている、部門が分かれて管理職が増え、採用の判断が経営者から部門長に移る途中、制度はある程度整い、媒体と紹介会社の利用が定着している。この「途中」の状態で採用代行を使うと、小さい会社にも大企業にも起きない失敗の形が出ます。結論を先に書くと、この規模の失敗は「小さい会社のやり方と大企業のやり方の両方が混ざっていて、どちらの前提で代行を入れるかを決めていない」ことから起きます。判断は経営者か部門長か、人事は運用か設計か、経路は紹介か自力か、流れは一律か職種別か、数字は全社か部門か。この五つを決めずに代行を入れると、代行は両方の前提の間で止まります。代行に出す前に、「この規模で、どの前提に寄せるか」を決めておけば、失敗の大半は避けられます。この記事では、五つのパターンを、症状・原因・先に打つ手の順に整理します。会社の規模と代行の相性は会社規模と代行会社の相性に、大企業の失敗は大企業が採用代行で失敗するパターンに、代行の全体像は採用代行(RPO)とはにまとめています。
失敗のパターン一:経営者から部門長へ判断が移る途中で、誰が決めるか曖昧になる
症状。部門長が「採りたい」と言い、代行が進めると、経営者が「聞いていない」と止める。逆に、経営者が「部門長に任せている」と言い、部門長は「最終は社長が見ると思っていた」と言う。代行は誰の判断を待てばよいか分からず、候補者が待たされて離れる。
原因。この規模では、経営者が全員を見ていた形から、部門長が自分の部門の採用を決める形へ移る途中で、職種や役職によってどちらが決めるかが混在しています。それ自体は移行期として自然ですが、決め方を言葉にしていないと、代行は両方に確認して止まります。
先に打つ手。代行に出す前に、「この職種・この役職までは部門長が決める、ここからは経営者」と、判断の線を書面にします。線は完全でなくてよく、「迷ったら経営者」でも構いませんが、代行に渡します。部門長が決める範囲では、経営者は事後の報告だけを受ける形にし、後から止めない、と経営者自身に決めてもらいます。経営者に状況が伝わらないときは経営者に採用の状況が伝わらないに、現場への説明は現場に採用代行の導入を説明するに整理しています。
失敗のパターン二:人事が運用担当のままで、設計者になれない
症状。人事が数名いるが、全員が連絡と日程と媒体の運用に追われ、代行を入れても「代行の管理」がその上に乗るだけで、要件を決める、体制を設計する、部門長と調整する、という仕事に誰も移らない。代行は人事の指示を待ち、人事は指示を出す時間がない。
原因。この規模の人事は、小さい会社の「一人で全部回す」形から人数が増えただけで、役割が分かれていません。全員が運用担当のまま、設計者がいない状態です。代行を入れても、設計者がいないと、代行に何をどう出すかを決める人がいません。
先に打つ手。人事の中で一人を「設計者」に決め、その人は運用から外れて、要件と体制と部門長との調整を持ちます。設計者が、代行に出す工程を決め、残りの人事は「部門ごとの要件と判断の担当」に移ります。運用は代行に出します。人事の責任者が、この役割の変更を人事に言葉で伝えます。人事が一人の会社の考え方が参考になり、人事が一人の会社の採用体制の作り方に、社内の担当者を育てる考え方は社内の採用担当を育てるに書いています。
エラベルの見解
相談で最も多い思い込みは、「うちは中堅で、小さい会社の代行の使い方も大企業の使い方も合わないから、代行は向いていない」というものです。実際には、この規模で代行が止まるのは、規模が中途半端だからではなく、「移る途中」の状態を移る途中のまま代行に渡しているからです。判断は経営者から部門長へ、人事は運用から設計へ、経路は紹介から自力へ。それぞれ「今はここまで移った、ここから先はまだ」と線を引いて渡せば、代行は線の中で動けます。この規模は、線を引く作業が最も要る規模で、線を引けば代行が最も効く規模でもあります。
