スカウト代行 / 機械設計
機械設計へのスカウト文面|開封される件名と本文の型
機械設計にスカウトを送っても返信が来ない。文面を見せていただくと、件名が「3D CAD経験者歓迎、最先端の機械設計」で、本文に「〇〇(CADの名前)が使える方」「安定した環境」「幅広い設計業務」と書いてあり、何を設計するのか(装置か、部品か、製品か、治具か)、構想から任せるのか図面化だけなのか、作る側(製造、加工、組立)とどう関わるのか、試作の判断は誰がするのか、いま何に困っているのかが、どこにも書かれていません。機械設計は、「何を設計するか」と「構想から関われるか」で自分と合うかを判断し、CADの名前を並べた文面を「道具しか見ていない会社」と読みます。結論を先に書くと、件名は「相手の装置と工程の一点+自社の装置と任せる工程」、本文は「一行目に相手の装置と工程の一点→自社の装置と任せる工程→範囲と作る側との関係と困っている点(正直に)→実態と設計環境と工夫→設計部長がどういう人か→条件の幅→開発の区切りに合わせた短い締め」の順で、会社の紹介は後ろに回すか短くします。刺さる訴求と外す訴求の中身は機械設計向けスカウト文面の型に書いていますので、ここでは「機械設計向けの件名と本文の型」に絞って、そのまま使える形にします。
先に決めるのは「何を設計するか」「任せる工程」「作る側との関係」
文面の前に、三つを決めます。一つは、何を設計するか。装置(自動機、搬送、検査)か、部品か、製品(機器、車両の部品)か、治具か。二つは、任せる工程。構想設計、基本設計、詳細設計、図面化、試作、立ち会いのうち、どこからどこまで。三つは、作る側との関係。製造や加工とどう関わるか、作れるかを一緒に見る仕組みはあるか、試作の判断は誰がするか。機械設計は「構想から関われるか」と「作る側と近いか」を重く見ます。
| 決めること | 文面での書き方の例 |
|---|---|
| 何を設計するか | 「〇〇(用途)の自動機。〇〇(部位)の機構が主」 |
| 任せる工程 | 「構想から詳細設計、試作の立ち会いまで。図面化は一部を外部と」 |
| 作る側との関係 | 「製造は社内。加工の担当と設計の段階から一緒に見る。試作は設計者が判断して出せる」 |
止まりやすいのは、「機械設計業務全般」「3D CADを使った設計」と書くときです。機械設計は「何を設計するか分からない」「道具しか見ていない」と読みます。
件名の型
機械設計が件名で見るのは、「自分の装置と工程を見ているか」「構想から関われる会社か」の二つです。
| 型 | 例 | なぜ開かれるか |
|---|---|---|
| 相手の装置と工程+自社の装置と工程 | 〇〇(装置)の機構設計をされたご経歴へ|当社の〇〇(装置)を構想から | 装置と工程が合い、構想からと分かる |
| 相手の困った経験+自社の困っている点 | 〇〇(課題:精度、コスト、作りやすさ)に取り組まれた方へ|当社も〇〇で詰まっている | 経歴を読んでいて、正直 |
| 相手の作る側との経験+自社の関係 | 製造と一緒に設計を詰めてこられた方へ|当社は加工の担当と設計の段階から | 作る側との関係が見える |
書いてはいけない件名は、「機械設計募集」「3D CAD経験者歓迎」「〇〇(CADの名前)」「最先端」「安定」「やりがい」「即戦力」のように、道具の名前か、信じられない形容詞です。件名の失敗の型は件名でやりがちな失敗に書いています。
本文の型
本文は、機械設計が「確かめる順」に並べます。
| 順 | 書くこと | 長さ | 注意 |
|---|---|---|---|
| 一行目 | 相手の装置と工程の一点。「〇〇(装置)の〇〇(機構・部位)を〇〇(工程)から設計されたご経歴を拝見しました」 | 一文 | 装置か機構か工程の一点に触れる |
| 二 | 自社の装置と任せる工程。何を設計し、どこからどこまで任せるか | 三行 | 「全般」を使わない。装置を具体に |
