採用代行 / 従業員300名規模の会社
従業員300名規模の会社の採用体制の作り方|社内に残す役割
従業員がおよそ三百名の規模の会社が採用代行を使うとき、決めるべきことは「小さい会社の体制と大企業の体制のどちらにするか」ではなく、「今、どこまで移ったかに線を引いて、線の中で代行を動かす」ことです。この規模は、経営者が全員を見る形から部門長が決める形へ、人事が一人で回す形から役割を分ける形へ、紹介会社に頼る形から自力で採る形へ、それぞれ移る途中にあります。途中の状態を途中のまま代行に渡すと止まり、線を引いて渡すと動きます。結論を先に書くと、社内に残す役割は「人事の設計者(一人)」「部門ごとの要件と判断の担当(残りの人事)」「判断の線を決める経営者と部門長」の三つで、代行には運用と、全社の数字を一枚にする役割を出します。この記事では、三つの役割の中身と、移行期の線の引き方、職種のグループ分け、紹介と自力の使い分けを整理します。失敗の形は従業員三百名規模の会社が採用代行で失敗するパターンに、会社の規模と代行の相性は会社規模と代行会社の相性に、代行の全体像は採用代行(RPO)とはにまとめています。
この規模で、採用に関わる人の役割はどう移っているか
体制を作る前に、この規模で採用に関わる人の役割が、どこからどこへ移っているかを見ます。
| 誰 | 小さかった頃 | 今(移る途中) | 移った先(大企業の形) |
|---|---|---|---|
| 経営者 | 全員を自分で面接し、全部を決める | 管理職と専門職は見るが、それ以外は部門長に任せ始めている | 方針と枠を決め、個別の判断は部門長 |
| 部門長 | 面接に呼ばれるだけ | 自分の部門の採用を決め始めているが、最終は経営者を通すこともある | 自分の部門の要件と判断を持つ |
| 人事 | 一人で全部を回す | 数名になったが、全員が運用担当のまま | 設計者と部門担当と運用に役割が分かれる |
| 経路 | 紹介会社と知人 | 紹介会社が中心、媒体は出しっぱなし | 自力(媒体、スカウト、社員の紹介)が中心、紹介は急ぎだけ |
| 数字 | 経営者の頭の中 | 部門ごとにばらばら | 全社で一枚 |
この表で見るべきは、「今」の列が、どの行も「途中」であることです。体制は、「今」の列を「移った先」に一気に変えるのではなく、「今」の列に線を引いて、その線の中で代行を動かし、線を少しずつ「移った先」に寄せていく形で作ります。
社内に残す役割一:人事の設計者(一人)
中身。人事の中で一人が運用から外れ、要件と体制と部門長との調整を持つ。代行に出す工程を決め、代行を管理する。職種をグループに分けて流れを作る。紹介と自力の使い分けを決め、紹介会社との条件を交渉する。全社の数字の一枚を、経営者と部門長に見せる。
誰が担うか。人事の責任者か、人事の中で部門長と話せる人です。この規模では、人事の責任者が運用も持っていることが多く、責任者を運用から外すことが最初の一歩になります。
なぜ残すか。設計者がいないと、代行に何をどう出すかを決める人がおらず、代行は人事の誰かの手足になって指示待ちで止まります。この規模で代行が効くかどうかは、設計者を一人置けるかで決まります。
時間の目安。運用から外れて空いた時間を、設計と部門長との調整に使います。週に一度の代行との定例、月に一度の全社の数字の場、要件を決めるときのまとまった時間です。人事が一人の会社の考え方が参考になり、人事が一人の会社の採用体制の作り方に、大企業の体制は大企業の採用体制の作り方に書いています。
社内に残す役割二:部門ごとの要件と判断の担当(残りの人事)
中身。担当する部門の部門長から「半年後にやってほしいこと」を聞き取り、要件にする。部門の面接官との調整。代行が出してきた候補者を「進めるか」と判断する(判断の線の中で)。部門長への報告。
誰が担うか。設計者以外の人事です。この規模では人事が数名なので、一人が複数の部門を持ちます。全員が運用担当だった状態から、部門担当に移ります。
なぜ残すか。部門ごとの要件と、部門長との関係は、人事にしか持てません。代行に渡すと、部門長は「人事が入れた代行」と思って協力せず、要件が既存の求人票のままになります。
