採用代行 / 従業員30名規模の会社

従業員30名規模の会社が採用代行で失敗するパターン

公開 2026-09-22

従業員がおよそ三十名の規模の会社は、経営者が一人で採用を持ちきれなくなる最初の規模です。専任の人事はいない、経営者が求人票を書いて面接をして条件を決めている、総務か経理を兼ねる一人が手続きを手伝っている、現場にリーダーが出始めた、採用は年に数名で断続的、一人採るかどうかが会社の一年を左右する。この状態で採用代行を使うと、十名以下の会社にも百名の会社にも起きない失敗の形が出ます。結論を先に書くと、この規模の失敗は「経営者の頭の中にある採用を、言葉にも紙にもしないまま代行に出す」ことから起きます。経営者が窓口も判断も要件も持ったままだと、代行は経営者を待ち、兼務の一人は板挟みになり、一人の採用が外れたときに何が悪かったか誰にも分かりません。代行に出す前に、「経営者が持つものと、兼務の一人が持つものと、代行に渡すもの」を紙に分けておけば、失敗の大半は避けられます。この記事では、五つのパターンを、症状・原因・先に打つ手の順に整理します。専任の人事がいない会社の失敗は専任の人事がいない会社が採用代行で失敗するパターンに、次の規模の失敗は従業員百名規模の会社が採用代行で失敗するパターンに、代行の全体像は採用代行(RPO)とはにまとめています。

失敗のパターン一:経営者が窓口も判断も持ったままで、代行が経営者を待つ

症状。代行からの確認(この候補者を進めてよいか、面接の日程はいつか、求人票の文言はこれでよいか)が全部経営者に届く。経営者は営業や現場に出ていて、返事が数日遅れる。代行は待ち、候補者も待ち、待っている間に他社に決まる。経営者は「代行を入れたのに、自分の仕事が減らない」と感じる。

原因。この規模の経営者は、採用を自分の仕事だと思っていて、それ自体は間違いではありません。ただ、「決める」と「窓口になる」は別の仕事で、経営者が両方を持つと、決める前に窓口で止まります。代行の側も、社内に他の窓口がないので経営者に聞くしかありません。

先に打つ手。代行を入れる前に、経営者が持つものを「採るかどうか」「条件」「要件」の三つに絞り、それ以外の確認は兼務の一人か代行が受ける形にします。経営者への確認は週に一度にまとめ、「この候補者を進めてよいか」は、経営者が最初に決めた要件の中で兼務の一人が判断できるようにします。経営者が面接に出る枠を週に固定し、代行がその枠に候補者を入れます。窓口の作り方は専任の人事がいない会社の採用体制の作り方に、経営者への説明は経営者に採用代行を説明するに整理しています。

失敗のパターン二:兼務の総務に窓口が乗って、本業に押される

症状。経理や総務を兼ねる一人が代行の窓口になる。月末や締めの時期に本業が重なり、代行への返事が止まる。代行から「確認をお願いします」が溜まり、兼務の一人は「言われたことだけ返す」ようになる。候補者の情報が兼務の一人の手元で止まり、経営者は状況を知らない。

原因。兼務の一人には、採用の判断の権限も、採用に使う時間の枠も、与えられていません。「窓口をお願い」とだけ言われ、本業の合間で対応しています。代行の側は、窓口が返事をしないと動けない設計になっていて、止まった責任が兼務の一人に向きます。

先に打つ手。兼務の一人に窓口を頼むなら、「週に何時間を採用に使うか」を経営者が決めて本業の側に伝え、「何を自分で決めてよいか」(日程の調整、書類での見送り、面接の案内)を紙にして渡します。代行には「窓口の本業が重なる時期」を最初に伝え、その時期は代行が候補者への連絡を止めずに進められる形(経営者の枠に直接入れる、見送りの基準を先に決めておく)にします。窓口が止まったときに代行が誰に聞くか(経営者)も決めておきます。窓口が止まる失敗は専任の人事がいない会社が採用代行で失敗するパターンに、現場との関係は現場が採用に協力してくれないに書いています。

