採用代行 / 採用の課題

面接官が足りない|「一人が全部を見る」をやめて、段階を分け、観点を絞り、面接官を増やす

公開 2026-09-13

採用の人数が増え、面接の数も増えた。面接に出られるのは、責任者一人。責任者の予定で日程が決まり、週に二件が限界。候補者は待ち、責任者は疲弊する。結論を先に書くと、面接官が足りないのは、「一人が全部の段階を見る」設計になっているからです。段階ごとに面接官を分け、面接の観点を絞って、一緒に働くメンバーも面接官にすれば、面接の枠は増え、責任者は最終だけに集中できます。日程調整の遅れは日程調整が遅くて候補者が流れるににまとめています。

面接官が足りない構造

面接官が足りないのは、次の構造で起きます。

一人が全部の段階を見る。 一次も二次も最終も、責任者が出る。責任者の予定が、面接の枠の上限。

面接官の資格を、役職で決めている。 「面接は課長以上」のように、役職で面接官を限定。役職者の数が、面接官の数。

面接の観点が決まっておらず、「見る目」に頼っている。 誰でも面接できる形になっておらず、経験のある人しか面接できない。

面接の時間が長い。 一件一時間以上。面接官の時間を消費し、枠が減る。

面接の回数が多い。 一次から最終まで四回。回数分、面接官の時間が要る。

採用の優先順位が、現場に共有されていない。 現場は「面接は人事の仕事」と思い、出ない。

構造を変えなければ、面接官を「増やしたい」と思っても、増えません。

段階ごとに面接官を分ける

最初に変えるのは、段階ごとの面接官の分け方です。

一次:一緒に働くメンバー。 経歴の深さ、役割の認識、実務の話。実務を知っている人が見る。責任者でなくてよい。

二次:現場のリーダーか、隣の部門の責任者。 一次の確認と、組織との相性。

最終:責任者。 通すかどうかの判断と、候補者への訴求。責任者は、最終だけに出る。

人事は、一次の前の書類と、各段階の設計と、面談の同席(任意)。 人事が全部の面接に出る必要は無い。

分けると、責任者の面接は「最終だけ」になり、週に二件だった枠が、最終に集中できる分、増えます。一次と二次は、別の人の枠で組めます。

段階を分けたら、各段階で「何を確認するか」を分けます。一次で経歴の深さ、二次で組織との相性、最終で通す判断。同じことを三回聞く面接は、候補者にも面接官にも無駄です。

観点を絞って、面接官を増やす

面接官を増やすには、「経験のある人しか面接できない」状態を変えます。観点と質問を絞り、書面にすれば、経験の浅い人も面接官になれます。

一次の観点を三つに絞る。 「〇〇の経験の深さ」「役割の認識が合っているか」「実務の話が具体的にできるか」。三つなら、誰でも確認できる。

質問を用意する。 観点ごとに、聞く質問を二〜三個。「〇〇を設計した場面で、何をどう決めましたか」「この役割は〇〇を決める役割ですが、ご経験のどこが活きますか」。質問が書面にあれば、面接官は迷わない。

通す基準を書面にする。 「三つの観点のうち、二つ以上で具体的な場面を語れれば通す」。基準があれば、判定が揃う。

面接官向けの一枚を渡す。 候補者の経歴の要点、確認する観点と質問、通す基準、役割の記述。面接の前日に。準備の負担が減る。

面接後の記録を一行に。 「通す・通さない・理由を一行」。長い評価シートは、面接官の負担。

最初の数回は、経験のある人が同席する。 新しい面接官の最初の数回、経験のある人が同席し、面接後に振り返る。慣れれば、一人で。

観点が絞られ、質問と基準が書面にあれば、面接は「見る目」ではなく「確認する手順」になります。手順なら、増やせます。

新しい面接官の準備

一緒に働くメンバーを面接官にするとき、準備することがあります。

面接の目的を伝える。 「一緒に働く人を、自分で見極める場」「候補者が会社を見る場でもある」。後者を伝えないと、面接官は評価するだけの姿勢になり、候補者が離れる。

聞いてはいけないことを伝える。 年齢、性別、家族構成、出産の予定など、私的な事情に関する質問は避ける。法令上の扱いがあるので、人事から面接官に共有。詳細は専門家に確認。

役割の記述を共有する。 面接官が、求人票の役割を知らないと、候補者に説明できない。「何を決める役割か、誰と決めるか、どこまで担うか、数字を持つか」を渡す。

候補者への態度を伝える。 「候補者は複数の会社と比べている」「面接官の印象が、辞退の理由になる」。評価する側であると同時に、選ばれる側でもあることを。

最初は、二人で。 新しい面接官と、経験のある面接官の二人で。二人の判定を比べ、ずれていれば話す。

面接後に、一分の振り返り。 「観点は確認できたか」「判定に迷った点は」。積み重ねが、面接官を育てる。

準備は、一枚の書面と、最初の数回の同席で足ります。研修を厚くする必要はありません。

エラベルの見解

相談で最も多い失敗は、「面接官が足りないので、責任者の面接の回数を減らして、一回で決めるようにした」というものです。責任者が一回の面接で、経歴の深さも、組織との相性も、通す判断も、全部を見ようとする。一回が一時間半になり、責任者の枠はさらに減り、面接の質も下がった。段階を分けて、一次をメンバーに任せていれば、責任者は最終の三十分だけで済み、枠は倍になっていました。