時間の目安。運用を代行に出して空いた時間を、部門長との調整と要件に使います。週に一度、代行からの「進めるか」の判断をまとめて返す時間と、部門長への報告の時間です。要件の決め方は採用要件の定義を代行に出すに、現場への説明は現場に採用代行の導入を説明するに整理しています。
エラベルの見解
これをやる前に、先に決めておかないと効果が出ないことがあります。それは、人事の責任者を運用から外して設計者にする、と経営者が決めることです。相談で見ていると、この規模で代行が止まる会社は、人事の責任者が連絡と日程と媒体の運用を持ったまま代行を入れ、代行の管理がその上に乗って、責任者がさらに忙しくなり、設計も部門長との調整も進まない、という形になっています。逆に、経営者が「責任者は運用から外れて設計をしてほしい。運用は代行と残りの人事で回す」と決めた会社では、責任者が部門長と要件を詰め、代行に出す工程を決め、数字を全社で一枚にし、半年で体制が「移った先」に近づいています。
順番としては、まず経営者が責任者を設計者にすると決め、次に責任者が判断の線を経営者と部門長と一緒に引き、最後に代行に出す工程と職種のグループを決めてから、契約に進みます。この順番を逆にして、代行と契約してから設計者を置こうとすると、代行が指示待ちで止まっている間に月額が出ていきます。エラベルでは、依頼側が担当者の経歴を見て選ぶ仕組みなので、この規模の会社を支援してきた担当者が、契約の前に責任者を設計者にする形を経営者と一緒に整理するところから入っています。
社内に残す役割三:判断の線を決める経営者と部門長
中身。「この職種・この役職までは部門長が決める、ここからは経営者」と、判断の線を書面にする。部門長が決めた範囲を、経営者が後から止めない。線を、候補者を失う場面が出たときに見直して、部門長の範囲を広げる。人員の枠と条件の幅を、経営者が先に決める。
誰が担うか。経営者と部門長で、線を引く場を設計者が設けます。線は経営者が最終的に決めますが、部門長が「自分の部門はここまで決めたい」と言える場にします。
なぜ残すか。判断の線は、経営者と部門長の間の権限の話で、人事にも代行にも決められません。線がないと、代行は両方に確認して止まります。
時間の目安。線を引くときに一度、その後は見直しのときだけです。線の中の判断は、部門長は部門担当を通して週に一度、経営者は自分の範囲の面接の枠で行います。経営者に状況が伝わらないときは経営者に採用の状況が伝わらないに、経営者への説明は経営者に採用代行を説明するに書いています。
代行に出す工程と、職種のグループ分け・紹介と自力の使い分け
三つの役割を社内に残したうえで、代行に出す工程を、職種のグループと経路の使い分けと一緒に決めます。
| 工程 | 職種のグループとの関係 | 代行に出すか | 社内との線 |
|---|---|---|---|
| 連絡、日程調整、記録、進捗の一覧 | グループを問わず同じ形 | 出す。一つの代行が標準の形で | 「進めるか」は部門担当、日程は代行が面接官と直接 |
| 求人票の原稿 | グループごとに見る点と言葉が違う | 出す | 何を書くかは部門担当、候補者の言葉に直すのは代行 |
| 媒体の運用とスカウト | グループごとに経路が違う | 出す。グループごとに経路を決めて | 「誰に送るか」は部門担当、送る作業は代行 |
| 紹介会社との折衝 | 急ぎの職種だけ | 折衝は設計者、日々の連絡は代行 | 紹介と自力の使い分けは設計者 |
| 一次面接 | グループごとに見る点が違う | 部門担当が選んだグループから | 見る点は部門担当、最終は部門長か経営者(線に沿って) |
| 全社の数字の一枚 | 全社 | 出す。同じ項目で集める | 読むのは設計者、見る場は月に一度 |
職種のグループは、「経路と見る点が似ているもの」で二つか三つに分けます。営業と販売、技術と専門職、企画と管理、のような分け方で足りることが多く、全職種を別々にする必要はありません。紹介と自力の使い分けは、「急ぎ」と「特殊」を紹介、それ以外を自力とし、月ごとに比率を一枚で見ます。日程調整は面接の日程調整は代行に出せるかに、紹介会社との折衝は人材紹介会社との折衝は代行に出せるかに、社員の紹介はリファラル採用の設計は代行に出せるかに、定例で見る数字は採用代行との定例会で見るべき数字に整理しています。
エラベルの見解
