採用代行 / 従業員30名規模の会社
従業員30名規模の会社の採用体制の作り方|社内に残す役割
従業員がおよそ三十名の規模の会社が採用代行を使うとき、決めるべきことは「代行に何を任せるか」ではなく、「経営者の頭の中にある採用を、誰がどこまで引き受けるか」です。この規模は、専任の人事がおらず、経営者が求人票を書いて面接をして条件を決め、総務か経理を兼ねる一人が手続きを手伝い、現場にリーダーが出始め、採用は年に数名で断続的、という状態にあります。結論を先に書くと、社内に残す役割は「経営者」「兼務の窓口」「現場のリーダー」の三つで、経営者は要件の言葉と採るかどうかと条件を持ち、兼務の窓口は時間の枠と決めてよい範囲を持って代行との往復を受け、現場のリーダーは実務の見極めと「一緒に働く人」としての面談を持ちます。代行は、経営者の頭の中を紙にする手伝いと、紙の中で回る運用を引き取ります。この規模の体制は、常に動いている必要がなく、「欠員が出たら動かし、決まったら止め、止めても紙が残る」形にします。この記事では、三つの役割の中身と、経営者の頭の中を紙にする手順、代行に出す工程と残すものを整理します。失敗の形は従業員三十名規模の会社が採用代行で失敗するパターンに、専任の人事がいない会社の体制は専任の人事がいない会社の採用体制の作り方に、代行の全体像は採用代行(RPO)とはにまとめています。
この規模で、採用に関わる人の状態
体制を作る前に、この規模で採用に関わる人が、それぞれどんな状態にあるかを見ます。
| 誰 | 状態 | 採用に割ける時間の現実 |
|---|---|---|
| 経営者 | 全員を自分で採ってきた。要件は頭の中にあり、言葉にしたことがない | 営業や現場に出ていて、採用は空いた時間でやっている |
| 兼務の一人(総務・経理) | 手続きを手伝っている。判断の権限も時間の枠もない | 本業の締めの時期に採用が止まる |
| 現場のリーダー | 出始めたばかり。部下を選んだ経験がない | 面接に出る時間はあるが、「社長が決めること」と思っている |
| 既存のメンバー | 採る人と直接働く。新しい人が合わないと、辞めるか、辞めさせる | 採用に関わっていないが、結果を最も受ける |
この表から、この規模で最も貴重なのは経営者の時間で、最も曖昧なのは要件で、最も見落とされるのは「採る人が既存のメンバーと直接働く」ことです。体制は、この三つに合わせて、経営者の時間を要件と最終の判断に絞り、要件を紙にし、既存のメンバーと合うかを見る工程を持つ形で作ります。
社内に残す役割一:経営者
中身。要件を言葉にする(「半年後にやってほしいこと三つ」「これまで合わなかった人に共通していたこと二つ」「条件の幅」)。採るかどうかを決める。条件を決める。面接に出る枠を週に固定する。兼務の窓口に「週に何時間を採用に使うか」と「何を自分で決めてよいか」を渡す。止めるときに何を残すかを決める。
なぜ残すか。この規模で採るかどうかを経営者が決める形は自然で、変える必要はありません。変えるのは「頭の中で決める」形で、紙にした要件の中で決める形にします。紙にすると、兼務の窓口も代行もリーダーも、紙の中で動けます。要件を紙にする作業は、経営者にしかできません。
時間の目安。最初に一度だけ、要件を紙にする半日。その後は、週に固定した面接の枠と、週に一度の短い確認です。応募者への返信、日程、書類での見送りは、経営者の手から離します。経営者への確認は週に一度にまとめ、紙の外に出る候補者だけを経営者に聞く形にします。経営者への説明は経営者に採用代行を説明するに、要件の作り方は採用要件の定義は代行に出せるかに、専任の人事がいない会社の「決める人」は専任の人事がいない会社の採用体制の作り方に書いています。
社内に残す役割二:兼務の窓口
中身。代行との往復を受ける(日程の調整の確認、書類での見送りの判断、面接の案内、内定の後の手続き)。候補者の一覧を社内の共有の場所に持つ。経営者への確認を週に一度にまとめる。本業の締めの時期を代行に伝える。止めるときに、要件の紙、文面の型、候補者の一覧、記録を受け取って残す。
なぜ残すか。窓口がいないと、代行の確認が全部経営者に届き、経営者が営業に出ている間に採用が止まります。兼務の一人が窓口を持つことで、経営者は週に一度の確認だけで済みます。窓口は判断の仕事ではなく「返事をする」仕事で、基準を先に渡せば兼務でも務まります。
時間の目安。候補者がいる時期は週に数時間、いない時期はゼロです。「週に何時間を採用に使うか」を経営者が本業の側に伝えることが前提で、これがないと本業に押されて止まります。本業の締めの時期は、代行が経営者の枠に直接候補者を入れ、書類での見送りを先に決めた基準で進める形にして、窓口が止まっても採用が止まらないようにします。窓口が止まる失敗は専任の人事がいない会社が採用代行で失敗するパターンに、日程調整は面接の日程調整は代行に出せるかに整理しています。
