スカウト代行 / スカウト運用
面談設定率をどう上げるか|「返信が来た人が面談に至る率」を、「返答の速さ」「日程の出し方」「面談の位置づけ」「面談の相手」「止まった人への追客」の五つに分解し、落ちている箇所だけ直す
スカウトに返信は来る。「話を聞いてみたい」と書いてある。しかし、そこから面談の日程が決まらない。返答したまま止まる。日程の候補を出しても返事が無い。決まりかけて、消える。返信率は悪くないのに、面談の数が増えない。結論を先に書くと、面談設定率(返信が来た人が面談に至る率)は、「返答の速さ」「日程の出し方」「面談の位置づけ」「面談の相手」「止まった人への追客」の五つに分解して、落ちている箇所だけを直します。五つのどこで止まっているかは、返信から面談までの記録を段階で分ければ見えます。全部を一度に直す必要はなく、落ちている一箇所を直すだけで、設定率は動きます。日程の出し方は日程の提示のしかたに、止まった人への追客は追客(フォローアップ)の設計にまとめています。
設定率が上がらない構造
返信は来るのに面談が決まらないのは、次の構造で起きます。
| 構造 | 起きていること |
|---|---|
| 返信と面談の間を見ていない | 「返信率」と「面談数」は見ているが、その間の段階(返答、日程の提示、確定)を記録していない |
| 返答が遅い | 「話を聞きたい」への返答が数日後。候補者は他社の面談に進む |
| 日程を「ご都合は」で聞く | 候補者が考える負担になり、返事が止まる |
| 面談の位置づけが重い | 「面接」に見える。候補者は「まだそこまでは」と止まる |
| 面談の相手が候補者の期待とずれる | 人事だけと聞いて、役割の中身が聞けないと思い、意味を感じない |
| 止まった人を追わない | 日程の候補を出して返事が無ければ、そのまま |
| 返信の種類を分けていない | 「話を聞きたい」「質問がある」「条件を知りたい」を同じ返答で処理している |
構造の大半は、「返信から面談までの段階を分けていない」ことです。分ければ、落ちている箇所が見え、直す箇所が決まります。
設定率の定義と分解
面談設定率を定義し、段階に分解します。
| 段階 | 定義 | 落ちる理由 |
|---|---|---|
| 返信 | スカウトに返信が来た(前向き、質問、条件の確認を含む) | — |
| 返答 | 返信に対して、自社が返答した | 返答が遅い、返答の内容が答えになっていない |
| 日程の提示 | 面談の日程の候補を出した | 「ご都合は」で止まる、候補が少ない、遠い |
| 候補者の返事 | 候補者が日程を選んだか、別の候補を求めた | 面談の位置づけが重い、相手がずれる、候補が合わない |
| 確定 | 日程が確定した | 確定の連絡が無い、前日の確認が無い |
| 実施 | 面談が行われた | ドタキャン。面談のドタキャンを減らす |
分解の要点は、「返信から実施までの各段階の人数と日数を記録する」ことです。返信が百人で面談が二十人なら、八十人がどこで止まったかを、段階で見ます。返答の前で止まっているのか、日程の提示の後で止まっているのか、確定の後で消えたのか。落ちている段階が、直す箇所です。
五つの箇所と直し方
落ちている箇所ごとの、直し方です。
| 箇所 | 落ちている状態 | 直し方 |
|---|---|---|
| 返答の速さ | 返信から返答までが数日。返答の前で止まる人が多い | 返信の確認を毎営業日に。返答の型を用意。返答する人を決め、承認を省く。スカウトはスピードでどれだけ変わるか |
| 日程の出し方 | 日程の提示の後で止まる人が多い | 返答と同時に候補を出す。複数、近い日から、幅を持たせて。予約リンクも。日程の提示のしかた |
| 面談の位置づけ | 候補を出しても「もう少し考えます」が多い | 「選考ではない」「何をする場か」「何分か」を返答に書く。カジュアル面談への誘い方 |
| 面談の相手 | 「誰と話すのか」の質問が多い、人事だけと知って止まる | 役割の責任者か一緒に働く人を面談の相手に。返答に相手の名前と立場を書く |
| 止まった人への追客 | 日程の候補の後、返事が無い人がそのまま | 三日後に新しい候補を添えて一度、一週間後にもう一度。追客(フォローアップ)の設計 |
直し方の要点は、「落ちている箇所だけ直す」ことです。返答は速いのに日程の出し方で止まっているなら、返答の型を直しても変わりません。段階の記録で落ちている箇所を見つけてから、その箇所の直し方を使います。
落ちている箇所の見つけ方
段階の記録から、落ちている箇所を見つける手順です。
