採用代行 / 採用の課題

媒体を増やしすぎて管理できない|増やした媒体を減らし、残す媒体の運用を一枚に揃える

公開 2026-09-13

応募が来ないから、媒体を足す。営業に勧められて、もう一つ足す。前任者が契約した媒体も残っている。気づけば五つも六つも動いていて、どこにどの求人を出しているか、誰が管理画面を見ているか、分からない。応募が来ているのに一週間気づかない媒体がある。結論を先に書くと、媒体が増えすぎたときは、足すのをやめて、棚卸しをして、自社の記録で効いていない媒体を減らし、残す媒体の運用を一枚の型に揃えます。媒体の数より、一つの媒体に手間をかけられるかどうかが、応募の質を決めます。媒体の選び方はどの媒体を使えばよいか分からないに、媒体ごとの費用の見方は媒体費と代行費を分けて見るべき理由にまとめています。

媒体が増えすぎた会社で起きていること

媒体が多すぎる会社では、次のことが起きています。

起きていること背景
応募の見落とし管理画面が六つあり、毎日全部を見る人がいない。応募が来て一週間放置
返信の遅れと不揃い媒体ごとに返信の文が違う、速さも違う。候補者から見て対応が雑
同じ候補者が複数の媒体から応募重複に気づかず、別々に対応。候補者は「管理できていない会社」と見る
求人票の内容が媒体ごとにずれる一つの媒体で直した求人票が、他の媒体では古いまま。条件が違う
契約の自動更新使っていない媒体が更新され、費用だけ出ている
どの媒体が効いているか分からない記録が無く、「なんとなく続けている」
管理する人の手間が、応募の対応に回らない管理画面を回るだけで時間が消え、候補者への対応が後回し

媒体を足すのは簡単で、減らすのは決断が要ります。足すたびに、管理の手間が積み上がっています。

棚卸しの手順

減らす前に、何があるかを把握します。

契約している媒体を、全部書き出す。 経理の支払いの一覧、契約書、管理画面のログイン情報、前任者のメール。「契約しているつもりが無かった媒体」が、ここで見つかります。

媒体ごとに、記録を集める。 掲載中の求人、掲載の期間、費用、契約の期限と更新の条件、担当者の連絡先、管理画面を見ている人、応募の数、面接に進んだ数、内定の数。数字は自社の記録と、媒体の管理画面の記録から。

過去半年〜一年の記録で見る。 直近の一か月だけでは、たまたま応募が無かった媒体を誤って切ります。過去半年〜一年で、面接に進んだ人と内定が出た人が、どの媒体から来たかを見ます。

一枚の表にする。 媒体名、種類、掲載中の求人、費用、期限、担当者、管理者、応募、面接、内定。この表が、減らす判断の材料です。

棚卸しに要るのは、一週間ほどです。棚卸しをしないまま「減らそう」とすると、効いている媒体を切り、効いていない媒体が残ります。

減らす基準

棚卸しの表を見て、減らす媒体を決めます。

面接に進んだ人が、過去半年でいない媒体。 応募があっても、面接に進む人がいなければ、届けたい相手が来ていません。切る候補の第一です。

同じ種類の媒体が複数ある。 総合型が三つ、のように同じ種類が重なっていれば、面接に進んだ数の多いほうを残し、他は切ります。

管理する人がいない媒体。 誰も管理画面を見ていない媒体は、応募が来ても対応できていません。管理する人を付けられないなら、切ります。

求人票が更新されていない媒体。 半年以上、求人票が古いままの媒体は、放置されています。更新して続けるか、切るかを決めます。

費用に対して、面接に進んだ数が少ない媒体。 自社の記録で、媒体ごとの「面接一件あたりの費用」を出します。極端に高い媒体は、切る候補です。数字は社内の記録だけを使います。

契約の期限が近い媒体から、順に判断する。 更新の期限が来る媒体から、続ける・切るを決めます。期限を過ぎて自動更新されると、また一年動きます。

減らす目安は、「管理できる数まで」です。管理する人が一人なら、二〜三個。それ以上は、応募の対応が回りません。

残す媒体の運用を揃える

減らした後、残す媒体の運用を一枚の型に揃えます。

揃えること
求人票の内容原本を一つ持ち、媒体ごとの形式に合わせて調整する。原本を直したら、全媒体に反映する。反映の日を記録する
応募の確認毎日、決まった時間に、全媒体の管理画面を見る。担当者を一人決める
応募への返信返信の文の型を一つ持ち、全媒体で同じ文、同じ速さ(当日)で返す
重複の確認応募が来たら、候補者の表で既に応募がないかを見る。あれば一本にまとめて対応
記録候補者の表に、媒体名を欠かさず書く。どの媒体から来たかが、次の判断の材料になる
契約の管理契約の一覧に、期限と更新の条件を書き、期限の一か月前に続ける・切るを決める
媒体の担当者とのやり取り窓口を一人にし、やり取りの記録を社内に残す

揃える要点は、「媒体が違っても、候補者から見た対応は同じ」にすることです。媒体ごとに対応が違うと、候補者は「媒体によって扱いが違う会社」と感じます。

原本の求人票を一つ持つと、媒体ごとの内容のずれが消えます。媒体ごとに書いていた求人票を、原本から派生させる形に変えます。

エラベルの見解

相談で最も多い失敗は、「応募が来ないので媒体を足し続け、六つになった時点で、どの媒体にも手間をかけられなくなり、全部の媒体で応募が減った」というものです。媒体は、出せば応募が来るものではなく、求人票を丁寧に書き、更新し、応募に速く返すことで効くものです。六つに分散した手間は、一つあたりでは薄く、どの媒体も効きません。二つに絞って手間を集中したら、六つのときより応募も面接も増えました。