この見方で代行を選ぶと、見るべき点が決まります。契約の前の面談で「採用の判断は、今どこまで部門長に移っていますか」と聞いてくる担当者は、移行期の構造を知っています。「御社の規模ならこの型で」と、小さい会社か大企業の型を当てはめてくる担当者は、途中の状態で止まります。エラベルでは、依頼側が担当者の経歴を見て選ぶ仕組みなので、この規模の会社を支援してきた担当者に、線を引くところから入る形で頼めます。
失敗のパターン三:紹介会社への依存で費用が膨らむ
症状。中途の採用が通年になり、紹介会社に頼る形が定着していて、決まるたびに手数料が出ていく。自力で採る仕組み(媒体、スカウト、社員の紹介)が育っておらず、代行を入れても、代行がまた紹介会社に頼る。採用の費用が採用の数に比例して増え続ける。
原因。小さい会社のときに、人事の手が足りず紹介会社に頼った形が、規模が大きくなってもそのまま残っています。この規模になると、採用の数が増えて手数料の総額が大きくなり、自力で採る仕組みを作ったほうが費用が下がる分岐点を越えていることが多いです。
先に打つ手。代行に出す前に、「自力で採る仕組みを作る」ことを代行の目的に入れます。紹介会社は「急ぎで埋める職種」だけに絞り、それ以外は媒体とスカウトと社員の紹介で採る形を、代行と一緒に作ります。紹介会社との条件の交渉と、紹介と自力の使い分けの判断は、人事の設計者が持ちます。紹介会社との折衝は人材紹介会社との折衝は代行に出せるかに、代行と紹介の違いは採用代行と人材紹介の違いに、社員の紹介はリファラル採用の設計は代行に出せるかに整理しています。
失敗のパターン四:職種が増えて、一律の流れで回らない
症状。営業、技術、企画、管理と職種が増え、それぞれ経路も面接で見る点も違うのに、小さい会社のときの「全職種同じ流れ」で回している。代行にもその流れで渡し、技術職の応募が来ない、企画職の面接で見る点がずれる、という形で職種ごとに詰まる。
原因。小さい会社のときは職種が少なく、一律の流れで回りました。この規模になると職種が増え、一律では回らないのに、職種ごとの流れを作る人がいません。
先に打つ手。職種を「経路と見る点が似ているもの」でいくつかのグループに分け、グループごとに流れを作ります。全職種を別々にする必要はなく、二つか三つのグループで足りることが多いです。代行には、グループごとの流れで渡し、「部門をまたいで同じ形の工程」(連絡、日程、記録)は一律のまま出します。要件の決め方は採用要件の定義を代行に出すに、大企業の順番は大企業の採用代行に書いています。
失敗のパターン五:採用の数字が部門ごとに分断される
症状。部門長が自分の部門の採用を決めるようになり、部門ごとに採用の状況を持っていて、全社で「今、何人募集して、何人面接して、何人決まったか」を誰も答えられない。代行も部門ごとに報告し、経営者は全体が見えず、「採用は進んでいるのか」と人事に聞く。
原因。判断が部門長に移るのと一緒に、数字も部門に移り、全社で集める仕組みがありません。小さい会社のときは経営者の頭の中で全体が見えていましたが、この規模では見えなくなります。
先に打つ手。代行に「全社の一枚」を作る役割を入れます。部門ごとの数字を、同じ項目(募集、応募、面接、内定、辞退、入社)で集め、全社で一枚にして、月に一度、経営者と人事の設計者と部門長が同じ一枚を見る場を作ります。部門ごとの判断は部門長に残し、数字だけは全社で揃えます。定例で見る数字は採用代行との定例会で見るべき数字に、採用データの分析は採用データの分析は代行に出せるかに、指標の設計は採用KPIの設計は代行に出せるかに整理しています。
エラベルの見解