見ていて差がつくのは、担当者が「面接官を増やす提案」をできるかどうかです。「責任者の枠を空けてください」と頼み続ける担当者と、「一次は現場のメンバーに、観点と質問を用意します」と、面接官を増やす設計を提案する担当者がいます。後者は、責任者の負担を減らしつつ、面接の枠を増やします。

発注側にできるのは、「面接は責任者がやるもの」という前提を外すことです。段階を分け、観点を絞れば、面接官は増やせます。

面接の回数と時間を減らす

面接官を増やすと同時に、面接の回数と時間を減らせば、枠はさらに増えます。

回数を三回以内に。 一次・二次・最終。四回以上は、候補者も面接官も消耗する。

一次と二次を同じ日に。 連続した時間で、一次の面接官と二次の面接官が順に。候補者の来社(または接続)は一回、日程調整も一回。

一次を三十分に。 観点が三つに絞られていれば、三十分で確認できる。一時間は要らない。

書類と返信のやり取りで確認できることは、面接で聞かない。 経歴の事実の確認、条件の希望。面接の前に済ませ、面接は面接でしか確認できないことに。面談なしで選考に進める設計は依頼側向けの記事ですが、面接の絞り方は共通です。

同席を減らす。 一つの面接に三人が同席する形は、三人分の枠を消費する。同席は最終だけに。

オンラインを既定に。 移動の時間が無く、枠を詰めて組める。

回数と時間を減らせば、同じ面接官の数で、面接の件数は倍になります。

外部の面接官を使う場合

社内で面接官を増やしても足りない場合、外部の面接官を使う形があります。

一次の面接を、外部の人に。 採用代行の担当者や、経験のある外部の人事が、一次の面接を担う。観点と質問と通す基準を社内が決め、外部はそれに沿って確認する。

外部に任せる範囲。 経歴の深さの確認、役割の認識の確認、実務の話の具体性。「一緒に働けるか」の判断は、社内で。

社内の面接官との連携。 外部の一次の記録を、社内の二次の面接官に渡す。同じことを聞き直さない。

候補者への説明。 「一次は外部の採用支援者が担当します」と、事前に伝える。隠すと、候補者が不信を持つ。

外部の面接官の質。 一次で何を確認するかを理解し、候補者に対して会社の顔として振る舞える人。面接の経験と、役割の理解。

判断は社内に残す。 外部の面接官が「通す・通さない」を決める形にすると、丸投げになる。外部は確認の記録を出し、判断は社内。

外部の面接官は、社内の面接官が育つまでの一時的な形か、一次だけを継続的に出す形です。最終は、社内です。

外注する場合の範囲

面接官が足りない問題を、採用代行に出す場合の範囲です。

出せる工程。 段階ごとの面接官の設計の提案、観点と質問と通す基準の案の作成、面接官向けの一枚の作成、一次の面接(外部の面接官として)、面接の記録の集計、面接官ごとの判定の比較。

社内に残す判断。 誰を面接官にするか、通す基準の決定、二次と最終の面接、通すかどうかの判断。

外注の効きどころ。 観点と質問と基準の案は、担当者が数日で作れる。面接官向けの一枚も、担当者が候補者ごとに用意できる。一次の面接を担うことで、社内の面接官の枠が増える。

外注しても動かない場合。 責任者が「面接は自分が全部見る」を変えない、現場が面接官になることを拒む。社内の判断で、代行を替えても直りません。

面接官の問題は、社内の設計の問題です。外注できるのは、設計の案と、一次の面接と、記録までです。

エラベルの見解

担当する側から見ると、面接官が足りない相談で最も多いのは「責任者が、自分以外の面接を信用しない」ことです。「メンバーには見極められない」「自分が見ないと分からない」。責任者の枠は週に二件で、候補者は三週間待つ。担当者は「一次をメンバーに」と提案するが、責任者は「それでは質が」と言う。

観点と質問と基準が書面にあれば、一次の確認はメンバーでもできます。責任者が見るべきは、最終の「通すかどうか」と「候補者への訴求」で、経歴の深さの確認ではありません。

発注側にできるのは、責任者に「一次の確認は書面の手順で、最終の判断はあなたが」と、役割を分けて伝えることです。責任者の「見る目」は、最終で使います。

まとめ

よくある質問

メンバーに面接を任せると、質が下がりませんか

観点を三つに絞り、質問と通す基準を書面にすれば、一次の確認はメンバーでも同じ質でできます。「見る目」に頼る面接は、経験のある人しかできませんが、「手順で確認する」面接は、誰でもできます。最初の数回は経験のある人が同席し、判定を比べれば、ずれは直せます。責任者の「見る目」は、最終の判断で使います。

責任者が「自分が全部見る」と譲りません

責任者の枠が面接の上限になり、候補者が待ち、他社に決まっている事実を、日数と辞退の数で示してください。そのうえで、「一次の確認は書面の手順でメンバーが、最終の判断は責任者が」と、役割を分けて提案します。責任者の時間を、最終の三十分に集中させるほうが、責任者の判断も活きます。

一次の面接を、外部に任せてもよいですか

観点と質問と通す基準を社内が決め、外部はそれに沿って確認の記録を出し、判断は社内で行う形なら、任せられます。候補者には「一次は外部の採用支援者が担当します」と事前に伝えます。外部が「通す・通さない」を決める形は、丸投げになるので避けます。社内の面接官が育つまでの一時的な形か、一次だけを継続的に出す形です。