外に出してよいのは、連絡・日程・記録・進捗・原稿・媒体の運用・スカウト・紹介会社との日々の連絡・一次面接(部門担当が選んだグループ)・全社の数字の一枚までで、「設計」「部門ごとの要件と判断」「判断の線」「紹介と自力の使い分けの判断」「紹介会社との条件の交渉」「最終の面接」は社内に残します。この規模は、人事が数名いるので、全部を社内で回そうとしがちですが、全員が運用担当のままだと設計者が生まれず、規模が大きくなるほど回らなくなります。出すのは、人事が設計者と部門担当に移るための運用です。
担当する側から見ると、この規模で結果が分かれるのは、担当者が「途中の状態を、途中のまま線にできるか」です。小さい会社の型で経営者に全部を聞く担当者は、部門長を飛ばして反発を招きます。大企業の型で人事に設計を求める担当者は、運用担当のままの人事が応えられずに止まります。「今はここまで部門長に移っている、人事の中で設計者はこの人、紹介はこの職種だけ」と、途中の状態を言葉にして線の中で動く担当者は、経営者と部門長と人事のそれぞれの役割を壊さずに採用を回し、半年で線を「移った先」に寄せられます。エラベルでは、依頼側が担当者を選べるので、契約の前の面談で「小さかった頃のやり方で、今も残っているものは何ですか」と聞いてくる担当者を選べば、この形になります。
まとめ
- 従業員三百名規模で社内に残す役割は、人事の設計者(一人)・部門ごとの要件と判断の担当(残りの人事)・判断の線を決める経営者と部門長の三つ
- 体制は、「今、どこまで移ったか」に線を引いて、線の中で代行を動かし、線を少しずつ「移った先」に寄せる形で作る
- 経営者が人事の責任者を運用から外して設計者にすると決めることが最初の一歩。これがないと代行は指示待ちで止まる
- 判断の線は、「この職種・この役職までは部門長、ここからは経営者」と書面にし、部門長が決めた範囲を経営者が後から止めない
- 職種は二つか三つのグループに分けて流れを作り、同じ形の運用は一つの代行が標準の形で回す
- 紹介は急ぎと特殊だけに絞り、自力で採る仕組みを代行と作り、比率を全社の一枚で月に一度見る
よくある質問
人事の責任者を運用から外すと、運用が回らなくなりませんか
運用が回らなくなるのは、責任者が持っていた運用を、誰にも渡さずに外した場合です。責任者が持っていた運用を代行と残りの人事で分け、代行が「部門をまたいで同じ形の運用」を標準の形で回す形にすれば、責任者が抜けた分は埋まります。外す前に、責任者の一週間の運用を一覧にし、それぞれを代行か残りの人事のどちらが持つかを決めてから外します。一度に全部を外さず、最も細切れな工程(連絡と日程)から外していく形でも構いません。人事が一人の会社の順番が参考になり、人事が一人の会社の採用代行に、社内の担当者を育てる考え方は社内の採用担当を育てるに整理しています。
部門長が「採用は人事の仕事」と思っていて、要件も判断も持ちたがりません
部門長に「要件と判断」を一度に渡そうとせず、まず「半年後にやってほしいこと」を三つ言葉にしてもらうところから始めます。部門担当がそれを聞き取って要件にし、部門長には「この要件で進めます」と確認だけを取ります。候補者が出てきたら、「進めるか」の判断を部門担当が案を付けて出し、部門長は「それでよい」と言うだけの形にします。判断を持つことの負荷を小さくすると、部門長は自分の部門の採用を自分ごとにし始めます。判断の線も、最初は経営者の範囲を広くしておき、部門長が慣れてから広げます。現場への説明は現場に採用代行の導入を説明するに、面接官の育て方は面接官トレーニングは代行に出せるかに書いています。
この規模で、新卒の採用も始めています。中途と同じ代行に出してよいですか
新卒は、時期に集中する量の工程(説明会、大量の応募の処理、段階ごとの連絡)が中心で、通年の中途の運用を持つ代行に、繁忙期の稼働の増減を契約に入れて出す形が合います。新卒だけを別の代行に出すと、手順を教え直し、記録の形もばらつきます。新卒の選考の基準と面接は社内が持ち、運営を代行に出します。新卒を始めたばかりの規模では、まず中途の運用を代行と回してから、次の新卒の時期に同じ代行で運営を足す順番が、設計者の負担を分散します。採用計画は採用計画の設計は代行に出せるかに、大企業の順番は大企業の採用代行に整理しています。