エラベルの見解
これをやる前に、先に決めておかないと効果が出ないことがあります。それは、経営者が「要件を紙にする半日」を、代行と契約する前に取ることです。相談で見ていると、この規模で体制が回らない会社は、代行と契約してから「いい人を探して」と言い、代行が候補者を出すたびに経営者が「違う」と言い、何が違うかを言葉にできないまま数か月が過ぎています。逆に、契約の前に半日を取って「半年後にやってほしいこと三つ」「合わなかった人に共通していたこと二つ」「条件の幅」を書いた会社では、代行も窓口もリーダーもその紙の中で動き、経営者は紙の外に出る候補者だけを見ればよくなっています。
順番としては、まず経営者が半日で要件を紙にし、次に兼務の窓口に時間の枠と決めてよい範囲を渡し、最後にリーダーに「実務の見極め」と「一緒に働く人としての面談」の役割を伝えてから、代行の契約に進みます。この順番を逆にして、代行と契約してから役割を決めようとすると、代行の確認が経営者に集中し、経営者の時間が最初と変わらず、「代行を入れた意味がない」で終わります。エラベルでは、依頼側が担当者の経歴を見て選ぶ仕組みなので、この規模の会社を支援してきた担当者が、契約の前に経営者と半日を取って紙を作るところから入っています。
社内に残す役割三:現場のリーダー
中身。自分の部署の候補者に会い、実務ができるかを見る(見る点は経営者と決めた「半年後にやってほしいこと三つ」)。「一緒に働く人」として、候補者に部署の仕事と雰囲気を伝え、候補者の側の迷いを聞く。「進めるか止めるか」を一行の記録で残す。採るかどうかは経営者が決める。
なぜ残すか。三十名の会社では、採る人は既存のメンバーと毎日直接働きます。経営者だけが会って決めると、実務のずれと、既存のメンバーとの合わなさが、入社してから分かります。リーダーが会うことで、実務の見極めと、候補者の側の「この人たちと働けるか」の判断の両方が、入社の前に済みます。リーダーが部下を選ぶ経験を積むことは、次の規模(管理職が一次を持つ)への準備でもあります。
時間の目安。自分の部署に候補者がいるときだけ、面談の回数分です。日程は代行がリーダーの予定に直接入れ、リーダーは当日会うだけにします。見る点と記録の型は代行が作り、最初の一、二回は経営者か代行が同席します。リーダーが「社長が決めること」と思っているなら、経営者が「実務ができるかと、一緒に働けるかは、あなたが見てほしい」と言葉で伝えます。現場への説明は現場に採用代行の導入を説明するに、面接官の育て方は面接官トレーニングは代行に出せるかに、一次面接は一次面接は代行に出せるかに書いています。
代行に出す工程と、止めても残るものの作り方
三つの役割を社内に残したうえで、代行に出す工程と、「欠員が出たら動かし、決まったら止め、止めても紙が残る」形の作り方を決めます。
| 工程 | 代行に出すか | 社内との線 | 止めるときに残すもの |
|---|---|---|---|
| 要件を紙にする | 経営者の半日に代行が同席し、聞き出して整える | 中身は経営者。代行は問いと整理 | 要件の紙 |
| 求人票と文面 | 出す(紙をもとに書く) | 経営者が一度だけ確認 | 求人票の原稿、連絡の文面の型 |
| 応募者への連絡、書類での見送り | 出す | 見送りの基準は紙の中。紙の外は窓口か経営者 | 見送りの基準 |
| 面接の日程調整 | 出す | 経営者の枠は週に固定、リーダーの予定に直接入れる | 経営者の枠の運用 |
| 面接の記録 | 出す(型の作成と記入) | リーダーは一行、経営者は口頭を代行が記録 | 一行の記録の型と記録 |
| 媒体、スカウト、紹介会社との連絡 | 出す | 媒体は一つに絞る。紹介は急ぎのときだけ。条件の交渉は経営者 | 媒体の原稿、スカウトの文面、紹介会社への依頼書 |
| 候補者の一覧 | 代行が作り、窓口が社内の共有の場所に持つ | 窓口が持つ | 候補者の一覧 |
| 内定の後の連絡と手続きの案内 | 出す | 手続きの中身は窓口 | 内定から入社までの一覧 |
止めても残る形の要点は、「代行の手元にあるものを、契約の途中から社内の共有の場所に置く」ことです。契約が終わってから引き継ぐのではなく、要件の紙、候補者の一覧、記録を、最初から社内の場所に置いて代行が更新する形にすると、止めた日にそのまま残ります。次の欠員のときは、残した紙を代行に渡すところから始められ、経営者の半日は要らなくなります。契約の形も、「決まったら止める」を前提に、期間を区切る形や、候補者がいるときだけ動く形を、契約の前に聞いておきます。残す資料は引き継ぎ資料に含める内容に、やめる判断は採用代行をやめる判断のタイミングに、契約で確認する項目は採用代行の業務委託契約書で確認する10項目に整理しています。
