採用代行 / スカウト文面の作成

スカウト文面の作成は代行に出せるか|任せる範囲の切り分け方

公開 2026-09-17

「スカウト文面を代行に書いてもらいたい」という相談で、いまの文面を見せてもらうと、「貴殿のご経歴を拝見し、ぜひ一度お話ししたく」「当社は成長中の企業で、裁量を持って働けます」「一緒に働きませんか」の三段でできていることが多い。これを代行が書き直すと、読みやすく整った文面にはなりますが、「なぜ採るか」「日々の中身の割合」「条件の数字」「上司の言葉」「いまより良くなる一点」が無ければ、整っただけで返信は来ません。文面の良し悪しは書き方ではなく材料で決まり、材料は社内にしかありません。結論を先に書くと、スカウト文面の作成は、「材料を持つこと」「条件の数字」「実態との一致の確認」「自社らしさの元になる言葉」は会社が持ち、「材料の聞き取り・型の設計・層ごとの書き分け・相手ごとの一点の差し込み・外す言葉の削除・返信率を見た書き直し」は代行に出せます。文面が自社らしくならない場合は文面が自社らしくないときに、AIで書いた文面の扱いはAIで書いた文面をそのまま送ってよいかに書いていますので、ここでは「代行に出す」観点に絞ります。

「材料」と「書く」を分ける

スカウト文面の作成を工程に分けると、次のようになります。

一つ目は、材料を持つことです。なぜ採るか、日々の中身の割合、誰の下で働くか、条件の数字、上司の言葉、いまより良くなる一点。社内にあり、外の人は聞き取ることはできても、持ってくることはできません。

二つ目は、材料を聞き取ることです。現場と経営者に、「入った人に最初の三か月で何をしてほしいか」「日々の時間の使い方」「前に入った人で続いた人と辞めた人の違い」「同業から来た人が、うちの何を良いと言うか」を聞く。外の人ができます。

三つ目は、型を設計することです。「一点に触れる→なぜ採るか→中身の割合→条件→返信の手間を下げる一文」のように、段の順番と長さを決める。外の人ができます。

四つ目は、層ごとに書き分けることです。経験者と未経験、「離れたい」層と「作りたい」層で、重心と外す言葉が違う。外の人ができます。

五つ目は、相手ごとに一点を差し込むことです。経歴を読んで、触れる一点を型に入れる。外の人ができます。

六つ目は、外す言葉を削ることです。「成長中の企業」「裁量が大きい」「風通しの良い社風」「一緒に働きませんか」を削って、中身に置き換える。外の人ができます。

七つ目は、実態との一致を確認することです。書かれた「残業は月に〇時間」「在宅は週に〇日」「クレームは少ない」が本当か。会社にしかできません。

八つ目は、返信率を見て書き直すことです。型Aと型Bを並行して送り、返信率で比べて直す。外の人ができます。

八つのうち、一と七は会社にしかできず、二から六と八は外に出せます。

代行に出せる工程と出せない工程

工程会社が持つ代行に出せる
材料を持つなぜ採るか・中身の割合・誰の下か・条件の数字・上司の言葉・良くなる一点何が材料になるかを示し、聞き取りで引き出す
材料の聞き取り時間を出す質問の設計、聞き取り
型の設計確認段の順番と長さ
層ごとの書き分け確認経験者・未経験・層ごとの重心と外す言葉
相手ごとの一点の差し込み経歴を読んで一点を入れる
外す言葉の削除抽象な言葉を中身に置き換える
実態との一致の確認現場と経営者が読む「ここは実態と合っていますか」と確認を促す
返信率を見た書き直し面談での「聞いていたのと違う」を共有型ごとの返信率で比べて直す
自社らしさの元になる言葉経営者と現場の言葉言葉を拾って文面に入れる

表の要点は、「自社らしさの元になる言葉」が会社に残ることです。代行が書いた文面が「自社らしくない」と感じるとき、原因は代行の書き方ではなく、自社らしさの元になる言葉(経営者が普段言っていること、現場が新しい人に最初に言うこと)を渡していないことにあります。言葉を渡せば、代行はそれを文面に入れられます。