同じ料金・同じ業務範囲でも、この規模で結果が分かれるのは、担当者が「移る途中の状態を、そのまま受け入れて線を引けるか」です。小さい会社の型を持ち込む担当者は、経営者に全部を聞き、部門長を飛ばして反発を招きます。大企業の型を持ち込む担当者は、人事に設計者の役割を求め、運用担当のままの人事が応えられずに止まります。「今はここまで移った、ここから先はまだ」と、途中の状態を言葉にして、その線の中で動く担当者は、経営者と部門長と人事のそれぞれの役割を壊さずに採用を回します。
見るべきは、契約の前の面談で、担当者が「小さかった頃のやり方で、今も残っているものは何ですか」と聞いてくるかどうかです。聞いてくる担当者は、移行期の混在を知っています。聞かずに「御社の規模ならこの体制で」と型を出す担当者は、途中の状態に合いません。エラベルでは、依頼側が担当者を選べるので、この規模の会社を支援してきた担当者に、途中の状態に線を引くところから頼めます。移る途中の会社ほど、担当者を選べることの意味は大きくなります。
まとめ
- 従業員三百名規模の代行の失敗は、判断の主体が曖昧・人事が設計者になれない・紹介会社への依存・一律の流れで回らない・数字が部門で分断の五つの形で起きる
- 原因の多くは、小さい会社のやり方と大企業のやり方が混ざっていて、どの前提に寄せるかを決めていないこと
- 判断は、「この職種・この役職までは部門長、ここからは経営者」と線を書面にし、部門長が決めた範囲を経営者が後から止めない
- 人事の中で一人を設計者に決めて運用から外し、残りは部門ごとの要件と判断の担当に移す。運用は代行へ
- 紹介会社は急ぎの職種だけに絞り、自力で採る仕組みを作ることを代行の目的に入れる
- 職種を二つか三つのグループに分けて流れを作り、数字は全社で一枚に揃えて月に一度同じ一枚を見る
よくある質問
経営者が「まだ全員自分で見たい」と言い、部門長への移行が進みません
移行を無理に進めず、「経営者が見る範囲」と「部門長に任せる範囲」を今の状態で線にします。「管理職と専門職は経営者、それ以外は部門長」のように、経営者が見たい範囲を残し、それ以外を部門長に渡します。経営者の面接の枠を週に固定し、代行がその枠に候補者を入れる形にすると、経営者が見る範囲でも候補者を待たせません。移行は、経営者の枠が埋まって候補者を失う場面が出てから、範囲を広げる形で進めます。同族・オーナー企業の体制が参考になり、同族・オーナー企業の採用体制の作り方に、急成長フェーズの体制は急成長フェーズの会社の採用体制の作り方に整理しています。
人事の中に設計者になれる人がいません
社内にいないなら、外から「設計者の役割」を一時的に入れる形があります。副業の人事経験者に、要件の整理と体制の設計と部門長との調整を週に数時間の形で担ってもらい、社内の人事は部門ごとの要件と判断の担当として育てます。代行会社に設計まで頼む形もありますが、代行会社の型で体制ができるので、社内に残る設計の力が育ちにくくなります。設計者を外から入れるなら、「社内の人事が設計者になるまで」と期間を決めます。体制の作り方は従業員三百名規模の会社の採用体制の作り方に、副業人材と代行会社の使い分けは副業人材と代行会社の使い分けに書いています。
紹介会社を減らすと、急ぎの採用が埋まらなくなりませんか
紹介会社をゼロにするのではなく、「急ぎで埋める職種」に絞ります。通年で募集している職種や、応募が来る職種は、媒体とスカウトと社員の紹介で採る仕組みを代行と作り、紹介会社は「急ぎ」「特殊」に限ります。仕組みが育つまでは紹介会社の比率が高くても構わず、月ごとに「紹介で決まった数」と「自力で決まった数」を一枚で見て、比率が動いているかを確かめます。紹介会社との条件の交渉は、決まる数が減る前に、人事の設計者が行います。紹介会社との折衝は人材紹介会社との折衝は代行に出せるかに、費用の構造は採用代行は月額型と成果報酬型のどちらが得かに整理しています。