見ていて差がつくのは、担当者が「減らす提案」をできるかどうかです。媒体を足す提案は、誰でもできます。「この三つは過去半年で面接に進んだ人がいません。切って、残りの二つに手間を集中しましょう」と、記録を根拠に減らす提案をする担当者は、手間の総量を見ています。

発注側にできるのは、担当者に「増やす」ではなく「管理できる数に減らして、残す媒体の運用を揃えたい」と依頼することです。

応募の窓口を一本にする

媒体が複数あっても、応募の窓口を一本にすれば、見落としと重複は減ります。

応募の通知を、一つの受信先に集める。 媒体ごとに通知先が違うと、見る先が増えます。全媒体の通知を一つのメールアドレスか、一つの道具に集めます。設定の方法は各媒体の公式の案内で確認します。

候補者の表を、一つにする。 媒体ごとに表を持たず、一つの表に全媒体の候補者を入れます。媒体名は列で持ちます。

応募の管理の道具を検討する。 複数の媒体の応募を一つの画面で見られる道具があります。媒体の数が多い会社では、導入の価値があります。選び方は採用管理システムの選び方に書いています。費用と機能は各社の公式の案内で確認します。

確認する人と時間を固定する。 「毎朝九時に、〇〇さんが全部の応募を見る」。固定されていないと、見る人がいない日ができます。

担当者が休むときの代わりを決める。 一人に固定すると、休んだ日に止まります。代わりの人と、引き継ぎの一行を決めておきます。

窓口が一本なら、媒体が三つでも五つでも、応募の見落としは起きにくくなります。ただし、手間の分散の問題は残るので、数を減らすことと両方やります。

再び増やさないための約束

減らしても、また増えます。増やさないための約束を決めます。

媒体を足すときは、一つ切る。 「足すなら、どれかを切る」を原則にします。管理できる数を超えません。

足す前に、止まっている段階を確認する。 応募が来ないから足す、の前に、求人票と返信の速さと日程を見ます。段階の問題なら、媒体を足しても直りません。

足すときは、小さく試す。 最短の期間で、一求人で、記録を取って、続けるかどうかを決めます。年間の契約で始めません。

契約の一覧を、月に一度見る。 期限が近い媒体を確認し、続ける・切るを決めます。自動更新に任せません。

媒体の営業の提案は、窓口の一人が受ける。 責任者や現場に直接営業が来て、そこで契約が決まる形を避けます。「媒体の契約は〇〇を通す」と決めます。

年に一度、棚卸しをする。 増えていないか、効いていない媒体が残っていないかを、年に一度見ます。

約束は、責任者と共有します。担当者だけの決め事は、営業の提案や責任者の一言で崩れます。

外注する場合の範囲

媒体が増えすぎた問題を、採用代行に出す場合の範囲です。

出せる工程。 棚卸しの表の作成、記録の集計と減らす判断の材料の作成、契約の期限と条件の確認、残す媒体の運用の型の作成、求人票の原本の作成と各媒体への反映、応募の窓口の設計、毎日の応募の確認と返信、候補者の表の運用、媒体の担当者との窓口。

社内に残す判断。 切る媒体の決定、契約の解約の判断、予算、足すときの判断。

外注の効きどころ。 媒体が多い会社では、担当者が「全媒体の管理画面を毎日見て、当日に返す」役になります。社内の人が六つの管理画面を回る手間が消え、候補者への対応が揃います。棚卸しの表も、担当者が一週間で作れます。

外注しても動かない場合。 責任者が「切る」判断を先送りする、営業の提案で媒体が増え続ける、契約の一覧を見ない。社内の判断で、代行を替えても直りません。

媒体の管理は、手間の問題です。外注は、手間を外に出す手段で、数を減らす判断は社内です。

エラベルの見解

担当する側から見ると、媒体が多い会社の相談で最も多いのは、「切る判断ができない」ことです。「切ったら応募が減るのでは」「前任者が契約したので、理由があったのでは」「営業に悪い」。理由はさまざまですが、記録を見ると、過去半年で面接に進んだ人がいない媒体が半分あります。

担当者ができるのは、記録を表にして、「この媒体からは、半年で面接に進んだ人がいません」と事実で示すことです。事実があれば、責任者は切れます。「なんとなく効いていない気がする」では、切れません。

発注側にできるのは、担当者が作った表を見て、切る判断をすることです。表を作らせて、判断を先送りすると、費用は出続けます。

まとめ

よくある質問

媒体を減らすと、応募が減りませんか

過去半年で面接に進んだ人がいない媒体を切っても、面接に進む人は減りません。応募の数は減るかもしれませんが、届けたい相手が来ていない応募は、対応の手間だけがかかっています。減らした分の手間を残す媒体に集中すれば、求人票の質と返信の速さが上がり、面接に進む人は増える傾向があります。数ではなく、面接に進んだ数で見ます。

前任者が契約した媒体を、切ってよいか分かりません

前任者の判断の理由は、記録が無ければ分かりません。分からないなら、自社の記録で判断します。過去半年で面接に進んだ人がいなければ、切る候補です。前任者に連絡できるなら理由を聞きますが、聞けなくても、いまの記録で判断してよいです。前任者の判断を尊重するために、効いていない媒体に費用を出し続ける理由はありません。

媒体の管理の道具を入れれば、解決しますか

道具は、応募の見落としと重複の問題には効きます。全媒体の応募を一つの画面で見られれば、六つの管理画面を回る手間は消えます。ただし、手間の分散の問題(一つの媒体に手間をかけられない)は、道具では直りません。道具を入れることと、数を減らすことは、両方やります。道具の費用と機能は各社の公式の案内で確認します。