採用代行 / 採用の課題
日程調整が遅くて候補者が流れる|「往復の回数」と「社内で止まる日数」を数えて、先に枠を空ける
応募が来た。書類も通った。面接の日程を調整し始めて、決まったのは十日後、面接は三週間先。その間に、候補者から「他社に決まりました」。日程調整の遅さで、候補者を失う形は、応募が来ない問題より見えにくく、損失は大きい。結論を先に書くと、日程調整が遅いのは、候補者の都合ではなく、候補日を出すまでに社内で止まる日数と、候補者との往復の回数で決まります。面接者の枠を先に空け、担当者がその枠から候補日を即答できる形にすれば、日程調整は往復一回、数日で終わります。面接の欠席は面接のドタキャン・無断欠席を減らすに、面接官が足りない場合は面接官が足りないにまとめています。
日数が消える場所を数える
日程調整の遅さは、感覚ではなく、日数で数えます。応募(または返信)から面接までを、次の段階に分けます。
一.応募から、社内が候補日を出すまで。 応募を受け、書類を見て、面接者の予定を確認し、候補日を候補者に送るまで。ここで、面接者の予定確認に数日、承認に数日、が消えることが多い。
二.候補日を送ってから、候補者が返事をするまで。 候補者の都合。候補日が一つしか無ければ、合わないときに往復が増える。
三.候補者の返事から、確定まで。 候補者の希望を社内で確認し、確定を伝えるまで。ここでも、面接者の予定の再確認で数日が消える。
四.確定から、面接当日まで。 候補日が「来週以降」なら、確定しても面接は一週間以上先。
直近の面接十件について、四つの段階の日数を並べます。多くの場合、一と三で、社内の予定確認と承認の往復に日数が消えています。候補者の都合(二)は、往復が一回なら数日です。
面接者の枠を先に空ける
日数が消える最大の場所は、「候補日を出すために、面接者の予定を確認する」ことです。都度確認するから遅い。先に空けておけば、確認は要りません。
週の決まった時間を、面接用に予定表で塞ぐ。 「火曜と木曜の午後、各二枠」のように。候補者が進んだら、その枠から候補日を出す。
枠の数は、月の面接の見込みから。 月に八件の面接があるなら、週に二枠。多すぎれば減らし、足りなければ増やす。
枠が使われなかった週は、面接者は本業に戻せる。 空けた枠が使われないことの損失は、実質的に無い。空けていなくて候補者を失う損失のほうが、はるかに大きい。
面接者に、枠を空ける理由を伝える。 「都度確認すると、候補日を出すまでに三日かかり、その間に候補者が離れる」。数字で伝える。現場が面談に出てくれないは依頼側向けの記事ですが、面接者の説得でも同じです。
枠の変更は、月に一度。 面接者の都合で枠を動かすのは、月に一度まとめて。都度動かすと、枠の意味が無くなる。
枠が先に空いていれば、担当者は候補日を「その場で」出せます。社内で止まる日数が、ゼロになります。
候補日の出し方
枠が空いていても、候補日の出し方で往復が増えます。
こちらから、複数出す。 「ご都合の良い日時を教えてください」ではなく、「来週の火曜十四時、木曜十時、木曜十五時のいずれかで」と三つ。候補者に候補を出してもらう形は、往復が増える。
今週と来週を混ぜる。 候補日が全部来週以降なら、面接は一週間以上先。今週の枠が一つでも入っていれば、早ければ数日で面接できる。
オンラインを既定にする。 対面は、移動と場所で候補日が絞られる。一次はオンライン、最終は対面。
合わなければ、翌日には次を出す。 三つとも合わなかったら、翌日に次の三つ。「社内で確認します」で数日空けない。
候補者の希望の時間帯を、最初に聞く。 「平日の日中と夜、週末のどれが動きやすいですか」。在職中の候補者は、平日の日中が難しい。聞いてから候補日を出せば、合う確率が上がる。
確定の連絡は、その日のうちに。 候補者が「火曜十四時で」と返したら、その日のうちに「確定しました」。翌日以降に回すと、候補者は不安になる。
候補日の出し方の要は、「候補者に考えさせない」ことです。選ぶだけで済む形なら、往復は一回で終わります。
日程調整を担う人と裁量
日程調整を、誰が、どこまでの裁量で担うかを決めます。
担う人を一人にする。 採用担当か、代行の担当者。複数の人が候補者と連絡すると、情報が分かれ、往復が増える。
枠から候補日を出す裁量を渡す。 「空いている枠から、候補者に候補日を出し、確定してよい」。都度の承認は要らない。承認が要ると、社内で止まる日数が戻る。
確定した日程を、面接者の予定表に入れる権限。 担当者が入れるか、窓口に連絡して入れてもらうか。連絡して入れてもらう形なら、その日のうちに。
枠の外には入れない、というルール。 面接者が安心して枠を渡せるように。枠の外に入れたい場合は、面接者に確認。
候補者からの変更の窓口。 「都合が悪くなったら、こちらへ」を、候補者に明示。変更の連絡が来たら、担当者が枠から次を出す。
代理を決める。 担当者が休みの日に、誰が候補日を出すか。代理がいなければ、その日の返信が翌日に回る。
裁量が無い担当者は、候補日を出すたびに社内を待ちます。裁量があれば、その場で出せます。
エラベルの見解