もう一つの要点は、「実態との一致の確認」です。代行は「残業は少ない」「在宅ができる」を、聞き取った通りに書きます。それが本当かどうかは、現場と経営者が読んで確かめます。省くと、面談で「聞いていたのと違う」が起きます。

エラベルの見解

相談で多いのは、「スカウト文面を外に頼んで整ったが、返信が変わらない」というご相談です。文面を見ると、読みやすく、誤字も無く、「成長中の企業」「裁量」「一緒に働きませんか」が丁寧な言葉に置き換わっていましたが、なぜ採るか、中身の割合、条件の数字、上司の言葉が無く、一点の差し込みも無い、全員同じ文面でした。書く側は「書く」を引き受けていて、材料の聞き取りはしておらず、会社側も渡していませんでした。担当者が現場に聞き取り、「前任者の退職で既存顧客の担当が空いている」「既存対応が七割」「上司は営業部長で最初の一か月は同行」「給与の範囲は〇〇」を型に入れ、相手ごとに一点を差し込んだところ、返信が変わりました。

見ていて差がつくのは、「書く前に聞き取っているか」です。エラベルでは、スカウト文面を任された担当者に、書く前に現場と経営者に聞き取り、材料を一枚にまとめてから型を作ってもらっています。

代行に出したほうがよい状況

次の状況では、スカウト文面の作成を代行に出したほうが進みます。

一つ目は、文面が「ご経歴を拝見し」「成長中の企業」「一緒に働きませんか」でできていて、返信が来ないときです。外す言葉を削って材料に置き換える作業は、外の人が向いています。社内の人は、自社の言葉を客観的に削れません。

二つ目は、全員に同じ文面を送っていて、相手ごとの一点が無いときです。経歴を読んで一点を差し込む工程を外に出すと、一斉送信と読まれなくなります。

三つ目は、層ごとに書き分けておらず、経験者向けに「未経験歓迎」、未経験向けに「即戦力」が混ざっているときです。層ごとの書き分けを外に出すと、それぞれに合った文面になります。

四つ目は、型が一つしか無く、返信率で比べられないときです。型を二つ作って並行して送り、返信率で比べて直す工程を外に出すと、文面が改善していきます。

五つ目は、社内に書く人がいないときです。聞き取りから書き分けまでを外に出すと、社内は材料を渡して確認するだけで済みます。

代行に出さないほうがよい状況

逆に、次の状況では、スカウト文面の作成を外に出しても進みません。

一つ目は、なぜ採るかと日々の中身の割合が決まっていないときです。外の人は聞き取ることはできますが、社内で決まっていないことは書けません。先に要件と原稿の材料を揃えます。原稿の材料の集め方は求人原稿の作成の進め方に書いています。

二つ目は、条件の数字を出せないときです。給与の範囲、勤務地、在宅の可否が「応相談」の文面は、整っていても返信が来ません。数字を出せない理由を先に解きます。

三つ目は、現場と経営者が文面を読んで確認する時間を取れないときです。実態との一致の確認は会社にしかできず、省くと面談で「聞いていたのと違う」が起きます。

四つ目は、「整った文面にすれば返信が来る」と考えているときです。返信は、書き方より材料と一点で決まります。材料が無いまま書き方だけ外に出しても、返信は増えません。

担当者の選び方

スカウト文面の作成を任せる担当者は、次の点で選びます。

一つ目は、その職種の候補者が文面で何を見ているかを知っているかです。営業なら「新規か既存か」、エンジニアなら「使う技術と開発の割合」、社内SEなら「中身の割合と決裁の範囲」のように、職種ごとに候補者が最初に見る点が違います。それを知っている人は、聞き取りで自分から聞きます。