| 順 | 見ること | 分かること |
|---|---|---|
| 一 | 返信から返答までの日数の分布 | 翌営業日を超えている返信の割合。多ければ「返答の速さ」 |
| 二 | 返答したが日程を提示していない人の数 | 「別途ご連絡します」で止まっている数。多ければ「日程の出し方」 |
| 三 | 日程を提示したが返事が無い人の数と、返事の内容 | 「考えます」が多ければ「面談の位置づけ」。「誰と話すのか」が多ければ「面談の相手」。返事そのものが無ければ「追客」 |
| 四 | 確定したが実施されなかった数 | 多ければドタキャンの問題。面談のドタキャンを減らす |
| 五 | 返信の種類ごとの設定率 | 「話を聞きたい」と「質問」と「条件」で、設定率が違えば、返信の種類ごとの返答の問題 |
見つけ方の要点は、「三」の返事の内容を見ることです。日程を出した後の候補者の返事は、止まった理由をそのまま言っています。「考えます」は位置づけ、「誰と」は相手、無反応は追客。返事の内容を記録に残せば、直す箇所が読めます。
エラベルの見解
相談で最も多い失敗は、「面談設定率が低いので、日程の候補を増やし、予約リンクも入れたが変わらず、記録を見たら、返信から返答まで平均四日かかっていて、返答の前で半分が止まっていた」というものです。日程の出し方は問題無く、返答の速さが問題でした。返信の確認を毎営業日にし、返答の型を作り、承認を省いて翌営業日に返答する形にしたら、日程の出し方を変えずに設定率が上がりました。落ちている箇所を見ずに直すと、直した箇所が効きません。
見ていて差がつくのは、担当者が「日程を出した後の候補者の返事」を記録しているかです。「返事なし」で一括りにする担当者と、「『考えます』が三件、『誰と話すのか』が二件、無反応が五件」と分けて記録する担当者がいます。後者は、翌月に直す箇所が決まっています。
発注側にできるのは、月に一度、「日程を出した後、候補者は何と返事していますか」と担当者に聞くことです。
返信の種類ごとの動き
返信は「話を聞きたい」だけではありません。種類ごとに、返答と面談への動きを分けます。
| 返信の種類 | 返答 | 面談への動き |
|---|---|---|
| 話を聞きたい | 感謝と、面談の位置づけと相手と時間、日程の候補を同時に | そのまま日程の確定へ |
| 質問がある | 質問に答える。答えの後に「詳しくは面談で」と、日程の候補 | 答えが十分なら面談へ。不十分なら再質問で止まる |
| 条件を知りたい | 出せる範囲で条件を答える。出せない場合は「面談で役割の中身を話したうえで」と理由を添えて | 条件が合えば面談へ。合わなければ辞退。スカウト段階で条件を出すか |
| 今は動けない | 時期を聞く。時期が分かれば、その少し前に再連絡することを伝える | 面談ではなく、プールへ。タレントプールの育て方 |
| 興味は無いが返信 | 感謝と、「ご縁があればまた」。再送しない | 面談へは進めない。無理に誘わない |
| 少し話を聞いても良い(消極的) | 面談の軽さを強調。「質問だけの短い時間でも」。日程の候補は短い枠で | 短い面談へ。位置づけを軽く |
種類ごとの要点は、「質問」と「条件」の返信に、答えを返すことです。「面談でお話しします」だけの返答は、質問に答えていないので、候補者は止まります。答えられることは答え、そのうえで面談を提案します。返信への対応の全体は返信が来たあとの対応分担に書いています。
面談設定の運用
面談設定率を保つための、日々の運用です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 返信の確認 | 毎営業日、決めた時間に |
| 返答の型 | 返信の種類ごとに。位置づけ、相手、時間、候補の日程を含む形に |
| 面談の枠 | 面談の相手(責任者など)に、週に数枠を先に空けてもらう。返答と同時に候補を出せる状態に |
| 記録 | 返信日、返答日、日程の提示日、候補者の返事の内容、確定日、実施日 |
| 追客の予定 | 日程の提示の三日後と一週間後を、CRMの次の行動に |
| 週次の確認 | 段階ごとの人数。返答の前で止まっている人、日程の後で止まっている人を拾う |
| 月次の確認 | 段階ごとの設定率の推移。返信の種類ごとの設定率。落ちている箇所の見直し |
運用の要点は、「面談の枠を先に空ける」ことです。返答と同時に日程の候補を出すには、候補が手元に無いとできません。枠が無ければ、「別途ご連絡します」になり、そこで止まります。候補者ごとの段階の管理は候補者CRMの作り方に書いています。