相談で最も多い失敗は、「日程調整が遅いのは候補者の都合だと思っていた」というものです。日数を数えると、応募から候補日を出すまでに社内で四日、候補者の返事に二日、確定の社内確認で三日、面接は確定から十日後。候補者の都合は二日で、社内で止まっていたのが七日でした。面接者の枠を先に空け、担当者に候補日を出す裁量を渡したら、応募から面接まで一週間以内になりました。
見ていて差がつくのは、担当者が「日数を数えている」かどうかです。「遅い気がする」と言う担当者と、「応募から候補日まで四日、確定まで三日。社内で止まっています」と言う担当者がいます。後者は、止まっている場所を示せるので、社内が動きます。
発注側にできるのは、直近の面接十件について、四つの段階の日数を担当者に出してもらうことです。どこで消えているかが見えれば、直す場所は一つです。
複数の面接者がいる場合
面接者が複数いると、日程調整は難しくなります。全員の予定を合わせようとするからです。
段階ごとに面接者を分ける。 一次は一人、二次は別の一人、最終は責任者。段階ごとの日程は、一人の枠で決まる。同席は最終だけに。
面接者ごとに枠を空ける。 一次の面接者の枠、二次の面接者の枠。担当者は、それぞれの枠から候補日を出す。
同席が要る段階は、枠を先に合わせておく。 最終で二人が同席するなら、二人の枠を月に一度合わせて、同席の枠を作っておく。
一次から最終までを、短い間隔で。 一次の枠と二次の枠が、一週間以内に来るように設計。一次から二次まで三週間空くと、候補者は離れる。
同じ日に二段階をまとめる形。 一次と二次を、同じ日の連続した時間で。候補者の負担も、日程調整の回数も減る。
複数の面接者がいても、段階ごとに一人の枠で決めれば、日程調整は複雑になりません。
日程調整の速さを保つ運用
一度速くなっても、運用の中で戻ります。保つ形です。
月に一度、四つの段階の日数を見る。 遅くなっていれば、どこで止まっているか。
枠の使用率を見る。 枠が埋まりきっているなら、枠を増やす。空きが多いなら、減らす。
面接者が替わったら、枠を組み直す。 新しい面接者の枠を、最初の週に。
繁忙期の前に、枠を厚くする。 応募が増える時期は、面接も増える。事前に枠を増やす。
担当者が替わったら、裁量を引き継ぐ。 「枠から候補日を出してよい」を、新しい担当者にも。
候補者からの「遅い」の声を記録する。 「もう他社に決まった」「返事が遅くて」。声があれば、日数を見直す。
速さは、仕組みで保ちます。担当者の頑張りで保つと、担当者が替わったときに戻ります。
エラベルの見解
担当する側から見ると、日程調整で最も消耗するのは「候補者に候補日を約束できず、待たせている間に他社が決まる」ことです。候補者から「いつ頃になりそうですか」と聞かれ、社内からは返事が無い。担当者は「調整中です」としか言えず、候補者の熱は冷める。
この状態は、担当者の力では変えられません。枠が空いていなければ、候補日は出せません。裁量が無ければ、確定できません。
発注側にできるのは、担当者が待たなくて済む状態を作ることです。枠を空け、裁量を渡す。それだけで、担当者は候補者の返信に「では来週の火曜十四時はいかがですか」と即答でき、即答できる会社は、取り合いで勝ちます。
まとめ
- 日数が消える場所は応募→候補日・候補日→返事・返事→確定・確定→当日の四つ。多くは社内で止まっている
- 面接者の枠を先に空ける。週の決まった時間を予定表で塞ぎ、枠の数は月の面接の見込みから
- 候補日はこちらから三つ・今週と来週を混ぜ・オンライン既定・合わなければ翌日・希望の時間帯を先に聞き・確定はその日のうちに
- 担う人は一人、枠から候補日を出して確定する裁量を渡す。枠の外には入れない
- 面接者が複数なら段階ごとに一人の枠で。同席は最終だけ、間隔は一週間以内、同じ日にまとめる形も
- 月に一度、日数と枠の使用率を見る。面接者や担当者が替わったら枠と裁量を引き継ぐ
- 担当者が待たなくて済む状態が、候補者を待たせない状態
よくある質問
面接者が忙しく、枠を空けてもらえません
週に一枠、三十分からで構いません。都度確認すると候補日を出すまでに数日かかり、その間に候補者が離れる、という事実を、日数で示してください。空けた枠が使われなければ本業に戻せるので、実質的な損失はありません。直近の面接十件の日数を出して、「社内で止まっている日数」を見せると、動きやすくなります。
候補者の返事が遅くて、日程が決まりません
候補日を三つ出し、候補者の希望の時間帯を先に聞いていれば、多くは一往復で決まります。それでも返事が遅い候補者は、温度が下がっているか、他社が進んでいるかです。「ご都合が難しければ、来週以降で改めて」と、期限と次を示して、返事を待ちます。追いかけ続けず、返事が無ければ一度だけ確認して終わります。
日程調整を代行に出したいのですが、社内の予定を渡すのが不安です
面接者が先に空けた枠だけを担当者に渡し、「枠の外には入れない」をルールにすれば、社内の予定が勝手に埋まることはありません。担当者は枠の中で候補日を出し、確定した日程を面接者の予定表に入れる(か、窓口に連絡する)だけです。裁量が無いと、担当者は候補日を出すたびに社内を待ち、日数が戻ります。