二つ目は、書く前に聞き取る習慣があるかです。「材料をください」ではなく、現場と経営者に自分から聞き取りに行く人。

三つ目は、外す言葉を削れるかです。「成長中の企業」を残す人ではなく、削って「前任者の退職で既存顧客の担当が空いている」に置き換える人。

四つ目は、型を複数作って返信率で比べる習慣があるかです。書いて終わりではなく、型Aと型Bを並行して送り、数字で比べて直す人。担当者の経歴の見方は担当者の経歴の見方に、スカウト代行に任せる範囲の全体はスカウト代行に任せる範囲の決め方に書いています。

出す前に用意しておくもの

スカウト文面の作成を代行に出す前に、次を用意しておくと、最初の一週間が速くなります。

一つ目は、なぜ採るかの一文です。「前任者の退職で既存顧客の担当が空いている」「新しい拠点を出す」。

二つ目は、日々の中身の割合です。「既存対応が七割、新規が三割」。現場に聞けば出ます。

三つ目は、条件の数字です。給与の範囲、勤務地、在宅の可否、残業の実態。「応相談」にしない。数字を出す前に、社内の給与との整合と決裁を取っておきます。

四つ目は、上司の言葉と、自社らしさの元になる言葉です。「最初の一か月は私と同行して既存の顧客を一緒に回ります」。経営者が普段言っていること、現場が新しい人に最初に言うこと。文面が「自社らしい」かどうかは、この言葉があるかで決まります。

五つ目は、いまより良くなる一点の候補です。「同業から来た人が、うちの何を良いと言うか」を現場に聞くと出ます。

六つ目は、現場と経営者が文面を読む時間です。三十分。

七つ目は、いまの文面と、送信と返信の記録です。あれば、担当者は現状の文面がどこで返信を失っているかを最初に読めます。

年齢や性別に関わる条件、労働時間と給与の表記には決まりがあります。文面を送る前に、専門家にご確認ください。

エラベルの見解

担当する側から見ると、スカウト文面で最も効くのは、「なぜ採るかの一文」と「いまより良くなる一点」の二つです。前者で候補者が文面を信用し、後者で「自分にとって意味がある」と読みます。「成長中の企業」「裁量」をどれだけ整えても、この二つが無い文面は、候補者にとって意味が無く、飛ばされます。

エラベルでは、スカウト文面を任せる案件で担当者を紹介するとき、最初の一週間で現場と経営者に聞き取り、なぜ採るかと中身の割合と条件の数字と上司の言葉と良くなる一点を一枚にまとめ、実態との一致を現場に確認してもらってから型を作るところまでをお願いしています。年齢や性別に関わる条件と労働時間と給与の表記は、専門家にご確認いただくようお伝えしています。

まとめ

よくある質問

代行が書いた文面が、うちらしくありません

原因は、代行の書き方ではなく、自社らしさの元になる言葉を渡していないことにあります。経営者が普段言っていること、現場が新しい人に最初に言うこと、同業から来た人が「うちの何を良いと言うか」を、担当者に渡します。渡せば、担当者はそれを文面に入れられます。「うちらしさ」を代行に想像させても、出てきません。らしさの渡し方は文面が自社らしくないときに書いています。

文面の型は一つでよいですか

二つ作って、並行して送り、返信率で比べます。一つだと、返信が来ないときに「文面が悪いのか、相手の選び方が悪いのか」が分かりません。型Aは「なぜ採るか」を冒頭に、型Bは「いまより良くなる一点」を冒頭に、のように違いを一つに絞って比べると、どちらが効くかが見えます。比べた結果で残す型を決め、次の違いを試します。

文面を代行に出した後、社内では何をすればよいですか

二つです。一つは、書かれた文面を現場と経営者が読んで、「ここは実態と違う」を言うこと。三十分でよく、省くと面談で「聞いていたのと違う」が起きます。もう一つは、面談で候補者が「文面を見てこう思った」「聞いていたのと違う」と言った点を担当者に共有すること。文面と実態のずれは面談で分かるので、共有すると担当者が直せます。書く作業は出しても、この二つは社内にしかできません。