新規事業の立ち上げ期が払える採用代行費用の目安|事業の検証の段階に合わせて、社内の異動・外部採用・業務委託を使い分ける
会社の中で新規事業を立ち上げる時期は、事業がうまくいくかどうかがまだ分からない中で、人をそろえる必要がある時期です。事業の検証が進めば一気に人が要りますが、見直しになれば、採った人の仕事がなくなるかもしれません。社内から人を異動させるのか、外から採るのか、業務委託で手を借りるのかによって、費用のかかり方も、見直しになったときの影響も違います。採用代行(RPO)にいくらまで払えるかは、ほかの会社の相場ではなく、事業の検証の段階と、新規事業の予算の枠から決まります。結論から書くと、新規事業の立ち上げ期の採用代行の費用は、事業の検証の段階に合わせて採用費をかける順番を決め、社内の異動・外部採用・業務委託を使い分けた中で、外部採用の部分にだけ予算を置くと判断しやすくなります。
採用代行の料金は会社や業務の範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、この記事では相場の金額は扱いません。自社の予算の枠から考える手順を書きます。新規事業で代行をどう使うかは新規事業の立ち上げ期の採用代行の使い方で書いています。
この段階の採用の体制
新規事業の立ち上げ期では、事業の責任者が、事業の検証と採用を同時に進めています。会社の人事部は既存事業の採用で手一杯で、新規事業に必要な、社内にない経験を持つ人を探す余裕がないことがよくあります。一方で、新規事業の予算は経営会議で承認された枠の中にあり、検証の結果を見ながら段階的に使うことが求められます。
この段階で採用代行に期待されるのは、社内にない経験を持つ人を外から探す作業を受け持ち、事業の責任者が検証と判断に集中できるようにすることです。
社内の異動・外部採用・業務委託を使い分ける
新規事業に人を集める方法は三つあり、費用と見直しになったときの影響が違います。
| 方法 | 向いている役割 | 費用と影響 |
|---|---|---|
| 社内の異動 | 会社の事情や既存の顧客を知る人が要る役割 | 採用の費用はかからないが、元の部署に穴が空く |
| 外部からの採用 | 社内にない経験が要る役割 | 採用の費用がかかる。見直しになったときの配置を考えておく必要がある |
| 業務委託 | 検証の段階で一時的に要る専門の作業 | 必要な期間だけ頼める。条件を書面などで示す必要がある |
検証の初期は、社内の異動と業務委託で体制をつくり、事業の手応えが見えてから外部からの採用を増やす、という順番が、費用と見直しの影響を抑える一般的な考え方です。外部から採るのは、社内にない経験がなければ検証そのものが進まない役割に絞ってください。
業務委託で手を借りる場合は、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法)第3条が、業務委託事業者に、給付の内容、報酬の額、支払期日などを書面または電磁的方法で直ちに明示することを求めています。検証の段階では依頼の内容が変わりやすいため、変わるたびに条件を確かめる流れを決めておいてください。
エラベルの見解
新規事業の立ち上げ期からの相談で多い失敗は、検証が終わる前に、事業が伸びた後の体制を前提に外部から多く採ることです。検証の結果、事業の方向が変わると、採った人の経験が合わなくなり、配置に困ります。採用の費用だけでなく、入社した人の気持ちも離れていきます。
担当者を選ぶときは、採る人数を増やすことより、検証の段階に必要な役割を事業の責任者と一緒に見極め、その役割に絞って候補者を探せる人かどうかを見てください。検証の段階ごとに、次に要る役割を見直しながら採用を進める担当者のほうが、予算の枠を有効に使えます。
検証の段階ごとに採用費をかける順番
新規事業の採用費は、検証の段階に合わせて、次のような順番でかけると無理がありません。
- 仮説を確かめる段階:社内の異動と業務委託で最小限の体制をつくる。外部からの採用は、検証に欠かせない役割だけにする
- 手応えが見えた段階:事業を伸ばすのに要る中心の役割を外部から採る。採用代行に候補者探しを任せ始める
- 拡大の段階:事業の計画に合わせて人数を増やす。採用の型を整え、既存の人事部との分担を決める
人材紹介を使う場合、職業安定法第32条の3により、有料職業紹介事業者の手数料は、厚生労働省令で定める種類・額か、届け出た手数料表に基づくものに限られています。採用者の年収に割合を掛ける形が多いため、各段階の予算の枠と並べて比べてください。
エラベルの費用は、採用が決まったときに1名につき10万円(税別)です。採用が決まらなければ費用はかかりません。検証の段階に合わせて必要な役割だけを採りたい場合の選択肢の一つとして比べてみてください。
見直しに備えた労働条件の示し方
新規事業は、検証の結果によって見直しになることがあります。外部から採る人には、そのことを前提にした労働条件の示し方が必要です。労働基準法施行規則第5条は、労働契約を結ぶときに明示する事項として、就業の場所と従事すべき業務に関する事項を挙げ、そこに変更の範囲を含むとしています。新規事業のために採った人が、見直しになった場合にほかの事業や部署で働く可能性があるなら、その範囲を明示してください。