外注する場合の範囲
面談設定率の改善を、スカウト代行に出す場合の範囲です。
出せる工程。 返信から面談までの段階の記録の整備、段階ごとの人数と日数の集計、落ちている箇所の特定、返信の種類ごとの返答の型の作成、毎営業日の返信の確認と返答(型に沿ったもの)、日程の候補の提示(枠が空いていれば返答と同時に)、候補者の返事の内容の記録、止まった人への追客の実施、週次と月次の確認と報告、直す箇所の提案と実施。
社内に残す判断。 面談の相手の決定と枠の確保(責任者などの協力)、面談の位置づけの決定(選考ではない場にするか)、条件を返答で出す範囲の決定、質問への答えの元になる事実の提供、返答の承認を省くことの決定、直す箇所の承認。
外注の効きどころ。 面談設定率は、「段階を記録し、落ちている箇所を見つけ、その箇所だけ直す」運用で、社内では「返信率と面談数だけ見て、日程の候補を増やす」になりやすい工程です。担当者が段階を記録し、返信の種類ごとに型で返答し、枠から日程を出し、止まった人を追えば、設定率は落ちている箇所から動きます。担当者は複数の会社の設定率を見ているので、「この返事の内容はこの箇所」「この役割は相手を変えると動く」を持ち込めます。ただし、面談の相手と枠と位置づけは、社内でしか決められません。
外注しても動かない場合。 面談の枠を空けない、面談の相手を人事だけにして変えない、質問や条件への答えを渡さない、返答のたびに承認を求める、落ちている箇所の提案を承認しない。社内の判断で、代行を替えても直りません。
面談設定率は、五つに分解し、段階の記録で落ちている箇所を見つけ、その箇所だけ直せば動きます。外注は、記録と特定と型での返答と日程の提示と追客を担う手段です。
エラベルの見解
担当する側から見ると、面談設定率の相談で最も多いのは、「面談の相手が人事だけで、候補者が面談の意味を感じていない」ことです。「話を聞きたい」と返信した候補者が聞きたいのは、役割の中身と、一緒に働く人のことです。人事との面談では、それが聞けないと候補者は思います。返答に「面談の相手は、この役割の責任者の〇〇です」と書くだけで、日程の返事が変わります。
責任者の枠を取るのは、社内の調整が要ります。ただ、週に一枠か二枠で足ります。その一枠が、設定率を最も動かします。
発注側にできるのは、役割の責任者に、「週に一枠、候補者との面談の枠を空けてください」を頼むことです。
まとめ
- 上がらないのは間を見ていない・返答が遅い・ご都合はで聞く・位置づけが重い・相手がずれる・止まった人を追わない・返信の種類を分けない構造
- 分解は返信→返答→日程の提示→候補者の返事→確定→実施。段階ごとの人数と日数を記録
- 五つの箇所は返答の速さ・日程の出し方・面談の位置づけ・面談の相手・追客。落ちている箇所だけ直す
- 見つけ方は返答までの日数・提示していない数・提示後の返事の内容・確定後の未実施・種類ごとの設定率。返事の内容が理由を言っている
- 返信の種類は話を聞きたい・質問・条件・今は動けない・興味は無い・消極的。質問と条件には答えを返す
- 運用は毎営業日の確認・種類ごとの型・面談の枠・記録・追客の予定・週次・月次。枠を先に空ける
- 外注できるのは記録の整備・集計・特定・型・確認と返答・提示・返事の記録・追客・確認と報告・提案と実施。社内に残るのは相手と枠・位置づけ・条件の範囲・事実の提供・承認の省略・直す箇所の承認
よくある質問
面談設定率の目安はありますか
役割、層、媒体、面談の位置づけ、面談の相手で大きく変わるので、外の目安は当てはまりません。自社の前月と比べます。段階ごとに分けた記録があれば、「返答までの日数を短くしたら、返答の前で止まる人が減った」のように、直した箇所の効果として見えます。設定率の絶対値より、落ちている箇所が動いたかを見ます。指標の見方はスカウト運用で見るべき指標に書いています。
候補者から「まずはメールで質問したい」と言われ、面談に進みません
面談に進めなくて構いません。メールで質問に答え、答えの後に「詳しくは短い面談で」と一度だけ提案します。それでもメールを希望するなら、メールで進めます。メールでのやり取りが続けば、それは面談の代わりの接点で、応募に至ることもあります。「面談でないと話せない」と押すと、候補者は止まります。面談を飛ばす設計は面談なしで選考に進める設計に書いています。
日程が確定した後に、候補者から連絡が途絶えました
確定の後の消失は、面談設定率ではなく、ドタキャンの問題です。前日の確認、当日の連絡先、面談の相手からの一言、が無いと起きやすい。確定から面談までの間の接点を設計します。面談のドタキャンを減らすに書いています。