| 三 | 範囲と作る側との関係と困っている点。設計は何人、製造との関係、試作の判断、何に困っているか | 三行 | 正直に。困っている点を隠さない |
| 四 | 実態と設計環境と工夫。開発の期間、忙しい時期、残業の目安、CADと解析の環境、工夫 | 二、三行 | CADの名前は環境の一つとして。良く見せない |
| 五 | 設計部長がどういう人か。どんな設計をしてきて、どう任せる人か、試作にどう向き合うか | 二行 | 名前は出さず、設計と進め方を |
| 六 | 条件の幅 | 一、二行 | 幅で書く |
| 七 | 会社の紹介 | 一、二行 | 短く |
| 八 | 短い締め。「いまの開発の区切りに合わせて、設計部長と設計の話を三十分。装置の資料もお見せします」 | 一文 | 区切りに合わせることと、設計の話ができる人が出ることを |
長さは、スマートフォンで二度スクロールする程度に収めます。
エラベルの見解
相談で最も多い思い込みは、「機械設計にはCADの名前と『最先端』を書けば響く」というものです。実際には、機械設計はCADの名前を「道具しか見ていない会社」の印と読み、「最先端」を信じていません。ある会社では、「〇〇(CAD)経験者歓迎、最先端の設計環境」を前面に出した文面で返信が無く、担当者が候補者の視点で読むと、装置が書かれておらず、構想から任せるのか図面化だけなのかも、製造との関係も無く、候補者は「図面化だけの仕事では」と読んでいました。「〇〇(用途)の自動機の機構設計。構想から試作の立ち会いまで。製造は社内で、加工の担当と設計の段階から一緒に見る。試作は設計者が判断して出せる。いまは〇〇の機構で精度に困っている」と書き直したところ、返信が来ました。機械設計への文面で効くのは、CADの名前ではなく、装置と工程と作る側との関係と困っている点の具体さです。
書いてはいけないこと
一つ目は、CADの名前を前面に出すことです。機械設計は「道具しか見ていない会社」と読みます。CADは環境の一つとして後ろに書きます。
二つ目は、「機械設計業務全般」「最先端」「安定」「やりがい」「即戦力」のような、信じられない言葉です。装置と工程で書きます。
三つ目は、装置を書かないことです。機械設計は「何を設計するか」で判断します。装置や製品の具体を書きます。
四つ目は、任せる工程を「一通り」「幅広く」で済ませることです。構想からなのか、図面化だけなのかで、合う人がまったく違います。
五つ目は、作る側との関係と試作の判断を書かないことです。機械設計は「作れるかを一緒に見られるか」「試作を自分で判断できるか」を重く見ます。
六つ目は、締めを「すぐに面談を」とすることです。機械設計は開発の区切りまで動けません。区切りに合わせる姿勢を書きます。
送る前の確認
| 確認 | 見ること |
|---|---|
| 件名に相手の装置か工程の一点があるか | CADの名前や「最先端」になっていないか |
| 自社の装置と任せる工程が具体か | 「全般」「幅広く」になっていないか。構想からか図面化かが分かるか |
| 作る側との関係と試作の判断が書いてあるか | 製造との近さと、判断の裁量が分かるか |
| 困っている点を正直に書いたか | 隠していないか |
| 実態と設計環境を事実で書いたか | CADの名前が前面に出ていないか。良く見せていないか |
| 締めが開発の区切りに合わせる形か | 「すぐに」になっていないか |
返信が来ないときの直す順番
| 症状 | 直すところ |
|---|---|
| 開かれない | 件名。装置と工程の一点があるか。CADの名前や形容詞になっていないか |
| 開かれるが返信が無い | 装置と工程の具体さ。作る側との関係。困っている点の正直さ |
| 返信は来るが面談で辞退 | 面談に設計部長が出て設計の話をしたか。装置の資料を見せたか。文面の工程と面談の実態が合っていたか |
| 面談後に辞退 | 任せる工程と作る側との関係の実態。「構想から」と書きながら実際は図面化、の構造が無いか |
