育休中に副業してよいか|給付金の「10日・80時間」には他社での就業も入る

報酬・契約・税務単価・契約・税務 更新日 2026-10-16

育児休業中は、まとまった時間が取れるように見えることがあります。子どもが寝ている間にできる仕事として、人事の副業を少しだけ受けたいと考える人もいます。結論から書くと、育児休業中の副業を一律に禁じる給付の決まりはありませんが、育児休業給付金の支給要件には、休業中に働いた日数・時間の上限があり、その日数・時間には在職中の会社以外での就業も含まれます。また、本業の会社の規程によっては、休業中の副業自体が認められていないこともあります。

以下は厚生労働省の「Q&A~育児休業等給付~」などに沿った一般的な整理です。給付の可否は個別の状況で判断されます。具体的な扱いは、勤務先の人事担当者やハローワークにご確認ください。

育児休業給付金と就業の関係

厚生労働省のQ&A(Q33)では、育児休業期間中に就業した場合、その就業が臨時・一時的であって、就業後も育児休業をすることが明らかであれば、職場復帰とはせず、支給要件を満たせば支給対象になるとされています。

そのうえで、就業した場合は、1支給単位期間において、就業している日数が10日(10日を超える場合は、就業している時間が80時間)以下であることが必要とされています。そして同じ回答の中で、この就業した日数・時間は、在職中の事業所以外で就業した分も含まれますと明記されています。

つまり、育児休業中に副業先で働いた日数や時間も、この上限の計算に入ります。本業の会社では一日も働いていなくても、副業で10日を超えて80時間を超えて働けば、その支給単位期間は要件を満たさなくなります。

賃金が支払われた場合の扱い

就業の日数・時間とは別に、休業中に支払われた賃金によっても給付金は変わります。厚生労働省のQ&A(Q34)では、1支給単位期間において、休業開始時賃金日額×支給日数の80%以上の賃金が支払われている場合は、育児休業給付金の支給額は0円になるとされています。80%に満たない場合でも、支払われた賃金額に応じて減額される場合があるとされています。

確かめる点Q&Aでの扱い
就業の性質臨時・一時的で、就業後も育児休業をすることが明らかであること
就業日数・時間1支給単位期間で10日以下(超える場合は80時間以下)。在職中の事業所以外での就業も含む
支払われた賃金休業開始時賃金日額×支給日数の80%以上なら支給額0円。80%未満でも減額の場合あり

副業の報酬がこの「賃金」の計算にどう含まれるかは、副業の契約の形などによって扱いが変わる可能性があります。業務委託の報酬と雇用の賃金で扱いが異なることも考えられるため、副業を受ける前に、勤務先の人事担当者やハローワークに確認してください。

エラベルの見解

担当者として登録している人の中に、育児休業中の人が登録してくることがあります。そのときに伝えているのは、育休中は「受ける」より「準備する」時期と考えてほしいということです。副業として案件を受けると、日数と時間の上限を気にしながら、候補者や依頼側の都合に合わせて動くことになります。子どもの体調で予定が崩れることも多い時期です。

その代わり、育休中にできることはあります。これまでの人事の経験を棚卸しし、何をどの単価で受けられるかを整理しておく。登録だけ済ませておき、復職後に本業と両立できる案件を選ぶ。そうした準備に時間を使うほうが、給付金の要件や本業の規程を気にせずに済み、復職後の副業もスムーズに始められます。経歴の整理の仕方は職務経歴書の書き方で書いています。

本業の会社の規程も確かめる

給付金の要件とは別に、本業の会社の就業規則で、副業や育児休業中の就業がどう扱われているかを確かめる必要があります。厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、副業・兼業を認める方向が示されていますが、実際に認めるかどうか、届出や許可が必要かは会社ごとに決まります。

育児休業は、子を養育するための休業です。会社によっては、休業中に他社で働くことを、休業の趣旨との関係で制限している場合もあります。本業の会社に副業の届出をしている人でも、育児休業中も同じように続けてよいかは、改めて確認しておくと安心です。人事の仕事をしている人なら、自社の規程の該当箇所を探すのは難しくないはずです。

育休中に副業を受けるなら

それでも育児休業中に副業を受ける場合は、次の点を押さえておいてください。

  1. 本業の会社に確認する。 就業規則上、休業中の副業が認められているか。届出が必要か
  2. 就業の日数と時間を記録する。 支給単位期間ごとに、副業先での就業日数・時間を数え、10日・80時間の上限を超えないようにする
  3. 報酬の扱いを確認する。 副業の報酬が給付金の計算にどう影響するかを、勤務先の人事担当者やハローワークに確認する
  4. 臨時・一時的な範囲にとどめる。 継続的な仕事を引き受けると、休業の趣旨から外れると見られる可能性がある

人事の副業でいえば、短期間の書類の見直しや、スポットでの相談対応のように、日数と時間を区切りやすい仕事が向いています。毎週決まった曜日に面接に同席するような継続的な仕事は、育休中には避けたほうが無難です。

エラベルの見解

育休中の副業について相談を受けると、もう一つ考えてほしいことがあります。依頼側にとっての継続性です。採用の仕事は、候補者とのやりとりが数週間から数か月続くことが多く、途中で担当が抜けると依頼側の採用が止まります。育休中は子どもの状況で動けなくなることもあるので、依頼側に迷惑をかけない範囲かどうかを考えて案件を選んでください。

担当する側から見て、育休中に無理をして副業を受けた人より、復職後に本業と両立できる形を整えてから受けた人のほうが、副業を長く続けています。育休中は焦らず、復職後の働き方を考える時間に使うのも一つの選択です。

まとめ

よくある質問

業務委託の副業でも10日・80時間に数えますか

厚生労働省のQ&Aでは、就業した日数・時間には在職中の事業所以外で就業した分も含まれるとされています。業務委託の場合の具体的な数え方は、契約の形や働き方によって判断が分かれる可能性があるため、勤務先の人事担当者やハローワークにご確認ください。

育休中に副業をしたら、本業の会社に知らせる必要がありますか

本業の会社の就業規則で副業の届出や許可が定められている場合は、育児休業中でも従う必要があります。また、育児休業給付金の手続きは会社を通じて行うことが多いため、就業した日数・時間を正確に伝える必要があります。事前に人事担当者に相談しておくと安心です。

産後パパ育休(出生時育児休業)中の副業はどうなりますか

出生時育児休業給付金にも、休業期間中の就業日数・時間の上限が定められています。厚生労働省のQ&Aでは、28日間の休業で最大10日(10日を超える場合は80時間)とされ、休業期間が短い場合はその日数に比例して短くなるとされています。詳しくは同じQ&Aをご確認ください。

出典

本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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