エラベルの見解

同じ料金・同じ業務範囲でも、この規模で結果が分かれるのは、担当者が「経営者に聞く回数を減らす設計」を最初に作れるかどうかです。経営者を待つ失敗と兼務の一人が押される失敗は、どちらも「代行が確認を出す→社内が返す」の往復が多すぎることから起きています。相談で見ていると、うまくいく担当者は、契約の前に経営者と一度だけ長い時間を取り、「どんな人なら採るか、どんな人は見送るか、条件の幅はどこまでか」を聞き出して紙にし、その後は紙の中で自分で判断して進め、紙の外に出る候補者だけを経営者に聞きます。往復が週に一度で済むので、経営者は営業に出ていても採用が進みます。

逆に、「候補者が来るたびに経営者に確認する」担当者は、丁寧に見えて、この規模では止まります。契約の前の面談で「社長にはどれくらいの頻度で確認しますか」と聞いて、「最初に基準を決めさせてもらえれば、週に一度です」と答える担当者と、「その都度ご確認いただきます」と答える担当者では、半年後の状態が違います。エラベルでは、依頼側が担当者の経歴を見て選ぶ仕組みなので、小さい会社で経営者の時間を使わずに回してきた担当者を、最初から選べます。

失敗のパターン三:年に数名の採用に、大きい会社向けの型が持ち込まれる

症状。代行が、採用管理システムの導入、週次の定例、指標の一覧、月次の報告書、面接官の手引きを持ち込む。年に数名の採用に対して、社内が対応する手間のほうが大きい。経営者は「うちにはここまで要らない」と感じつつ、代行に言えず、費用に見合っていない気がして続けるか迷う。

原因。代行の型は、人事が数名いる会社で回るように作られていることが多く、そのまま持ち込まれると、この規模では型を回す手間が採用の手間を上回ります。代行の側は「仕組みを入れるのが仕事」と考えていて、規模に合わせて削る発想がありません。

先に打つ手。契約の前に、「うちは年に数名の採用で、断続的に動く」と伝え、代行が持ち込む仕組みの一つひとつに「何のためにあるか」を聞きます。この規模で要るのは、要件の紙、候補者の一覧(表計算で足りる)、面接の一行の記録、週に一度の短い確認の四つで足りることが多く、それ以外は断ってよいものです。定例は「候補者がいるときだけ」で構いません。仕組みの重さを断る判断は中小企業に向く採用代行の条件に、定例の持ち方は定例会の設計に、採用管理システムはATS(採用管理システム)の運用は代行に出せるかに整理しています。

失敗のパターン四:要件が経営者の頭の中にあり、一人の採用が外れて止まる

症状。経営者が「うちに合う人」「一緒にやっていける人」と言い、代行はそれを求人票にできない。代行が集めた候補者に経営者が「違う」と言い続ける。ようやく一人採ったが、数か月で辞めるか、現場と合わない。三十名の会社で一人が外れると、その部署の仕事が止まり、経営者は「代行のせいだ」と感じ、代行は「要件が決まっていなかった」と感じて、契約が終わる。

原因。この規模では、経営者が全員を自分で採ってきたので、要件が経営者の頭の中にあり、言葉にする必要がありませんでした。代行に出すには言葉にする必要があり、そこを飛ばすと、代行は求人票の文言から想像して集めるしかありません。一人の重みが大きいのに、要件が最も曖昧な規模です。

先に打つ手。代行を入れる前に、経営者が「この人に半年後にやってほしいこと」を三つ書き、「これまで採って合わなかった人に共通していたこと」を二つ書きます。「うちに合う」を、この五つの言葉に置き換えます。代行には、この五つを見せてから求人票を書いてもらい、集めた候補者を「五つのうちどれに当てはまるか」で経営者に出してもらいます。一人が外れたときは、「五つのどれを見落としたか」で振り返り、紙を直します。要件の作り方は採用要件の定義は代行に出せるかに、必須と歓迎の分け方は人事の採用要件の作り方に書いています。

失敗のパターン五:採用が決まった瞬間に止めて、次の欠員でゼロから始める

症状。一人決まったので代行を止める。半年後に別の部署で欠員が出て、また代行を探し、また経営者から要件を聞き直し、また求人票を書き直す。前回の候補者の記録も、面接で見た点も、どこにもない。毎回、最初からやり直しになり、毎回、経営者の時間が最初と同じだけかかる。

原因。年に数名で断続的な採用は、この規模の実態で、決まったら止めるのは費用の判断として自然です。問題は、止めるときに「何を残すか」を決めていないことで、代行の手元にあった要件の紙、文面の型、候補者の記録が、契約と一緒に消えます。