一箇所ずつ変えます。変え方はスカウト文面のABテストのやり方に書いています。
エラベルの見解
担当する側から見ると、機械設計向けの文面で会社ごとに差がつくのは、「作る側との関係と試作の判断を、設計部長が事実で言えるか」です。件名と一行目は、担当者が候補者の経歴を読めば書けます。しかし、「製造と設計の段階から一緒に見ているか」「試作を設計者が判断して出せるか」は、設計部長にしか語れず、しかも多くの会社で「一緒に見ている」と言いながら実態は図面を渡すだけ、「試作は出せる」と言いながら承認に時間がかかる、ということがあります。設計部長に実態を聞いて事実で書き、面談で装置の資料を見せながら設計の話をする文面は、機械設計に「構想から関われる会社」と伝わります。エラベルでスカウト文面を担当する人には、文面を書く前に、設計部長に装置と工程と作る側との関係と困っている点を聞き、資料を見せる段取りと面談に出る予定を確保してもらっています。刺さる訴求と外す訴求は機械設計向けスカウト文面の型に書いています。
代行に出す場合の範囲
担当者が持つのは、候補者の経歴(装置、機構、工程)を読んで件名と一行目を相手ごとに書くこと、設計部長に聞いた装置・工程・作る側との関係・試作の判断・困っている点・実態・設計環境・設計部長の進め方を本文にすること、送る前の確認、当日中の返信と資料の案内、開発の区切りに合わせた日程の調整、設計部長の予定の確保、返信の記録と直す順番の提案、です。会社が持つのは、装置と任せる工程の決定、作る側との関係と試作の判断の事実、困っている点と実態を正直に書くことの合意、装置の資料を見せる形の用意、設計部長が面談に出て設計の話をすること、条件の幅、です。設計部長が担当者に話す時間を取れないと、文面は「全般」とCADの名前になります。出す前に確保します。
まとめ
- 先に何を設計するか(装置の具体)・任せる工程(構想からか図面化か)・作る側との関係と試作の判断を決める
- 件名は「相手の装置と工程の一点+自社の装置と任せる工程」。CADの名前と「最先端」は「道具しか見ていない」と読まれる
- 本文は一行目に相手の装置と工程の一点→自社の装置と工程→範囲と作る側との関係と困っている点→実態と設計環境→設計部長→条件の幅→開発の区切りに合わせた締め
- 構想から関われるかと、作る側と近いかと、試作を自分で判断できるかを事実で書く
- 困っている点を正直に書く。「自分が必要とされている」の材料になる
- 返信が来ないときは件名→装置と工程と関係の具体さ→面談に設計部長が出て資料を見せたか→実態の一致の順に直す
よくある質問
図面化が主で、構想は設計部長がやっています。書くと来ないのでは
実態どおりに書きます。「詳細設計と図面化が主。構想は設計部長が持ち、一緒に詰める。慣れてきたら構想にも入ってもらいたい」のように。「構想から」と書いて実際は図面化だと、面談で分かって辞退されます。図面化が主でも、作る側と近く、試作を自分で判断できる環境なら、それを材料にします。構想をやりたい人は来ないかもしれませんが、詳細設計を深めたい人は一定数います。
CADの経験を条件にしないと、使えない人が来ませんか
多くの場合、CADは入社後に覚えられます。CADの名前より、装置と工程と作る側との関係のほうが、入社後の仕事に効きます。自社のCADが特殊で習得に時間がかかるなら、環境の欄に書いて面談で確認しますが、件名や条件の前面には出しません。CADを前面に出す文面は、機械設計に「道具しか見ていない」と読まれます。対象の絞り方は機械設計向けスカウト文面の型に書いています。
装置の資料を見せられません(顧客の機密など)
見せられる範囲の資料(外観、用途、機構の概念)を用意し、文面に「装置の資料は面談で、お見せできる範囲で」と書きます。まったく見せられない場合は、用途と機構の種類と工程を文面で具体に書き、面談で設計部長が口頭で説明します。機械設計は「何を設計するか」を見て判断するので、見せられる形を一つでも用意することが、文面を工夫するより効きます。