エラベルの見解
外に出してよいのは、要件を紙にするときの問いと整理・求人票と文面・連絡と書類での見送り・日程・記録の型と記入・媒体とスカウトと紹介会社との連絡・候補者の一覧の作成・内定の後の連絡までで、「要件の中身」「採るかどうかと条件」「見送りの基準の外の判断」「実務の見極めと一緒に働けるかの判断」「紹介会社との条件の交渉」は社内に残します。この規模は社内に人事がいないので、要件の中身も代行に決めてほしくなりますが、代行が決めた要件で採った人が合わなかったとき、経営者は「代行のせい」と言うしかなく、次に活かせません。要件は経営者が言葉にし、代行はそれを聞き出して整えるところまでにします。
担当する側から見ると、この規模で結果が分かれるのは、担当者が「常に動く体制」ではなく「動かしたり止めたりできる体制」を作れるかです。人事が数名いる会社の型で、毎週の定例と毎月の報告を持ち込む担当者は、年に数名の採用でこの規模を疲れさせ、費用に見合わないと言われて止められ、紙も残りません。要件の紙と候補者の一覧を最初から社内の場所に置き、候補者がいるときだけ動き、決まったら止めて、次の欠員のときは紙を渡すところから再開する形を作る担当者は、二回目以降の経営者の時間を減らし、「また頼みたい」と言われます。エラベルでは、依頼側が担当者を選べるので、契約の前の面談で「決まったら止めて構いません。止めるときに残すものを先に決めましょう」と言ってくる担当者を選べば、この形になります。
まとめ
- 従業員三十名規模で社内に残す役割は、経営者(要件の言葉と採るかどうかと条件)・兼務の窓口(時間の枠と決めてよい範囲を持ち、代行との往復を受ける)・現場のリーダー(実務の見極めと一緒に働く人としての面談)の三つ
- 体制の目的は、経営者の頭の中にある採用を紙にし、紙の中で窓口と代行とリーダーが動けるようにすること。経営者は紙の外に出る候補者だけを見る
- 最初の一歩は、代行と契約する前に、経営者が半日で要件を紙にすること。「半年後にやってほしいこと三つ」「合わなかった人に共通していたこと二つ」「条件の幅」
- 兼務の窓口には、週に何時間を採用に使うかと、何を自分で決めてよいかを経営者が渡す。本業の締めの時期は代行が止めずに進める形にする
- リーダーは、実務ができるかと、一緒に働けるかを見る。採る人は既存のメンバーと直接働くので、この工程を飛ばさない
- 体制は「欠員が出たら動かし、決まったら止め、止めても紙が残る」形にする。要件の紙・候補者の一覧・記録は、最初から社内の共有の場所に置く
よくある質問
経営者が「要件を紙にする」のを面倒がって、「いい人を探して」で済ませようとします
紙にするのは経営者の仕事ですが、白紙に書いてもらう必要はありません。代行か窓口が、「前に採ってうまくいった人は、入って半年で何をしていましたか」「合わなかった人は、どこが違いましたか」「給与はどこまで出せますか」と聞き、経営者が話した言葉をその場で紙にします。経営者が書くのではなく、話して、書かれたものを直す形なら、半日で済みます。「いい人」を「半年後にこれができる人」に置き換えるだけで、代行の集め方も、リーダーの見る点も、決まります。要件の作り方は人事の採用要件の作り方に、経営者に状況を出す形は経営者に採用の状況が伝わらないに整理しています。
リーダーが「自分が候補者を見るのは荷が重い」と言います
リーダーに頼むのは「採るかどうか」ではなく、「実務ができそうか」と「一緒に働けそうか」の二つを見て、一行で残すことだけです。採るかどうかは経営者が決める、と経営者の口から伝えます。見る点を「半年後にやってほしいこと三つ」に絞り、最初の一、二回は経営者か代行が同席すれば、面接の経験がなくても務まります。リーダーの側にも、「自分と一緒に働く人を、自分の目で見た」という納得が残り、入社後の受け入れが変わります。現場への説明は現場に採用代行の導入を説明するに、現場の負担の設計は現場が採用に協力してくれないに書いています。
会社が大きくなって専任の人事を置いたら、この体制はどう変わりますか
三つの役割のうち、兼務の窓口が持っていたものと、経営者が持っていた要件の言葉にする作業が、専任の人事に移ります。経営者は採るかどうかと条件を持ち続け、リーダーは一次を持つ管理職になります。このとき、残しておいた要件の紙、候補者の一覧、記録、文面の型が、専任の人事の最初の材料になり、ゼロから作らずに済みます。専任を置いた直後は、専任の人事に運用と代行の管理の全部を乗せないことが要点で、その形は次の規模の記事に書いています。次の規模の体制は従業員百名規模の会社の採用体制の作り方に、専任を置いた会社の順番は従業員百名規模の会社の採用代行に、規模と代行の相性は会社規模と代行会社の相性に整理しています。