職業安定法第5条の4は、労働者の募集を行う者や募集受託者などが広告などで募集に関する情報を提供するときに、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならないと定めています。新規事業の魅力だけを伝えて採ると、見直しになったときに入社した人との信頼が損なわれます。事業の段階と、見直しの可能性を正直に伝えたうえで、それでも挑戦したい人を採ってください。個別の判断は社会保険労務士・弁護士にご確認ください。
エラベルの見解
もう一つ見てほしいのは、新規事業の採用は、既存の会社の看板と、新規事業の不確かさの両方を伝える必要があるということです。候補者は、大きな会社の安定と、新しい事業に挑戦できることの両方に惹かれて応募してきます。どちらか一方だけを伝えると、入社後に期待とのずれが生じます。
採用代行に任せるときは、新規事業の現在の段階、使える予算や裁量、既存事業との関わり方、見直しになった場合の扱いを、担当者と共有してください。候補者が両方を理解したうえで入社すれば、事業の方向が変わっても、一緒に乗り越えようとする人が残ります。
まとめ
- 新規事業の立ち上げ期の採用代行の費用は、事業の検証の段階に合わせて採用費をかける順番を決める
- 社内の異動・外部採用・業務委託を使い分け、外部採用の部分にだけ予算を置く
- 検証の初期は異動と業務委託、手応えが見えてから外部採用を増やす
- 業務委託は条件を書面などで明示し、外部から採る人には業務の変更の範囲を示す
- 事業の段階と見直しの可能性を正直に伝え、挑戦したい人を採る
よくある質問
新規事業の採用代行の費用の相場はいくらですか
採用代行の料金は、任せる業務の範囲や料金の形によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。検証の段階ごとの予算の枠の中で、外部から採る役割にだけ予算を置き、同じ業務範囲の見積もりを比べてください。エラベルの場合は、採用が決まったときに1名10万円(税別)です。
社内の人を異動させるか、外から採るか、どう決めればよいですか
会社の事情や既存の顧客を知ることが大切な役割は社内の異動、社内にない経験がなければ進まない役割は外部からの採用、と分けて考えてください。元の部署に穴が空く影響も含めて判断することが大切です。
事業が見直しになったら、採った人はどうなりますか
労働契約で示した業務の変更の範囲の中で、ほかの事業や部署に移ってもらうことが考えられます。採用のときに、見直しの可能性と、その場合の扱いを伝えておくことが大切です。個別の判断は社会保険労務士・弁護士にご確認ください。
- e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」(第5条)
- e-Gov法令検索「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(第3条)
- e-Gov法令検索「職業安定法」(第5条の4・第32条の3)
- エラベル 料金(公式)
本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
この記事のタグ
関連記事
- 新規事業の立ち上げ期の採用代行|最初に外注すべき業務はどれか 新規事業の立ち上げ期に採用代行を使うなら、最初に出すべきは「事業の責任者の言葉を候補者に届ける工程(文面と応募前の面談と連絡)」、次に「探す工程」、最後に「条件の伝達と内定の後の連絡」です。なぜ探す工程が最初ではないのか、社内に残す判断、費用の見方を整理しました。 採用代行新規事業の立ち上げ期
- 新規事業の立ち上げ期が採用代行で失敗するパターン 新規事業の立ち上げ期に採用代行を使うと、既存の事業の要件で探す・事業の説明が候補者に伝わらない・既存の人事の流れに乗せて遅れる・事業の責任者が採用に時間を使えない・事業の見直しで採用が宙に浮く、という五つの形で失敗しやすくなります。症状・原因・先に打つ手を整理しました。 採用代行新規事業の立ち上げ期
- 新規事業の立ち上げ期の採用体制の作り方|社内に残す役割 新規事業の立ち上げ期に採用代行を使うとき、社内に残す役割は「事業の責任者(要件と一次面接と説明)」「経営者か担当役員(最終と事業の節目の判断)」「既存の人事(承認と記録の共有)」の三つです。既存の流れから切り離した小さい流れの作り方、責任者の時間の守り方、代行との線を整理しました。 採用代行新規事業の立ち上げ期
- 地方企業が払える採用代行費用の目安|地元で採る費用とUIJターンで採る費用を分け、移住の支えまで含めて比べる 地方企業が採用代行(RPO)にいくらまで払えるかを、相場ではなく自社の欠員の影響と採用の経路から決める方法を整理しました。地元の候補者で採る場合と都市部から呼ぶ場合で費用の見方が違う理由、移住を伴う採用で費用に含めるもの、無料の経路との組み合わせ方、勤務地と転勤の範囲の明示をまとめています。 採用代行地方企業