先に打つ手。契約の前に、「決まったら止める。止めるときに、要件の紙、求人票の原稿、連絡の文面の型、候補者の一覧、面接の記録を、社内の共有の場所に残す」と決めておきます。次の欠員のときは、残した紙を代行に渡すところから始めれば、経営者の時間は最初の三分の一もかかりません。「決まったら止める」を前提にした契約(期間を区切る、成果報酬の形にする)を最初から選ぶことも、この規模では現実的です。やめる判断は採用代行をやめる判断のタイミングに、残す資料は引き継ぎ資料に含める内容に、月額と成果報酬の違いは採用代行は月額型と成果報酬型のどちらが得かに整理しています。

エラベルの見解

これをやる前に、先に決めておかないと効果が出ないことがあります。それは、代行と契約する前に、経営者が「採るかどうか・条件・要件の五つの言葉」だけを持ち、「日程・連絡・書類での見送り・候補者の一覧」を兼務の一人と代行に渡す、と自分で決めることです。五つのパターンは、全部この線が引かれていないことから起きています。経営者を待つ失敗は線がなくて経営者に全部が届き、兼務が押される失敗は線がなくて兼務の一人が何を決めてよいか分からず、重い型の失敗は線がなくて代行の型がそのまま入り、要件の失敗は経営者が持つべき要件が言葉になっておらず、ゼロから始める失敗は渡したものが契約と一緒に消えるからです。

線を引くのに要るのは、経営者の時間で一度だけ、半日です。「半年後にやってほしいこと三つ」「合わなかった人に共通していたこと二つ」「条件の幅」「自分が面接に出る枠」「止めるときに残すもの」を書けば、代行はその中で動けます。この半日を惜しんで代行に「いい人を探して」と言うと、経営者の時間はその後の半年で何倍もかかります。エラベルでは、依頼側が担当者を選べるので、契約の前の面談でこの半日を一緒に取り、経営者の頭の中を紙にするところから入る担当者を選べます。

まとめ

よくある質問

三十名で採用代行を使うのは、早すぎませんか

規模で決まるものではなく、「経営者の時間が採用で止まっているか」で決めます。経営者が求人票を書き、応募者に返信し、日程を組み、面接をして、条件を決める、を一人で持っていて、そのせいで営業や現場の時間が削られているなら、規模に関わらず出す価値があります。逆に、年に一人で経営者が困っていないなら、要りません。出す場合も、全部を出すのではなく、経営者が持つ「採るかどうか・条件・要件」以外の運用だけを出す形が、この規模の使い方です。人事が一人もいない会社の考え方は専任の人事がいない会社の採用代行に、規模と代行の相性は会社規模と代行会社の相性に整理しています。

兼務の一人に窓口を頼める人がいません。経営者が窓口をやるしかないですか

経営者が窓口を持つなら、「経営者に届く確認を週に一度にまとめる」と代行に頼み、日程と連絡と書類での見送りは代行が基準の中で進める形にします。窓口の仕事の大半は、判断ではなく「返事をする」ことなので、基準を先に渡せば代行が引き取れます。経営者に残るのは、週に一度の確認と、週に固定した面接の枠だけになります。現場のリーダーが育っているなら、自分の部署の候補者の一次と日程をリーダーに持ってもらう形もあります。役割の兼ね方は専任の人事がいない会社の採用体制の作り方に、副業の人事経験者に窓口を頼む形は副業人材に採用業務を委託するときの実務に書いています。

一人採るために月額を払うのは、紹介会社のほうが安いのではないですか

一人だけを一度だけ採るなら、紹介会社のほうが分かりやすいことは多くあります。代行が向くのは、「年に数名を断続的に採り、毎回、経営者の時間が最初と同じだけかかっている」場合で、要件の紙や文面の型を残すことで、二回目以降の経営者の時間が減ることに価値があります。月額と成果報酬のどちらが合うかは、年に何名を、どれくらいの間隔で採るかで変わります。契約の前に、期間を区切る形や、決まったら止める前提の形を聞いてみてください。代行と紹介の違いは採用代行と人材紹介の違いに、費用の聞き方は費用について商談で聞く質問に、成果の定義は成果報酬型の「成果」の定義でもめない書き方に整理しています。